JPH04238710A - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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JPH04238710A
JPH04238710A JP228891A JP228891A JPH04238710A JP H04238710 A JPH04238710 A JP H04238710A JP 228891 A JP228891 A JP 228891A JP 228891 A JP228891 A JP 228891A JP H04238710 A JPH04238710 A JP H04238710A
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JP
Japan
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learning correction
vehicle
frequency component
damping force
control device
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Pending
Application number
JP228891A
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English (en)
Inventor
Hideki Matsunaga
英樹 松永
Hiroyuki Kawada
裕之 川田
Satoshi Iwasaki
智 岩崎
Toshinobu Ishida
石田 年伸
Akira Fukami
深見 彰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサスペンション制御装置
に関し、特に車両のばね上共振周波数の近傍周波数の車
両振動に応じて、ショックアブソーバの減衰力特性を調
節するサスペンション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の「あおり」、即ち周期が1
秒程度と比較的長く、車酔い等の原因となる車両の振動
を防止する装置が種々提案されている。その従来装置の
一例として、例えば特開昭62−80111号公報記載
のサスペンション制御装置がある。このサスペンション
制御装置は、車高変化を監視して車両の「あおり」を検
出し、「あおり」を検出した場合にショックアブソーバ
の減衰力特性を高減衰力側に変更して「あおり」を防止
するというものであった。なお、上記サスペンション制
御装置においては、車高変化の周波数がばね上共振周波
数の近傍周波数(周波数1.0〔Hz〕前後)であり、
車高変化の大きさが予め設定されたしきい値を上回った
ときに、車高に「あおり」が発生したと判断している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のサスペンション
制御装置は、車両のあおりを防止する優れたものである
が、車両の走行路面の状態によってはあおり防止が不完
全になるという問題があった。例えば、比較的路面の凹
凸が小さい良路走行時には、悪路走行時に比べて運転者
があおりの挙動に敏感になる傾向がある。このため、悪
路走行時には気にならない小さなあおりであっても、運
転者は良路走行時には大きく感ずることがある。従って
、車高変化のしきい値を悪路走行時を基準として設定す
ると、良路走行時にあおり防止効果が有効に働かない場
合がある。かといって、しきい値を良路走行時を基準と
して設定したのでは、悪路走行時には運転者が気になら
ないあおりでもサスペンションがハードに切り換えられ
、乗り心地が悪化するという問題がある。
【0004】また、運転者は、車両の走行速度が高速に
なるほどあおりの挙動に敏感になる傾向もある。このた
め、上記走行路面の状態に加え、走行速度も加味してサ
スペンションの特性を制御することが望ましい。本発明
は上記の点に鑑みてなされたもので、車両が走行する路
面状態に適合したあおり防止制御を行うとともに、好ま
しくはこのあおり防止制御の制御内容を車両の走行速度
を考慮して調節するサスペンション制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるサスペンション制御装置は、図1に示
