JPH07194301A - 乳化物とその製造法 - Google Patents
乳化物とその製造法Info
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- JPH07194301A JPH07194301A JP5351348A JP35134893A JPH07194301A JP H07194301 A JPH07194301 A JP H07194301A JP 5351348 A JP5351348 A JP 5351348A JP 35134893 A JP35134893 A JP 35134893A JP H07194301 A JPH07194301 A JP H07194301A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 図1に示されるような装置を用いて、油相及
び水相の混合液をポンプ2によりパイプライン3を経由
して相互に対向する面に前面開放の小室を多数配設した
2枚の板が、一の板の小室と対向する他の板の小室との
連通する位置をずらして配設され、同心状態に積み重ね
られた導流単位体5を配設した流体混合装置(ラモンド
ミキサ−)により乳化し、乳化物を製造する。 【効果】 乳化物の製造において、乳化方法として導流
単位体法を用いることにより、油脂、乳化剤の成分およ
び種類が限定されず、安定剤、ゲル化剤の濃度に無関係
で、原料中の懸濁物に影響されずに、かつリ−キ−、転
相等を生じない安定な乳化物が製造できる。
び水相の混合液をポンプ2によりパイプライン3を経由
して相互に対向する面に前面開放の小室を多数配設した
2枚の板が、一の板の小室と対向する他の板の小室との
連通する位置をずらして配設され、同心状態に積み重ね
られた導流単位体5を配設した流体混合装置(ラモンド
ミキサ−)により乳化し、乳化物を製造する。 【効果】 乳化物の製造において、乳化方法として導流
単位体法を用いることにより、油脂、乳化剤の成分およ
び種類が限定されず、安定剤、ゲル化剤の濃度に無関係
で、原料中の懸濁物に影響されずに、かつリ−キ−、転
相等を生じない安定な乳化物が製造できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳化物(例えばマヨネ
−ズ、クリ−ム、フィリング、ドレッシング、バタ−、
スプレッド等の油中水型、水中油型等の各種乳化型の食
用乳化物)、特に、低脂肪スプレッドとその製造法に関
するものである。更に、詳しくは、本発明は、特別な油
脂の成分及び乳化剤を用いることなく、可塑性油脂、水
及び乳化剤を主要な成分とする油中水型(以下W/O型
と略記する)乳化物、特に、低脂肪スプレッドとその製
造法に関するものである。
−ズ、クリ−ム、フィリング、ドレッシング、バタ−、
スプレッド等の油中水型、水中油型等の各種乳化型の食
用乳化物)、特に、低脂肪スプレッドとその製造法に関
するものである。更に、詳しくは、本発明は、特別な油
脂の成分及び乳化剤を用いることなく、可塑性油脂、水
及び乳化剤を主要な成分とする油中水型(以下W/O型
と略記する)乳化物、特に、低脂肪スプレッドとその製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乳化物とその製造法に関する従来の技術
の内、最も安定な乳化物を得ることが困難とされてお
り、各種の試行錯誤が成されている低脂肪乳化物、特に
低脂肪スプレッドとその製造法に関する従来技術を中心
に、従来技術及びその問題点について以下に述べる。
の内、最も安定な乳化物を得ることが困難とされてお
り、各種の試行錯誤が成されている低脂肪乳化物、特に
低脂肪スプレッドとその製造法に関する従来技術を中心
に、従来技術及びその問題点について以下に述べる。
【0003】低脂肪スプレッドは、通常のマ−ガリンに
比較して油脂含量が少なく、水分含量が多いW/O型の
乳化状態を呈している。しかしながら、このようなW/
O型乳化物は、水分含量が多いため、安定なW/O型乳
化固形物を得ることは極めて困難であり、しばしば乳化
状態が不安定となる。このため、保存中に水相の分離、
製造中及び輸送中の転相等、著しく商品価値を損なうと
いう不都合がある。
比較して油脂含量が少なく、水分含量が多いW/O型の
乳化状態を呈している。しかしながら、このようなW/
O型乳化物は、水分含量が多いため、安定なW/O型乳
化固形物を得ることは極めて困難であり、しばしば乳化
状態が不安定となる。このため、保存中に水相の分離、
製造中及び輸送中の転相等、著しく商品価値を損なうと
いう不都合がある。
【0004】このため、従来より、高水分含量のW/O
型乳化固形物を安定に保つための手段として種々の技術
が開発されている。これらの技術の多くはW/O型乳化
固形物組成の改良に関するものであり、乳化方法に関す
る技術の開発はほとんどなされていない。すなわち、そ
のほとんどの乳化は常法(例えば、ホモミキサ−等によ
る攪拌法、超音波法等)により行われており、高水分含
量のW/O型乳化固形物の安定化と乳化方法とを関連さ
せた技術開発は、従来ほとんど行われていなかった。
型乳化固形物を安定に保つための手段として種々の技術
が開発されている。これらの技術の多くはW/O型乳化
固形物組成の改良に関するものであり、乳化方法に関す
る技術の開発はほとんどなされていない。すなわち、そ
のほとんどの乳化は常法(例えば、ホモミキサ−等によ
る攪拌法、超音波法等)により行われており、高水分含
量のW/O型乳化固形物の安定化と乳化方法とを関連さ
せた技術開発は、従来ほとんど行われていなかった。
【0005】W/O型乳化固形物の組成に関する改良と
しては、例えば、油相成分としてジグリセリド、トリグ
リセリド、レシチン等を特定量含有させる方法、又は特
定の乳化剤を特定量添加する方法等が知られている。
しては、例えば、油相成分としてジグリセリド、トリグ
リセリド、レシチン等を特定量含有させる方法、又は特
