JPS6012735Y2

JPS6012735Y2 - 自動車用サイドドアのコ−ナ−ブラケット構造

Info

Publication number: JPS6012735Y2
Application number: JP1980047168U
Authority: JP
Inventors: 武二大矢
Original assignee: マツダ株式会社
Priority date: 1980-04-07
Filing date: 1980-04-07
Publication date: 1985-04-24
Also published as: JPS56147120U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、サツシュレスタイプの自動車用サイドドアの
上端縁部コーナ一部に設けるコーナーブラケットの構造
に関するものである。

例えば、ハードトップ型自動車においては、サツシュレ
スタイプのサイドドアを採用するようにしたものがある
が、このサツシュレスタイプのサイドドアでは、ウィン
ドガラスの保持剛性を高める必要があり、またサイドド
ア上方の開口部全体をウィンドガラスとするとウィンド
ガラスの形状とサイドドアとの形状によりこのウィンド
ガラスを降ろしてサイドドア内に完全に収容することが
困難な場合がある。

そのため、サイドドアの前方上端縁部のコーナ一部に三
角形状のコーナーブラケットを設けて、ウィンドガラス
の保持剛性を向上するとともにウィンドガラスを小さく
してサイドドア内に容易に収容できるようにすることが
試みられている。

しかし、一般のサツシュレスタイプのサイドドアにおい
て取付けられているコーナーブラケットは、インナ部分
とアウタ部分とを別部材に形威し、これをそれぞれ別途
に取付けるようにしているものであって、インナ部分と
アウタ部分との間に挿入されるウィンドガラスに対する
シール性およびその組付作業性等の面で問題があり、さ
らに車体とのシール性にも問題があるなど、このサツシ
ュタイプ用のコーナーブラケットを直ちにサツシュレス
タイプのサイドドアに適用することは実用上程々の不具
合が生じる。

本考案はかかる点に鑑み、略三角形状でかつ断面略コ字
状の補強メンバーと、該補強メンバーの略全表面を覆い
かつウィンドガラスの内面および外面に当接するリップ
部を一体成形してなる弾性カバ一部材とで構威し、さら
にこの弾性カバ一部材のキャビン側シール部材と当接す
るシール面を、シール面の前方が外方へ向かう傾斜面と
したサツシュレスタイプの自動車用サイドドアのコーナ
ーブラケットの新規構造を提供し、シール性、組付性な
どの問題点を解消したものである。

以下、本考案の実施態様を図面に沿って詳細に説明する
。

〈実施例１〉第１図ないし第６図に示す本例において、１はサツシュ
レスタイプの自動車用サイドドア、２は該サイドドア１
内に装着された昇降機構（図示せず）により昇降可能に
支持されたウインドガラスであって、上記サイドドア１
の上端縁部にコーナーブラケット３が設けられる。

上記コーナーブラケット３は補強メンバー４と該補強メ
ンバー４の略全表面を覆う弾性カバ一部材５とで構成さ
れている。

補強メンバー４は金属板にて形成され、側面が略三角形
状で、アウタ部４ａとインナ部４ｂとが前側の連結部４
ｃを介して一体に結合された断面略コ字状であって、後
方と下方が開放している。

該補強メンバー４は、アウタパネル６とインナパネル７
との接合によって形成されたサイドドア１のウィンドガ
ラス２昇降用の開口部１ａの前端部に対して溶接によっ
て固着される。

すなわち、上記補強メンバー４の下部４ｄはサイドドア
１のインナパネル７の屈曲形状に沿って形成され、両者
の当接面間がスポット溶接等にて接合される。

尚、補強メンバー４の連結部４ｃにはネジ孔８が設けら
れるとともに、そのインチ部４ｂ側は内方に傾斜して形
成されている。

弾性カバ一部材５は、上記補強メンバー４のサイドドア
１から上方に突出している部分の略全表面を覆うように
、側面が略三角形状で、アウタ部５ａとインナ部５ｂと
が前側の連結部５ｃを介して一体に結合された断面略コ
字状であって、表面側の弾性体９と裏側の芯金１０とに
より構成され老いる（第４図参照）。

弾性体９はゴム、合成樹脂等により成形され、アウタ部
５ａとインナ部５ｂの後縁上下方向に、ウィンドガラス
２の外面および内面にそれぞれ当接するリップ部１１ａ
、１１・ｂが一体に成形され、このリップ部１１ａ、１
１’ ｂのウィンドガラス２への接触面には植毛１２が
施されている。

