JPH0423692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ドアのウインドをドアガラス等の板
状部材で覆う車両のドア構造の改良に関する。

（従来の技術） 従来より、例えば実開昭60−106822号公報に開
示されているように、車体に開けられたウインド
の周縁部にドアガラスに接着してウインドをドア
ガラスで覆うようにした嵌殺しタイプのドア構造
は知られている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、例えばワゴン車等においては、後側
側面にあるドアのウインドを開閉するニーズが少
ないことから、そのウインドを覆うドアガラスを
閉じ状態に固定して、昇降装置（ウインドレギユ
レータ）の省略等によりドアの厚みを小さくし、
その分、車室スペースの拡大化を図る傾向があ
る。その場合、上記従来例のように、ウインドを
ドアガラスで覆うことによつて、サツシユの隠蔽
による外観見映えのスポーテイー感の増大化およ
び空力特性を考慮したフラツシユサーフエイス化
が望まれる。すなわち第６図に示すように、ドア
のサツシユ２′ｂの車外側端部にガラス取付座１
１′を車体外表面と略面一に設け、そのガラス取
付座１１′にドアガラス４′の周縁部を接着剤１
０′を介して接着することが考えられる。

ところが、このようなドア構造では、接着剤１
０′によつて、サツシユ２′ｂに取付けられたドア
ガラス４′の外周縁が直接外部に露出しているた
め、ドア開閉時等の衝撃や振動等によつて該ドア
ガラス４′の周縁部が割れてしまう等の問題が生
じる。しかもドアガラス４′をサツシユ２′ｂへ取
付ける際に、該ドアガラス４′の該サツシユ２′ｂ
に対する位置決めが困難である等の問題もある。

そこで、本考案は上記の考え方をさらに押し進
めてなされたもので、その目的とするところは、
上記したサツシユ２′ｂにおいて、ドアガラス等
の板状部材を取付けるためのガラス取付座１１′
等に所定の改良を施すことにより、衝撃や振動等
から板状部材の周縁部を保護し、かつ板状部材の
位置決め容易化を図ることにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的の達成のため、本考案の解決手段は、
サツシユに囲まれたドアのウインドをドアガラス
等の板状部材で覆う車両のドア構造として、上記
サツシユをインナーフレーム部と、インナーフレ
ーム部の車外側に車体外表面と略面一に周縁部外
方へ延設されたアウターフレーム部とで構成し、
上記インナーフレーム部の外周縁部にウエザスト
リツプを取付けるウエザストリツプ取付座を設け
る。一方、上記アウターフレーム部には、上記板
状部材が取付けられる板状部材取付座を設ける。
さらに、上記アウターフレーム部の板状部材取付
座外縁部に車外方向へ延びる折り曲げ部を形成
し、該折り曲げ部と上記板状部材取付座上の板状
部材の外周縁部との間にモール部材を嵌装するも
のである。

（作用） 上記の構成により、本考案では、板状部材取付
座の外周に車外方向に延びる折り曲げ部が形成さ
れ、該折り曲げ部と板状部材外周縁部との間にモ
ール部材が嵌装されているので、板状部材は折り
曲げ部およびモール部材によつて保護され、衝撃
等が作用しても板状部材等が割れる等ということ
はない。又、上記板状部材をサツシユへ取付ける
際、上記折り曲げ部と板状部材外周縁部との間に
モール部材を嵌装するだけで該板状部材を最適位
置とすることができ、板状部材の位置決めが容易
化される。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第４図は本考案の実施例に係るワゴン車等の自
動車を示し、１は車体、２は該車体１の開口部を
開閉するリヤサイドのドアであつて、このドア２
は第３図に示すようにドアボデイ２ａと、該ドア
ボデイ２ａの上縁に立設され、ドアボデイ２ａと
でウインド３を形成する閉形状のサツシユ２ｂ
と、上記ウインド３を覆うドアガラス４とからな
る。上記サツシユ２ｂは、第１図に拡大詳示する
ように断面コ字状のインナーフレーム部５と、該
インナーフレーム部５の車外側に車体１外表面と
略面一に周縁部外方に延設されたアウターフレー
ム部６とからなり、上記インナーフレーム部５
は、ドアのウインド３中心側に開放された断面コ
字状のフレーム部本体７と、その外周縁部に形成
されドア２の閉鎖時にドア２と車体１との間隙を
シールするウエザストリツプ８を取付けるための
ウエザストリツプ取付座９とからなる。一方、上
記アウターフレーム部６は板状部材としてのドア
ガラス４を接着剤１０を介して接着して取付ける
ためのガラス取付座１１を有しており、該ガラス
取付座１１は、上記ウエザストリツプ取付座９の
車外側に対応する該ウエザストリツプ取付座９の
凹部側面を、車体外表面と略面一に該ドア２周縁
部外方へ延出してなるものである。さらに、上記
ガラス取付座１１の外縁部には、車外方向に延び
る折り曲げ部１２が形成され、この折り曲げ部１
２とドアガラス４の外周縁部との間の間隙には、
断面略Ｆ字形状のフラツシユモール１３が嵌装さ
れている。このフラツシユモール１３は、上記ド
アガラス１の接着時に、上記ガラス取付座１１と
ドアガラス１との間に介在された接着剤１０が生
乾きの状態で折り曲げ部１２とドアガラス１外周
縁部との間に嵌込まれるものである。又、１４は
上記接着剤１０と接触するドアガラス４の内表面
にコーテイングされているセラミツクコーテイン
グ層で、ドアガラス４とガラス取付座１１との接
着部を車外から隠蔽するものである。さらに１５
は接着剤１０が非接着部へ流れ出ないように塞ぎ
止めるダムである。又、上記インナーフレーム部
５のフレーム部本体７はモール１６によつて封蓋
されている。一方、第２図に示すように、上記ド
アガラス４の車内側下縁側端は、接着剤１０を介
してドアボデイ２ａ上面へ取付けられ、該接着剤
１０の下部でかつドアガラス４の下端縁と該下端
縁に対応するドアボデイ２ａ上縁との間の間隙に
は、断面略Ｌ字状形のフラツシユモール７が嵌装
されている。

