JPH04245647A - 電界効果トランジスタ - Google Patents

電界効果トランジスタ

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JPH04245647A
JPH04245647A JP1087191A JP1087191A JPH04245647A JP H04245647 A JPH04245647 A JP H04245647A JP 1087191 A JP1087191 A JP 1087191A JP 1087191 A JP1087191 A JP 1087191A JP H04245647 A JPH04245647 A JP H04245647A
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JP
Japan
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layer
channel
semiconductor layer
inp
electrons
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Application number
JP1087191A
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English (en)
Inventor
Shigeru Nakajima
中島 成
Hideki Hayashi
秀樹 林
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高速動作を要する電
界効果トランジスタ(FET)の構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の超高速デバイスとしては
、例えば、図6に示される構造をしたHEMT(高電子
移動度トランジスタ)がある。InP半導体基板1上に
はアンドープInP層2が形成され、このアンドープI
nP層2上にはAlx In1−x Asにドナーが選
択的に添加されたn−Alx In1−x As層3が
形成されている。さらに、このn−Alx In1−x
 As層3上にはn+ −InGaAs層4が形成され
ており、中央部に形成されたリセスに露出するn−Al
x In1−x As層3にショットキ接触してゲート
電極5が形成されている。 また、n+ −InGaAs層4上にはオーミック電極
6,7が形成されている。
【0003】また、この他に、特開昭64−82677
号公報に開示された2層プラナドープ構造を持つ超高速
デバイスもある。このデバイスにおいては、不純物が2
次元平面状にドープされたプレーナドープ層が、電子の
平均自由行程以内の間隔で2層設けられている。これら
プレーナドープ層がチャネル層に用いられることにより
、デバイスの高速化が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のHEMTの
ようにAlInAs/InPのヘテロ接合を用いた系に
おいては、チャネルになるInP層2中を走行する電子
がこの上層にあるAlInAs層3に遷移する実空間遷
移を生じる場合がある。この実空間遷移は次のように説
明することが出来る。n−AlInAs層3とアンドー
プInP層2とのヘテロ接合部には図7に示されるエネ
ルギバンドが形成され、図示の斜線部に2次元電子ガス
が蓄積される。しかし、ドレイン・ソース間に高電界が
印加されて2次元電子ガスの持つエネルギが高くなると
、2次元電子ガス中の電子はn−AlInAs層3側に
図示の矢印のように遷移する。
【0005】ドレイン・ソース間には動作時に一般的に
高電界が印加され、また、AlInAs層3ではInP
層2よりも電子の輸送特性が劣るため、この実空間遷移
が起こるとFETの高周波特性は劣化してしまう。
【0006】また、上記従来のHEMTは、アンドープ
InP層2とn−AlInAs層3とのヘテロ接合界面
に生じる2次元電子ガス層8をチャネルとしている。こ
のチャネルはGaAsやInGaAsよりも電子飽和速
度の高いInP中に形成されるため、高性能な高周波デ
バイスが得られる。しかしながら、このようなHEMT
の最大電流密度は2次元電子ガス濃度の上限で決定され
、チャネル層が2次元状になっているため、電子ガス濃
度を高めることには限界が有った。このため、十分に高
い出力を有する高周波デバイスを得ることが出来なかっ
た。
【0007】一方、上記従来の2層プラナドープ構造を
