JPH05295667A - 芳香織編物及びその製造方法 - Google Patents

芳香織編物及びその製造方法

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JPH05295667A
JPH05295667A JP16306892A JP16306892A JPH05295667A JP H05295667 A JPH05295667 A JP H05295667A JP 16306892 A JP16306892 A JP 16306892A JP 16306892 A JP16306892 A JP 16306892A JP H05295667 A JPH05295667 A JP H05295667A
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woven
knitted fabric
microcapsules
fragrance
odor substance
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JP16306892A
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Hiroshi Ono
啓 小野
Toshiichi Nunoo
敏一 布生
Osamu Miyamoto
修 宮本
Shozo Makino
正三 牧野
Yoshihisa Yamato
善久 大和
Hiroshi Kametani
寛 亀谷
Susumu Tokura
進 戸倉
Hiromi Tanaka
広美 田中
Akira Ito
亮 伊藤
Hitomi Nakao
仁美 中尾
Shuji Tokuoka
修二 徳岡
Shunei Takeda
俊英 武田
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06NWALL, FLOOR, OR LIKE COVERING MATERIALS, e.g. LINOLEUM, OILCLOTH, ARTIFICIAL LEATHER, ROOFING FELT, CONSISTING OF A FIBROUS WEB COATED WITH A LAYER OF MACROMOLECULAR MATERIAL; FLEXIBLE SHEET MATERIAL NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06N3/00Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof
    • D06N3/0056Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof characterised by the compounding ingredients of the macro-molecular coating
    • D06N3/0059Organic ingredients with special effects, e.g. oil- or water-repellent, antimicrobial, flame-resistant, magnetic, bactericidal, odour-influencing agents; perfumes

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  • Textile Engineering (AREA)
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 持続性のある好ましい芳香を有し、風合,染
色堅牢度等の基本物性が損なわれていない芳香織編物を
提供する。 【構成】 単糸デニールが0.7デニールより大きい繊
維からなる織編物の表裏面及び繊維組織内部に、匂物質
を壁膜によって完全封入した匂物質封入マイクロカプセ
ルが、弾性樹脂バインダーにより分散固着され、上記匂
物質封入マイクロカプセルと弾性樹脂バインダーとの比
が2:1〜1:5の重量比であり、かつこれら両者の付
着量が付着部分の織編物重量の0.3〜7.0%を占め
るようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香織編物に関し、詳
しくは、織・編地に匂物質含有マイクロカプセルを付着
させて、耐久性ある芳香を付与した芳香織編物及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、芳香性を有する衣類等の織編
物については、様々な開発がなされ、市場にも多く出回
っている。ところが、これらの多くは単に最終製品に仕
上げの時点で香水などの香気物質をスプレーし、または
バインダーや糊剤と共に塗布する等、大気開放系で施与
するか、或いは包装時に包装袋の中に芳香紙を封入し、
または芯紙を芳香紙とし、その香りを織編物(衣類等に
仕立てられたものも含む)に移すというようなものであ
った。
【0003】しかしながら、上記のようにして得られた
衣類は、その芳香の耐久性に乏しいことは言うまでもな
く、たった1回の洗濯で完全に芳香が消失してしまい、
極めて商品価値の低いものであった。更に、着用中外気
に接触することにより、すぐに香料が蒸発してしまい、
着用後僅か数時間しか芳香を維持することのできないも
のさえもあった。また、包装袋の中で芳香紙の香りを衣