定の乳化剤を特定量添加する方法等が知られている。
【0006】また、高水分含量のW/O型乳化固形物の
安定化と乳化方法とを関連させた技術として、本発明者
らが乳化方法を改良した方法として、先に出願した技術
(すなわち、微細孔を有する多孔膜を通して水相を油相
に圧入して調製したW/O型エマルションを、急冷可塑
化し、混練することを特徴とする低脂肪スプレッドの製
造法)等が知られている(特開平4−210553号公
報)。
安定化と乳化方法とを関連させた技術として、本発明者
らが乳化方法を改良した方法として、先に出願した技術
(すなわち、微細孔を有する多孔膜を通して水相を油相
に圧入して調製したW/O型エマルションを、急冷可塑
化し、混練することを特徴とする低脂肪スプレッドの製
造法)等が知られている(特開平4−210553号公
報)。
【0007】さらに、新しい乳化装置(方法)として、
両端に入口及び出口を備えた円筒状のケ−シングと、互
いに対向する面に前面開放の多角形の小室をハニカム状
に多数配列した大小2枚の円板を同心的に重合してなる
複数の導流単位体とからなり、前記大径の円板はケ−シ
ングの内径に合致する直径を有し、かつ中心に流通孔を
穿設し、前記大径の円板と小径の円板の小室は互いの小
室が対向する他の複数の小室に連通するように位置を違
えて配列されており、これら複数の導流単位体を互いに
同径の円板が隣接するように重ね合わせてケ−シング内
に設置すると共に、両端には導流単位体の大径な円板を
位置させてその流通孔をケ−シングの入口及び出口に連
通させるようにしたことを特徴とする流体混合装置(特
公昭59−39173号公報)が知られている。
両端に入口及び出口を備えた円筒状のケ−シングと、互
いに対向する面に前面開放の多角形の小室をハニカム状
に多数配列した大小2枚の円板を同心的に重合してなる
複数の導流単位体とからなり、前記大径の円板はケ−シ
ングの内径に合致する直径を有し、かつ中心に流通孔を
穿設し、前記大径の円板と小径の円板の小室は互いの小
室が対向する他の複数の小室に連通するように位置を違
えて配列されており、これら複数の導流単位体を互いに
同径の円板が隣接するように重ね合わせてケ−シング内
に設置すると共に、両端には導流単位体の大径な円板を
位置させてその流通孔をケ−シングの入口及び出口に連
通させるようにしたことを特徴とする流体混合装置(特
公昭59−39173号公報)が知られている。
【0008】しかしながら、これらの従来方法のうち、
例えば、油相成分を特定する方法の場合には、ジグリセ
リド、トリグリセリドを得るためにエステル交換を行わ
なければならないため、製品の成分が限定される等の不
都合がある等の問題がある。
例えば、油相成分を特定する方法の場合には、ジグリセ
リド、トリグリセリドを得るためにエステル交換を行わ
なければならないため、製品の成分が限定される等の不
都合がある等の問題がある。
【0009】さらに、特定乳化剤の特定量を添加する方
法の場合には、エマルションの十分な安定性を得ること
が困難であり、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エス
テルと他の乳化剤を併用することにより、この問題点を
若干改善した発明(特開昭58−170432号公報、
特開昭58−198243号公報、特開昭59−130
526号公報、特開昭62−143637号公報)が開
示されているが、上記エステルが有する独特の臭い及び
味のため製品の風味が損なわれるおそれがある。
法の場合には、エマルションの十分な安定性を得ること
が困難であり、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エス
テルと他の乳化剤を併用することにより、この問題点を
若干改善した発明(特開昭58−170432号公報、
特開昭58−198243号公報、特開昭59−130
526号公報、特開昭62−143637号公報)が開
示されているが、上記エステルが有する独特の臭い及び
味のため製品の風味が損なわれるおそれがある。
【0010】この問題を解決する目的で特定の乳化剤、
例えばポリグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン
酸エステルを用いる方法(特開平1−1200248号
公報)が開示されているが、乳化剤の種類が限定される
ため、製品の物性、食感、風味も自ずから限定されてし
まうという欠点があった。
例えばポリグリセリン縮合12−ヒドロキシステアリン
酸エステルを用いる方法(特開平1−1200248号
公報)が開示されているが、乳化剤の種類が限定される
ため、製品の物性、食感、風味も自ずから限定されてし
まうという欠点があった。
【0011】また、微細孔を有する多孔膜を通して水相
を油相に圧入して調製したW/O型エマルションを、急
冷可塑化し、混練することを特徴とする低脂肪スプレッ
ドの製造法(特開平4−210553号公報)では多孔
膜の微細孔径が20μm以下であるために、安定剤、ゲ
ル化剤濃度が高くなると乳化速度が極端に遅くなるとい
う欠点があり、加えて、圧入する水相に懸濁物があると
膜が詰まり、乳化が困難となる欠点があった。
を油相に圧入して調製したW/O型エマルションを、急
冷可塑化し、混練することを特徴とする低脂肪スプレッ
ドの製造法(特開平4−210553号公報)では多孔
膜の微細孔径が20μm以下であるために、安定剤、ゲ
ル化剤濃度が高くなると乳化速度が極端に遅くなるとい
う欠点があり、加えて、圧入する水相に懸濁物があると
膜が詰まり、乳化が困難となる欠点があった。
【0012】更に、乳化方法を単に新しい乳化装置(方
法)(特公昭59−39173号公報)に置き換えたの
みでは、乳化物、特に低脂肪スプレッドを製造すること
は不可能であり、克服しなければならないいくつかの課
題が明らかになった。即ち、乳化物を製造するために
は、特定の条件を見出す必要があった。
法)(特公昭59−39173号公報)に置き換えたの