芯金１０は補強メンバー４の外形に沿う形状であり、そ
の前方下端部には弾性体より下方に突出した取付片１０
ａが付設されてい札また、上記弾性カバ一部材５の弾性体９は、前記補強メ
ンバー４の前方インナ側の傾斜部分に沿（４同様に面取
り状に内後方に傾斜したシール面５ｄを有している。

このシール面５ｄは、第６図に示すように、シール面の
前方が外方へ向かうような傾斜面に構成されている。

尚、上記弾性体９のア：ウタ側の肉厚は前方は薄く、後
方に向かうにつれて漸次厚くなるように構成し、後方が
車体外方よ向かい突出してなる整流傾斜面９ａを形成し
、空気流を整流し、空気を剥離させることにより雨滴の
付着および踊りを防止し、視界の向上を図ったものであ
る。

上記コーナーブラケット３の取付けは、先ず、補強メン
バー４をサイドドア１に溶接にて固着し、この補強メン
バー４に第３図に示すように弾性カバ一部材５を装着し
、その取付片１０ａを補強メンバー４およびドアインナ
パネル７のネジ孔８．１４に合致させてビス１５により
止着する（第５図参照）。

尚、第５図において、１６はサイドドア１の上端開口部
１ａに装着されるシールラバーであって、その一部がビ
ス１５の上面を覆い弾性カバ一部材５に連結するように
設けられている。

上記実施例によれば、補強メンバー４をサイドドア１に
溶着し、この表面を弾性カバ一部材５で覆うように構成
したコーナーブラケット３であって、インチ側とアウタ
側が一体に形成されて両者間の寸法精度が良好でシール
性が良好であるとともに、組付作業性にも優れる。

さらに、弾性カバ一部材５の弾性体９後端部にリップ部
１１ａ、１１ｂを一体に設けたことにより、ウィンドガ
ラス２に対するシールがより確実で、シール構造も簡単
となる。

しかも、表面が弾性カバ一部材５の弾性体９にて覆われ
ていることにより、防錆効果が向上するとともに美観に
優れる。

また、サイドドア１にドアミラーを取付ける場合に、こ
のドアミラーを支持するのに十分な強度が必要とされる
が、従来はドアミラーの取付用として補強された専用の
ドアを設定していたが、上記コーナーブラケット３を変
更してサイドドア１のドアミラー取付部分を補強するよ
うにすれば、容易に対応できる。

さらに、第６図に示すように、コーナーブラケット３の
キャビン側シール部材１３と当接するシール面５ｄを、
シール面の前方が外方へ向かうような傾斜面としたこと
により、シール部材１３とシール面５ｄとの圧接状態が
良好で両者間のシール性が向上するとともに、このコー
ナーブラケット３の前端縁の厚みを薄くすることにより
、上記シール部材１３に対する接触状態がウィンドガラ
ス２との接触状態と殆ど変るところがなく、このキャビ
ン側シール部材１３の断面形状をコーナーブラケット３
用に大幅に変更することが不要となる。

さらに特にウィンドガラス２とコーナーブラケット３と
の境界近辺におけるキャビン側シール部材１３とのシー
ル性も向上する。

〈実施例２〉第７図ないし第９図に示すように、本例のコーナーブラ
ケット１７は、サイドドア１にネジ止めにて固定するよ
うにするとともに、補強メンバー１８と弾性カバ一部材
１９とを予め一体に形成したものである。

すなわち、側面が略三角形状でかつ断面略コ字状に形成
された補強メンバー１８の下端部には前方取付片１８ａ
とインナ側取付片１８ｂとが突設され、この補強メンバ
ー１８の両取付片１８ａ。

１８ｂ以外の略全表面を覆うように弾性カバ一部材１９
が接合されている。

該弾性カバ一部材１９はゴム、合成樹脂等により成形さ
れ、後繰上下方向に、ウィンドガラス２の外面および内
面にそれぞれ当接するリップ部１１ａｌｌｂＣ接触面に
植毛１２が施されている）が一体に成形されている（第
８図参照）。

尚、上記コーナーブラケット１７は両取付片１８ａ、１
８ｂおよび前方下部の取付部１８ｃ（補強メンバー１８
にネジ孔が開設され周囲の弾性カバ一部材１９が除去さ
れている）にてサイドドア１に取付けられる。