類に移すものにおいては、袋密封後の経過時間によって
与えられる芳香の強さが異なり、結果的にこれが快香と
ならず商品自体が欠陥品となってしまう場合があった。
【0004】そこで、このような問題の解決を狙って、
芳香物質をマイクロカプセルに封入した閉鎖系において
織編物に施し、織編物の使用時にそれに加えられる応力
によってマイクロカプセルを破壊して開放系に転換し発
香させる試みがなされてきた。
【0005】例えば匂物質を含有するマイクロカプセル
とメラミン樹脂含有糊剤を織物製品に付与する方法(B
P.1401143号)、香料を封入したマイクロカプ
セルを第四アンモニウム塩等の陽イオン性有機物質,ソ
ルビタンエステル等の非イオン性有機物質を主体とする
カプセル移動剤によって繊維に付着させる方法(特開昭
52−31200号)、香料を含むマイクロカプセルと
アクリル系樹脂との混合液を塗布し、香気性タオル織物
を得る方法(特開昭58−4886号)、糊料壁膜で被
覆された香料のマイクロカプセル及び熱可塑性物質と増
粘剤とからなる捺染ペーストを印捺することにより香気
を発する捺染物を得る方法(特開昭53−47440
号,特開昭53−49200号)、香料のマイクロカプ
セル,色素及び高分子樹脂等からなるバインダー層を被
転写物に加熱転写することにより芳香を発する香気捺染
物を得る方法(特開昭53−106885号)等が提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これら従来
の提案に示されるように、織編物にマイクロカプセルを
糊剤または樹脂バインダーと混合して繊維上に塗布した
り印捺して付与する方法は、乾燥或いは低温加熱だけで
は接着性が悪く洗濯耐久性が劣ることを免れない。ま
た、乾燥後に高温にて加熱固着を行なうと、接着性は向
上するが、高温による香料の変質や香料の気化によるマ
イクロカプセルの破壊が起こったり、樹脂バインダー量
が多い場合には繊維の風合が固くなるという欠点があ
る。特に、薄い織編物、例えばストッキング等の場合
は、その構成糸条が平滑表面を有するナイロンフィラメ
ントよりなるため、マイクロカプセルを充分に付着させ
ることが極めて困難である。そこで、付着量の増大のみ
を意図して多量のバインダーを適用すると、風合が粗剛
化して商品価値を失なわせることとなる。また、特開昭
53−106885号公報に開示されているように、熱
転写捺染法により付着せしめても充分に耐久性のある芳
香を付与することができないのみならず、香料は通常1
50℃以上で揮発変質してしまい、熱転写に耐えうる香
料は限定されるという問題点があった。
【0007】更に、これら先行技術の多くに見られる重
要な問題点は、糊剤またはバインダーに適用される物
質、特に窒素含有有機化合物の多くが固有の不快臭を有
するために香気を台無しにしてしまうことである。
【0008】そこで、本発明の目的は、持続性のある好
ましい芳香を有し、風合,染色堅牢度等の基本物性が損
なわれていない芳香織編物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、単糸デニールが0.7デニールより大き
い繊維からなる織編物の表裏面及び繊維組織内部に、匂
物質を壁膜によって完全封入した匂物質封入マイクロカ
プセルが、弾性樹脂バインダーにより分散固着され、上
記匂物質封入マイクロカプセルと弾性樹脂バインダーと
の比が2:1〜1:5の重量比であり、かつこれら両者
の付着量が付着部分の織編物重量の0.3〜7.0%を
占める芳香織編物を第1の要旨とし、単糸デニールが
0.7デニールより大きい繊維からなる織編物に、匂物
質を壁膜によって完全封入した匂物質封入マイクロカプ
セルとポリウレタン樹脂のエマルジョンとからなる処理
液を繊維組織内部まで浸透するよう含浸させた後、15
0℃未満の温度で乾燥して、上記匂物質封入マイクロカ
プセルを、上記織編物の少なくとも繊維組織内部に固着
するようにした芳香織編物の製造方法を第2の要旨とす
る。
【0010】
【作用】すなわち、本発明者らは、耐久性ある芳香を衣
類等の織編物に付与するために、一連の研究を行った結
果、マイクロカプセル,樹脂バインダー,処理温度等を
上記のように限定して設定すると、加工工程ではマイク
ロカプセルの破壊が生じず、織編物の使用時(着用時)
に初めてマイクロカプセルが破壊され香りが充分に発散
することを見いだした。また、本発明によれば、マイク
ロカプセルが、織編物表面に限らず、繊維組織内部まで
分散固着されているため、マイクロカプセルが脱落消失
しにくい。そして、衣料として適用した場合、着脱時に
は手指の触れやすい生地表面側のマイクロカプセルが主
として破壊されて強く香りが発散され、着用後は肌もし
くは下着と擦れる生地裏面(内側面)のマイクロカプセ
ルが徐々に破壊されてほのかな香りが持続的に発散され
るようになっている。しかも上記マイクロカプセルと弾
性樹脂バインダーが繊維重量に対し限定的な量で使用さ
れているため、繊維表面の風合を損なうことなくマイク
ロカプセル固着の耐久性を達成することができた。
【0011】つぎに、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明でいう織編物とは、単糸デニールが
0.7より大きい繊維からなる織編物であり、単糸デニ
ールが0.7以下の繊維からなる織編物は含まない。そ
して、上記織編物は、単なる織り生地,編み生地以外
に、これらの二次製品、例えば、コート,着物スーツ,
ユニフォーム,セーター,スカート,スラックス,カー