持つFETにおいても、チャネル層に2次元平面状の薄
いプレーナドープ層を用いており、プレーナドープ層の
厚さは約5〜6オングストロームの一原子層分の厚さに
なっている。従って、このプレーナドープ層に対する不
純物ドーピング量はたかだか1×1013/cm2 程
度である。このため、チャネル層中の電子濃度はプレー
ナドープ層をたとえ2層設けたとしても限られたものに
なり、上記従来のHEMTと同様に、素子の高速化は図
れるがその高出力化は妨げられていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解消するためになされたもので、不純物を全く含まな
いまたは低濃度に含む電子輸送特性の優れた材質から成
る第1の半導体層と、この第1の半導体層にほぼ格子整
合する結晶構造を有するn型の不純物を高い濃度に含ん
で薄く形成されたInPからなる第1のチャネル層と、
この第1のチャネル層にほぼ格子整合する結晶構造を有
する不純物を全く含まないまたは低濃度に含む電子輸送
特性の優れた材質から成る第2の半導体層と、この第2
の半導体層にほぼ格子整合する結晶構造を有するn型の
不純物を高い濃度に含んで薄く形成されたInPからな
る第2のチャネル層と、この第2のチャネル層にほぼ格
子整合する結晶構造を有する不純物を全く含まないまた
は低濃度に含む電子輸送特性の優れた材質から成る第3
の半導体層と、この第3の半導体層とヘテロ接合を形成
しかつゲート電極にショットキ接触する不純物を全く含
まないまたは低濃度に含むAlX In1−X As(
0.4≦X≦0.6)から成る第4の半導体層とを備え
てFETが形成されたものである。
【0009】
【作用】ドレイン・ソース間に低い電界が印加されてい
る時には、不純物を高濃度に含む第1および第2の各チ
ャネル層に生じた電子は、これら各チャネル層の中間に
ある不純物を全く含まないまたは低濃度に含む電子輸送
特性の優れた第2の半導体層に存在する確率が高くなる
【0010】ドレイン・ソース間に高い電界が印加され
ると、チャネル中を走行する電子はエネルギを得、第1
および第2の各チャネル層を挟んでいる電子輸送特性の
優れた第1および第3の各半導体層へ飛び出す。
【0011】また、第1および第2の各チャネル層はあ
る程度の厚さを有するため、高い濃度に不純物を含ませ
ることが出来、チャネルは大量の電子によって形成され
る。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例によるFETの構造
を示しており、その製造方法は図2の工程断面図に示さ
れる。この製造方法について以下に説明する。
【0013】まず、半絶縁性のInP半導体基板21上
に、第1の半導体層22,第1のチャネル層23,第2
の半導体層24,第2のチャネル層25,第3の半導体
層26,第4の半導体層27,およびコンタクト層28
を順次エピタキシャル成長する(図2(a)参照)。こ
のエピタキシャル成長は、MBE(分子線エピタクシー
)法またはOMVPE(有機金属気相エピタクシー)法
によって行われる。
【0014】半導体基板21上の第1の半導体層22は
、各チャネル層23,25よりも電子輸送特性の優れた
アンドープ状態のInPからなり、厚さは1μmである
。第1のチャネル層23および第2のチャネル層25は
、それぞれ2×1018/cm3 の濃度にSiがドー
プされたn+型のInPからなり、厚さはそれぞれ10
0オングストロームである。各チャネル層23,25に
挟まれた第2の半導体層24は、各チャネル層23,2
5よりも電子輸送特性の優れたアンドープ状態のInP
からなり、厚さは100オングストロームである。第2
のチャネル層25上の第3の半導体層26は、この第2
の半導体層24と同じ材料からなり、厚さは200オン
グストロームである。第3の半導体層26とヘテロ接合
を形成する第4の半導体層27は、Alの組成比Xが0
.4以上0.6以下(0.4≦X≦0.6)のアンドー
プ状態のAlx In1−x Asからなり、厚さは2
00オングストロームである。この第4の半導体層27
上のコンタクト層28は、4×1018/cm3 の濃
度にドナーがドープされたn+ 型のInGaAsから
なり、厚さは500オングストロームである。
【0015】ここで、各チャネル層23,25のそれぞ
れのキャリア濃度および厚さは後述する量子井戸を形成
できるだけの濃度および厚さになっている。また、これ
ら各チャネル層23,25中の電子はエネルギを持って
いるため、電子は後述のようにこれら各チャネル層23