したがつて、上記実施例においては、ドアガラ
ス４が接着して取付けられるサツシユ２ｂにおけ
るアウターフレーム部６のガラス取付座８の外周
縁にドアガラス４外周を取囲むように、折り曲げ
部１２が形成されているため、この折り曲げ部１
２によりドアガラス４の外周縁部が保護される。
しかも、上記折り曲げ部１２とドアガラス４外周
縁部との間にはフラツシユモール１３が嵌装され
ているので、このフラツシユモール１３により、
ドアガラス４の外周縁部の割れ等の原因となる衝
撃や振動等が吸収され、よつて、ドアガラス４の
外周縁部の割れ等を確実に防止することができ
る。

また、ドアガラス４をサツシユ２ｂに取付ける
際接着剤１０の生乾き状態でドアガラス１を移動
させながら折り曲げ部１２とドアガラス４外周縁
部との間にフラツシユモール１３を嵌装するだけ
で、ドアガラス４がサツシユ２ｂ上に正確に位置
決めされ、よつて、ドアガラス４の位置決めを容
易に行うことができる。

さらに、ドアガラス４の外周縁部がフラツシユ
モール１３によつて隠蔽されているので、サイド
ウインド周縁端部の外観見映えを向上させること
ができる。

尚、上記実施例において、第５図に示すよう
に、サツシユ２ｂのインナーフレーム部５をカー
テンレール部として利用してもよい。すなわち、
インナーフレーム部５のフレーム部本体７内に
は、該フレーム部本体７と略同形状のカーテンレ
ール１８が、嵌合されており、該カーテンレール
１８内には、ドアガラス４内側を遮るカーテン１
９を、吊下げ支持するカーテン金具２０，２０…
がスライド移動可能に挿入されている。該各カー
テン金具２０はカーテンレール１８内に嵌装され
る球部２０ａと、垂下された取付部２０ｂとから
なり、この取付部２０ｂに該カーテン１９が取付
けられている。一方、上記カーテンレール１８内
には、上記各カーテン金具２０の球部２０ａをス
ライド移動自在に嵌合するレール部１８ａと、該
レール部１８ａの下部に連続し、各カーテン金具
２０の球部２０ａを移動不能に係止保持する係止
部１８ｂとが形成されている。よつてカーテン１
９を開閉する際には、該各カーテン金具２０を押
し上げてその球部２０ａを図の仮想線位置へ位置
付けることによつてスライドさせ、一方、カーテ
ン開状態または閉状態に保持する際には、各カー
テン金具２０の球部２０ａをカーテンレール１８
の係止部１８ｂに係止させるように構成されてい
る。

尚、上記実施例では、ドア２のサツシユ２ｂに
ドアガラス４を取付ける場合について説明した
が、本考案は、ドアガラス４以外の他の板状部材
を取り付ける場合にも適用することができる。

（考案の効果） 以上の如く、本考案によれば、ドアのサツシユ
外面へ板状部材を取付ける際、サツシユにおける
板状部材取付座外縁部に折り曲げ部を形成し、該
折り曲げ部と板状部材外周縁部との間にモール部
材を嵌装したことにより、板状部材の外周縁部を
外部から保護することができ、その外周縁部の割
れ等を確実に防止できるとともに、板状部材のサ
ツシユに対する位置決めを容易に行うことがで
き、さらには板状部材の外周縁部をモール部材に
より隠蔽してその外観見映えを向上させることが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る実施例を示し、第１図は第
３図の−線拡大断面図、第２図は第３図の
−線断面図、第３図はドアの斜視図、第４図は
車体の部分斜視図である。第５図はサツシユへの
カーテンの取付状態を示す断面図である。第６図
はドアガラスのサツシユへの取付構造を例示する
断面図である。 ２ｂ……サツシユ、３……ウインド、４……ド
アガラス、５……インナーフレーム部、６……ア
ウターフレーム部、９……ウエザストリツプ取付
座、１１……ガラス取付座、１２……折り曲げ
部、１３……フラツシユモール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サツシユに囲まれたドアのウインドを板状部材
   で覆う車両のドア構造であつて、上記サツシユ
   は、外周縁にウエザストリツプ取付座を有するイ
   ンナーフレーム部と、該インナーフレーム部の車
   外側に車体外表面と略面一に周縁部外方へ延設さ
   れ、上記板状部材が取付けられる板状部材取付座
   を有するアウターフレーム部とからなり、該アウ
   ターフレーム部の板状部材取付座の外縁部には車
   外外方へ延びる折り曲げ部が形成され、該折り曲
   げ部と上記板状部材の外周縁部との間にはモール
   部材が嵌装されていることを特徴とする車両のド
   ア構造。