JPH04245648A - 電界効果トランジスタ - Google Patents

電界効果トランジスタ

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JPH04245648A
JPH04245648A JP1088091A JP1088091A JPH04245648A JP H04245648 A JPH04245648 A JP H04245648A JP 1088091 A JP1088091 A JP 1088091A JP 1088091 A JP1088091 A JP 1088091A JP H04245648 A JPH04245648 A JP H04245648A
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JP
Japan
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layer
channel
semiconductor layer
impurities
electrons
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JP1088091A
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English (en)
Inventor
Shigeru Nakajima
中島 成
Hideki Hayashi
秀樹 林
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高速動作を要する電
界効果トランジスタ(FET)の構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の超高速デバイスとしては
、例えば、図6に示される構造をしたHEMT(高電子
移動度トランジスタ)がある。GaAs半導体基板1上
にはアンドープGaAs層2が形成され、このアンドー
プGaAs層2上にはさらにアンドープのIny Ga
1−y As層3が形成されている。このアンドープI
ny Ga1−y As層3上にはAlx Ga1−x
 Asにドナーが選択的に添加されたn−Alx Ga
1−x As層4が形成されている。さらに、このn−
Alx Ga1−x As層4上にはn+ −InGa
As層5が形成されており、中央部に形成されたリセス
に露出するn−Alx Ga1−x As層4にショッ
トキ接触してゲート電極6が形成されている。また、n
+ −InGaAs層5上にはオーミック電極7,8が
形成されている。
【0003】また、この他の超高速デバイスとしては、
例えば、特開昭64−82677号公報に開示された2
層プラナドープ構造を持つ超高速デバイスもある。この
デバイスにおいては、不純物が2次元平面状にドープさ
れたプレーナドープ層が、電子の平均自由行程以内の間
隔で2層設けられている。これらプレーナドープ層がチ
ャネル層に用いられることにより、デバイスの高速化が
図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のHEMTの
ように、AlGaAs/InGaAsのヘテロ接合を用
いた系においては、チャネルになるInGaAs層3中
を走行する電子がこの上層にあるAlGaAs層4に遷
移する実空間遷移を生じる場合がある。この実空間遷移
は次のように説明することが出来る。n−AlGaAs
層4とアンドープInGaAs層3とのヘテロ接合部に
は図7に示されるエネルギバンドが形成され、図示の斜
線部に2次元電子ガスが蓄積される。しかし、ドレイン
・ソース間に高電界が印加されて2次元電子ガスの持つ
エネルギが高くなると、2次元電子ガス中の電子はn−
AlGaAs層4側に図示の矢印のように遷移する。
【0005】ドレイン・ソース間には動作時に一般的に
高電界が印加され、また、AlGaAs層4ではInG
aAs層3よりも電子の輸送特性が劣るため、この実空
間遷移が起こるとFETの高周波特性は劣化してしまう
【0006】また、上記従来のHEMTは、アンドープ
InGaAs層3とn−AlGaAs層4とのヘテロ接
合界面に生じる2次元電子ガス層9をチャネルとしてい
る。HEMTの最大電流密度はこの2次元電子ガス濃度
の上限で決定されるが、チャネル層が2次元状になって
いるため、電子ガス濃度を高めることには限界が有った
。このため、十分に高い出力を有する高周波デバイスを
得ることが出来なかった。