,25の厚みよりも僅かに拡がった領域に存在している
。各チャネル層23,25に挟まれた第2の半導体層2
4の厚さは、後述のように、これら各チャネル層23,
25にそれぞれ生じたこの電子の拡がりが相互に十分に
重なり合う厚さになっている。また、第2のチャネル層
25上にある第3の半導体層26の厚さは、電子のこの
拡がった領域が第4の半導体層27に達しない厚さにな
っている。
【0016】つまり、各チャネル層23,25によって
形成される本FETのチャネル付近のエネルギバンドは
図3(a)に示される構造になる。また、同図(b)は
このエネルギバンドに対応する半導体領域を示している
。すなわち、エネルギバンド図は、図の左側に位置する
基板表面側から順に第3の半導体層26,第2のチャネ
ル層25,第2の半導体層24,第1のチャネル層23
および第1の半導体層22に対応して描かれている。 従って、バンドの中央部は、各チャネル・ドーピング面
に挟まれた第2の半導体層24に相当している。ここで
、高濃度薄層化された各チャネル層23,25の両側は
半導体層22,24,26に挟まれ、各チャネル層23
,25の厚さは100オングストロームと薄く形成され
ている。このため、伝導帯に曲がりを生じてV形のポテ
ンシャルが各チャネル層23,25に対応して図示のよ
うに形成され、2つの量子井戸が構成される。なお、各
チャネル層23,25の厚さは100オングストローム
にしているが、伝導帯にこのような量子井戸を形成する
ためにはある程度の薄さ、例えば、それぞれ200オン
グストローム以下の薄さであれば良い。
【0017】チャネル中の電子は電界印加の小さい基底
状態においては一番下のサブバンドEA にある。しか
し、より大きな電界が印加されてエネルギを得ることに
より、電子はこのサブバンドEA 上にあるサブバンド
EB に移り、順次エネルギ準位の高いサブバンドに移
行する。ここで、各サブバンドにおける電子の存在確率
は図示の波動関数の拡がりを呈し、各チャネル層23,
25を挟む各半導体層22,26において、チャネル層
23,25が形成された半導体領域よりも僅かに拡がっ
た部分で零に近付く。また、各チャネル層23,25に
挟まれた第2の半導体層24の厚さは、基底状態の時に
、各量子井戸に生じた電子の存在確率が各ドーピング面
のほぼ中央部において一番高くなる厚さに設定されてい
る。つまり、基底状態の時に各量子井戸に対応して描か
れる波動関数波形が、各ドーピング面のほぼ中央部にお
いて図示のように相互に十分に重なり合う厚さに設定さ
れている。また、基板表面側のアンドープInP層、つ
まり、第3の半導体層26の厚さは、第2のチャネル層
25から図示の左側に拡がって分布する電子が第4の半
導体層27に達しない厚さになっている。
【0018】また、この第4の半導体層27には後述す
るゲート電極がショットキ接触して形成されるが、その
厚さはこのゲート電極からトンネル効果によって電流が
流れ出ないだけの厚さになっている。これら第4の半導
体層27,第3の半導体層26,第2のチャネル層25
,第2の半導体層24および第1のチャネル層23の各
層は、上述した層厚に関する各条件を満たしつつ、それ
らの合計の厚さがFETの動作性能を満足し得る程に十
分に薄いものとなっている。また、最上層のコンタクト
層28は基板表面の保護および後述するドレイン電極・
ソース電極とのオーミック・コンタクトを取るためのも
のであり、本発明の本質とは関係を持たないものである
【0019】次に、上記のように、各層を順次半導体基
板21上に形成した後、最上層のコンタクト層28上に
AuGe/Ni金属を形成する。そして、通常のフォト
リソグラフィ技術を用いてオーミック電極パターンを形
成し、コンタクト層28にオーミック接触したドレイン
電極29およびソース電極30を形成する(図2(b)
参照)。次に、同様な通常のフォトリソグラフィ技術を
用いてゲート電極パターンを形成する。そして、このパ
ターンをマスクにし、ドレイン電極29およびソース電
極30間の中央部にあるコンタクト層28をエッチング
により選択的に除去し、リセス31を形成する(同図(
c)参照)。
【0020】次に、このリセス31において露出してい
る第4の半導体層27にショットキ接触したTi/Pt
/Au金属からなるゲート電極32を形成する。この結
果、図1に示される構造をしたFETが完成される。
【0021】このような構造において、ドレイン電極2
9およびソース電極30間に低電圧が印加されると、各
チャネル層23,25中の電子には低い電界が加えられ
