JPH04258251A - 二重乳化スプレッドとその製造法 - Google Patents

二重乳化スプレッドとその製造法

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JPH04258251A
JPH04258251A JP3015567A JP1556791A JPH04258251A JP H04258251 A JPH04258251 A JP H04258251A JP 3015567 A JP3015567 A JP 3015567A JP 1556791 A JP1556791 A JP 1556791A JP H04258251 A JPH04258251 A JP H04258251A
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小此木 成夫
Renzo Kumazawa
熊澤 練三
Kazuyoshi Toyama
一吉 外山
Makoto Kato
良 加藤
Yuzo Asano
祐三 浅野
Kiyotaka Takahashi
清孝 高橋
Masahisa Fujimoto
雅久 藤本
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/40Mixing liquids with liquids; Emulsifying
    • B01F23/41Emulsifying
    • B01F23/414Emulsifying characterised by the internal structure of the emulsion
    • B01F23/4144Multiple emulsions, in particular double emulsions, e.g. water in oil in water; Three-phase emulsions

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、、二重乳化スプレッ
ドとその製造法に関するものである。さらに詳しくは、
この発明は、可塑性油脂、水および乳化剤を主要な成分
とし、特別な油脂の成分および乳化剤を必要としない油
中水中油型(以下、O1/W/O2と略記する)エマル
ションからなり、低い脂肪含量であっても安定な二重乳
化スプレッドとその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二重乳化スプレッドは、風味(特にトッ
プフレーバーおよび後味の発現が早い等)において優れ
、O1/W/O2型の乳化状況を呈している。しかしな
がら、二重乳化は通常乳化方法では乳化が難しい上に、
特に低脂肪のスプレッドでは水分含量が多いため安定な
O1/W/O2型乳化物を得ることは極めて困難であり
、しばしば乳化状況が不安定となる。このため、保存中
に水相を分離したり、製造中および輸送中に転相を生じ
たり、2つの油相(O1およびO2)が合一することも
あり、著しく商品価値を損なうという不都合がある。
【0003】このため、従来より、高水分含量のO1/
W/O2型乳化物を安定に保つための手段として種々の
技術開発がなされている。これらの技術はその大部分が
O1/W/O2型乳化物の組成に関する改良であり、乳
化方法に関する技術開発はほとんどなされていない。す
なわち、その大部分の乳化は常法(例えば、ホモミキサ
ー等による攪拌法、超音波法等)により行われており、
高水分含量のO1/W/O2型乳化物の安定化と乳化方
法とを関連させた技術開発は、従来行われていなかった
【0004】O1/W/O2型乳化物の組成に関する改
良としては、例えば、油相成分としてモノグリセリド、
レシチン等の特定量を含有させる方法や、安定剤(また
はゲル化剤)として蛋白質、高分子多糖類の特定量を含
有させる方法、あるいは特定の乳化剤を特定量添加する
方法等が知られている。また、油相成分を改良する方法
としては、例えばレシチンを油相に使用する方法がある
(特公昭55−15804号、特開昭58−15244
5号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来方法のうち、たとえば、レシチンを油相に使用する
方法の場合には、その優れた乳化力を利用するものであ
るが、風味の点で劣るために後味を損なうという欠点が
あり、しかも製品の成分が限定される等の不都合がある
。また、水相に蛋白質や高分子多糖類等を添加して安定
化させる方法の場合には、カビまたは細菌の発生を招き
やすいこと、食感に対する影響が大きいこと等の問題が
あった。
【0006】さらに、特定の乳化剤を特定量加える方法
の場合にも、乳化物の十分な安定性を得ることが困難で
ある。特定の乳化剤、またはそれを特定の配合割合で使
用することによって、乳化安定性の向上と後味の改善に
成功した技術(特公昭54−15682、特公昭55−
33294、特開昭61−74540号等)も提案され
ているが、このように乳化剤の種類、組成を限定した場
合には、製品の物性、食感、風味も自ずから限定されて
しまうという欠点があった。