【0007】一方、上記従来の2層プラナドープ構造を
持つFETにおいても、チャネル層に2次元平面状の薄
いプレーナドープ層を用いており、プレーナドープ層の
厚さは約5〜6オングストロームの一原子層分の厚さに
なっている。従って、このプレーナドープ層に対する不
純物ドーピング量はたかだか1×1013/cm2 程
度である。このため、チャネル層中の電子濃度はプレー
ナドープ層をたとえ2層設けたとしても限られたものに
なり、上記従来のHEMTと同様に、素子の高速化は図
れるがその高出力化は妨げられていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解消するためになされたもので、不純物を全く含まな
いまたは低濃度に含む電子輸送特性の優れた材質から成
る第1の半導体層と、この第1の半導体層にほぼ格子整
合する結晶構造を有するn型の不純物を高い濃度に含ん
で薄く形成されたIny Ga1−y As(0≦Y≦
0.35)からなる第1のチャネル層と、この第1のチ
ャネル層にほぼ格子整合する結晶構造を有する不純物を
全く含まないまたは低濃度に含む電子輸送特性の優れた
材質から成る第2の半導体層と、この第2の半導体層に
ほぼ格子整合する結晶構造を有するn型の不純物を高い
濃度に含んで薄く形成されたIny Ga1−y As
(0≦Y≦0.35)からなる第2のチャネル層と、こ
の第2のチャネル層にほぼ格子整合する結晶構造を有す
る不純物を全く含まないまたは低濃度に含む電子輸送特
性の優れた材質から成る第3の半導体層と、この第3の
半導体層とヘテロ接合を形成しかつゲート電極にショッ
トキ接触する不純物を全く含まないまたは低濃度に含む
AlX Ga1−X As(0≦X≦0.3)から成る
第4の半導体層とを備えてFETが形成されたものであ
る。
【0009】
【作用】ドレイン・ソース間に低い電界が印加されてい
る時には、不純物を高濃度に含む第1および第2の各チ
ャネル層に生じた電子は、これら各チャネル層の中間に
ある不純物を全く含まないまたは低濃度に含む電子輸送
特性の優れた第2の半導体層に存在する確率が高くなる
【0010】ドレイン・ソース間に高い電界が印加され
ると、チャネル中を走行する電子はエネルギを得、第1
および第2の各チャネル層を挟んでいる電子輸送特性の
優れた第1および第3の各半導体層へ飛び出す。
【0011】また、第1および第2の各チャネル層はあ
る程度の厚さを有するため、高い濃度に不純物を含ませ
ることが出来、チャネルは大量の電子によって形成され
る。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例によるFETの構造
を示しており、その製造方法は図2の工程断面図に示さ
れる。この製造方法について以下に説明する。
【0013】まず、半絶縁性のGaAs半導体基板21
上に、この基板21と格子整合をとるための半導体層2
2,第1の半導体層23,第1のチャネル層24,第2
の半導体層25,第2のチャネル層26,第3の半導体
層27,第4の半導体層28,およびコンタクト層29
を順次エピタキシャル成長する(図2(a)参照)。こ
のエピタキシャル成長は、MBE(分子線エピタクシー
)法またはOMVPE(有機金属気相エピタクシー)法
によって行われる。
【0014】基板21と格子整合をとるための半導体層
22はアンドープ状態のGaAsからなり、厚さは1μ
mである。第1の半導体層23は、各チャネル層24,
26よりも電子輸送特性の優れたアンドープ状態のIn
y Ga1−y As(0≦Y≦0.35)からなり、
厚さは50オングストロームである。第1のチャネル層
24および第2のチャネル層26は、それぞれ2×10
18/cm3 の濃度にSiがドープされたn+ 型の
Iny Ga1−y As(0≦Y≦0.35)からな
り、厚さはそれぞれ100オングストロームである。各
チャネル層24,26に挟まれた第2の半導体層25は
、各チャネル層24,26よりも電子輸送特性の優れた
アンドープ状態のIny Ga1−y As(0≦Y≦
0.35)からなり、厚さは100オングストロームで
ある。第2のチャネル層26上の第3の半導体層27は
、この第2の半導体層25と同じ材料からなり、厚さは
100オングストロームである。第3の半導体層27と
ヘテロ接合を形成する第4の半導体層28は、アンドー
プ状態のAlx Ga1−x As(0≦X≦0.3)
からなり、厚さは200オングストロームである。この
第4の半導体層28上のコンタクト層29は、4×10
18/cm3 の濃度にドナーがドープされたn+ 型