みでは、乳化物、特に低脂肪スプレッドを製造すること
は不可能であり、克服しなければならないいくつかの課
題が明らかになった。即ち、乳化物を製造するために
は、特定の条件を見出す必要があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、従来の乳化物、特に低
脂肪スプレッド及びその製造法の欠点を解消し、改良さ
れた乳化方法を用いて乳化固形物、特にW/O型乳化固
形物の安定化を図ることにより、油脂、乳化剤の成分及
び種類が限定されず、安定剤、ゲル化剤の濃度に無関係
で、原料中の懸濁物に影響されずに、かつリ−キ−、転
相等を生じない安定な乳化物、特に低脂肪スプレッド及
びその製造方法を提供することを目的としている。
術に鑑みてなされたものであり、従来の乳化物、特に低
脂肪スプレッド及びその製造法の欠点を解消し、改良さ
れた乳化方法を用いて乳化固形物、特にW/O型乳化固
形物の安定化を図ることにより、油脂、乳化剤の成分及
び種類が限定されず、安定剤、ゲル化剤の濃度に無関係
で、原料中の懸濁物に影響されずに、かつリ−キ−、転
相等を生じない安定な乳化物、特に低脂肪スプレッド及
びその製造方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の発明は、相互に対向する面に前面開放の小室
を多数配設した2枚の板が、一の板の小室と対向する他
の板の小室との連通する位置をずらして配設され、同心
状態に積み重ねられた導流単位体に、油相及び水相から
なる混合液を圧入し、乳化することを特徴とする乳化物
の製造法、である。
明の第1の発明は、相互に対向する面に前面開放の小室
を多数配設した2枚の板が、一の板の小室と対向する他
の板の小室との連通する位置をずらして配設され、同心
状態に積み重ねられた導流単位体に、油相及び水相から
なる混合液を圧入し、乳化することを特徴とする乳化物
の製造法、である。
【0015】前記課題を解決する本発明の第2の発明
は、両端に入口及び出口を備えたケ−シングと、相互に
対向する面に前面開放の小室を多数配設した2枚の板
が、一の板の小室と対向する他の板の小室とを連通する
位置をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導
流単位体2以上からなり、前記板がケ−シングの内壁に
当接し、かつ前記板に流通孔が穿設され、2以上の導流
単位体の前記流通孔を相互に連通して集積し、ケ−シン
グ内に配設し、ケ−シングの両端に位置する導流単位体
の流通孔をケ−シングの入口及び出口に連通させた流体
混合装置に、油相及び水相からなる混合液を圧入し、乳
化することを特徴とする乳化物の製造法、である。
は、両端に入口及び出口を備えたケ−シングと、相互に
対向する面に前面開放の小室を多数配設した2枚の板
が、一の板の小室と対向する他の板の小室とを連通する
位置をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導
流単位体2以上からなり、前記板がケ−シングの内壁に
当接し、かつ前記板に流通孔が穿設され、2以上の導流
単位体の前記流通孔を相互に連通して集積し、ケ−シン
グ内に配設し、ケ−シングの両端に位置する導流単位体
の流通孔をケ−シングの入口及び出口に連通させた流体
混合装置に、油相及び水相からなる混合液を圧入し、乳
化することを特徴とする乳化物の製造法、である。
【0016】前記課題を解決する本発明の第3の発明
は、両端に入口及び出口を備えたケ−シングと、相互に
対向する面に前面開放の小室を多数配設した2枚の板
が、一の板の小室と対向する他の板の小室とを連通する
位置をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導
流単位体2以上からなり、前記2枚の板がケ−シングの
内壁に当接し、かつ各板に対して、前記2枚の板の対向
しない位置に流通孔が穿設され、2以上の導流単位体の
前記流通孔を相互に連通して集積し、ケ−シング内に配
設し、ケ−シングの両端に位置する導流単位体の流通孔
をケ−シングの入口及び出口に連通させた流体混合装置
に、油相及び水相からなる混合液を圧入し、乳化するこ
とを特徴とする乳化物の製造法、である。
は、両端に入口及び出口を備えたケ−シングと、相互に
対向する面に前面開放の小室を多数配設した2枚の板
が、一の板の小室と対向する他の板の小室とを連通する
位置をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導
流単位体2以上からなり、前記2枚の板がケ−シングの
内壁に当接し、かつ各板に対して、前記2枚の板の対向
しない位置に流通孔が穿設され、2以上の導流単位体の
前記流通孔を相互に連通して集積し、ケ−シング内に配
設し、ケ−シングの両端に位置する導流単位体の流通孔
をケ−シングの入口及び出口に連通させた流体混合装置
に、油相及び水相からなる混合液を圧入し、乳化するこ
とを特徴とする乳化物の製造法、である。
【0017】前記課題を解決する本発明の第4の発明
は、両端に入口及び出口を備えた円筒状のケ−シング
と、相互に対向する面に前面開放の小室を多数配設した
大小2枚の円板が、一の円板の小室と対向する他の円板
の小室とを連通する位置をずらして配設され、同心状態
に積み重ねられた導流単位体2以上からなり、前記大径
の円板はケ−シングの内壁に当接し、かつ中心に流通孔
が穿設され、2以上の導流単位体を相互に同径の円板に
隣接させ、前記流通孔を相互に連通して集積し、ケ−シ
ング内に配設し、更にケ−シングの両端に導流単位体の
大径の円板を配設し、その流通孔をケ−シングの入口及
び出口に連通させた流体混合装置に、油相及び水相から
なる混合液を圧入し、乳化することを特徴とする乳化物
の製造法、である。
は、両端に入口及び出口を備えた円筒状のケ−シング
と、相互に対向する面に前面開放の小室を多数配設した
大小2枚の円板が、一の円板の小室と対向する他の円板