す如く、減衰力特性を変更可能なショックアブソーバと
、車両の振動状態を検出する振動状態検出手段と、前記
振動状態検出手段の検出信号より、車両のばね上共振周
波数の近傍周波数成分を抽出する抽出手段と、前記抽出
された周波数成分の許容範囲を周期的に学習補正すべく
、この学習補正を行うタイミングよりも以前に抽出され
た前記周波数成分に応じて前記許容範囲を学習補正する
学習補正手段と、前記抽出された周波数成分が、前記学
習補正手段によって学習補正された許容範囲を越えた場
合に、前記ショックアブソーバの減衰力の程度を高めに
維持する高減衰力維持手段とを備える。
【0006】上記学習補正手段における前記許容範囲の
学習補正では、この学習補正を行うタイミングよりも以
前に抽出された前記周波数成分のピーク値以上の値に前
記許容範囲を学習補正することが効果的である。また、
学習補正手段が学習補正する許容範囲に上限値及び下限
値を設け、特にこの上限値及び下限値を車両の走行速度
の上昇に応じて減少させることが望ましい。
【0007】さらに、車両が走行する路面の凹凸状態を
少なくとも良路及び悪路の2種類に判別するとともに、
悪路と判別された場合に、前記学習補正手段における学
習補正を中断させるとともに、所定の上限値を前記許容
範囲として設定するとよい。
【0008】
【作用】上記のように構成されたサスペンション制御装
置によれば、車両の振動状態の検出信号から車両のばね
上周波数の近傍周波数成分が抽出される。この抽出した
周波数成分より、ばね上共振周波数近傍での車両の上下
振動であるあおりの発生を判断する。そして、抽出され
た周波数成分が許容範囲を越えた場合に、ショックアブ
ソーバの減衰力の程度が高めに維持されて、あおりの発
生の防止が図られる。ここで、抽出された周波数成分の
許容範囲は、過去に抽出された周波数成分に応じて周期
的に学習補正される。これにより、車両の走行路面の状
態に応じて許容範囲を設定することができる。
【0009】なお、上記の学習補正においては、相対的
に大きな周波数成分が生じた場合にあおり防止制御を実
行するようにするために、許容範囲は、学習補正を行う
タイミングよりも以前に抽出された周波数成分のピーク
値以上の値に設定することが効果的である。また、上記
の許容範囲には、上限値及び下限値を設けることが好ま
しい。これは、運転者が明らかにあおりと感じる範囲を
上限値と下限値とで規定することにより、路面の状態に
適合し、かつ運転者の感性にも適合したあおり防止制御
を実現できるためである。さらに、運転者の感性をより
重視する場合には、上記の上限値及び下限値を車両の走
行速度の上昇に応じて減少させることが望ましい。これ
は、車両の走行速度が上昇するほど、運転者があおりの
挙動に敏感になる傾向があるためである。
【0010】また、車両が走行する路面の凹凸状態を少
なくとも良路及び悪路の2種類に判別し、悪路と判別さ
れた場合には、上記の学習補正を中断させるとともに、
所定の上限値を許容範囲として設定するとよい。これに
より、悪路走行中に上記学習補正を行って許容範囲が低
く設定されてしまうと、ショックアブソーバの減衰力の
程度が高めに制御される機会が増えて、乗り心地が悪化
する可能性があるが、そのような状況の発生を防止する
ことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明のサスペンション制御装置の好
適な実施例について説明する。図2はこのサスペンショ
ン制御装置1全体の構成を表す概略構成図であり、図3
はショックアブソーバを一部破断した断面図であり、図
4はショックアブソーバの要部拡大図である。
【0012】図2に示すように、本実施例のサスペンシ
ョン制御装置1は、減衰力を2段階に変更可能なショッ
クアブソーバ(以下、単にショックアブソーバという)
2FL,2FR,2RL,2RRと、これら各ショック
アブソーバに接続されその減衰力を制御する電子制御装
置4とから構成されている。各ショックアブソーバ2F
L,2FR,2RL,2RRは、夫々、左右前後輪5F
L,5FR,5RL,5RRのサスペンションロワーア
ーム6FL,6FR,6RL,6RRと車体7との間に
、コイルスプリング8FL,8FR,8RL,8RRと
共に供設されている。
【0013】ショックアブソーバ2FL,2FR,2R