のInGaAsからなり、厚さは500オングストロー
ムである。
【0015】ここで、各チャネル層24,26のそれぞ
れのキャリア濃度および厚さは後述する量子井戸を形成
できるだけの濃度および厚さになっている。また、これ
ら各チャネル層24,26中の電子はエネルギを持って
いるため、電子は後述のようにこれら各チャネル層24
,26の厚みよりも僅かに拡がった領域に存在している
。各チャネル層24,26に挟まれた第2の半導体層2
5の厚さは、後述のように、これら各チャネル層24,
26にそれぞれ生じたこの電子の拡がりが相互に十分に
重なり合う厚さになっている。また、第2のチャネル層
26上にある第3の半導体層27の厚さは、電子のこの
拡がった領域が第4の半導体層28に達しない厚さにな
っている。
【0016】つまり、各チャネル層24,26によって
形成される本FETのチャネル付近のエネルギバンドは
図3(a)に示される構造になる。また、同図(b)は
このエネルギバンドに対応する半導体領域を示している
。すなわち、エネルギバンド図は、図の左側に位置する
基板表面側から順に第3の半導体層27,第2のチャネ
ル層26,第2の半導体層25,第1のチャネル層24
および第1の半導体層23に対応して描かれている。 従って、バンドの中央部は、各チャネル・ドーピング面
に挟まれた第2の半導体層25に相当している。ここで
、高濃度薄層化された各チャネル層24,26の両側は
半導体層23,25,27に挟まれ、各チャネル層24
,26の厚さは100オングストロームと薄く形成され
ている。このため、伝導帯に曲がりを生じてV形のポテ
ンシャルが各チャネル層24,26に対応して図示のよ
うに形成され、2つの量子井戸が構成される。なお、各
チャネル層24,26の厚さは100オングストローム
にしているが、伝導帯にこのような量子井戸を形成する
ためにはある程度の薄さ、例えば、それぞれ200オン
グストローム以下の薄さであれば良い。
【0017】チャネル中の電子は電界印加の小さい基底
状態においては一番下のサブバンドEA にある。しか
し、より大きな電界が印加されてエネルギを得ることに
より、電子はこのサブバンドEA 上にあるサブバンド
EB に移り、順次エネルギ準位の高いサブバンドに移
行する。ここで、各サブバンドにおける電子の存在確率
は図示の波動関数の拡がりを呈し、各チャネル層24,
26を挟む各半導体層23,27において、チャネル層
24,26が形成された半導体領域よりも僅かに拡がっ
た部分で零に近付く。また、各チャネル層24,26に
挟まれた第2の半導体層25の厚さは、基底状態の時に
、各量子井戸に生じた電子の存在確率が各ドーピング面
のほぼ中央部において一番高くなる厚さに設定されてい
る。つまり、基底状態の時に各量子井戸に対応して描か
れる波動関数波形が、各ドーピング面のほぼ中央部にお
いて図示のように相互に十分に重なり合う厚さに設定さ
れている。また、基板表面側のアンドープInGaAs
層、つまり、第3の半導体層27の厚さは、第2のチャ
ネル層26から図示の左側に拡がって分布する電子が第
4の半導体層28に達しない厚さになっている。
【0018】また、この第4の半導体層28には後述す
るゲート電極がショットキ接触して形成されるが、その
厚さはこのゲート電極からトンネル効果によって電流が
流れ出ないだけの厚さになっている。これら第4の半導
体層28,第3の半導体層27,第2のチャネル層26
,第2の半導体層25および第1のチャネル層24の各
層は、上述した層厚に関する各条件を満たしつつ、それ
らの合計の厚さがFETの動作性能を満足し得る程に十
分に薄いものとなっている。また、最上層のコンタクト
層29は基板表面の保護および後述するドレイン電極・
ソース電極とのオーミック・コンタクトを取るためのも
のであり、本発明の本質とは関係を持たないものである
【0019】次に、上記のように、各層を順次半導体基
板21上に形成した後、最上層のコンタクト層29上に
AuGe/Ni金属を形成する。そして、通常のフォト
リソグラフィ技術を用いてオーミック電極パターンを形
成し、コンタクト層29にオーミック接触したドレイン
電極30およびソース電極31を形成する(図2(b)
参照)。次に、同様な通常のフォトリソグラフィ技術を
用いてゲート電極パターンを形成する。そして、このパ
ターンをマスクにし、ドレイン電極30およびソース電
極31間の中央部にあるコンタクト層29をエッチング
により選択的に除去し、リセス32を形成する(同図(
c)参照)。
【0020】次に、このリセス32において露出してい