の小室とを連通する位置をずらして配設され、同心状態
に積み重ねられた導流単位体2以上からなり、前記大径
の円板はケ−シングの内壁に当接し、かつ中心に流通孔
が穿設され、2以上の導流単位体を相互に同径の円板に
隣接させ、前記流通孔を相互に連通して集積し、ケ−シ
ング内に配設し、更にケ−シングの両端に導流単位体の
大径の円板を配設し、その流通孔をケ−シングの入口及
び出口に連通させた流体混合装置に、油相及び水相から
なる混合液を圧入し、乳化することを特徴とする乳化物
の製造法、である。
【0018】前記課題を解決する本発明の第5の発明
は、両端に入口及び出口を備えた円筒状のケ−シング
と、相互に対向する面に前面開放の多角形の小室をハニ
カム状に多数配設した大小2枚の円板が、一の円板の小
室と対向する他の円板の小室とを連通する位置をずらし
て配設され、同心状態に積み重ねられた導流単位体6〜
12個からなり、前記大径の円板はケ−シングの内径に
当接し、かつ中心に流通孔が穿設され、6〜12個の導
流単位体を相互に同径の円板に隣接させ、前記流通孔を
相互に連通して集積し、ケ−シング内に配設し、更にケ
−シングの両端に導流単位体の大径な円板を配設し、そ
の流通孔をケ−シングの入口及び出口に連通させた流体
混合装置に、油相及び水相からなる混合液を圧入し、乳
化することを特徴とする低脂肪スプレッドの製造法であ
り、水相が、0〜50%(重量)の安定剤及びゲル化剤
を含有することをのぞましい態様としてもいる。
は、両端に入口及び出口を備えた円筒状のケ−シング
と、相互に対向する面に前面開放の多角形の小室をハニ
カム状に多数配設した大小2枚の円板が、一の円板の小
室と対向する他の円板の小室とを連通する位置をずらし
て配設され、同心状態に積み重ねられた導流単位体6〜
12個からなり、前記大径の円板はケ−シングの内径に
当接し、かつ中心に流通孔が穿設され、6〜12個の導
流単位体を相互に同径の円板に隣接させ、前記流通孔を
相互に連通して集積し、ケ−シング内に配設し、更にケ
−シングの両端に導流単位体の大径な円板を配設し、そ
の流通孔をケ−シングの入口及び出口に連通させた流体
混合装置に、油相及び水相からなる混合液を圧入し、乳
化することを特徴とする低脂肪スプレッドの製造法であ
り、水相が、0〜50%(重量)の安定剤及びゲル化剤
を含有することをのぞましい態様としてもいる。
【0019】前記課題を解決する本発明の第6の発明
は、前記第1の発明乃至第4の発明に記載の方法により
製造してなる乳化物、である。
は、前記第1の発明乃至第4の発明に記載の方法により
製造してなる乳化物、である。
【0020】前記課題を解決する本発明の第7の発明
は、前記第5の発明又は前記第6の発明に記載の方法に
より製造してなる低脂肪スプレッド。
は、前記第5の発明又は前記第6の発明に記載の方法に
より製造してなる低脂肪スプレッド。
【0021】次に本発明の構成について、詳細に説明す
る。
る。
【0022】本発明の油脂組成物における油相を構成す
る油脂としては、油脂が食用であるということ以外はそ
の成分、種類に限定されず、例えば、菜種油、大豆油、
パ−ム油、パ−ム核油、コ−ン油、サフラワ−油、ひま
わり油、綿実油、ヤシ油、乳脂肪、魚油(DHA、EP
A等)、牛脂、豚脂等の広範囲な種類の動植物油脂、こ
れらに水素添加、エステル交換、分別等の処理を施した
加工油脂等であり、これらを単独或いは2種以上組合わ
せて使用することができる。
る油脂としては、油脂が食用であるということ以外はそ
の成分、種類に限定されず、例えば、菜種油、大豆油、
パ−ム油、パ−ム核油、コ−ン油、サフラワ−油、ひま
わり油、綿実油、ヤシ油、乳脂肪、魚油(DHA、EP
A等)、牛脂、豚脂等の広範囲な種類の動植物油脂、こ
れらに水素添加、エステル交換、分別等の処理を施した
加工油脂等であり、これらを単独或いは2種以上組合わ
せて使用することができる。
【0023】尚、本発明の低脂肪スプレッドにおける油
相の比率は最終製品(低脂肪スプレッド)の50%以下
の割合であり、特に20〜50%の割合が望ましい。
相の比率は最終製品(低脂肪スプレッド)の50%以下
の割合であり、特に20〜50%の割合が望ましい。
【0024】一方、油脂組成物の水相は、何も加えない
水そのもの、又は水に澱粉、加工澱粉、蛋白質、糖類、
微生物由来多糖類、呈味剤、食塩、乳製品等を溶解、分
散したものを適宜使用することができ、安定剤及びゲル
化剤の合計の添加濃度は水相の0〜50%の割合であ
る。
水そのもの、又は水に澱粉、加工澱粉、蛋白質、糖類、
微生物由来多糖類、呈味剤、食塩、乳製品等を溶解、分
散したものを適宜使用することができ、安定剤及びゲル
化剤の合計の添加濃度は水相の0〜50%の割合であ
る。
【0025】本発明の油脂組成物を構成する乳化剤は、
それが食用であるということ以外にその種類は特に限定
されず、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、グリセリン脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪
酸エステルを含む)、ポリグリセリン縮合リシノレイン
酸エステル、ポリグリセリン縮合1,2−ヒドロキシス
テアリン酸エステル等を例示することができ、これらを
単独又は2種以上混合し、油脂組成物に対して0.01〜5.
0%の割合で添加し、使用することができる。
それが食用であるということ以外にその種類は特に限定
されず、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、グリセリン脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪
酸エステルを含む)、ポリグリセリン縮合リシノレイン
酸エステル、ポリグリセリン縮合1,2−ヒドロキシス
テアリン酸エステル等を例示することができ、これらを
単独又は2種以上混合し、油脂組成物に対して0.01〜5.
