JPH0520576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ドアサツシユにいわゆる嵌殺し状に
ウインドガラスを固定したドアの構造に適用され
る車両用ドア構造に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の車両では、例えば、実開昭62−43016号
公報に開示されているように、サイドドアのウイ
ンドガラスは昇降可能となつている。しかしなが
ら、ワゴン車等、車種によつては、一般にサイド
ドアのうち、リヤドアはウインドガラスを開閉す
るニーズが少ない。

そこで、リヤドアのウインドガラスをドアサツ
シユに固定的に組み付けるいわゆる嵌殺しとする
構造が考えられる。このような構造では、ドアの
内部にウインドガラスを昇降するためのレギユレ
ータを設ける必要がないため、ドアの厚みを小さ
くすることができ、この結果、車室のスペースを
拡大することができるという利点を有している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、単にウインドガラスをドアサツシユ
に固定した構造とする場合には、ドアサツシユの
金属面が車室側に露出され、美的外観が悪いとい
う問題点を有している。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の車両用ドア構造は、上記の問題を解決
するために、サイドドア上部に配されたウインド
ガラスの上縁部および両側縁部を枠形状に囲むド
アサツシユを備えると共に、上記のウインドガラ
スが接着剤層を介してドアサツシユに固定されて
なる車両用ドア構造において、以下の手段を講じ
ている。

即ち、上記ドアサツシユは、ウインドガラスの
板面に平行に延成され、接着剤層を介してウイン
ドガラスを取り付ける取付用フランジ部と、取付
用フランジ部から車内方向に延成された中間リブ
部と、中間リブ部の車内側端部から取付用フラン
ジ部と略平行に内側方向へ延成された内方リブ部
とを備えており、これら取付用フランジ部、中間
リブ部、および内方リブ部から形成されるドアサ
ツシユの開口部には、これを被覆するトリムが配
設され、このトリムは、車外方向へ所定幅にて突
出したガラス当接部を有すると共に、このガラス
当接部がドアサツシユの取付用フランジ部とウイ
ンドガラスとの間に挟装状態にて取り付けられる
ことで、取付用フランジ部とウインドガラスとの
開口を閉塞し、かつ取付用フランジ部とウインド
ガラスとを所定間隔に保つ。

〔作用〕

上記の構成によれば、取付用フランジ部、中間
リブ部、および内方リブ部からなるドアサツシユ
の開口部にトリムを配設することで、車室内にお
けるドアサツシユが被覆され、車両の美観が向上
されると共に、ドアサツシユに乗員が衝突したよ
うな場合に、トリムが緩衝材として作用し、乗員
が保護される。また、例えば、上記のドアサツシ
ユにインナーサツシユタイプのものを使用した場
合には、車室側にチヤンネル状等の開口部が露出
することになるが、この開口部が上記トリムにて
被覆することができる。これにより、ウインドガ
ラスをドアサツシユに嵌殺しにするドアに、ウイ
ンドガラスを嵌殺しにない構造の、例えばインナ
ーサツシユタイプのドアを使用することが可能と
なり、ドアの汎用性が向上され、製造コストを低
減することができる。

また、上記のトリムには、車外方向へ所定幅に
て突出したガラス当接部が設けられている。この
ため、上記ガラス当接部をドアサツシユの取付用
フタンジ部とウインドガラスとの間に挟装状態で
取り付けることにより、取付用フランジ部とウイ
ンドガラスとの開口が閉塞されて、ウインドガラ
ス固定用の装着剤層の車室内側への流れ込みが防
止され、さらには、取付用フランジ部とウインド
ガラスとを所定間隔に保つことで、ドアサツシユ
に対してウインドガラスを位置決めすることがで
きる。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図乃至第４図に基づい
て以下に説明する。

本考案に係る車両用ドア構造は、第２図に示す
自動車１に供されている。この自動車１はフロン
トドア２、リヤドア３および図示しないバツクド
アを備えている。

リヤドア３は、第３図にも示すように、サツシ
ユドアとなつており、ドア本体３ａの上部にコ字
形枠状のドアサツシユ４を有している。そして、
このドアサツシユ４には、いわゆる嵌殺しの状態
でウインドガラス５が取り付けられている。

上記のドアサツシユ４は、第１図に示すよう
に、ウインドガラス５を車外側に取り付けるタイ
プのインナーサツシユとなつている。ドアサツシ
ユ４は、例えば金属板をロール成形することによ
つて形成されており、ウインドガラス５の板面に
平行に延成された取付用フランジ部６、およびこ
の取付用フランジ部６から車内方向に延成された
中間リブ部７を有している。上記取付用フランジ
部６の外周側端部付近には補強用の閉断面が形成
されている。また、取付用フランジ部６の外周側
端部には車外方向に延成された外端リブ部８が成
形されており、中間リブ部７の車内側端部には、
取付用フランジ部６とほぼ平行に内側方向へ延成
された内方リブ部９が形成されている。そして、
取付用フランジ部６の内周側部位、中間リブ部７
および内方リブ部９からなるチヤンネル部１６に
よつて、開口部１０が形成されている。さらに、
中間リブ部７における開口部１０の反対側面に
は、湾曲開口状のウエザストリツプ嵌合部１１が
形成されている。

上記ドアサツシユ４におけるウエザストリツプ
嵌合部１１には、車室内への雨水等の浸入を阻止
するウエザストリツプ１２が取り付けられてい
る。一方、上記チヤンネル部１６には開口部１０
を覆うようにトリム１３が取り付けられている。
上記ウエザストリツプ１２とトリム１３とは、第
４図に示すように、ドアサツシユ４の全周にわた
つて取り付けられている。

