JPH0424760Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は充電回路、特に容量が互いに相違す
る主および補助の１組の充電池を切り換え使用す
る小型電気機器の充電回路に関する。

一般に充電式小型電気機器は、電力補給が容易
で使用場所を選ばないという利点を有する反面、
一回の充電で供給できる電力量に限りがあり、し
ばしば電池切れが迫つたことを知らずに使用し続
け、使用途中で機器が停止する虞れがあつた。

上記問題に対し、従来の主電池に加えて、該電
池より容量の小さく小型の補助電池を同時に内蔵
し、主電池の電池切れが確認されると補助電池に
電源を切り換え使用可能とすることにより、機器
が途中で使用不能となる事態を未然に防止する試
みが提案されている。

ところが、主電池に加えて補助電池をも内蔵す
ることはそれだけでも容積の増加につながるの
に、補助電池を主電池と同時に内蔵の充電回路で
充電しようとすると、充電回路の内、特にトラン
スの容量を大きくせねばならず機器が更に大型化
し重量も増加して、この種装置に必要とされる小
型軽量化の要求に反することは明らかである。

本考案は上記問題に着目してなされたものであ
つて、充電電圧を交流とし、充電電圧の各半周期
毎に主および補助の電池に交互に充電するととも
に、主および補助電池の容量の違いを利用し、補
助電池の充電時に表示回路を作動させて充電時期
を表示させることにより、装置を大型化すること
なく主および補助電池が同時に充電でき、更に充
電時期の表示も有効に行なえる充電回路を提供す
ることを目的とする。

以下図面に示す実施例に基づき、本考案を具体
的に説明する。

なお図面は、本考案を往復動式電気かみそりに
実施した一例を示すがこれに限らず、回転式電気
かみそり、電気バリカン、テープワインダなど各
種小型電気機器にも同様に実施できることは勿論
である。

本考案を実施する電気かみそり１は、第１図に
示す如く、本体ケース２の上部に外刃３を着脱自
在に備えるとともに、該外刃３に内接させて内刃
４を往復動自在に配置している。更に本体ケース
２の内部には、内刃４を往復駆動させるモータ５
と、該モータ５に電力を供給する充電池６とを内
蔵し、本体ケース２の表面に備えたスイツチ７の
オンオフ操作と連繋して、モータ５への通電時期
を規制する。

充電池６は、第２図に示す如く、ニツケルカド
ミウム電池の如く複数回の充放電に耐えるもので
あつて、電池容量が互いに異なる、例えば400〜
500mAh程度の容量を有する単３型の主電池９お
よび50〜100mAh程度の容量の単５型の補助電池
１０を１組として使用される。一方、スイツチ７
は２回路３接点のものを使用することにより、操
作ノブ１１のスライド操作と連繋して、第３図ａ
ないしｃの如く、第１及び第２回路１２，１３の
接点を切り替え可能とする。従つて、スイツチ７
の各回路の一次側端子１４を主および補助電池
９，１０の両端と並列に接続するとともに、二次
側端子１５をモータ５と直列に接続することによ
り、不使用時には第３図ａの如くモータ５に通電
がされず、通常の使用時には操作ノブ１１を一段
スライドさせることにより、第３図ｂの様にスイ
ツチ７の接点が主電池９の両端側に切り替わつて
主電池９からモータ５に給電を続け、電池の容量
切れをきたしてモータ５の回転が停止したことが
確認された場合、スイツチ７の操作ノブ１１を更
にもう一段押し込み操作することにより、第３図
ｃの如く、スイツチ７の接点は主電池９側から補
助電池１０側に切り替わり、補助電池１０からモ
ータ５に電力が供給されて電気かみそり１の使用
が継続可能となるのである。

本考案は、上記補助電池１０を充電する充電部
１６にその特徴を有する。

第１図および第２図に示す如く、充電部１６
は、本体ケース２の基端にプラグ刃１７を出没自
在に備え、該プラグ刃１７を介して入力された商
用交流電源１９を整流回路２０で平滑したあと、
インバータ回路２１で数＋ｋHz程度の周波数の交
流電圧を発生させる。かかる交流充電電源２２か
らの出力電圧は、インバータ回路２１の一部を構
成するトランス２３により充電池６の充電電圧に
まで降圧され、整流部２４を介して充電池６の両
端に印加される。