0%の割合で添加し、使用することができる。
【0026】本発明の方法に使用する装置、即ち、相互
に対向する面に前面開放の小室を多数配設した2枚の板
が、一の板の小室と対向する他の板の小室との連通する
位置をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導
流単位体を有する装置は、公知のものも使用可能であ
り、例えば、特公昭59−39173号公報に開示され
ている装置であり、市販のラモンドミキサ−(ホ−マ−
・テクノロジ−株式会社製)等を例示することができ
る。
に対向する面に前面開放の小室を多数配設した2枚の板
が、一の板の小室と対向する他の板の小室との連通する
位置をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導
流単位体を有する装置は、公知のものも使用可能であ
り、例えば、特公昭59−39173号公報に開示され
ている装置であり、市販のラモンドミキサ−(ホ−マ−
・テクノロジ−株式会社製)等を例示することができ
る。
【0027】本発明の方法に使用する急冷可塑化及び混
練装置は、特に限定されず、公知の急冷可塑化混練装置
(例えば、ボテ−タ−、パ−フェクタ−、コンビネ−タ
−等)のいずれであってもよい。
練装置は、特に限定されず、公知の急冷可塑化混練装置
(例えば、ボテ−タ−、パ−フェクタ−、コンビネ−タ
−等)のいずれであってもよい。
【0028】次に、図1に例示した工程略図に基づい
て、本発明の方法(導流単位体法)による乳化物(低脂
肪スプレッド)の製造について具体的に説明する。
て、本発明の方法(導流単位体法)による乳化物(低脂
肪スプレッド)の製造について具体的に説明する。
【0029】原料タンク(1)には、所定量の油相及び
水相からなる混合液が貯蔵されており、この混合液はポ
ンプ(2)によりパイプライン(3)を経由して相互に
対向する面に前面開放の小室を多数配設した2枚の板
が、一の板の小室と対向する他の板の小室との連通する
位置をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導
流単位体(5)を配設した流体混合装置(ラモンドミキ
サ−)(4)に圧入され、導流単位体内の各小室での分
散、反転、渦流作用によって、攪拌、剪断が加えられ、
乳化される。このエマルションは、弁(8)が開き、弁
(9)を閉じた状態で、パイプライン(6)を経由して
再び原料タンク(1)に戻される。目的とする乳化物が
得られるまで、必要に応じて、この過程を数回反復し、
エマルションを流体混合装置(ラモンドミキサ−)
(4)に数回循環して乳化物が得られる。
水相からなる混合液が貯蔵されており、この混合液はポ
ンプ(2)によりパイプライン(3)を経由して相互に
対向する面に前面開放の小室を多数配設した2枚の板
が、一の板の小室と対向する他の板の小室との連通する
位置をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導
流単位体(5)を配設した流体混合装置(ラモンドミキ
サ−)(4)に圧入され、導流単位体内の各小室での分
散、反転、渦流作用によって、攪拌、剪断が加えられ、
乳化される。このエマルションは、弁(8)が開き、弁
(9)を閉じた状態で、パイプライン(6)を経由して
再び原料タンク(1)に戻される。目的とする乳化物が
得られるまで、必要に応じて、この過程を数回反復し、
エマルションを流体混合装置(ラモンドミキサ−)
(4)に数回循環して乳化物が得られる。
【0030】得られた乳化物はパイプライン(7)を通
って次の工程に移送される。
って次の工程に移送される。
【0031】また、目的とする乳化物が得られるのであ
れば、この過程は1回でもよく、その場合には、流体混
合装置(ラモンドミキサ−)(4)で乳化されたエマル
ションは、弁(8)を閉じて、弁(9)を開きパイプラ
イン(10)を通して次の工程に移送される。
れば、この過程は1回でもよく、その場合には、流体混
合装置(ラモンドミキサ−)(4)で乳化されたエマル
ションは、弁(8)を閉じて、弁(9)を開きパイプラ
イン(10)を通して次の工程に移送される。
【0032】必要に応じて、得られた乳化物を常法によ
り殺菌又は滅菌することもできる。
り殺菌又は滅菌することもできる。
【0033】このようにして得られる安定な乳化物(例
えば、W/O型エマルション)を、急冷可塑化及び混練
装置を用いて、冷却温度0〜20℃の条件下で急冷可塑
化し、混練することによって、保存における安定性及び
滑らかな食感を有するW/O型低脂肪スプレッドを製造
することができる。
えば、W/O型エマルション)を、急冷可塑化及び混練
装置を用いて、冷却温度0〜20℃の条件下で急冷可塑
化し、混練することによって、保存における安定性及び
滑らかな食感を有するW/O型低脂肪スプレッドを製造
することができる。
【0034】尚、図1には、相互に対向する面に前面開
放の多角形の小室をハニカム状に多数配列した大小2枚
の円板であって、大径の円板は、ケ−シングの内壁に当
接し、かつ中心に流通孔が穿設されている円板を用いた
例が示されているが、必ずしも円板である必要はなく、
少なくとも1枚がケ−シングの内壁に当接し、良好な乳
化を達成できる形態であればどのような形態であっても
よく、又、流通孔が穿設される位置も必ずしも板の中心
である必要はなく、2枚の板の対向しない位置に流通孔
を穿設する等、良好な乳化を達成できる位置であればど
のような位置でもよい。
放の多角形の小室をハニカム状に多数配列した大小2枚
の円板であって、大径の円板は、ケ−シングの内壁に当
接し、かつ中心に流通孔が穿設されている円板を用いた
例が示されているが、必ずしも円板である必要はなく、
少なくとも1枚がケ−シングの内壁に当接し、良好な乳
化を達成できる形態であればどのような形態であっても
よく、又、流通孔が穿設される位置も必ずしも板の中心
である必要はなく、2枚の板の対向しない位置に流通孔
を穿設する等、良好な乳化を達成できる位置であればど
のような位置でもよい。
【0035】又、図1には、6個の導流単位体を集積し
た例が示されているが、必ずしも6個の導流単位体であ
る必要はなく、良好な乳化を達成できるのであれば、何
個であってもよい。
た例が示されているが、必ずしも6個の導流単位体であ
る必要はなく、良好な乳化を達成できるのであれば、何
個であってもよい。
【0036】次に、試験例及び実施例を示し、本発明の
乳化物とその製造法について、特に低脂肪スプレッドと
その製造法を中心に、更に詳しく説明するが、本発明は
これらの例に限定されるものではない。
乳化物とその製造法について、特に低脂肪スプレッドと
その製造法を中心に、更に詳しく説明するが、本発明は
これらの例に限定されるものではない。
【0037】(試験例1)この試験は、各種乳化方法に
よるスプレッドの比較、及び水相中の安定剤、ゲル化剤
の適正な割合を調べるために行った。