L,2RRに作用する力を検出するピエゾ荷重センサと
、ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RR
においてストロークに対する減衰力の特性の変更をを行
うピエゾアクチュエータとを各々一組ずつ内蔵している
。次に、上記各ショックアブソーバ2FL,2FR,2
RL,2RRの構造を説明するが、上記各ショックアブ
ソーバ2FL,2FR,2RL,2RRの構造は総て同
一であるため、ここでは左前輪5FL側のショックアブ
ソーバ2FLを例にとり説明する。また、以下の説明で
は、各車輪に設けられた各部材の符号には、必要に応じ
て、左前輪5FL,右前輪5FR,左後輪5RL,右後
輪5RRに対応する添え字FL,FR,RL,RRを付
けるものとし、各輪に関して差異がない場合には、添え
字を省略するものとする。
【0014】ショックアブソーバ2は、図3に示すよう
に、シリンダ11側の下端にて車軸側部材11aを介し
てサスペンションロワーアーム6(図2)に固定され、
一方、シリンダ11に貫挿されたロッド13の上端にて
、ベアリング7a及び防振ゴム7bを介して車体7にコ
イルスプリング8と共に固定されている。シリンダ11
内部には、ロッド13の下端に連接された内部シリンダ
15、連結部材16及び筒状部材17と、シリンダ11
内周面にそって摺動自在なメインピストン18とが配設
されている。ショックアブソーバ2のロッド13に連結
された内部シリンダ15には、ピエゾ荷重センサ25と
ピエゾアクチュエータ27とが収納されている。
【0015】メインピストン18は、筒状部材17に外
嵌されており、シリンダ11に嵌合する外周にはシール
材19が介装されている。従って、シリンダ11内は、
このメインピストン18により第1の液室21と第2の
液室23とに区画されている。図4に示すように筒状部
材17の先端にはバックアップ部材28が螺合されてお
り、筒状部材17との間に、メインピストン18と共に
、スペーサ29とリーフバルブ30を筒状部材17側に
、リーフバルブ31とカラー32をバックアップ部材2
8側に、それぞれ押圧・固定している。また、リーフバ
ルブ31とバックアップ部材28との間には、メインバ
ルブ34とばね35が介装されており、リーフバルブ3
1をメインピストン18方向に付勢している。
【0016】これらリーフバルブ30,31は、メイン
ピストン18が停止している状態では、メインピストン
18に設けられた伸び側及び縮み側通路18a,18b
を、各々片側で閉塞しており、メインピストン18が矢
印AもしくはB方向に移動するのに伴って片側に開く、
従って、両液室21,23に充填された作動油は、メイ
ンピストン18の移動に伴って、両通路18a,18b
のいずれかを通って、両液室21,23間を移動する。 このように両液室21,23間の作動油の移動か両通路
18a,18bに限られている状態では、ロッド13の
動きに対して発生する減衰力は大きく、サスペンション
の特性はハードとなる。
【0017】内部シリンダ15の内部に収納されピエゾ
荷重センサ25及びピエゾアクチュエータ27は、図3
及び図4に示すように、圧電セラミックスの薄板を電極
を挟んで積層した電歪素子積層体である。ピエゾ荷重セ
ンサ25の各電歪素子は、ショックアブソーバ2に作用
する力、即ち減衰力によって分極する。従って、ピエゾ
荷重センサ25の出力を所定インピーダンスの回路によ
り電圧信号として取り出せば、減衰力の変化率を検出す
ることができる。
【0018】ピエゾアクチュエータ27は、高電圧が印
加されると応答性良く伸縮する電歪素子を積層してその
伸縮量を大きくしたものであり、直接にはピストン36
を駆動する。ピストン36が図4矢印方向に移動される
と、油密室33内の作動油を介してプランジャ37及び
H字状の断面を有するスプール41も同方向に移動され
る。こうして図4に示す位置(原点位置)にあるスプー
ル41が図中B方向に移動すると、第1の液室21につ
ながるプッシュ39の副流路39bとが連通されること
になる。この副流路39bは、更にプレートバルブ45
に設けられた油穴45aを介して筒状部材17内の流路
17aとが連通されているので、スプール41が矢印B
方向に移動すると、結果的に、第1の液室21と液室2
3との間を流動する作動油流量が増加する。つまり、シ
ョックアブソーバ2は、ピエゾアクチュエータ27が高
