JPH0425193Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、玩具車用オイルダンパーに関し、特
に詳述すれば、ラジオコントロールタイプの比較
的大型のバギー車のような玩具車輛に利用される
オイルダンパーに関する。

（従来の技術） 玩具車にダンパーを装備させる場合、コイルス
プリングをそのフレームとアクスルとの間に装備
させる。しかし、この場合、減衰力特性に問題が
残るとしても、玩具車としてのコストを考えた
時、コイルスプリングが最も良いと考えられてい
た。一方、ラジオコントロールタイプの比較的大
型の玩具車が市場に出るようになり、且つ該玩具
車をあらゆる路面で走行させようとすると、コイ
ルスプリングの減衰力特性では、満足のいく玩具
車の走行が得られない状態となり、新たなダンパ
ーの開発が望まれている。

他方、乗用車の如き実車には、既に種々のオイ
ルダンパーが開発され、装備されている。その代
表的な一つとして、単筒式オイルダンパーがあ
る。該ダンパーは、チユーブの一端にフリーピス
トンを挿入し、該フリーピストンとチユーブ端部
との間に窒素ガスを封入したリザーバ室を形成
し、さらに、ロツドの一端に固定した主ピストン
をチユーブ内に挿入すると共に、チユーブ内にオ
イルを充満させる構成となつている。このダンパ
ーは、ロツドの伸びおよび縮み側の減衰力を主ピ
ストンのバルブ部で得ると共に、縮み側ではリザ
ーバ室の窒素ガスの抵抗によりその減衰力を十分
発生させるものであり、且つロツドのチユーブ内
への浸入、退出分のオイルが、フリーピストンの
移動によりリザーバ室の体積を変化させている。

（本考案が解決しようとする問題点） 前記した実車に使用されるオイルダンパーを玩
具車にそのまま適用させようとすると、リザーバ
室とオイル室とのシールに高い技術を必要とし、
玩具車の域を越えたものとなり、又、玩具愛好家
がリザーバ室に窒素ガスを封入させることは、実
際、不可能である。さらに、玩具車にこの形のオ
イルダンパーを使用しようとすると、小型になる
ため、オイル室が小さくなり、減衰力の範囲がき
わめて小さくなる。それ故に、前記したオイルダ
ンパーの構造を、そのまま、玩具車に利用できな
い。

本考案は、実車に利用されているオイルダンパ
ーを改良することで、玩具車にも使用できる有用
なダンパーを提供することを解決すべき問題点と
する。

（問題点を解決するための技術的手段） 本考案は、前述した問題を解決するため、チユ
ーブの一端にハツト状のオイルシールを配する技
術的手段を採用する。

（作用） ロツドの縮み方向の移動は、ピストンのバルブ
部のオイル流出抵抗を受けて減衰し、オイルシー
ルはロツドのチユーブ内への浸入、退出によるオ
イル室の容積変化に追従し、これを補償する。

（実施例） 図に示す如く、オイルダンパー１のチユーブ２
の開口端にオイルシール４を配す。オイルシール
４は縁５を有するハツト状のもので、その中央部
がチユーブ２内に入り、縁５が、チユーブ２の端
面に着座する。合成ゴム等の弾性材からなるオイ
ルシール４の縁５は、キヤツプ３をチユーブ２に
螺着した時、該キヤツプ３によつてチユーブ２の
端面に押圧され、チユーブ２の内部と外部とをシ
ールする。オイルシール４とキヤツプ３の内壁面
との間の空間には、小穴１２を介して大気圧が導
入される。れん根状の穴あきピストン６と該穴の
開閉をなすシートバルブ７とを備えたロツド８の
端部をチユーブ２内に配す。ピストン６とシート
バルブ７とは、Ｅリングを用いロツド８の端部に
保持させる。ロツド８の他端には、ダンパーアイ
９が設けられ、且つチユーブ２の端壁とロツド８
の一端との間にスプリング１０を配す。スプリン
グ１０は、ロツド８を図の右方へ附勢し、ピスト
ン６をチユーブ２の右端に位置させる。図に示す
如く、スプリング１０の一端をカラー１１に着座
させ、カラー１１の厚みを変えることで、スプリ
ング１０の附勢力を調整可能とさせる。チユーブ
２内にオイルを封入する。

図に示すＦなる力がロツド８に作用すると、ロ
ツド８は、スプリング１０の附勢力を受けなが
ら、縮み方向へと移動する。この際、オイルは、
ピストン６の穴からシートバルブ７を介してピス
トン６の右方へと流れ込み、該オイルの流れ抵抗
がロツド８の縮み方向での減衰力を作る。この
際、ロツド８のチユーブ内への浸入分に相当する
分だけオイルシール４が弾性変形し、オイル室の
容積を補償する。一方、Ｆなる力が解放される
と、スプリング１０の附勢力によりロツド８が右
方へ移動しようとするが、オイルの逆流は、シー
トバルブ７がピストン６の穴を閉じるので、ピス
トン６まわりを流れ大きな抵抗を受け、ロツド８
の伸び側での減衰力を作る。この際、ロツド８の
チユーブからの退出分だけオイルシールがチユー
ブ内方向へ弾性変形し、即ち、原形状に戻る形と
なつてオイル室の容積を補償する。

スプリング１０の一端を、チユーブ２の端部の
フランジ１３に着座させ、スプリング１０を仮想
線で示す如くチユーブ２の外周面に沿つて配して
もよい。この場合、カラー１１は不要となる。

図示例では、シートバルブ７を用いたが、この
バルブ７は必須という訳でなく、バルブ７が無く
ても良い。又、ピストン６の穴に代えて、ピスト
ン６とチユーブ２の内壁面との間のクリアランス
をオイル通路としても良い。

（効果） 本発明のオイルシールは、キヤツプとチユーブ
との間の気密材を兼ねるので、別個のシール材を
必要としない。

チユーブ２内にオイルを入れる際、キヤツプ３
とオイルシール４をチユーブ２から外した状態で
且つキヤツプ３側のチユーブ２の開口を上向きに
して、オイルをチユーブ２内に入れる。この際、
オイルに空気が混入するが、チユーブ２内にオイ
ルを充満させると、空気がチユーブ２の開口部に
浮上する。ハツト状のオイルシール４をチユーブ
２の開口に配すると、オイルシール４の中央部に
よつてチユーブ２内のオイルの一部が外部に洩れ
る。この結果、空気の混入したオイルは外部に排
出されることになるので、ダンパー１の動きは、
きわめて円滑である。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一例のオイルダンパーの断面図
である。 図中：１……オイルダンパー、２……チユー
ブ、４……オイルシール、６……ピストン、７…
…シートバルブ、８……ロツド、１０……スプリ
ング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弾性材からなり外面に大気圧が作用するハツト
   状のオイルシールの縁を気密状にその一端に取付
   けたチユーブと、その一端部にピストンを備えた
   ロツドとを有し、前記チユーブの他端より気密状
   に前記ロツドが外部へ延出するよう前記チユーブ
   内に前記ピストンを挿入し、前記ピストン内にオ
   イルを封入し、前記ピストンの往復動に応じた前
   記ロツドの前記チユーブ内への出入りによる前記
   チユーブ内の容積変化を前記オイルシールの弾性
   変形により補償することを特徴とする玩具車用オ
   イルダンパー。