よるスプレッドの比較、及び水相中の安定剤、ゲル化剤
の適正な割合を調べるために行った。
【0038】1)試料の調製 表1に記載した方法、条件及び組成により乳化試料を調
製し、次に示す方法により乳化し、各乳化試料を急冷可
塑化混練装置(シュレ−ダ−社製。パイロットコンビネ
−タ−)を用いて5℃に急冷可塑化し、混練し、12種
類のスプレッド試料(試料番号1〜12)を調製した。
尚、水相には、カゼインとキサンタンガムを14対1の
割合で含む安定剤及びゲル化剤を用いた。
製し、次に示す方法により乳化し、各乳化試料を急冷可
塑化混練装置(シュレ−ダ−社製。パイロットコンビネ
−タ−)を用いて5℃に急冷可塑化し、混練し、12種
類のスプレッド試料(試料番号1〜12)を調製した。
尚、水相には、カゼインとキサンタンガムを14対1の
割合で含む安定剤及びゲル化剤を用いた。
【0039】試料番号1〜4:従来法により攪拌機36
0rpmで30分間乳化し、急冷可塑化し、混練し、製
造したスプレッド試料 試料番号5〜8:平均細孔径3.0μmの疎水性多孔膜
を用いて乳化し、急冷可塑化し、混練し、製造したスプ
レッド試料 試料番号9〜12:相互に対向する面に前面開放の多角形
の小室をハニカム状に多数配列した大小2枚の円板が、
一の円板の小室と対向する他の円板の小室とを連通する
位置をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導
流単位体6個を配設した流体混合装置(ホ−マ−・テク
ノロジ−株式会社製。ラモンドミキサ−RM−01−1
0)を用いて、該流体混合装置に1回循環させることに
より乳化し、急冷可塑化し、混練し、製造したスプレッ
ド試料
0rpmで30分間乳化し、急冷可塑化し、混練し、製
造したスプレッド試料 試料番号5〜8:平均細孔径3.0μmの疎水性多孔膜
を用いて乳化し、急冷可塑化し、混練し、製造したスプ
レッド試料 試料番号9〜12:相互に対向する面に前面開放の多角形
の小室をハニカム状に多数配列した大小2枚の円板が、
一の円板の小室と対向する他の円板の小室とを連通する
位置をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導
流単位体6個を配設した流体混合装置(ホ−マ−・テク
ノロジ−株式会社製。ラモンドミキサ−RM−01−1
0)を用いて、該流体混合装置に1回循環させることに
より乳化し、急冷可塑化し、混練し、製造したスプレッ
ド試料
【0040】2)試験方法 表面状態 各スプレッド試料について、製造直後、及び1夜−25
℃ないし5℃に保存した後7日間25℃に静置し、その
表面状態、水相分離状態を観察して、次の基準により評
価した。 A:スプレッド試料の表面状態が滑らかで水相分離が認
められない。 B:スプレッド試料の表面状態が少し荒く、時々水滴が
認められる。 C:スプレッド試料の表面状態が少し荒く、必ず水滴が
認められる。 D:スプレッド試料の表面状態が荒く、水相の分離が認
められる。
℃ないし5℃に保存した後7日間25℃に静置し、その
表面状態、水相分離状態を観察して、次の基準により評
価した。 A:スプレッド試料の表面状態が滑らかで水相分離が認
められない。 B:スプレッド試料の表面状態が少し荒く、時々水滴が
認められる。 C:スプレッド試料の表面状態が少し荒く、必ず水滴が
認められる。 D:スプレッド試料の表面状態が荒く、水相の分離が認
められる。
【0041】官能検査 各スプレッド試料について、1夜5℃に保存した後、そ
の食感について男女各20名からなるパネルで官能検査
を行い、次の基準により評価した。 a:口あたりが滑らか b:口あたりがざらつく c:口どけがよい d:口どけがわるい
の食感について男女各20名からなるパネルで官能検査
を行い、次の基準により評価した。 a:口あたりが滑らか b:口あたりがざらつく c:口どけがよい d:口どけがわるい
【0042】エマルションの平均粒子径 遠心沈降式粒度分布測定装置(堀場製作所製。CAPA
700)により粒子径分布を測定し、平均粒子径を算出
した。
700)により粒子径分布を測定し、平均粒子径を算出
した。
【0043】3)試験結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。尚、試料7
及び8は製造の途中で膜が目詰まりして製造できなかっ
た。表1から明らかなように、攪拌機で乳化した試料1
〜4のエマルション平均粒子径に比して、導流単位体で
乳化した試料9〜12のエマルション平均粒子径は小さ
く、乳化物の安定性、食感が優れていることが予想され
た。事実、試料9〜12の安定性及び食感は、製造直後
及び保存後のいずれにおいても試料1〜4の安定性より
も優れていた。又、安定剤、ゲル化剤濃度が高い場合、
膜による乳化では目詰まりが起こるが(試料7及び
8)、導流単位体による乳化では目詰まりは起きなかっ
た(試料11及び12)。攪拌機で乳化した場合、乳化
物の安定性が悪く(ホモミキサ−で乳化した場合も同様
であった)、膜乳化では水相中の安定剤、ゲル化剤濃度
を高くして乳化すると膜の目詰まりが起こるが、導流単
位体による乳化では0〜50%の広い範囲の安定剤、ゲ
ル化剤濃度で安定な乳化物が得られた。
及び8は製造の途中で膜が目詰まりして製造できなかっ
た。表1から明らかなように、攪拌機で乳化した試料1
〜4のエマルション平均粒子径に比して、導流単位体で
乳化した試料9〜12のエマルション平均粒子径は小さ
く、乳化物の安定性、食感が優れていることが予想され
た。事実、試料9〜12の安定性及び食感は、製造直後
及び保存後のいずれにおいても試料1〜4の安定性より
も優れていた。又、安定剤、ゲル化剤濃度が高い場合、
膜による乳化では目詰まりが起こるが(試料7及び
8)、導流単位体による乳化では目詰まりは起きなかっ
た(試料11及び12)。攪拌機で乳化した場合、乳化
物の安定性が悪く(ホモミキサ−で乳化した場合も同様
であった)、膜乳化では水相中の安定剤、ゲル化剤濃度
を高くして乳化すると膜の目詰まりが起こるが、導流単
位体による乳化では0〜50%の広い範囲の安定剤、ゲ
ル化剤濃度で安定な乳化物が得られた。
【0044】従って、この結果は、本発明の方法が、従
来の攪拌機による乳化方法に比べて乳化物の安定性にお
いて優れており、又、従来の膜乳化に比べて安定剤、ゲ
ル化剤濃度を高くしても乳化できる点において優れる有
用な発明であることを示している。尚、水相中の安定
剤、ゲル化剤濃度を50%以上にすることは、当業者の
常識では考えられないので試験を行なわなかった。又、
条件及び組成を変更して試験したが、ほぼ同様の結果が
得られた。
来の攪拌機による乳化方法に比べて乳化物の安定性にお
いて優れており、又、従来の膜乳化に比べて安定剤、ゲ
ル化剤濃度を高くしても乳化できる点において優れる有
用な発明であることを示している。尚、水相中の安定
剤、ゲル化剤濃度を50%以上にすることは、当業者の
常識では考えられないので試験を行なわなかった。又、