ディガン,スポーツウェア,ドレスシャツ,カジュアル
ウェア等の外衣、パジャマ,ショーツ,ランジェリー,
ファンデーション,ホージャリー等の下着類、ストッキ
ング,ソックス等の靴下類、布団側地,シーツ,布団カ
バー,毛布等の寝装品、手袋,ネクタイ,スカーフ,シ
ョール等の小物類、カーテン,カーペット,壁張り布,
椅子張り布,室内装飾品,自動車内装材等を包含する。
【0013】これらは、後述する撥水処理を行う場合に
は、目付が大きい程有利である。そして、その構成繊維
としては、天然繊維,再生繊維,合成繊維、或いはこれ
らの混紡,合糸,混織等による混合糸のいずれを使用し
てもよい。また、バインダー付着との関係からは、綿,
マクロボイドを有する多孔質繊維等の凹凸を有する繊維
や、バインダーと親和性のある繊維が有利である。
【0014】また、本発明において用いられる匂物質封
入マイクロカプセルは、匂物質を壁膜によって完全に封
入したものであり、適宜の摩擦や物理的な衝撃によって
壊れて芳香を発散するものでなければならない。ただ
し、その組成等は特に限定されず、マイクロカプセル化
法自体も公知である。
【0015】上記匂物質を封入する壁膜に用いられる壁
材は、匂物質の徐放及びマイクロカプセルの機械的強度
の点から、有機ポリマーであることが好ましく、例えば
ポリウレタン,尿素−ホルマリン樹脂,サイクロデキス
トリン等が挙げられる。なかでも尿素−ホルマリンまた
はメラミン−ホルマリン樹脂を用いたものが好ましく、
特に低ホルマリンマイクロカプセルが好ましい。
【0016】上記マイクロカプセルの大きさは、通常、
平均粒径1〜50μ、好ましくは5〜20μであって、
特に粒径分布の大部分が5〜20μの範囲に入るものが
好適である。そして、壁材が尿素−ホルマリン樹脂の場
合には、粒子径が2〜50μ、好ましくは5〜20μ、
壁厚が0.1〜20μ、好ましくは0.5〜4μ程度の
もの、また、壁材がメラミン−ホルマリン樹脂の場合
は、粒子径が5〜50μ好ましくは5〜20μ、壁厚が
0.2〜30μ好ましくは0.5〜6μ程度のものが好
適である。
【0017】そして、上記マイクロカプセルに封入され
る匂物質は、天然香料,合成香料及び香気を発生する化
合物の液状及び粉体の単品または混合物であり、天然香
料としては、動物性香料のムスク,シベット,カストリ
ウム,アンバーグリス等、植物性香料としては、レモン
油,バラ油,シトロネラ油,白檀油,ペパーミント油,
シンナモン油等があげられる。また、合成香料として
は、α−ピネン,リモネン,ゲラニオール,リナロー
ル,ラバンジュロール,ネロリドール等からなる調合香
料があげられる。
【0018】この匂物質は、マイクロカプセル全重量に
対して好ましくは5〜99重量%(以下「%」と略
す)、特に好ましくは50〜95%内包される。
【0019】一方、本発明に用いる弾性樹脂バインダー
としては、繊維内に浸透して弾性皮膜を形成しうるよう
なものであればどのようなものでも差支えはないが、例
えば低温反応性のブロック化イソシアネートプレポリマ
ーのエマルジョンを、脂肪酸の金属塩と共に用いること
ができる。上記低温反応性ブロック化イソシアネートプ
レポリマーは、重亜硫酸ソーダ,アセチルアセトン,ア
セト酢酸エチル,ジエチルマロネート等、イソシアネー
ト基に反応して一時的に安定な化合物を作り、後から熱
処理することにより熱解離し、イソシアネート基を再生
するブロック化イソシアネート基を分子中に少なくとも
1個以上含有する化合物であり、アクリルまたはメタク
リル化合物及びシリコン変性,フッ素変性等変性アクリ
ルまたはメタクリル化合物を重合して得られるプレポリ
マーがあげられる。一方、上記脂肪酸の金属塩は、ブロ
ック化イソシアネートの解離を促進する触媒であって、
オクチル酸亜鉛,オクチル酸ジルコニウム,ラウリン酸
亜鉛,ステアリン酸亜鉛等があげられる。
【0020】また、本発明の弾性樹脂バインダーとして
は、1個以上のビニル基を含有するモノマーを乳化重合
して得られるアクリルまたはメタクリル化合物のエマル
ジョンを用いることもできる。かかるエマルジョンは、
例えば、アクリル酸,メタクリル酸,メチルアクリレー
ト,メチルメタアクリレート,エチルアクリレート,エ
チルメタアクリレート,ブチルアクリレート,ブチルメ
タクリレート,アクリロニトリル,アクリルアミド,N
−メチロールアクリルアミド,2−ヒドロキシエチルア
クリレート,2−ヒドロキシブチルアクリレート等の乳
化重合物のエマルジョンである。
【0021】更にまた、ポリアルキレンエマルジョン,
多価アルコールと多塩基酸からなるポリエステル樹脂の
エマルジョン、または、ジイソシアネートとポリオール
からなるポリウレタンエマルジョンもバインダーとして
好適である。
【0022】このポリアルキレンとしては、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン等が、また多価アルコールとして
は、エチレングリコール,1,4-ブタンジオール,1,6-ヘ
キサンジオール,ジエチレングリコール,トリメチロー
ルプロパンが、多塩基酸としては、フタル酸,アジピン
酸,マレイン酸,トリメット酸,テレフタル酸等が挙げ
られる。更に、ジイソシアネートとしては、ヘキサメチ
レンジイソシアネート,キシレンジイソシアネート,ト
リレンジイソシアネート,4,4'−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート,1,5-ナフタレンジイソシアネート等が、