【0007】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来の二重乳化スプレッドおよびそ
の製造法の欠点を解消し、改良された乳化方法を用いて
O1/W/O2型乳化物の安定化を図ることにより、油
脂、乳化剤の成分および種類が限定されず、安定剤およ
びゲル化剤を必須成分とせず、かつリーキー、転相等を
生じない安定な二重乳化スプレッドおよびその製造法を
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、水中油型エマルションを、微細
孔径を有する多孔膜を通して油相に圧入し、最内相油脂
、中間水相、および最外相油脂よりなる油中水中油型エ
マルションを調整し、これを急冷可塑化し、混練するこ
とを特徴とする二重乳化スプレッドの製造法と、これに
より得られる二重乳化スプレッドを提供する。
【0009】またこの発明は、最終製品に対する全油相
(最内相油脂および最外相油脂の総量)の割合が25%
(重量)以上であり、中間水相中の安定剤およびゲル化
剤濃度が15%(重量)以下とすることを好ましい態様
としてもいる。すなわち、この発明の発明者等は、二重
乳化スプレッド製造において、急冷可塑化および混練工
程に特に安定な乳化物を選択することが、安定な低脂肪
スプレッドを製造するための必須条件であることから、
各種の乳化方法と乳化固形物の安定性との関係に注目し
、乳化方法を改良すること、詳しくは、低脂肪としても
安定な二重乳化スプレッド製造に最適な乳化方法は膜乳
化法を改良して応用することにより得られることを見出
し、この発明を完成した。
【0010】以下、この発明の構成について詳しく説明
する。この発明の油脂組成物における油相(O1および
O2)を構成する油脂としては、油脂が食用であるとい
うこと以外はその成分、種類に限定されず、たとえば菜
種油、大豆油、パーム油、パーム核油、コーン油、サフ
ラワー油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油、乳脂肪、魚油
、牛脂、豚脂等の広範囲な種類の動植物油脂、およびこ
れらに水素添加、エステル交換、分別等の処理を施した
加工油脂等であり、これらを単独あるいは2種以上組合
わせて使用することができる。また、O1およびO2に
はそれぞれ異なった種類の油脂を使用することもできる
【0011】この発明の油脂組成物における油相の比率
は最終製品(二重乳化スプレッド)の全組成物の25%
以上(このうち、最外相油脂の比率は好ましくは20%
以上)の割合であり、とくに25〜75%の割合が望ま
しい。一方、油脂組成物の水相(W)は、何も加えない
水そのもの、または水に澱粉、加工澱粉、蛋白質、糖類
、微生物由来多糖類、呈味剤、食塩、乳製品等を溶解、
分散したものを適宜使用することができる。特に、安定
剤およびゲル化剤の合計の添加濃度は水相に対して15
%以下の割合が望ましい。
【0012】この発明の油脂組成物を構成する乳化剤は
、それが食用であるということ以外はその種類は特に限
定されず、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、グリセリン脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂
肪酸エステルを含む)、ポリグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステル、ポリグリセリン縮合12−ヒドロキシス
テアリン酸エステル等を例示することができ、これらを
単独または2種以上混合し、油脂組成物に対して0.0
1〜5.0 %の割合で添加し、使用することができる
【0013】この発明の方法に使用する微細孔径を有す
る多孔膜は、公知のものであり、例えば、アルミナセラ
ミックス膜体、ガラス質ミクロ多孔膜(特許第1,51
8,989号の実施例1に記載されている方法により製
造される)、または市販のMPG(MICROPORO
US GLASSの略。 商標。伊勢化学工業社製)膜等である。これらの膜は、
任意の孔径で製造可能であり、目的とするエマルション
により適宜の孔径の膜を使用できる。また、この発明に
おいては、必ずしも孔径が均一である必要はない。
【0014】この発明の方法に使用する急冷可塑化およ
び混練装置は、特に限定されず、公知の急冷可塑化混練
装置(例えば、ボテーター、パーフェクター、コンビネ
ーター等)のいずれであってもよい。次に、添付した図
面の図1に例示した工程概略図に沿って、この発明の方
法による二重乳化スプレッドの製造について具体的に説
明する。循環槽(1)には、所定量の油相(O2)が貯
蔵されており、この油相はポンプ(2)によりパイプラ
イン(3)を経由して微細孔径を有する多孔膜(4)を
装着した多孔膜モジュール(5)の中心部に移送され、
ここで、後述するように多孔膜(4)を通過した微細な
水中油(O1/W)型エマルション粒子が圧入された後
、パイプライン(6)を経由して再び循環槽(1)に戻
る。油相(O2)の多孔膜モジュール(5)内における
循環流速は0.4〜5m/秒であり、通常0.8〜2m
/秒の範囲内で適宜とすることができる。
【0015】一方、圧力容器(7)には従来法(たとえ