電圧印加により伸長すると、その減衰力特性を減衰力大
(ハード)の状態から減衰力小(ソフト)側に切り換え
、電荷が放電されて収縮すると減衰力特性を減衰力大(
ハード)の状態に復帰させる。
【0019】尚、メインピストン18の下面に設けられ
たリーフバルブ31の移動量は、バネ35により、リー
フバルブ30と較べて規制されている。また、プレート
バルブ45には、油穴45aより大径の油穴45bが、
油穴45aより外側に設けられており、プレートバルブ
45がばね46の付勢力に抗してプッシュ39方向に移
動すると、作動油は、油穴45bを通って移動可能とな
る。従って、スプール41の位置の如何を問わず、メイ
ンピストン18が矢印B方向に移動する場合より大きく
なる。即ち、メインピストン18の移動方向(伸び側と
縮み側)によって減衰力を変え、ショックアブソーバと
しての特性を一層良好なものとしているのである。また
、油密室33と第1の液室21との間には作動油補給路
38がチェック弁38aと共に設けられており、油密室
33内の作動油流量を一定に保っている。
【0020】次に、上記したショックアブソーバ2の減
衰力の発生パターンを切換制御する電子制御装置4につ
いて、図5を用いて説明する。この電子制御装置4には
、車両の走行状態を検出するためのセンサとして、各シ
ョックアブソーバ2のピエゾ荷重センサ25の他、図示
しないステアリングの操舵角を検出するステアリングセ
ンサ50と、車両の走行速度を検出する車速センサ51
と、図示しない変速機のシフト位置を検出するシフト位
置センサ52と、図示しないブレーキペダルが踏まれた
ときに信号を発するストップランプスイッチ53等が接
続されている。
【0021】これら検出信号等に基づき上述したピエゾ
アクチュエータ27に制御信号を出力する電子制御装置
4は、周知のCPU4a,ROM4b,RAM4cを中
心に算術論理演算回路として構成され、これらとコモン
バス4dを介して相互に接続された入力部4e及び出力
部4fにより外部との入出力を行う。電子制御装置4に
は、このほかピエゾ荷重センサ25が接続された減衰力
検出回路54,減衰力検出回路54が接続されたバンド
パスフィルタとしてのローパスフィルタ55及びハイパ
スフィルタ56,ステアリングセンサ50及び車速セン
サ51が接続された波形整形回路57,ピエゾアクチュ
エータ27に接続される高電圧印加回路58,イグニッ
ションスイッチ63を介してバッテリ61から電源の供
給を受けピエゾアクチュエータ駆動用の駆動電圧を出力
するいわゆるスイッチングレギュレータ型の高電圧電源
回路62,バッテリ61の電圧を変圧して電子制御装置
4の作動電圧(5v)を発生する定電圧電源回路64等
が備えられている。上記構成のうち、減衰力検出回路5
4,ハイパスフィルタ56,波形整形回路57,シフト
位置センサ52,ストップランプスイッチ53は入力部
4eに、一方、高電圧印加回路58,高電圧電源回路6
2は出力部4fにそれぞれ接続されている。
【0022】減衰力検出回路54は各ピエゾ荷重センサ
25FL,25FR,25RL,25RRに対応して設
けられた4個の検出回路からなり、各々の検出回路は、
路面よりショックアブソーバ2が受ける作用力に応じて
ピエゾ荷重センサ25を含む回路から出力される電圧信
号を減衰力変化率検出信号としてCPU4aに出力する
と共に、この電圧信号を積分した信号を減衰力検出信号
としてCPU4aやローパスフィルタ55に出力するよ
う構成されている。バンドパスフィルタとしてのローパ
スフィルタ55及びハイパスフィルタ56を通過した成
分はCPU4aに出力される。
【0023】尚、減衰力検出回路54が出力する減衰力
検出信号のうち、ローパスフィルタ55に出力されるの
は、実施例では左右後輪5RL,5RRのショックアブ
ソーバ2RL,2RRの減衰力検出信号である。実施例
のローパスフィルタ55は周波数約1.3〔Hz〕以下
の周波数の信号を通過するものである。一方、ハイパス
フィルタ56は周波数約1.0〔Hz〕以上の周波数の
信号を通過するものである。従って、減衰力検出回路5
4から出力された減衰力検出信号がローパスフィルタ5
5及びハイパスフィルタ56を通過すると、減衰力検出
信号の成分のうち、周波数1.0〔Hz〕から1.3〔
Hz〕のばね上共振周波数の近傍周波数の信号であるば
ね上共振成分信号が抽出される。こうして得られるばね