、各チャネル層23,25中の電子は図3のサブバンド
EA に示される波動関数波形に従って分布する。つま
り、第1および第2の各チャネル層23,25から生じ
た電子は、これら各チャネル層23,25の中間にある
、ほぼアンドープ状態の第2の半導体層24に存在する
確率が高くなる。このため、チャネル中の電子は不純物
散乱の影響を受け難くなり、高速度でチャネルを走行す
る。
【0022】ドレイン電極29およびソース電極30間
の電圧を増加していくと、これに伴って各チャネル層2
3,25中の電界強度が増す。このため、サブバンドE
A に分布していたチャネル中の電子は、この電界強度
の増加により供与されたエネルギによって、エネルギ準
位の高いサブバンドEB に移動する。さらに、ドレイ
ン・ソース間電圧を増加すると、チャネル中の電子はよ
り高いサブバンドに順次移動し、終には、各V形ポテン
シャルから各チャネル層23,25を挟む第1の半導体
層22および第3の半導体層26へ飛び出す。この際、
飛び出す電子量は第2のチャネル層25上にある第3の
半導体層26の方が圧倒的に多く、電子は主としてこの
第3の半導体層26中を走行するようになる。アンドー
プ状態になっている各半導体層22,26は電子輸送特
性が優れているため、電子は高速でチャネル中を走行す
る。 従って、電子飽和速度も劣化することがない。
【0023】このように本実施例によれば、不純物散乱
の影響を受け易い高ドープのチャネル層23,25を用
いても、電界強度の低いところから高いところまでの全
範囲にわたって電子は高速度でチャネル中を走行する。 このため、本FETはHEMTと同等かもしくはそれ以
上の高周波特性を示し、遮断周波数ft や最大発振周
波数fmax がHEMTに比較して劣化することはな
い。また、低電界での電子移動度が向上するため、低電
界での電子移動度に影響されるFETのソース寄生抵抗
Rs の値は低減する。また、電子のチャネル走行速度
が電界強度の全範囲にわたって高くなるため、FETの
雑音指数は全動作域にわたって低減する。
【0024】また、従来の各FETにおける、ゲート電
圧Vg変化に対する相互コンダクタンスgm の特性は
、ある特定のゲート電圧値に対してgm 値がピークを
持つ特性を有していた。しかし、本実施例による相互コ
ンダクタンス特性においては、電子のチャネル走行速度
が上記のように電界強度の全範囲にわたって高くなるた
め、広い範囲のゲート電圧変化に対してgm値のピーク
が維持される特性を有する。従って、本実施例によれば
FETの設計は容易になり、また、得られるFETの特
性が安定して常に高い利得を確保することが可能になり
、歪みのない出力が得られるようになる。
【0025】また、本実施例によるFETにおいては、
AlInAsからなる第4の半導体層27と第2のチャ
ネル層25とは、前述のようにチャネル層25中の電子
の波動関数の拡がり以上の距離だけ離れて位置している
。このため、電子の輸送特性の劣るAlInAs層とチ
ャネル層とが近接した構造を有する従来のHEMTのよ
うに、実空間遷移による高周波特性の劣化は生じなくな
る。
【0026】また、従来においては、チャネル電子を蓄
積するための量子井戸は、プラナドープ型FETに見ら
れるように、チャネル層を2次元平面状に形成しなけれ
ば得られないと考えられていた。このため、プラナドー
プ型FETにおけるチャネル層への不純物ドーピング量
は、従来の技術で説明したようにたかだか1×1013
/cm2 である。しかしながら、本実施例によれば、
チャネル層にある程度の厚さを持たせても、前述のよう
に量子井戸を形成することが可能になっている。このた
め、本FETの各チャネル層23,25には高い濃度で
不純物をドープすることが出来、チャネルは大量の電子
によって形成される。例えば、本FETにおけるチャネ
ルへの不純物ド−ピング量は、1チャネル層当たり低く
ても8×1013/cm2 は確保することが可能であ
る。これは、1原子層当たり(5〜6オングストローム
当たり)のドーピング量を5×1012/cm2 と低
めに見積もっても、各チャネル層23,25の厚さがそ
れぞれ100オングストロームあるためである。従って
、本FETにおいてはプラナドープ型FETに比較して
遥かに多量のチャネル電子が得られ、より大きなドレイ
ン電流を得ることが可能である。また、2次元電子ガス
濃度の上限で電流駆動能力が制限される従来のHEMT
に比較しても、遥かに優れた電流駆動能力が得られる。
【0027】また、ゲート電極32はアンドープ状態の
AlInAsからなる第4の半導体層27とショットキ