整流部２４は、２組のダイオード２５，２６
を、トランス２３の二次側コイル２７の一端に逆
接続したものであつて、各ダイオード２５，２６
の出力端と二次側コイル２７の他端との間に、半
波整流された互いに位相が略180度相違する充電
用半波電圧を出力させる。従つて、主電池９のプ
ラス端と補助電池１０のマイナス端を各々トラン
ス２３の二次側コイル２７の開放端に接続すると
ともに、ダイオード２５のアノード端を主電池９
のマイナス側に、ダイオード２６のカソード端を
電流抑制用の抵抗２８を介して補助電池１０のプ
ラス側に接続することにより、充電用交流電源２
２の負の半周期には、第４図ｂに示す様に、主電
池９には80mA程度の電流で急速充電が行われ、
正の半周期には、第４図ａの如くダイオード２６
を通じて主電池９の充電電流より十分少ない
10mA程度の充電電流が補助電池１０に流れ標準
充電をおこない、主および補助電池９，１０が略
同時間で充電を完了する様にしている。

本考案では更に、充電時期を示す表示部２９を
備えている。表示部２９は、発光ダイオード３０
と過電流防止用の抵抗３１を直列接続したもので
あつて、発光ダイオード３０のアノード端をダイ
オード２６のアノード端に繋ぐとともに、カソー
ド端をスイツチ７の第２回路１３の二次側端子１
５に接続している。この時、トランス２３の出力
容量を、主電池９を充電するのに必要最小限に規
制しておくと、補助電池１０の充電時には出力電
力に余裕があり、補助電池１０の充電電流に加え
て表示用の電流を流してもトランス２３からの出
力電圧が著しく低下することはない。従つて、第
４図ａに示す如く、補助電池１０を充電している
正の半周期にのみ発光ダイオード３０に通電して
発光表示し、主電池９の充電を行っている負の半
周期には表示部２９への通電が停止されているの
で、トランス２３の出力容量を増大させることな
く、トランス２３からの出力電力が有効に利用さ
れ、補助電池１０の充電および充電時期表示が有
効に行なえるのである。

なお表示部２９は、発光ダイオード３０のカソ
ードをスイツチ７の二次側に接続するのに代え
て、トランス２３の二次側コイル２７の開放端に
接続することも可能である。

また表示部２９は、発光表示をするのに代え
て、ブザーなどにより音響で表示し、あるいは
又、発光を点滅させてもよい。

更に主および補助電池９，１０は共に、１個づ
つに限らず複数個の電池を直列接続したものであ
つてもよい。

更にまたスイツチ７は、主電池９と補助電池１
０の切り換え用と、モータ５のオンオフ時期規制
用を各々別に備え、不要に補助電池１０側へスイ
ツチ７が投入されるのを防止する様にしてもよ
い。

本考案は上記の如く、交流充電電源を整流して
互いに位相が略180度異なつた１組の充電用半波
電圧を形成し、該半波電圧で電池容量が相違する
主および補助電池９，１０を交互に充電するとと
もに、補助電池１０の充電路と並列に表示部２９
を繋ぎ、充電電流が少なくてすむ補助電池１０の
充電時にのみ表示部２９を作動させることによ
り、トランス２３の容量を必要最小限に抑えるこ
とができ、機器の小型軽量化を図りながら、充電
時期表示が有効に行なえる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した一例を示す外観斜視
図、第２図は電気回路図、第３図ａないしｃはス
イツチの切り換え手順を示す説明図、第４図ａお
よびｂは充電状況を示す説明図である。 ６……充電池、９……主電池、１０……補助電
池、１９……商用交流電源、２０……整流回路、
２１……インバータ回路、２２……交流電源、２
３……トランス、２４……整流部、２９……表示
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 交流充電電源２２と、 該交流充電電源２２の出力電圧を所定の充電電
   圧に変換するトランス２３と、 該トランス２３から出力される充電電圧を、互
   いに位相が略180度異なった１組の半波電圧に整
   流する整流部２４と、 整流部２４の出力側に繋がれて、半波電圧によ
   り交互に充電される１組の充電池６と、 トランス２３の出力側に繋がれ、充電時を表示
   する表示部２９とを備え、 上記した充電池６を、主電池９と、該主電池９
   より電池容量が小さい補助電池１０とから構成す
   る一方、 上記した表示部２９を補助電池１０の充電路と
   並列に接続し、補助電池１０に充電する半周期間
   を限つて表示部２９に通電可能としたことを特徴
   とする充電回路。