JPH0424807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は切込みを組合わせることによつて、立
体的に組立てることが出来るダンボールに関し、
さらに詳しくは破損し易い物品の保管とか運搬時
に物品端部を簡易に覆い破損を防止するための立
体的組立可能なダンボール紙に関する。

〔従来の技術〕

従来、破損し易い物品の保管とか運搬時に特に
衝撃により破損され易い端部に緩衝物を当てるこ
とが多い。しかし、上記緩衝物は空気泡形成シー
トとか、発泡スチロール片、ダンボール片等であ
り物品に当てて固定するのは煩雑でまた脱落する
ことが多く、作業が能率的に行なわれていない。
その他、コンパクトにならないことにより不使用
時の収納に無駄なスペースを必要とする不都合が
あつた。

「考案が解決しようとする問題点〕 本考案は上記の事情に鑑み、不使用時の収納に
無駄なスペースを必要とせず、容易に組立てられ
て、対象物品にとりつけても容易でかつ脱落する
ことのない緩衝材が形成される構造を有するダン
ボール紙を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記の目的を達成するためになされ
たもので、その要旨は、 (a) 直角四辺形の主面 (b) 該主面の相対する一対の辺の少なくともいず
れか一方を折り曲げ可能に共有し、相対する他
の一対の辺を少なくともいずれか一方の辺の延
長線から僅か離れた距離に辺を有する主面より
長い側面 (c) 上記の主面の辺及び側面の辺をそれぞれ折曲
げ可能に共有するほぼ直角四辺形の主面舌片、
及び側面舌片 からなるダンボール紙の、前記側面舌片には、側
面との共有辺に平行で主面舌片長より短くない狭
幅の切込みが前記共有辺から側面舌片の長さのほ
ぼ四分の三以下の位置に主面舌片側より設けられ
てなり、主面舌片自由端辺には、側面舌片側よ
り、前記側面と側面舌片の共有辺と前記側面舌片
に設けられた狭幅の切込み間の距離に相当する位
置に直角もしくは鋭角の係合舌片を形成する切込
みが設けられてなる立体状に組立て可能なダンボ
ール紙にある。

〔考案の具体的構成および作用〕

以下本考案を図面を参照して説明する。

第１図および第２図は本考案に係る立体状に組
立て可能なダンボール紙（以下ダンボール紙とい
う）の一実施例を示すもので、第１図は展開した
平面図である。

ダンボール紙１は、直角四辺形の主面２、この
主面２の一方の相対する辺２ａ，２ｂを折曲げ可
能に共有し、他方の相対する一対の辺の一つ２ｃ
の延長線から僅か離れた位置に位置する辺３ａ，
３ａを有する主面２より長い側面３，３、および
辺２ｃ，３ａ，３ａをそれぞれ共有するほど直角
四辺形の主面舌片４、側面舌片５，５とによつて
構成されている。

第２図にダンボール紙１の一部拡大図を示すよ
うに、前記側面舌片５，５には辺３ａ，３ａに平
行で主面舌片４の長さｌより短かくない狭幅の切
込み６が共有辺３ａから側面舌片５の長さl′のほ
ぼ四分の三以下の位置に、主面舌片４の側より設
けられている。また主面舌片の自由端辺４ａに
は、主面舌片４の側面舌片側の辺４ｂから、前記
狭幅の切込み６と辺３ａとの距離に相当する位置
に、先端７ａの角度が直角または鋭角の係合舌片
７を形成する切込み８が設けられている。

このダンボール紙１を組立てるには、先ず第３
図に示すように主面舌片４、側面舌片５をそれぞ
れ、主面２、側面３に対し同方向に且つ直角に折
曲げる。次いで辺２ａに沿い、側面３を主面２に
対して上記と同方向に且つ直角に折曲するが、そ
の際、第４図に示すように主面舌片４を側面舌片
５の外側より狭幅の切込み６に挿入する。この場
合、辺２ｃより外側に位置する辺３ａで折り曲げ
られた側面舌片５の外側から、辺２ｃで折り曲げ
られた主舌片４を狭幅の切込み６に挿入するの
で、主面舌片４は、主面舌片４の内側に位置する
側面舌片５の狭幅の切込み６より上の部分によつ
て、外側に付勢され、側面舌片５の狭幅の切込み
６より下の部分は主面舌片４に密着する。

したがつて、主面舌片４は、上記側面舌片５の
狭幅の切込み６の上下部分の弾発力によつて挟持
され、狭幅の切込み６に挿入された主面舌片４の
係合舌片７の先端７ａが狭幅の切込み６に入る
と、先端７ａは自動的に狭幅の切込み６に引掛か
り、容易に離れない立体状になり、組立てが完了
する。

この場合、前記切込み８の形状は、係合舌片７
の先端７ａが前記の角度を有する形状となればよ
いが、係合舌片が鋭角で自由端辺４ａ上に一辺を
有する三角形状とすると、狭幅の切込み６への挿
入が容易となり係合舌片７の折損が防止され、ま
た、切込み８を形成する際の操作が容易となる。

なお、切込み形状を三角形状にした場合は係合
舌片でない側の主面舌片の自由端は側面舌片と当
接し、組立強度を向上する。しかし、場合によつ
てはこの部分を切除し、台形状の切込みとしても
よい。また、主面舌片４の側面舌片５側の角隅部
（係合舌片７の辺４ｂ側隅部）を丸く切除した隅
部９としておくと、主面２が狭幅の切込み６にス
ムーズに挿入出来る。