る第4の半導体層28にショットキ接触したTi/Pt
/Au金属からなるゲート電極33を形成する。この結
果、図1に示される構造をしたFETが完成される。
【0021】このような構造において、ドレイン電極3
0およびソース電極31間に低電圧が印加されると、各
チャネル層24,26中の電子には低い電界が加えられ
、各チャネル層24,26中の電子は図3のサブバンド
EA に示される波動関数波形に従って分布する。つま
り、第1および第2の各チャネル層24,26から生じ
た電子は、これら各チャネル層24,26の中間にある
、アンドープ状態の第2の半導体層25に存在する確率
が高くなる。このため、チャネル中の電子は不純物散乱
の影響を受け難くなり、高速度でチャネルを走行する。
【0022】ドレイン電極30およびソース電極31間
の電圧を増加していくと、これに伴って各チャネル層2
4,26中の電界強度が増す。このため、サブバンドE
A に分布していたチャネル中の電子は、この電界強度
の増加により供与されたエネルギによって、エネルギ準
位の高いサブバンドEB に移動する。さらに、ドレイ
ン・ソース間電圧を増加すると、チャネル中の電子はよ
り高いサブバンドに順次移動し、終には、各V形ポテン
シャルから各チャネル層24,26を挟む第1の半導体
層23および第3の半導体層27へ飛び出す。この際、
飛び出す電子量は第2のチャネル層26上にある第3の
半導体層27の方が圧倒的に多く、電子は主としてこの
第3の半導体層27中を走行するようになる。アンドー
プ状態になっている各半導体層23,27は電子輸送特
性が優れているため、電子は高速でチャネル中を走行す
る。 従って、電子飽和速度も劣化することがない。
【0023】このように本実施例によれば、不純物散乱
の影響を受け易い高ドープのチャネル層24,26を用
いても、電界強度の低いところから高いところまでの全
範囲にわたって電子は高速度でチャネル中を走行する。 このため、本FETはHEMTと同等かもしくはそれ以
上の高周波特性を示し、遮断周波数ft や最大発振周
波数fmax がHEMTに比較して劣化することはな
い。また、低電界での電子移動度が向上するため、低電
界での電子移動度に影響されるFETのソース寄生抵抗
Rs の値は低減する。また、電子のチャネル走行速度
が電界強度の全範囲にわたって高くなるため、FETの
雑音指数は全動作域にわたって低減する。
【0024】また、従来の各FETにおける、ゲート電
圧Vg変化に対する相互コンダクタンスgm の特性は
、ある特定のゲート電圧値に対してgm 値がピークを
持つ特性を有していた。しかし、本実施例による相互コ
ンダクタンス特性においては、電子のチャネル走行速度
が上記のように電界強度の全範囲にわたって高くなるた
め、広い範囲のゲート電圧変化に対してgm値のピーク
が維持される特性を有する。従って、本実施例によれば
FETの設計は容易になり、また、得られるFETの特
性が安定して常に高い利得を確保することが可能になり
、歪みのない出力が得られるようになる。
【0025】また、本実施例によるFETにおいては、
AlGaAsからなる第4の半導体層28と第2のチャ
ネル層26とは、前述のようにチャネル層26中の電子
の波動関数の拡がり以上の距離だけ離れて位置している
。このため、電子の輸送特性の劣るAlGaAs層とチ
ャネル層とが近接した構造を有する従来のHEMTのよ
うに、実空間遷移による高周波特性の劣化は生じなくな
る。
【0026】また、従来においては、チャネル電子を蓄
積するための量子井戸は、プラナドープ型FETに見ら
れるように、チャネル層を2次元平面状に形成しなけれ
ば得られないと考えられていた。このため、プラナドー
プ型FETにおけるチャネル層への不純物ドーピング量
は、従来の技術で説明したようにたかだか1×1013
/cm2 である。しかしながら、本実施例によれば、
チャネル層にある程度の厚さを持たせても、前述のよう
に量子井戸を形成することが可能になっている。このた
め、本FETの各チャネル層24,26には高い濃度で
不純物をドープすることが出来、チャネルは大量の電子
によって形成される。例えば、本FETにおけるチャネ
ルへの不純物ド−ピング量は、1チャネル層当たり低く
ても8×1013/cm2 は確保することが可能であ
る。これは、1原子層当たり(5〜6オングストローム
当たり)のドーピング量を5×1012/cm2 と低
めに見積もっても、各チャネル層24,26の厚さがそ
れぞれ100オングストロームあるためである。従って
、本FETにおいてはプラナドープ型FETに比較して