接触を形成しているため、ショットキ障壁は高くなる。 このため、高バイアス条件でデバイスを動作させること
が可能になり、このことによっても出力特性は向上する
【0028】従って、本実施例によるFETは、超高周
波で高出力、かつ、低雑音な素子の基本構造に応用する
と効果的である。
【0029】なお、上記実施例の説明では、InPから
なる第3の半導体層26上にAlInAsからなる第4
の半導体層27を形成するものとして説明したが、通常
、AlInAsとInPとの界面の結晶性を良好に保つ
のは困難とされている。このため、第3の半導体層26
と第4の半導体層27との間にアンドープのInGaA
s薄層を形成しても良く、上記実施例と同様な効果を奏
する。
【0030】また、各チャネル層23,25を挟む第1
,第2および第3の各半導体層22,24および26を
アンドープInPとして説明したが、必ずしもこの材料
に限定されない。各チャネル層23,25にほぼ格子整
合する結晶構造を有し、電子輸送特性に優れた例えばア
ンドープInGaAsであっても良く、上記実施例と同
様な効果を奏する。また、チャネルを形成する電子は主
として第2の半導体層24および第3の半導体層26を
走行するため、第1の半導体層22はこれら半導体層2
4,26と必ず同じ材料でなくても良く、半導体基板2
1および第1のチャネル層23にほぼ格子整合する結晶
構造を持つものであれば良い。
【0031】また、上記実施例の説明では高濃度薄層化
されたチャネル層を2層設けているが、このようなチャ
ネル層を1層だけ設けることも考えられる。このような
1層チャネルFETの構造は例えば図4の断面図に示さ
れる。
【0032】半絶縁性のInP半導体基板41上には、
半導体層42,チャネル層43,半導体層44,半導体
層45,およびコンタクト層46が順次エピタキシャル
成長されている。半導体層42は上記実施例における第
1の半導体層22に相当し、同様にチャネル層43は第
1のチャネル層23,半導体層44は第3の半導体層2
6,半導体層45は第4の半導体層27,およびコンタ
クト層46はコンタクト層28に相当している。すなわ
ち、図4に示されたこれら各層は上記実施例における対
応する各層と同じ材質で同じ厚さに形成されている。ま
た、ドレイン電極47,ソース電極48およびゲート電
極49も上記実施例における各電極に対応して形成され
ているものである。
【0033】このような1層チャネル構造のチャネル付
近のエネルギバンドは図5に示される。同図の左側は基
板表面側になっており、また、中央部はチャネル・ドー
ピング面に相当する。高濃度薄層化されたチャネル層4
3の両側は半導体層42,44に挟まれ、その厚さは薄
く形成されているため、伝導帯に曲がりを生じてV形の
ポテンシャルが形成され、図示の量子井戸が構成される
。この量子井戸内における電子は、各サブバンドEA 
,EB ,EC において図示の波動関数波形のように
分布する。このため、ドレイン・ソース間電圧が低く、
チャネル層43に印加される電界強度が低い場合には、
チャネル中の電子はエネルギ準位の一番低いサブバンド
EA に存在する。サブバンドEA に描かれた波形か
ら理解されるように、電子の存在確率はチャネル層43
のほぼ中央部においてピークを呈する。このため、チャ
ネル中の電界強度が低い場合には、チャネルを走行する
電子は不純物散乱の影響を大きく受け、その速度は低下
する。
【0034】しかしながら、上記実施例による本FET
においては、低電界におけるチャネル中の電子は、前述
のように、第1および第2の各チャネル層23,25間
に存在するアンドープの第2の半導体層24中に存在す
る確率が高い。このため、本実施例による2層チャネル
FETにおいては、低電界においても電子速度は十分に
高く、全範囲の電界強度に対して電子移動度が高く維持
されている。従って、上記実施例による本FETの方が
、高周波特性および相互コンダクタンスgm 特性が良
好になり、また、雑音性能も良くなる。しかも、ソース
寄生抵抗Rs が低減する。
【0035】なお、チャネルに印加される電界強度が高
い場合には、1層チャネルFETにおいても電子移動度
はHEMTと同等かそれよりも向上している。すなわち
、1層チャネルFETでも電界強度が高くなると、チャ
ネル層43中の電子は順次エネルギ準位の高いサブバン
ドEB ,EC に移行し、終には、電子が量子井戸か
ら飛び出し、アンドープ状態の半導体層42,44を走
行するようになるからである。
【0036】また、このような1層チャネルFETにお