またポリオールとしては、ポリエチレンアジペート,ポ
リプロピレナジペート,ポリブチレンアジペート,ポリ
エチレンフタレート,ポリエチレングリコール,ポリプ
ロピレングリコール,ポリエチレンプロピレングリコー
ル等があげられ、これらよりなるポリウレタン樹脂のエ
マルジョンは、乾燥処理によって水不溶性の弾性樹脂皮
膜を形成する。
【0023】なお、上記弾性樹脂バインダーには圧力緩
衝剤を含有することが望ましい。上記圧力緩衝剤とは、
ポリアクリル酸またはアクリル酸とアクリレート共重合
物等のポリ有機カルボン酸を含むエマルジョンや、アン
モニア,ソーダ灰等のアルカリ性物質と塩を形成する化
合物や、ポリアクリル酸ソーダ塩,ポリアクリル酸アン
モニウム塩,ポリアクリル酸アミノ塩等の有機ポリカル
ボン酸の中和物またはアクリル酸とアクリレートとの共
重合物の中和物や、ポリエチレングリコール,ポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコールや、ポ
リエチレングリコール,ポリプロピレングリコール等の
ポリアルキレングリコールの末端をアルキル基Cn
2n+1〔式中nは1〜25の整数〕で置換した化合物や、
ポリビニルピロリドン等から選択される化合物である。
【0024】本発明の芳香織編物は、前記匂物質を含有
したマイクロカプセルを、上記エマルジョンと、好まし
くは上記圧力緩衝剤を添加した水性処理液に配合して織
編物に付与することによって得られる。なお、処理液は
pH5〜10、好ましくはpH6〜9となるようソーダ
灰,重曹,アンモニア等で調整することが好ましい。
【0025】そして、処理液の付与は、パッディング
法,スプレー法,浸漬脱液法等によって、繊維組織内部
まで処理液が浸透するよう含浸させなければならない。
【0026】上記処理液における上記弾性樹脂バインダ
ーの配合量は、0.1〜20%、好ましくは0.5〜
5.0%に設定することが好適である。
【0027】また、上記処理液における前記匂物質封入
マイクロカプセルの配合量は、1〜10%、好ましくは
0.2〜5.0%に設定することが好適である。
【0028】さらに、上記処理液に圧力緩衝剤を添加す
る場合には、その量を5%前後に設定することが好適で
ある。
【0029】上記処理液の織編物に対する付与量は、ピ
ックアップ率が10〜200%、好ましくは40〜15
0%になるよう設定することが望ましい。
【0030】なお、弾性樹脂バインダーとして前記ブロ
ック化イソシアネートプレポリマーエマルジョンを用い
る場合には、脂肪酸の金属塩を、ブロック化イソシアネ
ートに対して0.5〜30%、好ましくは5〜15%併
用することが望ましい。
【0031】また、上記弾性樹脂バインダーは、匂物質
封入マイクロカプセルに対し0.5〜5倍(重量比)付
与されることが必要で、なかでも1〜3倍付与されるこ
とが好適である。この範囲内で、匂物質封入マイクロカ
プセルを充分な強度で繊維に固着させることができる。
すなわち、弾性樹脂バインダー量が0.5倍よりも少な
いとマイクロカプセルに対するコーティング作用が劣
る。これに対し弾性樹脂バインダーを5倍よりも多くし
てもマイクロカプセルの付着率はほとんど変わらず、逆
に織編物や衣類の柔軟な風合において、或いは樹脂の種
類によって異臭の問題が引き起こされ好ましくない。
【0032】そして、これら両者の付着量は、付着部分
の織編物重量の0.3〜7.0%に設定することが必要
で、なかでも0.5〜5.0%が好ましい。すなわち、
匂物質封入マイクロカプセルは、弾性樹脂バインダーを
上記割合で与えられることにより織編物に充分に付着す
るものであるから、これら両者の付着量が0.3%より
も少ないと芳香の強さ,耐久性が共に不充分となり、一
方7.0%よりも多くなると、織編物としての風合が悪
くなり、また一時に発散する香りがきつくなりすぎると
いう問題も生じ、いずれも不適である。つまり、好まし
い香りの発散効果と共に好適な風合及び柔軟性を有し、
かつその芳香が適宜の耐久性を有すると共に異臭に干渉
されることがないという全ての要件を満たすものは、上
記の付着量である。
【0033】なお、上記弾性樹脂バインダーの付与は、
後工程を行なわない衣類等の最終製品に行なうことが好
ましく、弾性樹脂バインダーからなる処理液槽に浸漬
し、風合を損なわない方法で脱水・乾燥することが最適
である。
【0034】上記織編物にエマルジョンを付与した後
は、150℃未満の温度で乾燥を行ない匂物質封入マイ
クロカプセルを繊維表面に固着させる。乾燥温度が15
0℃を越えると高温による香料の変質や香料の気化によ
るマイクロカプセルの破壊が生じ、また繊維の風合いも
悪くなり不適である。なお、乾燥処理の温度は60〜1
40℃、好ましくは80〜130℃に設定することが望
ましい。また、乾燥時間は10秒〜30分、好ましくは
30秒〜10分に設定することが望ましい。そして、乾
燥後さらに、温度80〜140℃、好ましくは100〜
130℃にて10秒〜10分、好ましくは30秒〜5分
熱処理するようにしてもよい。
【0035】なお、上記処理液による処理の前後、ある
いは処理と同時に、必要に応じて柔軟剤,風合調整剤,
染料フィックス剤,反応型樹脂,縮合型樹脂,触媒,仕
上げ剤等を併用しても、本発明の効果に対しては特に問
題はなく、さらに顔料を10%以下併用しても同じく問
題はない。
【0036】上記処理によって、織編物に対し、耐久性
に優れた匂物質封入マイクロカプセルの固着を、風合を
損うことなく行うことができる。ただ無色に近い処理液