上共振成分信号の一例を、図6の作動図に示す。
【0024】電子制御装置4のCPU4aは、以上説明
した各種検出信号、例えば減衰力検出回路54が出力す
る減衰力変化率検出信号及び減衰力検出信号、ローパス
フィルタ55及びハイパスフィルタ56を通過したばね
上共振成分信号、車速センサ51等の検出信号をCPU
4aにおける処理に適した信号に波形整形して出力する
波形整形回路57からの出力信号と、さらに自己の処理
結果等に基づいて、路面状態や車両の走行状態等を判定
する。CPU4aはかかる判定に基づいて、各車輪に対
応して設けられた高電圧印加回路58に制御信号を出力
する。
【0025】高電圧印加回路58は、高電圧電源回路6
2から出力される+500ボルトもしくは−100ボル
トの電圧を、CPU4aからの制御信号に応じて、ピエ
ゾアクチュエータ27に印加する回路である。従って、
この減衰力切換信号によって、ピエゾアクチュエータ2
7が伸長(+500ボルト印加時)もしくは収縮(−1
00ボルト印加時)し、作動油流量が切り換えられて、
ショックアブソーバ2の減衰力特性がソフトもしくはハ
ードに切り換えられる。即ち、各ショックアブソーバ2
の減衰力特性は、高電圧を印加してピエゾアクチュエー
タ27を伸長させたときには、既述したスプール41(
図4)により、ショックアブソーバ2内の第1の液室2
1と第2の液室23との間を流動する作動油の流量が増
加するため減衰力の小さな状態となり、負の電圧により
電荷を放電されてピエゾアクチュエータ27を収縮させ
たときには、作動油流量が減少するため減衰力の大きな
状態となるのである。
【0026】次に、上記した構成を備える本実施例のサ
スペンション制御装置1の電子制御装置4が行う減衰力
制御について、図6の作動図及び図7のフローチャート
に基づき説明する。図7に示したルーチンは、それぞれ
定められた一定の時間毎に割込処理により繰り返し実行
される。図7に示すルーチンの処理内容は次の通りであ
る。
【0027】まず、ステップ100にて、ピエゾ荷重セ
ンサ25からの情報として減衰力の変化率信号と、減衰
力変化率信号を積分した減衰力信号にバンドパスフィル
タ(1Hz〜1.3Hz)処理を施したバネ上共振成分
信号、及び車速センサ51から車両の走行状態情報とし
て車速を読込む。次にステップ110にて、あおりの判
定レベルの学習リミット値であるSL1MiN,−SL
2MiN(下限値)及びSL1MaX,−SL2MaX
(上限値)、あおりの復帰判定レベルSL3,−SL4
を決定する。これらのパラメータは、予め車速の関数と
してマップ化してROM4bに格納されており、上記ス
テップ100にて読込んだ車速に応じて決定されるもの
である。
【0028】ここで、あおり判定レベルの学習値にリミ
ットを設ける理由は、以下の通りである。まず、下限値
の場合は、学習値があまり小さくなり過ぎて、あおりの
判定が過敏になり過ぎる事を防止(あおりの発生を判定
すると、サスペンションはハードに制御されるため全体
的に乗心地悪化となる)するためだけでなく、所定値以
下の小さな車両挙動は人間があおり状態であると感じな
いため、必要以上にあおり判定を過敏にする必要はない
という理由によるものである。逆に上限値の場合は、学
習値が大きくなり過ぎて、人間が明らかにあおり状態で
あると感じてもあおりの判定ができなくなるという事を
防止するためである。
【0029】即ち、本実施例のあおり判定レベルの学習
補正は、人間が感じる最低のあおりレベル(下限値)と
明らかにあおりであると感じるレベル(上限値)との間
で任意に設定する手法である。このため、人間の感性に
基づく絶対値と路面の凹凸状態に基づく相対値の両方で
あおりの検出を行う事が可能となり、路面の凹凸状態に
適合し、かつ人間の感性に合ったあおりの防止制御を実
現することができる。
【0030】なお、本実施例では、上記の上下限値を含
むパラメータを車速に応じて決定する事としているが、
これは、人間が高車速になるほど、車両のわずかな挙動
に敏感となるため、高車速ほど上記上下限値を小さな値
とする事が有効なためである。図8にパラメータと車速
との関係について一例を示す。縦軸はパラメータの絶対
値、横軸は車速の大きさを示す。図示するように車速が
大きくなるにつれて、あおり判定レベルの上限値SL1
MaX,−SL2MaX,下限値SL1MiN,−SL