いては、高濃度薄層化されたチャネル層43が1層しか
ないため、チャネルを形成する電子量は本実施例による
2層チャネルFETに比較して少ない。従って、本実施
例によるFETの方が電流駆動能力が優れ、FETの高
出力化が図れる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ド
レイン・ソース間に低い電界が印加されている時には、
不純物を高濃度に含む第1および第2の各チャネル層に
生じた電子は、これら各チャネル層の中間にある不純物
を全く含まないまたは低濃度に含む電子輸送特性の優れ
た第2の半導体層に存在する確率が高くなる。また、ド
レイン・ソース間に高い電界が印加されると、チャネル
中を走行する電子はエネルギを得、第1および第2の各
チャネル層を挟んでいる電子輸送特性の優れた第1およ
び第3の各半導体層へ飛び出す。また、第1および第2
の各チャネル層はある程度の厚さを有するため、高い濃
度に不純物を含ませることが出来、チャネルは大量の電
子によって形成される。
【0038】このため、チャネル中を走行する電子速度
を低下させることなく、電流駆動能力の優れたFETを
提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるFETの構造を示す断
面図である。
【図2】図1に示された本実施例によるFETの製造方
法を示す工程断面図である。
【図3】本実施例によるFETにおけるチャネル付近の
エネルギバンド構造を示す図である。
【図4】本実施例から変形して考えられる1層チャネル
FETの構造を示す断面図である。
【図5】図4に示された1層チャネルFETにおけるチ
ャネル付近のエネルギバンド構造を示す図である。
【図6】従来のHEMTの構造を示す断面図である。
【図7】従来のAlInAs/InP系ヘテロ接合にお
ける実空間遷移を説明するためのエネルギバンド図であ
る。
【符号の説明】
21…半絶縁性InP半導体基板 22…第1の半導体層(アンドープInP)23…第1
のチャネル層(SiドープInP)24…第2の半導体
層(アンドープInP)25…第2のチャネル層(Si
ドープInP)26…第3の半導体層(アンドープIn
P)27…第4の半導体層(アンドープAlx In1
−x As) 28…コンタクト層(n+ 型InGaAs)29…ド
レイン電極 30…ソース電極 32…ゲート電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  不純物を全く含まないまたは低濃度に
    含む電子輸送特性の優れた材質から成る第1の半導体層
    と、この第1の半導体層にほぼ格子整合する結晶構造を
    有するn型の不純物を高い濃度に含んで薄く形成された
    InPからなる第1のチャネル層と、この第1のチャネ
    ル層にほぼ格子整合する結晶構造を有する不純物を全く
    含まないまたは低濃度に含む電子輸送特性の優れた材質
    から成る第2の半導体層と、この第2の半導体層にほぼ
    格子整合する結晶構造を有するn型の不純物を高い濃度
    に含んで薄く形成されたInPからなる第2のチャネル
    層と、この第2のチャネル層にほぼ格子整合する結晶構
    造を有する不純物を全く含まないまたは低濃度に含む電
    子輸送特性の優れた材質から成る第3の半導体層と、こ
    の第3の半導体層とヘテロ接合を形成しかつゲート電極
    にショットキ接触する不純物を全く含まないまたは低濃
    度に含むAlの組成比Xが0.4以上0.6以下のAl
    X In1−X Asから成る第4の半導体層とを備え
    て形成されたことを特徴とする電界効果トランジスタ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5453631A (en) * 1992-05-06 1995-09-26 Nec Corporation Field effect transistor having a multi-layer channel

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US5453631A (en) * 1992-05-06 1995-09-26 Nec Corporation Field effect transistor having a multi-layer channel

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