ば、ホモジナイザーや多孔膜を用いた方法等)により調
整した所定量の水中油(O1/W)型エマルション(こ
れらのエマルションの水相に対する油相の比率は50%
以下である)が貯蔵されており、このO1/W型エマル
ションは、バルブ(8)で調節されてパイプライン(9
)を経由して導入された不活性ガスまたは圧力ポンプ等
で所定の圧力に加圧され、バルブ(10)を通り、パイ
プライン(11)を経由して多孔膜モジュール(5)に
供給され、多孔膜(4)の微細な孔から油相(O2)に
圧入される。O1/W型エマルションを圧入する圧力は
、使用する水溶液の種類、乳化剤の種類、量、乳化温度
等により異なる。また圧入時の温度は5℃から80℃の
範囲で適宜決定される。
【0016】ほぼ全てのO1/W型エマルションが油相
(O2)に圧入されるまで上記の循環は継続される。乳
化終了後、得られた油中水中油(O1/W/O2)型エ
マルションはパイプライン(12)を通って次の工程に
移送される。必要に応じて、得られたエマルションを常
法により殺菌または滅菌することもできる。このように
して得られる安定なO1/W/O2型エマルションを、
急冷可塑化装置および混練装置を用いて、冷却温度5〜
20℃条件下で急冷可塑化し、混練することによって、
二重乳化スプレッドを得ることができる。
【0017】このように、この発明は、最内相油脂(O
1)、中間水相(W)、および最外相油脂(O2)より
なる油中水中油型二重乳化エマルションにおいて、特別
な油脂の成分および乳化剤を用いることなく可塑性油脂
、水および乳化剤を主要な成分とし、微細孔径を有する
多孔膜によって調製したO1/W/O2型エマルション
を急冷可塑化装置により急冷可塑化し、これを転相せず
に混練することを特徴としており、全脂肪相(O1およ
びO2の総量)が最終製品の25%以上の割合である低
脂肪で安定な二重乳化スプレッドが得られる。この二重
乳化スプレッドは、トップフレーバーおよび後味がよく
、風味はクリーム感があるという良好な性質を有してい
る。
【0018】以下、試験例および実施例を示し、この発
明の二重乳化スプレッドとその製造法についてさらに詳
しく説明するが、この発明はこれらの例によって限定さ
れるものではない。 (試験例1)各種乳化方法による乳化固形物の安定性に
関する試験 1)  試料の調製 表1に記載した方法、条件および組成により試料番号1
〜4の4種類の乳化試料を調製し、各乳化試料を急冷可
塑化混練装置(パイロットコンビネータ。西ドイツ・シ
ュレーター社製)を用いて5℃に急冷可塑化し、混練し
、4種類のスプレッド試料を調製した。
【0019】試料番号1:従来法により最外相油脂(O
2)に水中油(O1/W)型エマルションを加え、攪拌
機360rpmで30分間乳化し、急冷可塑化し、混練
し、製造したスプレッド試料 試料番号2:従来法によりO2にO1/W型エマルショ
ンを加え、ホモミキサー10,000rpmで5分間乳
化し、急冷可塑化し、混練し、製造したスプレッド試料
試料番号3:平均粒径3.0μmの親水膜を用いてO2
にO1/W型エマルションを乳化し、急冷可塑化し、混
練し、製造したスプレッド試料 試料番号4:平均粒径5.0μmの疎水膜を用いてO2
にO1/W型エマルションを乳化し、急冷可塑化し、混
練し、製造したスプレッド試料 2)  試験方法 ■  表面状態 各スプレッド試料について、1夜5℃に保存し、のち7
日間25℃に静置し、その表面状態、水相分離状態を観
察し、次の基準により評価した。
【0020】A:スプレッド試料の表面状態が滑らかで
水相分離が認められない。 B:スプレッド試料の表面状態が少し荒く、時々水滴が
認められる。 C:スプレッド試料の表面状態が少し荒く、水相の分離
が認められる。 ■  O1/W/O2状態の安定性 各スプレッド試料について、1夜5℃に保存した後に、
位相差顕微鏡(倍率200倍)により、一定視野範囲(
300μm×300μm)のO2中のO1/W型乳化粒
子と水(W)型乳化粒子の数量比率を求めた。O1/W
型乳化粒子の比率が高いほどO1/W/O2状態が安定
であると評価される。
【0021】X:O2中のO1/W型乳化粒子の比率が
70%以上でO1/W/O2状態が安定。 Y:O2中のO1/W型乳化粒子の比率が70%未満で
O1/W/O2状態が不安定。 ■  官能検査 各スプレッド試料について、1夜5℃に保存したのち、
その食感について男女各20名からなるパネルで官能検
査を行い、次の基準により評価した。
【0022】a:口あたりが滑らか b:口あたりがざらつく c:口どけがよい d:口どけが悪い e:トップフレーバーおよび後味がつよいf:トップフ
レーバーおよび後味がよわい■  O1/W/O2エマ
ルションの平均粒子径位相差顕微鏡(倍率200倍)に
より、一定視野範囲(300μm×300μm)のO2
中のO1/W型乳化粒子を確認し、そのO1/W型粒子
の直径を測定することにより、平均粒子径を算出した。
【0023】3)  試験結果 この試験の結果は表1に示したとおりである。試料番号
2は製造の途中で転相し、試験を実施できなかった。試
料番号1のエマルション平均粒子径に比して試料番号3
および4のそれは、それぞれ約1/5および1/2と小