上記のトリム１３は、幅方向の両側に、ドアサ
ツシユ４の内方リブ部９と取付用フランジ部６の
内周側部位に外嵌される二股状の嵌合部１３ａ・
１３ｂを有している。そして、取付用フランジ部
６の内周側部位と対応する嵌合部１３ｂの外側部
位は、若干車外方向へ張り出したガラス当接部１
４となつている。尚、トリム１３は、第１図のよ
うに嵌合部１３ａがドアサツシユ４おける内方リ
ブ部９の表面全体を覆うものに限定されるもので
はなく、嵌合部１３ａが内方リブ部９の先端部の
みを覆うものであつてもよい。

そして、ドアサツシユ４の車外側面には、装着
剤層１５によつてウインドガラス５が取り付けら
れている。ウインドガラス５はトリム１３のガラ
ス当接部１４と当接することにより、ドアサツシ
ユ４との間に所定の間隙をおいて位置決めされて
いる。また、接着剤層１５におけるドアサツシユ
４の端部側には外側への接着剤の流出を防ぐダム
１６が設けられ、ウインドガラス５の端部とドア
サツシユ４の外端リブ部８との間にはモール１７
が嵌合されている。

上記の構成において、ドアサツシユ４における
チヤンネル部１６にトリム１３が設けられている
ことにより、開口部１０が覆われると共に、金属
面を有するドアサツシユ４の車室側部位が被覆さ
れ、車室内における美観が向上される。また、ド
アサツシユ４がトリム１３にて被覆されているこ
とにより、ドアサツシユ４に乗員が衝突したよう
な場合に、トリム１３が緩衝材として作用し、乗
員を保護することができる。

また、トリム１３がガラス当接部１４を有して
いることにより、ウインドガラス５の位置決めを
容易に行うことができると共に、ウインドガラス
５にガラス当接部１４が当接され、ダムとして機
能することにより、接着剤が硬化以前に車室内側
に流入したり、あるいはウインドガラス５を汚す
ようなことがない。

尚、本車両用ドア構造では、上記の実施例のよ
うに、自動車１のリヤドア３にインナーサツシユ
タイプのドアを使用した場合であつても、ドアサ
ツシユ４の開口部１０がトリム１３にて覆われる
ことにより、インナーサツシユタイプのドアをフ
ロントドア２のみならずリヤドア３にも共用する
ことができる。

〔考案の効果〕

本考案の車両用ドア構造は、以上のように、ド
アサツシユは、ウインドガラスの板面に平行に延
成され、接着剤層を介してウインドガラスを取り
付ける取付用フランジ部と、取付フランジ部から
車内方向に延成された中間リブ部と、中間リブ部
の車内側端部から取付用フランジ部と略平行に内
側方向へ延成された内方リブ部とを備えており、
これら取付用フランジ部、中間リブ部、および内
方リブ部から形成されるドアサツシユの開口部に
は、これを被覆するトリムが配設され、このトリ
ムは、車外方向へ所定幅にて突出したガラス当接
部を有すると共に、このガラス当接部がドアサツ
シユの取付用フランジ部とウインドガラスとの間
に挟装状態にて取り付けられることで、取付用フ
ランジ部とウインドガラスとの開口を閉塞し、か
つ取付用フランジ部とウインドガラスとを所定間
隔に保つ構成である。

これにより、ドアサツシユの車室側部位がトリ
ムによつて被覆され、車室内の美観が向上される
と共に、ドアサツシユに乗員が衝突したような場
合に、トリムが緩衝材として作用することで、乗
員が保護され、車両の安全性が向上される。

また、上記のトリムにより、取付用フランジ部
とウインドガラスとの開口を閉塞することで、ウ
インドガラス固定用の接着剤層の車室内側への流
れ込みを防止することができる。さらには、取付
用フランジ部とウインドガラスとを所定間隔に保
つことで、ドアサツシユに対するウインドガラス
の位置決めが行われ、ウインドガラスを含むサイ
ドドアの立て付け品質を向上することができると
いう効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示すも
のであつて、第１図は第４図におけるＡ−Ａ矢視
断面図、第２図は本考案の車両用ドア構造を備え
た自動車の斜視図、第３図は車外から見たリヤド
アの斜視図、第４図は車内から見たリヤドアの斜
視図である。 １は自動車、３はリヤドア、４はドアサツシ
ユ、５はウインドガラス、６は取付用フランジ
部、７は中間リブ部、８は外端リブ部、９は内方
リブ部、１０は開口部、１１はウエザストリツプ
嵌合部、１２はウエザストリツプ、１３はトリ
ム、１４はガラス当接部、１５は接着剤層、１６
はチヤンネル部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 サイドドア上部に配されたウインドガラスの上
   縁部および両側縁部を枠形状に囲むドアサツシユ
   を備えると共に、上記のウインドガラスが接着剤
   層を介してドアサツシユに固定されてなる車両用
   ドア構造において、 上記ドアサツシユは、ウインドガラスの板面に
   平行に延成され、接着剤層を介してウインドガラ
   スを取り付ける取付用フランジ部と、取付用フラ
   ンジ部から車内方向に延成された中間リブ部と、
   中間リブ部の車内側端部から取付用フランジ部と
   略平行に内側方向へ延成された内方リブ部とを備
   えており、 これら取付用フランジ部、中間リブ部、および
   内方リブ部から形成されるドアサツシユの開口部
   には、これを被覆するトリムが配設され、このト
   リムは、車外方向へ所定幅にて突出したガラス当
   接部を有すると共に、このガラス当接部がドアサ
   ツシユの取付用フランジ部とウインドガラスとの
   間に挟装状態にて取り付けられることで、取付用
   フランジ部とウインドガラスとの開口を閉塞し、
   かつ取付用フランジ部とウインドガラスとを所定
   間隔に保つことを特徴とする車両用ドア構造。