条件及び組成を変更して試験したが、ほぼ同様の結果が
得られた。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例1 市販の大豆硬化油及びパ−ム硬化油(いずれも太陽油脂
社製)各1.5Kgを混合し、この混合物に2.0%の
割合でポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(坂
本薬品工業社製)を添加し、均一に混合し、油相を調製
した。水12.0kgに食塩を1.6%の割合で添加溶
解し、水相を調製した。これらの油相及び水相を攪拌機
により混合し、この油水混合液を相互に対向する面に前
面開放の多角形の小室をハニカム状に多数配列した大小
2枚の円板が、一の円板の小室と対向する他の円板の小
室とを連通する位置をずらして配設され、同心状態に積
み重ねられた導流単位体6個を配設した流体混合装置
(ホ−マ−・テクノロジ−株式会社製。ラモンドミキサ
−RM−01−10)を用い、該流体混合装置に2回循
環させることにより乳化(計12個の導流単位体による
乳化)し、W/O型エマルション約14.8kgを得
た。次に、このエマルションを85℃で10分間加熱殺
菌し、急冷可塑化混練装置(シュレ−ダ−社製。パイロ
ットコンビネ−タ−)を用いて20℃に急冷可塑化し、
混練し、約14.5kgの低脂肪スプレッドを得た。
社製)各1.5Kgを混合し、この混合物に2.0%の
割合でポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(坂
本薬品工業社製)を添加し、均一に混合し、油相を調製
した。水12.0kgに食塩を1.6%の割合で添加溶
解し、水相を調製した。これらの油相及び水相を攪拌機
により混合し、この油水混合液を相互に対向する面に前
面開放の多角形の小室をハニカム状に多数配列した大小
2枚の円板が、一の円板の小室と対向する他の円板の小
室とを連通する位置をずらして配設され、同心状態に積
み重ねられた導流単位体6個を配設した流体混合装置
(ホ−マ−・テクノロジ−株式会社製。ラモンドミキサ
−RM−01−10)を用い、該流体混合装置に2回循
環させることにより乳化(計12個の導流単位体による
乳化)し、W/O型エマルション約14.8kgを得
た。次に、このエマルションを85℃で10分間加熱殺
菌し、急冷可塑化混練装置(シュレ−ダ−社製。パイロ
ットコンビネ−タ−)を用いて20℃に急冷可塑化し、
混練し、約14.5kgの低脂肪スプレッドを得た。
【0047】得られた低脂肪スプレッドを試験例1と同
一の方法により試験した結果、安定で水相分離がなく、
口当たりが滑らかであり、口どけが良好であった。
一の方法により試験した結果、安定で水相分離がなく、
口当たりが滑らかであり、口どけが良好であった。
【0048】実施例2 導流単位体12個を配設した流体混合装置に変更したこ
と及び循環を1回行ったことを除き、実施例1と同一の
条件により、低脂肪スプレッドを得た。
と及び循環を1回行ったことを除き、実施例1と同一の
条件により、低脂肪スプレッドを得た。
【0049】得られた低脂肪スプレッドを試験例1と同
一の方法により試験した結果、安定で水相分離がなく、
口当たりが滑らかであり、口どけが良好であった。
一の方法により試験した結果、安定で水相分離がなく、
口当たりが滑らかであり、口どけが良好であった。
【0050】実施例3 市販のバタ−油(森永乳業社製)6.0kgに、2.0
%の割合でポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル
(坂本薬品工業社製)をそれぞれ添加し、均一に混合
し、油相を調製した。水4.0kgに食塩及びキサンタ
ンガムをそれぞれ1.6%及び0.2%の割合で添加溶
解し、水相を調製した。これらの油相及び水相を攪拌機
により混合し、この油水混合物を相互に対向する面に前
面開放の多角形の小室をハニカム状に多数配列した大小
2枚の円板が、一の円板の小室と対向する他の円板の小
室とを連通する位置をずらして配設され、同心状態に積
み重ねられた導流単位体12個を配設した流体混合装置
を用いて、該流体混合装置に1回循環させることにより
乳化し、W/O型エマルション約9.8kgを得た。次
に、このエマルションを85℃で10分間加熱殺菌し、
急冷可塑化混練装置(シュレ−ダ−社製。パイロットコ
ンビネ−タ−)を用いて20℃に急冷可塑化し、混練
し、約9.5kgのシ−トバタ−を得た。
%の割合でポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル
(坂本薬品工業社製)をそれぞれ添加し、均一に混合
し、油相を調製した。水4.0kgに食塩及びキサンタ
ンガムをそれぞれ1.6%及び0.2%の割合で添加溶
解し、水相を調製した。これらの油相及び水相を攪拌機
により混合し、この油水混合物を相互に対向する面に前
面開放の多角形の小室をハニカム状に多数配列した大小
2枚の円板が、一の円板の小室と対向する他の円板の小
室とを連通する位置をずらして配設され、同心状態に積
み重ねられた導流単位体12個を配設した流体混合装置
を用いて、該流体混合装置に1回循環させることにより
乳化し、W/O型エマルション約9.8kgを得た。次
に、このエマルションを85℃で10分間加熱殺菌し、
急冷可塑化混練装置(シュレ−ダ−社製。パイロットコ
ンビネ−タ−)を用いて20℃に急冷可塑化し、混練
し、約9.5kgのシ−トバタ−を得た。
【0051】得られたシ−トバタ−を試験例1と同一の
方法により試験した結果、安定で水相分離がなく、口当
たりが滑らかであり、口どけが良好であった。
方法により試験した結果、安定で水相分離がなく、口当
たりが滑らかであり、口どけが良好であった。
【0052】
【発明の効果】本発明によって次の効果が奏せられる。 (1)本発明の方法を用いることにより、油脂、乳化剤
の成分及び種類が限定されず、安定剤、ゲル化剤の濃度
に無関係で、原料中の懸濁物に影響されずに、かつリ−
キ−、転相等を生じない安定な乳化物が得られる。 (2)本発明の方法を用いることにより、油脂、乳化剤
の成分及び種類が限定されず、安定剤、ゲル化剤の濃度
に無関係で、全組成物中の油相の比率を20%まで低下
させることが可能となり、かつリ−キ−、転相等がな
く、乳化粒子径の小さな極めて安定で風味が良好な低脂
肪スプレッドが得られる。 (3)本発明の方法においては、安定剤、ゲル化剤等の
懸濁物の有無に関係なく乳化が実施できるため、必要に
応じて安定剤、ゲル化剤が入った低脂肪スプレッドの製
造が可能となる。
の成分及び種類が限定されず、安定剤、ゲル化剤の濃度
に無関係で、原料中の懸濁物に影響されずに、かつリ−
キ−、転相等を生じない安定な乳化物が得られる。 (2)本発明の方法を用いることにより、油脂、乳化剤
の成分及び種類が限定されず、安定剤、ゲル化剤の濃度
に無関係で、全組成物中の油相の比率を20%まで低下
させることが可能となり、かつリ−キ−、転相等がな