また、狭幅の切込み６の幅を、ダンボール紙の
厚さ程度としておけば、係合強度に影響なく、主
面舌片４を挿入し易くなる。

さらに、側面舌片５の狭幅の切込み６の入口の
側面３側角隅部を丸く切除した隅部１０としてお
くと、主面２と側面３の一方の相対する辺２ａ，
２ｂを折り曲げて主面舌片４を狭幅の切込み６へ
挿入する際、側面舌片５の狭幅の切込み６の入口
の側面３側角隅部１０を切除した角度より小さい
角度で側面舌片５の自由端を下に、主面舌片４を
上にかさねて主面舌片４で側面舌片５の自由端を
押し下げ側面舌片の自由端と側面舌片の狭幅の切
込み６より下部との段差をつけることにより挿入
が極めてなめらかかつ容易に挿入することができ
る。

この狭幅の切込６の位置は側面舌片自由端に近
づきすぎると、該切込みと自由端のなす細幅部分
がその付け根部分で折れてしまいやすくなり組立
て後の主面舌片との当接が悪くなり、組立て深度
が落ちて好ましくない。従つて辺３ａからほぼ四
分の三以内にすることが好ましい。

前記第１図のダンボール紙を組立てると第５図
に示すように、一方の開いた箱形緩衝具１１とな
る。これをたとえば破損し易い物品の荷造りに使
用する場合には、第６図に示すように該物品の長
尺直方体１２を、パレツト１３に載置し、両端に
前記緩衝具１１を取付けて梱包するが、緩衝具１
１は、４つの面によつて直方体端部を覆つて取付
けられているので、梱包中で脱落したりすること
がない。

また、第７図は本考案の他の実施例を示すもの
で、主面舌片４，４、側面舌片５，５をそれぞれ
主面２、側面３に対向して設けたダンボール紙を
組立てたもので、例えば保護の必要な直方体状物
品の端部を完全に且つほぼ固定的に覆うことが出
来る。

なお、上記説明においては、直方体状物品の端
部の緩衝具用としたが、これに限られるものでな
く、本考案に係る構造のダンボール紙を、種々な
形の物品の保護用に利用出来る。

「効果〕 以上述べたように、本考案に係る立体状に組立
て可能なダンボール紙は、不使用の際に、一枚の
ダンボールとして保管されるのでスペースを要せ
ず、使用する際には容易かつ迅速に箱状に組立て
られ、隅部の破損を招き易い直方体状の物品の端
部を覆つて取付けられるまた梱包する場合はその
途中に脱落することなく、能率的な梱包が可能と
なる等、多くの長所を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案に係る立体状に組
立て可能なダンボール紙の一実施例を示すもの
で、第１図は展開平面図、第２図は第１図の一部
拡大図、第３図ないし第５図は、ダンボール紙の
組立法を示すもので、第３図は、主面舌片、側面
舌片をそれぞれ主面、側面に対して90°折曲げた
状態を示す図、第４図は、さらに側面を主面に対
して90°折曲げ、主面舌片と側面舌片を組合わせ
た状態を示す図、第５図は第１図のダンボール紙
を組立てた状態を示す斜視図、第６図は、これを
用いてパレツト上の物品を荷造する場合を示す
図、第７図は、本考案の他の実施例を示す斜視図
である。 １……ダンボール紙、２……主面、２ａ，２ｂ
……一方の相対する辺、２ｃ……他方の相対する
辺の一つ、３……側面、３ａ……２ｃの延長線上
の辺、４……主面舌片、４ａ……自由端辺、４ｂ
……側面舌片側の辺、５……側面舌片、６……狭
幅の切込み、７……係合舌片、７ａ……先端、８
……切込み、９……主面舌片の側面舌片側隅部、
１０……切込み６の入口の側面側隅部、１１……
一方の開いた箱形緩衝具、ｌ……主面舌片の長
さ、l′……側面舌片の長さ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) (a) 直角四辺形の主面２ (b) 該主面の相対する一対の辺２ａ，２ｂのす
   くなくともいずれか一方を折り曲げ可能に共
   有し、相対する他の一対の辺を少なくともい
   ずれか一方の辺２ｃの延長線から僅か離れた
   距離に辺３ａを有する主面２より長い側面３ (c) 上記の主面の辺２ｃ及び側面の辺３ａをそ
   れぞれ折曲げ可能に共有するほぼ直角四辺形
   の主面舌片４、及び側面舌片５ からなるダンボール紙の、前記側面舌片には、側
   面との共有辺３ａに平行で主面舌片長ｌより短く
   ない狭幅の切込み６が、前記共有辺３ａから側面
   舌片の長さl′のほぼ四分の三以下の位置に主面舌
   片側より設けられてなり、主面舌片自由端辺４ａ
   には、側面舌片側より、前記側面と側面舌片の共
   有辺３ａと前記側面舌片に設けられた狭幅の切込
   み６間の距離に相当する位置に直角もしくは鋭角
   の係合舌片７を形成する切込み８が設けられてな
   る立体状組立て可能なダンボール紙。 (2) 主面舌片自由端辺４ａの切込みが、係合舌片
   ７を残し、該自由端片上に一辺を有する三角形
   状もしくは台形状に設けてなる実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の立体状に組立て可能なダ
   ンボール紙。 (3) 主面舌片４の先端の側面舌片５側角隅部が、
   丸く切除されてなる実用新案登録請求の範囲第
   １項又は第２項記載の立体状に組立て可能なダ
   ンボール紙。 (4) 側面舌片５の狭幅の切込み６の幅が、ほぼダ
   ンボール紙の厚みである実用新案登録請求の範
   囲、第１項、第２項、第３項いずれかに記載の
   立体状に組立て可能なダンボール紙。 (5) 側面舌片５の狭切込み入口角隅部のうち側面
   側角隅部が丸く除去されてなる実用新案登録請
   求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項いず
   れかに記載の立体状に組立て可能なダンボール
   紙。