を用いた場合等、処理液付与部分の色相変化を抑制する
ためには、前記処理に先立って撥水処理を施すことが望
ましい。この撥水処理により、匂物質封入マイクロカプ
セルと弾性樹脂バインダーが織編物へ浸透するのが押え
られる結果、織編物の風合の硬化が少なくしかも強力の
低下が抑制されるという利点を有する。
【0037】上記撥水処理に用いる撥水剤としては、織
編物に任意の撥水性を付与し得る化合物であればどのよ
うなものでもよく、ワックス系の天然ワックス及びその
誘導体のカルナバワックス,カンデリラワックス等、合
成ワックスの高級脂肪酸と高級アルコールからなる固型
エステル等のエマルジョン、シリコン系のジメチルポリ
シロキサン及びその誘導体のエマルジョン、ポリオレフ
ィン系のポリエチレン,ポリプロピレン等のエマルジョ
ン、カチオン系の第四級アミン化合物等のエマルジョ
ン、合成樹脂系のポリアミド,ポリアクリル等単独また
は共重合物のエマルジョン等があげられる。これらは単
独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0038】なお、上記撥水処理は、例えば撥水剤を
0.1〜10%、好ましくは0.5〜5.0%含む水溶
液またはエマルジョンを、ピックアップ率10〜120
%、好ましくは40〜80%でパッド後、温度80〜1
90℃、好ましくは120〜170℃にて乾燥して行
う。
【0039】このようにして得られた織編物は、匂物質
封入マイクロカプセルが、織編物の表面のみならず繊維
組織内部まで入り込んで分散固着されており、マイクロ
カプセルが容易に脱落することがない。しかも弾性樹脂
バインダーが繊維間を完全に埋めることなく適度な割合
で付与されているため、繊維の風合いを損なうことがな
い。そして、繊維にかかる荷重によって繊維間がずれて
もこれをバインダーの弾性力によって元に戻ろうとする
収縮力が働くため、繊維同士が大きくずれてマイクロカ
プセルが脱落することがない。したがって、この織編物
からなる衣料等を着用すると、繊維に対する物理的な摩
擦力や屈曲歪み等によってマイクロカプセルの壁膜が破
れるにしたがって、徐々に内部の匂物質が露呈して香り
を発散するようになる。しかも、このマイクロカプセル
の破壊は、着脱時には手指の触れやすい生地表面側で主
として生じて強く香りが発散され、着用後は肌もしくは
下着と擦れる生地裏面(内側面)で徐々に生じてほのか
な香りが持続的に発散されるようになっており、香りの
発散が効果的に行われる。そして、上記マイクロカプセ
ルは、繰り返し洗濯によっても脱落しにくく繊維内に残
留するため、長期にわたって香り発散効果を維持するこ
とができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の芳香織編物は、
繊維組織内部に匂物質封入マイクロカプセルを、弾性樹
脂バインダーによって所定割合で固着してものあり、次
のような効果を奏する。
【0041】まず、織編物、例えば衣類に匂物質封入マ
イクロカプセルを付着させているため、着用中或いは意
図的な摩擦により少しずつカプセルの壁膜が破れて好適
な香りを発散する。したがって、この香りは一気に発散
されて消失してしまうものではなく、充分な持続性を有
するものである。しかも、マイクロカプセルの破壊が、
着脱時には手指の触れやすい生地表面側で主として生じ
て強く香りが発散され、着用後は肌もしくは下着と擦れ
る生地裏面(内側面)で徐々に生じてほのかな香りが持
続的に発散されるようになっているため、香りの発散が
効果的に行われる。
【0042】また、匂物質封入マイクロカプセルに対し
て適宜の割合で弾性樹脂バインダーを与えることによ
り、繊維間を適度に弾力的に連結しながら接着力及び付
着性を著しく向上させて目的とするマイクロカプセルの
強固な固着及び良好な香りの耐久性を獲得している。し
かも、バインダーの弾力性によって繊維同士がずれにく
いため、繊維間に入り込んで固定されたマイクロカプセ
ルが、一層脱落しにくくなっている。特にウレタン樹脂
バインダーを使用すると、弾性力に優れるため、その効
果が高い。
【0043】さらに、その製造方法は、煩雑な加工工程
を必要とせず、匂物質封入マイクロカプセルと弾性樹脂
バインダーとを適宜の割合で混合した処理剤を付与し、
加熱処理を行なうことにより、織編物に本来の風合を損
うことなく耐久性のある香気を付与することができるも
のである。
【0044】即ち、マイクロカプセル,バインダー,処
理温度等を本発明のように選択することにより、加工工
程ではマイクロカプセルの破壊が少なく、織編物の使用
時(着用時)に始めてマイクロカプセルが破壊され香り
が充分に発散するものとなる。
【0045】また、マイクロカプセルの織編物への接着
性も良好であるが、このために風合を損うこともなく、
特に香気処理に先立って撥水処理を行なえば更に風合,
色相,強力等の低下が抑制できる。
【0046】以下、本発明を実施例にもとづき詳細に説
明する。
【0047】
【実施例1】下記に示すような10種類の染色された織
編物を定法に従って撥水処理した(撥水柔軟剤:メチル
ハイドロジエンポリシロキサンを主成分とする)。また
尿素系樹脂の香料入りマイクロカプセル10g/l(ジ
ャスミン香気、平均粒径8μm、膜厚1μm)をウレタ
ン水性エマルジョン10g/l(または20g/l)に
混合した。ついで、前記マイクロカプセルを含むエマル
ジョンを織編物等に浸漬またはパッディングした後遠心
脱水し、乾燥及び120〜130℃1分の湿熱処理をし