さく、乳化物の安定性、食感の滑らかさが予想された。 事実、試料番号3および4の安定性は、試料番号1のそ
れよりも優れていた。また、試料番号3および4の食感
は、試料番号1のそれよりも顕著に優れていた。従って
、この発明の方法により製造された試料番号3および4
は、従来法により製造された試料番号1および2よりも
各段に優れた製品であることが認められた。なお、条件
および組成を変更して試験してもほぼ同様の結果が得ら
れた。
【0024】
【表1】
【0025】(試験例2)最終製品に対する油相の最適
割合の範囲を求める試験 1)  試料の調製 各種の親水膜を使用し、表2に記載した条件で、試験例
1の試料番号3、および4の試料調製方法に従い、膜を
通してO2にO1/W型エマルションを圧入して調製し
た各乳化試料を急冷可塑化混練装置(パイロットコンビ
ネーター。西ドイツ・シュレーダー社製)を用いて5℃
に急冷可塑化し、混練し、3種類のスプレッド試料(試
料番号5〜7)を調製した。
【0026】2)  試験方法 各スプレッド試料について、その表面状態、水相分離状
態および、食感について試験例1と同一の方法により試
験した。 3)  試験結果 この試験の結果は表2に示したとおりである。試料番号
5および6の安定性は、試料番号7のそれよりも優れて
おり、この結果は最終製品に対する望ましい油相の割合
が25%以上であることを示している。尚、最外相油相
を20%未満とすると乳化できずスプレッドとならなか
った。さらに、最外相油相を20%以上の望ましい濃度
とし、最内相油相の割合を変動させて試験したが、最外
相油相と最内相油相との合計が25%以上であれば、安
定であることが確認された。
【0027】
【表2】
【0028】(試験例3)水相中の安定剤・ゲル化剤の
最適割合の範囲を求める試験 1)  試料の調製 各種の親水膜を使用し、表3に記載した条件で、試験例
2と同様の方法により11種類の試料を調製し、各乳化
試料を急冷可塑化混練装置(パイロットコンビネーター
。西ドイツ・シュレーダー社製)を用いて5℃に急冷可
塑化し、混練し、11種類のスプレッド試料(試料番号
11〜21)を調製した。
【0029】2)  試験方法 試験例2と同一の方法により試験した。 3)  試験結果 この試験の結果は表3に示したとおりである。試料番号
1および、試料番号11〜21よりも油相の割合の低い
第2表の試料番号6の安定性および食感の試験結果は、
水相に安定剤・ゲル化剤を添加しなくとも(すなわち水
相中の安定剤・ゲル化剤の濃度が0%であっても)安定
で食感の優れた低脂肪スプレッドが得られることを示し
ている。
【0030】試料番号12〜16のスプレッドの安定性
および食感の試験結果は、これらの効果が安定剤・ゲル
化剤の種類に影響をうけないということを示している。 これより、水相中の望ましい安定剤・ゲル化剤の割合を
求める試験にはカゼイン、キサンタンガムを用いた。試
料番号17〜19の食感は、試料番号20〜21のそれ
よりも優れており、この結果は水相中の望ましい安定剤
・ゲル化剤の割合が15%以下であることを示している
。また、試料番号18および試料番号21はセカゼイン
およびキサンタンガムの比率を同一として添加し試験し
た。なお、条件を変更してこの発明の方法により調製し
た試料についても、ほぼ上記と同様な結果が得られた。
【0031】
【表3】
【0032】
【実施例】実施例1 市販の大豆油およびパーム油(いずれも太陽油脂社製)
各1.5kgを混合し、この混合物に2.0%の割合で
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(坂本薬品
工業社製)を添加し、均一に混合し、最外相油脂(O2
)を調製した。水中油(O1/W)型エマルションとし
ては、予め市販の大豆油およびパーム油(いずれも太陽
油脂社製)各0.5kgを混合し、この混合物に2.0
%の割合でソルビタン脂肪酸エステル(花王社製)を添
加したものと、水11.0kgに食塩1.5%、ショ糖
脂肪酸エステル(第一工業製薬社製)0.3%の割合で
添加したものを均一に混合し、60℃まで加熱後、ホモ
ジナイザー(マントンゴーリン社製)を使用して、乳化
圧力170kg/cm2 で処理したエマルション12
.0kgを準備した。孔径0.5μmの親水性膜(伊勢
化学工業社製)を装置した多孔膜モジュールにより最外
相油脂(O2)に水中油(O1/W)型エマルションを
圧入し、乳化し、O1/W/O2型エマルション約14
.8kgを得た。次に、このエマルションを85℃で1
0分加熱殺菌し、急冷可塑化混練装置(パイロットコン
ピネーター。西ドイツ・シュレーダー社製)を用いて2
0℃に急冷可塑化し、混練し、約14.5kgの低脂肪
スプレッドを得た。
【0033】この低脂肪スプレッドを試験例1と同一の
方法により試験した結果、安定で水相分離が無く、口あ
たりが滑らかであり、口どけが良好であり、つよいクリ
ーム感があった。 実施例2 市販の大豆油およびコーン油(いずれも太陽油脂社製)
各2.0kgを混合し、この混合物に0.5%の割合で
ショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬社製)および1.