遥かに多量のチャネル電子が得られ、より大きなドレイ
ン電流を得ることが可能である。また、2次元電子ガス
濃度の上限で電流駆動能力が制限される従来のHEMT
に比較しても、遥かに優れた電流駆動能力が得られる。
【0027】また、ゲート電極33はアンドープ状態の
AlGaAsからなる第4の半導体層28とショットキ
接触を形成しているため、ショットキ障壁は高くなる。 このため、高バイアス条件でデバイスを動作させること
が可能になり、このことによっても出力特性は向上する
【0028】従って、本実施例によるFETは、超高周
波で高出力、かつ、低雑音な素子の基本構造に応用する
と効果的である。
【0029】なお、上記実施例の説明では、各チャネル
層24,26を挟む第1,第2および第3の各半導体層
23,25および27をアンドープInGaAsとして
説明したが、必ずしもこの材料に限定されない。各チャ
ネル層24,26にほぼ格子整合する結晶構造を有し、
電子輸送特性に優れた例えばアンドープGaAsであっ
ても良く、上記実施例と同様な効果を奏する。また、チ
ャネルを形成する電子は主として第2の半導体層25お
よび第3の半導体層27を走行するため、第1の半導体
層23はこれら半導体層25,27と必ず同じ材料でな
くても良く、半導体層22および第1のチャネル層24
にほぼ格子整合する結晶構造を持つものであれば良い。
【0030】また、上記実施例の説明では高濃度薄層化
されたチャネル層を2層設けているが、このようなチャ
ネル層を1層だけ設けることも考えられる。このような
1層チャネルFETの構造は例えば図4の断面図に示さ
れる。
【0031】半絶縁性のGaAs半導体基板41上には
、半導体層42,半導体層43,チャネル層44,半導
体層45,半導体層46,およびコンタクト層47が順
次エピタキシャル成長されている。半導体層42は上記
実施例における基板21との格子整合をとるための半導
体層22に相当し、同様に半導体層43は第1の半導体
層23、チャネル層44は第1のチャネル層24,半導
体層45は第3の半導体層27,半導体層46は第4の
半導体層28,およびコンタクト層47はコンタクト層
29に相当している。すなわち、図4に示されたこれら
各層は上記実施例における対応する各層と同じ材質で同
じ厚さに形成されている。また、ドレイン電極48,ソ
ース電極49およびゲート電極50も上記実施例におけ
る各電極に対応して形成されているものである。
【0032】このような1層チャネル構造のチャネル付
近のエネルギバンドは図5に示される。同図の左側は基
板表面側になっており、また、中央部はチャネル・ドー
ピング面に相当する。高濃度薄層化されたチャネル層4
4の両側は半導体層43,45に挟まれ、その厚さは薄
く形成されているため、伝導帯に曲がりを生じてV形の
ポテンシャルが形成され、図示の量子井戸が構成される
。この量子井戸内における電子は、各サブバンドEA 
,EB ,EC において図示の波動関数波形のように
分布する。このため、ドレイン・ソース間電圧が低く、
チャネル層44に印加される電界強度が低い場合には、
チャネル中の電子はエネルギ準位の一番低いサブバンド
EA に存在する。サブバンドEA に描かれた波形か
ら理解されるように、電子の存在確率はチャネル層44
のほぼ中央部においてピークを呈する。このため、チャ
ネル中の電界強度が低い場合には、チャネルを走行する
電子は不純物散乱の影響を大きく受け、その速度は低下
する。
【0033】しかしながら、上記実施例による本FET
においては、低電界におけるチャネル中の電子は、前述
のように、第1および第2の各チャネル層24,26間
に存在するアンドープの第2の半導体層25中に存在す
る確率が高い。このため、本実施例による2層チャネル
FETにおいては、低電界においても電子速度は十分に
高く、全範囲の電界強度に対して電子移動度が高く維持
されている。従って、上記実施例による本FETの方が
、高周波特性および相互コンダクタンスgm 特性が良
好になり、また、雑音性能も良くなる。しかも、ソース
寄生抵抗Rs が低減する。
【0034】なお、チャネルに印加される電界強度が高
い場合には、1層チャネルFETにおいても電子移動度
はHEMTと同等かそれよりも向上している。すなわち
、1層チャネルFETでも電界強度が高くなると、チャ
ネル層44中の電子は順次エネルギ準位の高いサブバン
ドEB ,EC に移行し、終には、電子が量子井戸か
ら飛び出し、アンドープ状態の半導体層43,45を走
行するようになるからである。
【0035】また、このような1層チャネルFETにお