た。このようにして香料入りマイクロカプセルが付着さ
れた織編物を定法にしたがって乾燥、仕上セット工程へ
と送り芳香織編物或いは芳香衣類にした。
【0048】 綿Ne18/4の色糸で編立てたセー
ター 綿50%吸水多孔質アクリル50%のNe18/4
の色糸で編立てたカーディガン ポリエステル65%レイヨン35%のNe40(1
22×79/インチ)の綾織 ポリエステル50%綿50%のNe45(120×
76/インチ)のドビー織 通常紡糸のU断面フィラメントと高速紡糸の丸断面
フィラメントの混織仮撚撚糸75d/36fを用いた表
梨地ジョーゼット裏サテンの黒染め織物(220×87
/インチ) 絹羽二重14匁(60.2g/m2) 羊毛48番双糸を用いた平織物 絹デシン地12匁(51.6g/m2)
【0049】次に上記織編物及びからドレスシャ
ツ、からフォーマルウェア、及びからネクタイ、
からスカーフを仕立てた後、ドライクリーニング耐久
性と風合を試験した。
【0050】なお、耐ドライクリーニング性の試験は、
JISL0217 401法に準じて行ない、芳香の消
失するまでの回数で表した。また、芳香の評価は、10
人で夫々5段階評価(最適な芳香を発散しているものを
0点とし、その上下で強過ぎるものを+1,+2、弱過
ぎるものを−1,−2とする)を行ない、その平均点を
評価点とした。また、風合については、同じく10人が
良好,やや劣る,劣ると感じたものをそれぞれ0,−
1,−2としてその平均点を評価点とした。
【0051】その結果を下記の表1及び表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】この結果をみれば、本発明に係る芳香衣類
が当初の目的を達成していること、即ち、耐久性の有る
良い香りと良好な風合を有するものとなっていることが
わかる。
【0055】
【実施例2】下記の2種類のストッキングを編立てて染
色,フィックス処理終了後、実施例1と同様の方法で処
理を行なった。
【0056】試験品:パンティストッキング レッグ部:15d/3fケンネル糸 パンティ・トウ部:30d/8fウーリー糸 パンティストッキング(サポートタイプ) レッグ部:(20×13×13DCY)×13d/3f
生糸 パンティ部:(20×30POY)×30d/8fウー
リー糸 トウ部:13d/3f生糸×30d/8fウーリー糸×
70d/18fウーリー糸
【0057】コーティング:シリコン水性コーティング
剤 信越シリコンKM−2002T 〔信越化学社製〕
【0058】柔軟剤:耐久性吸水柔軟剤 サンソフナー タフA 2% owf 〔三洋化成工業社製〕
【0059】緩衝剤:ウルトラMT〔御幣島化学工業社
製〕
【0060】なお、耐洗濯性の試験は、JIS L02
17103法に準じて行ない、芳香の消失するまでの回
数で表した。また、芳香の評価は、10人で夫々5段階
評価(最適な芳香を発散しているものを0点とし、その
上下で強過ぎるものを+1,+2、弱過ぎるものを−
1,−2とする)を行ない、その平均点を評価点とし
た。また、風合については、同じく10人が特に劣ると
感じたもののみをチェックし、チェック数で表した。
【0061】その結果を下記の表3及び表4に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】この結果をみれば、本発明に係る芳香スト
ッキングが当初の目的を達成していること、すなわち耐
久性のある良い香りと良好な風合を有するものとなって
いることがわかる。
【0065】ここで、以下にあげる実施例中の数値の基
本となる試験方法は次の通りである。
【0066】(1)引裂強力 JIS L−1096
D法 (2)洗 濯 JIS L−0217 103法 (3)ドライクリーニング JIS L−0217
401法 (4)香 り 試験者10人を対象とし下記に示す
基準で点数評価した平均値にて示す。 5:最適な香り 2:少し有り 4:少し少ない 1:ほとんど無し 3:半分程度 0:無し (5)変 色 K/S濃度 K/S=(1−R)2 /2R (R:分光光度計の最大吸収波長) ○:K/S濃度の変化 3%以下 △: 〃 3〜10% ×: 〃 10%以上
【0067】
【実施例3】通常公知の方法にて精練,晒,シルケッ
ト,プリントを行なった経60番手,糸密度90本/イ
ンチ、緯60番手,糸密度88本/インチ、目付70g
/m2の綿平織物を得た。
【0068】この平織物に、ビクロン29(一方社油脂
工業社製、カチオン系柔軟剤)3%とライトシリコーン
R−167(共栄社油脂工業社製、シリコン系柔軟剤)
1%とを含む水性処理液を、ピックアップ率70%にて
パッド後、130℃で1分間乾燥を行なった。その後、
フレグランスBA−7985(高砂香料工業社製、ジャ
スミン系合成香料)91%を含む粒子径5〜15μ(平
均10μ)の尿素−ホルマリン樹脂を壁材とするマイク
ロカプセル46%を含む水分散液を1%、及びポリウレ
タンエマルジョンのスーパフレックスE−2000(第
一工業製薬社製)3%からなる水性処理液をピックアッ
プ率70%にてパッド後、120℃にて2分間乾燥を行
なった。
【0069】得られた綿平織物の物性及び香りの耐久性
を後記の表5に示す。
【0070】
【実施例4】実施例3で使用したものと同一の綿平織物
を使用し、フレグランスBA−7985(高砂香料工業
社製、ジャスミン系香料)91%を含む粒子径5〜15
μ(平均10μ)の尿素−ホルマリン樹脂を壁材とする
マイクロカプセル46%を含む水分散液を1%、及びボ
ンコートR3020(大日本インキ社製、アクリルエマ