2MiN及び復帰判定レベルSL3,−SL4はその絶
対値が小さくなるように設定されている。尚、ショック
アブソーバ2の伸び側に関するパラメータSL1及びS
L3の絶対値は、縮み側に関するパラメータ−SL2及
び−SL4の絶対値よりも相対的に大きな値に設定され
ている。これは伸び側の減衰力の絶対値が、縮み側の減
衰力の絶対値よりも相対的に大きいことを補償するため
である。
【0031】また、ここでは、上記パラメータは車速の
みによって決定したが、ブレーキ信号,ステアリング信
号の情報やこれらを組合せた情報により決定しても良い
(ダイブ,ロール時も敏感(小さな値)とする)。また
、簡易的に固定値としても、人間の感性に合ったあおり
判定は充分に実現できる。次にステップ120では、後
述する学習値を決定するために現在の車両の挙動(ピッ
チングやバウンシング挙動)のレベルを演算する。即ち
、図6に示すように、比較的フラットな路面を走行して
いる時でも車両はわずかなピッチング運動をしており、
その挙動の大きさをバネ上共振成分信号のピーク値SL
1STD,SL2STDとして取り込む。このピーク値
に応じて、後述する学習補正においてあおりの判定レベ
ルが学習的に決定される。
【0032】次にステップ130では、現在走行してい
る路面が、比較的良路であるか、悪路であるかを判断す
る。良路走行中である時にはステップ140へ進み、上
記ステップ120で演算されたピーク値SL1STD,
SL2STDに応じてあおりの判定レベルが決定される
。逆に悪路走行中である時には、ステップ160に進み
、上記ステップ110にて求められた上限値SL1Ma
X,−SL2MaXが、あおりの判定レベルSL1,−
SL2として設定される。
【0033】これは、良路走行中では、わずかな車両の
挙動でも気になるため、あおりの判定レベルを学習させ
て乗心地を向上させる一方、悪路走行中にあおりの判定
レベルを学習させると過敏にあおり判定するように設定
される可能性もあり、この場合減衰力を高目に制御する
機会が増加して乗心地が悪化するためである。従って、
悪路走行中では、人間が明らかにあおり状態であると感
じられるレベル(上限値)をあおり判定レベルとする事
によって、乗心地と安定性とを両立しようとするもので
ある。
【0034】尚、良路/悪路の判定は、ステップ100
にて読込まれた減衰力の変化率が所定時間内に所定レベ
ルを越える頻度により行われる。即ち、所定頻度より多
い時には悪路判定を、少ない時には良路判定を行う。ス
テップ130にて良路走行中であると判定した時には、
ステップ140へ進み、あおり判定レベルを算出するタ
イミングであるか否かを判定する。これは図6に示す如
く、バネ上共振成分信号が零点を通過するタイミングで
あり、図中A点,B点である。即ち、A点のタイミング
でSL1STDに応じてSL1を決定し、B点のタイミ
ングで−SL2STDに応じて−SL2を算出する。
【0035】この演算はステップ150で実行され、ス
テップ120で算出されたピーク値SL1STD,−S
L2STDに係数Kを乗算して、あおりの判定レベルS
L1,−SL2を決定する。但し、あおり判定レベルS
L1,−SL2は各々、上下限値SL1MiN,SL1
MaX,−SL2MiN,−SL2Maxでガードされ
る。ここで係数Kは、固定値(1.2程度)でも良いし
、車速のマップ(高速ほどあおり判定が敏感(1.0に
近い値)となる)としても良い。また、本実施例では、
ピーク値SL1STD,−SL2STDに係数Kを乗じ
てあおり判定レベルSL1,−SL2を決定したが、ピ
ーク値SL1STD,−SL2STDに所定量ΔLを加
算して決定しても良い。この所定量ΔLは係数Kと同様
、固定値でも、車速に応じて決定される値でも良い。
【0036】次にステップ170にて、現在あおり防止
制御を実行している状態であるか否かを判定する。あお
り防止制御を行っていない時にはステップ180であお
りの発生を判定し、あおり防止制御中であるならばステ
ップ190にて復帰判定を行う。あおりの判定(ステッ
プ180)は、図6に示す如く、バネ上共振成分信号が
あおり判定レベルSL1,−SL2を越えているか否か
によって判断される。また復帰判定(ステップ190)
は、バネ上共振成分信号が復帰判定レベルSL3,−S
L4以内に納まっているか否かにより判定する。そして
、バネ上共振成分信号があおり判定レベルSL1,−S