く、乳化粒子径の小さな極めて安定で風味が良好な低脂
肪スプレッドが得られる。 (3)本発明の方法においては、安定剤、ゲル化剤等の
懸濁物の有無に関係なく乳化が実施できるため、必要に
応じて安定剤、ゲル化剤が入った低脂肪スプレッドの製
造が可能となる。
【図1】図1は、本発明の方法を実施するための一例を
示した工程概略図である。
示した工程概略図である。
1 原料タンク 2 ポンプ 3 パイプライン 4 流体混合装置(ラモンドミキサ−) 5 導流単位体 6 パイプライン 7 パイプライン 8 弁 9 弁 10 パイプライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 清孝 神奈川県座間市東原5−1−15−506 さ がみ野さくら (72)発明者 古谷 篤 神奈川県相模原市南台5−19−5 ド−ミ −小田急相模原308
Claims (8)
- 【請求項1】 相互に対向する面に前面開放の小室を多
数配設した2枚の板が、一の板の小室と対向する他の板
の小室との連通する位置をずらして配設され、同心状態
に積み重ねられた導流単位体に、油相及び水相からなる
混合液を圧入し、乳化することを特徴とする乳化物の製
造法。 - 【請求項2】 両端に入口及び出口を備えたケ−シング
と、相互に対向する面に前面開放の小室を多数配設した
2枚の板が、一の板の小室と対向する他の板の小室とを
連通する位置をずらして配設され、同心状態に積み重ね
られた導流単位体2以上からなり、前記板がケ−シング
の内壁に当接し、かつ前記板に流通孔が穿設され、2以
上の導流単位体の前記流通孔を相互に連通して集積し、
ケ−シング内に配設し、ケ−シングの両端に位置する導
流単位体の流通孔をケ−シングの入口及び出口に連通さ
せた流体混合装置に、油相及び水相からなる混合液を圧
入し、乳化することを特徴とする乳化物の製造法。 - 【請求項3】 両端に入口及び出口を備えたケ−シング
と、相互に対向する面に前面開放の小室を多数配設した
2枚の板が、一の板の小室と対向する他の板の小室とを
連通する位置をずらして配設され、同心状態に積み重ね
られた導流単位体2以上からなり、前記2枚の板がケ−
シングの内壁に当接し、かつ各板に対して、前記2枚の
板の対向しない位置に流通孔が穿設され、2以上の導流
単位体の前記流通孔を相互に連通して集積し、ケ−シン
グ内に配設し、ケ−シングの両端に位置する導流単位体
の流通孔をケ−シングの入口及び出口に連通させた流体
混合装置に、油相及び水相からなる混合液を圧入し、乳
化することを特徴とする乳化物の製造法。 - 【請求項4】 両端に入口及び出口を備えた円筒状のケ
−シングと、相互に対向する面に前面開放の小室を多数
配設した大小2枚の円板が、一の円板の小室と対向する
他の円板の小室とを連通する位置をずらして配設され、
同心状態に積み重ねられた導流単位体2以上からなり、
前記大径の円板はケ−シングの内壁に当接し、かつ中心
に流通孔が穿設され、2以上の導流単位体を相互に同径
の円板に隣接させ、前記流通孔を相互に連通して集積
し、ケ−シング内に配設し、更にケ−シングの両端に導
流単位体の大径の円板を配設し、その流通孔をケ−シン
グの入口及び出口に連通させた流体混合装置に、油相及
び水相からなる混合液を圧入し、乳化することを特徴と
する乳化物の製造法。 - 【請求項5】 両端に入口及び出口を備えた円筒状のケ
−シングと、相互に対向する面に前面開放の多角形の小
室をハニカム状に多数配設した大小2枚の円板が、一の
円板の小室と対向する他の円板の小室とを連通する位置
をずらして配設され、同心状態に積み重ねられた導流単
位体6〜12個からなり、前記大径の円板はケ−シング
の内径に当接し、かつ中心に流通孔が穿設され、6〜1
2個の導流単位体を相互に同径の円板に隣接させ、前記
流通孔を相互に連通して集積し、ケ−シング内に配設
し、更にケ−シングの両端に導流単位体の大径な円板を
配設し、その流通孔をケ−シングの入口及び出口に連通
させた流体混合装置に、油相及び水相からなる混合液を
圧入し、乳化することを特徴とする低脂肪スプレッドの
製造法。 - 【請求項6】 水相が、0〜50%(重量)の安定剤及
びゲル化剤を含有する請求項5に記載の低脂肪スプレッ
ドの製造法。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項4に記載の方法によ
り製造してなる乳化物。 - 【請求項8】 請求項5又は請求項6に記載の方法によ
り製造してなる低脂肪スプレッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5351348A JPH07194301A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 乳化物とその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5351348A JPH07194301A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 乳化物とその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07194301A true JPH07194301A (ja) | 1995-08-01 |
Family
ID=18416696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5351348A Pending JPH07194301A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 乳化物とその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07194301A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013056964A1 (en) | 2011-10-17 | 2013-04-25 | Unilever N.V. | Method for production of edible water-in-oil emulsion |
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1993
- 1993-12-28 JP JP5351348A patent/JPH07194301A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013056964A1 (en) | 2011-10-17 | 2013-04-25 | Unilever N.V. | Method for production of edible water-in-oil emulsion |
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