ルジョン)3%からなる水性処理液をピックアップ率7
0%にてパッド後、120℃にて2分間乾燥を行なっ
た。
【0071】得られた綿平織物の物性及び香りの耐久性
を後記の表5に示す。
【0072】
【比較例1】実施例3で得られた試料を用い、乾燥後、
引き続き150℃にて3分間加熱固着を行なった。
【0073】得られた綿平織物の物性及び香りの耐久性
を下記の表5に示す。
【0074】
【表5】
【0075】
【実施例5】通常公知の方法で精練,晒,染色を行なっ
た綿/アクリルの混紡比率50/50:36番手の糸を
使用し、編立て及び縫製を行なったセーター,カーディ
ガン,スカートを得た。
【0076】このセーターを、シリコランES−10
(一方社油脂工業社製、シリコン系柔軟剤)1%及びヨ
ドゾールPE400(カネボウNSC社製、ポリエチレ
ンエマルジョン)2%からなる水性処理液に30秒間浸
漬した後、ピックアップ率95%に遠心脱水し、80℃
で20分間乾燥を行なった。その後、レモンライム系香
料(高砂香料工業社製、合成調合香料)90%を含む粒
子径12〜18μ(平均15μ)のメラミン−ホルマリ
ン樹脂を壁材とするマイクロカプセル52%含む水分散
液を0.7%及びポリウレタンエマルジョンのスーパフ
レックスE−2000(第一工業製薬社製)2%からな
る水性処理液に1分間浸漬した後、ピックアップ率80
%に遠心脱水機にて脱水し、型をととのえて、オーブン
乾燥機にて95℃で10分間乾燥を行なった。得られた
セーター,カーディガン及びスカートの香りの耐久性を
下記の表6に示す。
【0077】
【表6】
【0078】
【実施例6】通常公知の方法にて精錬,晒,プリントを
行った経絹紡140番手双糸使い糸密度114本/イン
チ、緯絹紡66番手単糸使い糸密度89本/インチ、目
付62g/m2 の富士絹平織物を得た。この富士絹平織
物に、ムスクタイプ香料(高砂香料工業社製、合成香
料)88%を含む粒子径8〜18μ(平均12μ)のメ
ラミンホルマリン樹脂を壁材とするマイクロカプセル5
2%を含む水分散液を1.5%、及びポリウレタンエマ
ルジョンのスーパフレックスE−2000(第一工業製
薬社製)3%、及び分子量2万2千のポリエチレングリ
コールの末端基がC1735のアルキル基置換物5%から
なる緩衝剤を10%、の各成分からなる水性処理液をピ
ックアップ率80%にてパッド後、120℃にて2分間
乾燥を行なった。
【0079】得られた富士絹の物性及び香りの耐久性を
後記の表7に示す。
【0080】
【比較例2】実施例6で使用したものと同一の富士絹を
使用し、ムスクタイプ香料(高砂香料工業社製、合成香
料)88%を含む粒子径8〜18μ(平均12μ)のメ
ラミンホルマリン樹脂を壁材とするマイクロカプセル5
2%を含む水分散液を1.5%、及びボンコートR−1
36(大日本インキ社製、アクリルバインダー)3%か
らなる水性処理液をピックアップ率80%にてパッド
後、120℃にて2分間乾燥を行なった。
【0081】得られた富士絹の物性および香りの耐久性
を後記の表7に示す。
【0082】
【比較例3】比較例2で得られた試料を用い、更に引き
続き150℃にて3分間熱処理を行なった。
【0083】得られた富士絹の物性及び香りの耐久性を
下記の表7に示す。
【0084】
【表7】
【0085】
【実施例7】通常公知の方法にて精練,晒,シルケッ
ト,染色を行なった経絹紡140番手双糸使い,糸密度
114本/インチ、緯絹紡66番手単糸使い,糸密度8
9本/インチ、目付62g/m2 の富士絹平織物を得
た。
【0086】この富士絹平織物をフレグランスBA79
85(高砂香料工業社製、ジャスミン系合成香料)91
%を含む粒子径5〜15μ(平均10μ)からなる尿素
−ホルマリン樹脂を壁材とするマイクロカプセル46%
を含む水分散液を1%、及びエラストロンM−1039
B(第一工業製薬社製、フッ素変性アクリルのブロック
化イソシアネートエマルジョン)5%及びエラストロン
キャタリスト32(第一工業製薬社製、脂肪酸金属塩触
媒)0.5%、及び分子量2万2千のポリエチレングリ
コールの末端基がC1735のアルキル基置換物5%から
なる緩衝剤5%の各成分からなる水性処理液を、重曹に
てpH9に調整し、ピックアップ率60%にてパッド後
120℃にて2分間乾燥を行ない、130℃で2分間熱
処理を行なった。
【0087】得られた富士絹の物性及び香りの耐久性を
後記の表8に示す。
【0088】
【比較例4】上記実施例7で使用したものと同一の富士
絹平織物を使用し、フレグランスBA−7985(高砂
香料工業社製、ジャスミン系合成香料)91%を含む粒
子径5〜15μ(平均10μ)からなる尿素−ホルマリ
ン樹脂を壁材とするマイクロカプセル46%を含む水分
散液を1%、及びボンコートR−510(大日本インキ
社製、アクリルバインダー)5%、分子量2万2千のポ
リエチレングリコールの末端基がC1735のアルキル基
置換物5%からなる緩衝剤を5%からなる水性処理液を
ピックアップ率70%にてパッド後120℃にて2分間
乾燥を行ない、130℃で2分間熱処理を行なった。
【0089】得られた富士絹の物性及び香りの耐久性を
下記の表8に示す。
【0090】
【表8】
【0091】
【実施例8】前記実施例6で使用したものと同一の富士
絹平織物を、白檀油(高砂香料工業社製、合成香料)8
9%を含む粒子径4〜14μ(平均9.5μ)からなる
尿素−ホルマリン樹脂を壁材とするマイクロカプセルを
48%を含む水分散液を2%、及びスーパフレックスE