5%の割合でポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステ
ル(坂本薬品工業社製)をそれぞれ添加し、均一に混合
し、最外相油脂(O2)を調製した。水中油(O1/W
)型エマルションとしは、予め市販の大豆油およびコー
ン油(いずれも太陽油脂社製)各0.5kgを混合し、
この混合物に、0.5%の割合でショ糖脂肪酸エステル
(第一工業製薬社製)、1.5%の割合でポリグリセリ
ン縮合リシノレイン酸エステル(坂本薬品工業社製)を
添加したものと、水9.0kgに食塩1.5%、ショ糖
脂肪酸エステル(第一工業製薬社製)0.3%、カゼイ
ンナトリウム0.5%の割合で添加したものを均一に混
合し、60℃まで加熱後、高圧ホモジナイザー(マント
ンゴーリン社製)を使用し、乳化圧力500kg/cm
2 で処理したエマルション10.0kgを準備した。 孔径7.8μmの疎水性膜(伊勢化学工業社製)を装着
した多孔膜モジュールにより最外相油脂(O2)に水中
油(O1/W)型エマルションを圧入し、乳化し、O1
/W/O2型エマルション約13.8kgを得た。次に
、このエマルションを85℃で10分加熱殺菌し、急冷
可塑化混練装置(パイロットコンビネーター。西ドイツ
・シュレーダー社製)を用いて10℃に急冷可塑化し、
混練し、約13.5kgの低脂肪スプレッドを得た。
【0034】この低脂肪スプレッドを試験例1と同一の
方法により試験した結果、安定で水相分離が無く、口あ
たりが滑らかであり、口どけが極めて良好であり、非常
につよいクリーム感があった。
【0035】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って次の効果が奏せられる。 (1)  この発明の方法においては、全組成物に対す
る全脂肪相(O1およびO2の総量)の比率を25%と
いう低比率まで低下させることが可能であり、かつ低脂
肪であるにもかかわらず従来の方法では認められない程
極めて安定な二重乳化スプレッドが得られる。 (2)  この発明の方法においては、低脂肪であるに
もかかわらず、油脂、乳化剤の成分および種類が限定さ
れず、安定剤、ゲル化剤を必須成分としないため、組成
が限定されない二重乳化スプレッドの製造が可能となる
。 (3)  この発明の方法においては、膜乳化法の操作
性が優れているため、二重乳化スプレッドの工業的製造
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するための一例を示した工程概
略図である。
【符号の説明】
1  循環槽 2  ポンプ 3  パイプライン 4  多孔膜 5  多孔膜モジュール 6  パイプライン 7  圧力容器 8  バルブ 9  パイプライン 10  バルブ 11  パイプライン 12  パイプライン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  水中油型エマルジョンを、微細孔径を
    有する多孔膜を通して油相に圧入し、最内相油脂、中間
    水相、および最外相油脂よりなる油中水中油型エマルジ
    ョンを調整し、これを急冷可塑化し、混練することを特
    徴とする二重乳化スプレッドの製造法。
  2. 【請求項2】  最終製品に対する全油相(最内相油脂
    および最外相油脂の総量)の割合が25%(重量)以上
    であり、中間水相中の安定剤およびゲル化剤濃度が15
    %(重量)以下である請求項1記載の二重乳化スプレッ
    ドの製造法。
  3. 【請求項3】  請求項1および2記載の方法により製
    造してなる二重乳化スプレッド。
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