L2を越えている期間がΔTs継続した時、あおり判定
し、復帰判定レベルSL3,−SL4以内に納まってい
る期間がΔTeを継続した時、あおりが納まったと判断
する。車両があおりの状態であると判定した時には、ス
テップ200にて減衰力をハードとし、それ以外の時に
は、ステップ210にて減衰力をソフトとする。
【0037】本実施例では、あおりの復帰判定は、復帰
レベル以内に納まっている期間がΔTe継続した時とし
たが、あおりを判定した後、所定時間(例えば1S〜2
S間)経過すれば復帰したものとしても良い。また上記
2つの判定方法を組み合わせて所定時間経過、かつ、復
帰レベル以内に納まっている期間がΔTe継続した場合
としても良い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるサスペ
ンション制御装置によれば、ばね上共振周波数近傍の周
波数成分の許容範囲が、過去に抽出された周波数成分に
応じて周期的に学習補正されるため、車両が走行する路
面状態に適合したあおり防止制御を行うことが可能とな
る。
【0039】さらに、このあおり防止制御の制御内容を
車両の走行速度を考慮して調節した場合には、路面の状
態だけでなく、運転者の感性にも適合したあおり防止制
御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例の全体構成図である。
【図3】ショックアブソーバの構造を示す一部断面図で
ある。
【図4】図3に示すショックアブソーバの要部断面図で
ある。
【図5】制御回路の構成を示すブロック図である。
【図6】実施例の作動を説明する作動説明図である。
【図7】実施例の制御手順を示すフローチャートである
【図8】あおり判定レベルの特性を示す特性図である。
【符号の説明】
2    減衰力可変型ショックアブソーバ4    
電子制御装置 25  ピエゾ荷重センサ 51  車速センサ 55  ローパスフィルタ 56  ハイパスフィルタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減衰力特性を変更可能なショックアブソー
    バと、車両の振動状態を検出する振動状態検出手段と、
    前記振動状態検出手段の検出信号より、車両のばね上共
    振周波数の近傍周波数成分を抽出する抽出手段と、前記
    抽出された周波数成分の許容範囲を周期的に学習補正す
    べく、この学習補正を行うタイミングよりも以前に抽出
    された前記周波数成分に応じて前記許容範囲を学習補正
    する学習補正手段と、前記抽出された周波数成分が、前
    記学習補正手段によって学習補正された許容範囲を越え
    た場合に、前記ショックアブソーバの減衰力の程度を高
    めに維持する高減衰力維持手段とを備えることを特徴と
    するサスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】前記学習補正手段は、前記学習補正を行う
    タイミングよりも以前に抽出された前記周波数成分のピ
    ーク値を検出する検出手段を備え、前記許容範囲を検出
    されたピーク値以上の値に学習補正することを特徴とす
    る請求項1記載のサスペンション制御装置。
  3. 【請求項3】前記学習補正手段が学習補正する許容範囲
    に上限値及び下限値を設けたことを特徴とする請求項1
    又は請求項2のいずれかに記載のサスペンション制御装
    置。
  4. 【請求項4】車両の走行速度を検出する速度検出手段を
    備え、検出された走行速度の上昇に応じて前記許容範囲
    の上限値及び下限値を減少させることを特徴とする請求
    項3記載のサスペンション制御装置
  5. 【請求項5】車両が走行する路面の凹凸状態を少なくと
    も良路及び悪路の2種類に判別する判別手段と、前記判
    別手段によって悪路と判別されたとき、前記学習補正手
    段における学習補正を中断させるとともに、所定の上限
    値を前記許容範囲として設定する設定手段とを備えるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載
    のサスペンション制御装置。
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