いては、高濃度薄層化されたチャネル層44が1層しか
ないため、チャネルを形成する電子量は本実施例による
2層チャネルFETに比較して少ない。従って、本実施
例によるFETの方が電流駆動能力が優れ、FETの高
出力化が図れる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ド
レイン・ソース間に低い電界が印加されている時には、
不純物を高濃度に含む第1および第2の各チャネル層に
生じた電子は、これら各チャネル層の中間にある不純物
を全く含まないまたは低濃度に含む電子輸送特性の優れ
た第2の半導体層に存在する確率が高くなる。また、ド
レイン・ソース間に高い電界が印加されると、チャネル
中を走行する電子はエネルギを得、第1および第2の各
チャネル層を挟んでいる電子輸送特性の優れた第1およ
び第3の各半導体層へ飛び出す。また、第1および第2
の各チャネル層はある程度の厚さを有するため、高い濃
度に不純物を含ませることが出来、チャネルは大量の電
子によって形成される。
【0037】このため、チャネル中を走行する電子速度
を低下させることなく、電流駆動能力の優れたFETを
提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるFETの構造を示す断
面図である。
【図2】図1に示された本実施例によるFETの製造方
法を示す工程断面図である。
【図3】本実施例によるFETにおけるチャネル付近の
エネルギバンド構造を示す図である。
【図4】本実施例から変形して考えられる1層チャネル
FETの構造を示す断面図である。
【図5】図4に示された1層チャネルFETにおけるチ
ャネル付近のエネルギバンド構造を示す図である。
【図6】従来のHEMTの構造を示す断面図である。
【図7】従来のAlGaAs/InGaAs系ヘテロ接
合における実空間遷移を説明するためのエネルギバンド
図である。
【符号の説明】
21…半絶縁性GaAs半導体基板 22…半導体層(アンドープGaAs)23…第1の半
導体層(アンドープIny Ga1−y As) 24…第1のチャネル層(SiドープIny Ga1−
y As) 25…第2の半導体層(アンドープIny Ga1−y
 As) 26…第2のチャネル層(SiドープIny Ga1−
y As) 27…第3の半導体層(アンドープIny Ga1−y
 As) 28…第4の半導体層(アンドープAlx Ga1−x
 As) 29…コンタクト層(n+ 型InGaAs)30…ド
レイン電極 31…ソース電極 33…ゲート電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  不純物を全く含まないまたは低濃度に
    含む電子輸送特性の優れた材質から成る第1の半導体層
    と、この第1の半導体層にほぼ格子整合する結晶構造を
    有するn型の不純物を高い濃度に含んで薄く形成された
    Inの組成比Yが0以上0.35以下のIny Ga1
    −y Asからなる第1のチャネル層と、この第1のチ
    ャネル層にほぼ格子整合する結晶構造を有する不純物を
    全く含まないまたは低濃度に含む電子輸送特性の優れた
    材質から成る第2の半導体層と、この第2の半導体層に
    ほぼ格子整合する結晶構造を有するn型の不純物を高い
    濃度に含んで薄く形成されたInの組成比Yが0以上0
    .35以下のIny Ga1−y Asからなる第2の
    チャネル層と、この第2のチャネル層にほぼ格子整合す
    る結晶構造を有する不純物を全く含まないまたは低濃度
    に含む電子輸送特性の優れた材質から成る第3の半導体
    層と、この第3の半導体層とヘテロ接合を形成しかつゲ
    ート電極にショットキ接触する不純物を全く含まないま
    たは低濃度に含むAlの組成比Xが0以上0.3以下の
    AlX Ga1−X Asから成る第4の半導体層とを
    備えて形成されたことを特徴とする電界効果トランジス
    タ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06120518A (ja) * 1992-10-08 1994-04-28 Japan Radio Co Ltd 高効率増幅用半導体素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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