一方、サイドドア１において、２０は該サイドドア１を
車体（図示せず）に枢着するヒンジ部を内方より補強す
るヒンジレインフォースメント（図示せず）を上方へ延
長成形したヒンジレインフォースメント延長部であって
、該サイドドア１の上方に若干突出した延長部２０およ
びインナパネル７に開設されたネジ孔２１．２２．２３
に上記コーナーブラケット１７を固定するものである。

すなわち、補強メンバー１８と弾性カバ一部材１９とを
一体化したコーナーブラケット１７を、その取付片１８
ａ、１８ｂおよび取付部１８ｃをサイドドア１のネジ孔
２１，２２．２３に合致させてビス２４．２５（第９図
参照）を締付けることにより堅固に固定されるものであ
る。

尚、１６はドア側のシールラバーである。

その他、キャビン側のシール部材１３に当接する傾斜し
たシール面１９ａ１空気流を整流するアウタ側の整流傾
斜面１９ｂは前例と同様に構成され、同一の機能を発揮
するものである。

本例においては、サイドドア１の上端前縁部を補強した
ヒンジレインフォースメント延長部２０に、コーナーブ
ラケット１７を取付けるようにしたことにより、コーナ
ーブラケット１７によるサイドドア１の補強が不要であ
って、コーナーブラケット１７の構造がさらに簡単とな
って前例にむける芯金１０も不要とされ、ネジ止めによ
りさらに組立作業性が向上するものである。

その他の機能は前例と同様であり同一の効果が得られる
。

第１０図に示すコーナーブラケット２６は、実施例２の
変形例を示すものであって、弾性カバ一部材１９のアウ
タ側の整流傾斜面１９ｂにおいて、その後方縁部に沿い
、上下方向に前方に開放した溝２７が形成され、この溝
２７に雨樋の機能を持たせて雨滴を畝溝２７に沿って斜
め上方へ飛ばし、雨がウィンドガラス２に付着するのを
さらに防止したものである。

その他の構成は第８図と同じであり、同一構造に同一符
号を付している。

尚、この変形例は実施例１の場合にも適用できる。

従って、以上のような本考案によれば、略三角形状でか
つ断面略コ字状の補強メンバーと、該補強メンバーの略
全表面を覆い、かつウィンドガラスの内面および外面に
当接するリップ部を一体成形してなる弾性カバ一部材と
でサツシュレスタイプのサイドドアに設けるコーナーブ
ラケットを構成し、さらに弾性カバ一部材のキャビン側
シール部材と当接するシール面を、このシール面の前方
が外方へ向かう傾斜面としたことにより、シール性、組
付性が良好にして、かつウィンドガラスの高い保持剛性
を得るとともにウィンドガラスの昇降が容易に行えるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案の実施例１を示し、第１図
はサイドドアの斜視図、第２図は分解斜視図、第３図は
組付状態の斜視図、第４図は第３図のＡ−Ａ線に沿う水
平断面図、第５図は組付後における同Ｂ−Ｂ線に沿う断
面図、第６図はサイドドアの開閉動作に伴うシール状態
を説明する水平断面図、第７図ないし第１０図は実施例
２を示し、第７図は組付前の分解斜視図、第８図は第７
図のＣ−Ｃ線に沿う水平断面図、第９図は組付後におけ
る同Ｄ−Ｄ線に沿う断面図、第１０図は変形例を示す水
平断面図である。１・・・・・・サイドドア、１ａ・・・・・・開口部、
２・・・・・・ウィンドガラス、３，１７・・・・・・
コーナーブラケット、４．１８．２６・・・・・・補強
メンバー５，１９・・・・・・弾性カバ一部材、５ｄ
、１９ａ・・・・・・シール面、６・・・・・・アウタ
パネル、７・・・・・・インナパネル、９・・・・・・
弾性体、１０・・・・・・芯金、ｌｌａ、ｌｌｂ・・・
・・・リップ部、１２・・・・・・植毛。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

サツシュレスタイプの自動用のサイドドアの上端縁部コ
ーナ一部に設けるコーナーブラケットを、略三角形状で
、かつ断面略コ字状の補強メンバーと、該補強メンバー
の略全表面を覆い、かつウィンドガラスの内面および外
面に当接するリップ部を一体成形してなる弾性カバ一部
材とて構威し、この弾性カバ一部材のキャビン側シール
部材と当接するシール面を、シール面の前方が外方へ向
かう傾斜面としたことを特徴とする自動車用サイドドア
のコーナーブラケット構造。