−2000(第一工業製薬社製、ポリウレタンエマルジ
ョン)5%、及び分子量2万2千のポリエチレングリコ
ールの末端基がC17 35のアルキル基置換物5%からな
る緩衝剤を8%、の各成分からなる水性処理液をピック
アップ率70%にてパッドし、120℃にて2分間乾燥
を行った後、130℃で1分間熱処理を行った。
【0092】得られた富士絹の物性及び香りの耐久性を
後記の表9に示す。
【0093】
【比較例5】上記実施例8と同一の富士絹平織物を使用
し、白檀油(高砂香料工業社製、合成香料)89%を含
む尿素−ホルマリン樹脂を壁材とするマイクロカプセル
を48%を含む水分散液を2%及びスーパフレックスE
−2000(第一工業製薬社製、ポリウレタンエマルジ
ョン)5%からなる水性処理液をピックアップ率70%
にてパッド後、120℃にて2分間乾燥を行なったの
ち、130℃で1分間熱処理を行った。
【0094】得られた富士絹の物性及び香りの耐久性を
下記の表9に示す。
【0095】
【表9】
【0096】
【実施例9】前記実施例8に用いた富士絹平織物を使用
し、白檀油(高砂香料工業社製、合成香料)89%を含
む粒子径4〜14μ(平均9.5μ)からなる尿素−ホ
ルマリン樹脂を壁材とするマイクロカプセル48%を含
む水分散液を2%、及びファインデックスES675
(大日本インキ社製、ポリエステルエマルジョン)5
%、及び分子量2万2千のポリエチレングリコールの末
端基がC1735のアルキル基置換物5%からなる緩衝剤
を8%、の各成分からなる水性処理液をピックアップ率
70%にてパッド後120℃にて2分間乾燥を行ない、
130℃で1分間熱処理を行なった。
【0097】得られた富士絹の物性及び香りの耐久性を
下記の表10に示す。
【0098】
【表10】
【0099】
【実施例10】下記5種類の染色された布帛に実施例1
と同様に撥水処理及び芳香マイクロカプセル付着処理を
施した後、定法に従って乾燥,仕上セットして芳香布帛
にした。
【0100】 バックに75d/36fのポリエステ
ル糸丸断面、フロントに75d/36fの丸断面,三角
断面とカチオン可染の3種のポリエステル糸を使用した
28ゲージ2バーのファンシー組織編物 バックに75d/36fの丸断面ポリエステル糸、
フロントに75d/36fの丸断面,三角断面とカチオ
ン可染の3種のポリエステル糸を使用したフレンチバッ
ク起毛織物 バックとミドルに75d/36fの丸断面ポリエス
テル糸、フロントに丸断面とカチオン可染の2種のポリ
エステル糸を使用したベロア織物 バックとミドルに50d/24fの丸断面PBT加
工糸と丸断面ポリエステル糸50d/24fの2種、フ
ロントに75d/36fの丸断面ポリエステル糸を使用
したストレッチ性に富んだ綾織物 丸断面ポリエステル糸75d/36fと挿入糸がポ
リエステル/綿混紡糸の60番3本合撚糸とのラッシェ
ル編レース
【0101】そして、上記織編物,及びからカー
シート、からサイド材、及びからシートカバーを
仕立てた後、洗濯耐久性と風合を試験した。
【0102】尚、耐洗濯性の試験は、JIS L021
7 103法に準じて行い、芳香の消失するまでの回数
で表した。その結果を表11および表12に示す。
【0103】
【表11】
【0104】
【表12】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/647 (72)発明者 大和 善久 埼玉県志木市柏町4−3−59 (72)発明者 亀谷 寛 鳥取県倉吉市不入岡755−2 (72)発明者 戸倉 進 大阪府大阪市城東区鴫野西5−12−6 (72)発明者 田中 広美 滋賀県彦根市外町42−6 (72)発明者 伊藤 亮 滋賀県長浜市鐘紡町1−39 (72)発明者 中尾 仁美 滋賀県長浜市鳥羽上町165 (72)発明者 徳岡 修二 大阪府高槻市川西町1−31−13 (72)発明者 武田 俊英 滋賀県彦根市大薮町25−23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸デニールが0.7デニールより大き
    い繊維からなる織編物の表裏面及び繊維組織内部に、匂
    物質を壁膜によって完全封入した匂物質封入マイクロカ
    プセルが、弾性樹脂バインダーにより分散固着され、上
    記匂物質封入マイクロカプセルと弾性樹脂バインダーと
    の比が2:1〜1:5の重量比であり、かつこれら両者
    の付着量が付着部分の織編物重量の0.3〜7.0%を
    占めることを特徴とする芳香織編物。
  2. 【請求項2】 匂物質封入マイクロカプセルの壁膜が、
    尿素−ホルマリン樹脂及びメラミン−ホルマリン樹脂よ
    り選ばれた少なくとも一つのホルマリン系樹脂によって
    形成されている請求項1記載の芳香織編物。
  3. 【請求項3】 弾性樹脂バインダーがポリウレタン樹脂
    である請求項1記載の芳香織編物。
  4. 【請求項4】 単糸デニールが0.7デニールより大き
    い繊維からなる織編物に、匂物質を壁膜によって完全封
    入した匂物質封入マイクロカプセルとポリウレタン樹脂
    のエマルジョンとからなる処理液を繊維組織内部まで浸
    透するよう含浸させた後、150℃未満の温度で乾燥し
    て、上記匂物質封入マイクロカプセルを、上記織編物の
    表裏面及び繊維組織内部に分散固着させるようにしたこ
    とを特徴とする芳香織編物の製造方法。
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