JPH04233208A - フィルムコンデンサ - Google Patents

フィルムコンデンサ

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JPH04233208A
JPH04233208A JP40869190A JP40869190A JPH04233208A JP H04233208 A JPH04233208 A JP H04233208A JP 40869190 A JP40869190 A JP 40869190A JP 40869190 A JP40869190 A JP 40869190A JP H04233208 A JPH04233208 A JP H04233208A
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JP
Japan
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film
capacitor
pps
pen
heat resistance
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JP40869190A
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English (en)
Inventor
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
Yukichi Deguchi
出口 雄吉
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルムコンデンサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】フィルムコンデンサの誘電体としては、
ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート
フィルムなどが広く使われている。また最近ではポリフ
ェニレンスルフィドフィルム、ポリエチレンナフタレー
トフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルムなど
を用いることも提案されており、これらのフィルムを用
いることによって耐熱性に優れたコンデンサが得られる
ことが知られている。
【0003】また、2種以上のフィルム、あるいはフィ
ルムとコーティング層を複合誘電体として用いてコンデ
ンサとすることにより、それらの誘電体がそれぞれ持つ
特性の中間の特性を持つコンデンサが得られることは知
られており、この例としては温度の上昇に対して誘電率
の減少するポリエチレンテレフタレートフィルムと温度
の上昇に対して誘電率の増加するポリプロピレンフィル
ムを合わせ巻きして複合誘電体とすることにより静電容
量の温度変化が補償されたコンデンサとすることや、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムとこれにコーティン
グされたポリカーボネート膜(誘電損失が非常に小さい
)を複合誘電体とすることによりポリエチレンテレフタ
レートフィルムのみを誘電体とするコンデンサに比べ誘
電損失が低減されたコンデンサとするなどの例がある。
【0004】昨今の電子部品の小型化の要求に伴いフィ
ルムコンデンサとしても小型化に伴う種々の問題、すな
わちフィルムの薄膜化はもちろんのこと耐熱性、耐電圧
性、信頼性などの特性を従来のものよりさらに高められ
たものが要求されている。
【0005】特に、ポリフェニレンスルフィドフィルム
を誘電体とするコンデンサは、耐熱性に優れておりチッ
プコンデンサ(回路基板に直接ハンダ付けされるもので
、極めて高い耐熱性が要求される)として充分使用可能
であるものの、コンデンサとしたとき耐電圧に劣り、相
対的に厚手のフィルムを使用せざるを得なくなるためコ
ンデンサの小型化を阻害していた。
【0006】また、ポリエチレンナフタレートフィルム
を誘電体とするコンデンサは、本発明者らの検討によれ
ば耐電圧は満足できるものの耐熱性が充分ではなく、例
えばチップコンデンサに求められる一般的なハンダ耐熱
性の指標である260℃の温度に10秒間晒された時の
特性安定性に欠けるものしか得られないという欠点があ
った。また、誘電損失も比較的大きく好ましくない。
【0007】さらに、ポリエーテルエーテルケトンフィ
ルムを誘電体とするコンデンサは、本発明者らの検討に
よればポリフェニレンスルフィドフィルム同様、耐電圧
に劣るものであった。
【0008】言うまでもなく、これらのフィルムより耐
熱性の劣るポリエチレンテレフタレートフィルムやポリ
プロピレンフィルムを誘電体に用いたコンデンサは充分
な耐熱性を得ることはできず、耐熱性、耐電圧に優れた
、特にチップコンデンサに好適なコンデンサは得られて
いない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のフィルムコンデンサの上記の欠点を解消し、小型化が
容易であり、耐熱性、耐電圧に優れた特性を発揮するフ
ィルムコンデンサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、ポリ−p−フェニレンスルフィドフィル
ムおよびポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム
を複合誘電体とするフィルムコンデンサとしたものであ
る。
【0011】本発明に用いるポリ−p−フェニレンスル
フィドフィルム(以下、PPSフィルムということがあ
る)とはポリ−p−フェニレンスルフィド単位を主たる
繰り返し単位をする樹脂組成物からなる二軸延伸フィル
ムである。
【0012】該PPSフィルムの200℃、10分間の
熱収縮率はフィルムの長手方向で0〜5%、フィルムの
幅方向で−5〜5%の範囲が、コンデンサの耐熱性の点
で好ましい。
【0013】また、本発明に用いるポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルム(以下、PENフィルムとい
うことがある)はポリエチレン−2,6−ナフタレート
単位を主たる繰り返し単位をする樹脂組成物からなる二
軸延伸フィルムである。
【0014】該PENフィルムの200℃、10分間の
熱収縮率はフィルムの長手方向で0〜8%、フィルムの
幅方向で−5〜5%の範囲が、コンデンサの耐熱性の点
で好ましい。
【0015】また、該PENフィルムの230℃、10
分間の面積収縮率(フィルムの長手方向の熱収縮率と幅
方向の熱収縮率の積)が、該PPSフィルムにおける同
様の値に対して大きいものを用いるとコンデンサのセル
フヒール性が向上する点で好ましい。
【0016】さらに、PENフィルムおよびPPSフィ
ルムの表面粗さは平均中心線粗さRaで示して、それぞ
れ0.02μm以上0.08μm以下のものがコンデン
サの特性安定性の点で好ましく用いられるが、PPSフ
ィルムのRaがPENフィルムのRaより大きいものを
用いるとコンデンサのセルフヒール性、すなわち耐電圧
がさらに向上したものとすることができる。また、PE
NフィルムのRaがPPSフィルムのRaより大きいも
のを用いるとハンダ耐熱性がさらに向上したものとする
ことができる。
【0017】本発明のコンデンサは、上記PPSフィル
ムとPENフィルムを複合誘電体として用いたものであ
る。
【0018】ここで複合誘電体とは、一つのコンデンサ
のなかでPPSフィルムとPENフィルムがともに誘電
体として作用する構造としたものであることをいう。す
なわち、その構成として、一組の対向する電極間にPP
SフィルムとPENフィルムの両方が重ね合わされてい
る構成(直列複合誘電体)と、一組の対向する電極間に
はPPSフィルムまたはPENフィルムのいずれか一方
が存在しており、それらが電気的に並列に接続されてい
る構成(並列複合誘電体)とがあり、それぞれの構成単
位の一例を示すならば、次のものが挙げられる。
【0019】(1)電極/PPSフィルム/PENフィ
ルム/電極 (2)電極/PENフィルム/PPSフィルム/電極(
3)電極/PPSフィルム/PENフィルム/PPSフ
ィルム/…/電極 以上、直列複合誘電体構成。
【0020】(4)電極/PPSフィルム/電極/PE
Nフィルム/電極 (5)電極/PPSフィルム/電極/PPSフィルム/
…/電極/PENフィルム/電極/PENフィルム/…
/電極 以上、並列複合誘電体構成 (6)上記(1)ないし(5)の組み合わせ上記各構成
のうち並列複合誘電体構成とした時、特に上記(4)の
構成が、特に耐熱性と耐電圧のバランスが高いレベルに
することができ、かつ周囲の温度変化に対する静電容量
変化が極めて小さいものとすることができ好ましい。
【0021】PPSフィルムとPENフィルムの厚みの
比は、直列複合誘電体構成の場合はPPSフィルム厚み
のPENフィルム厚みに対する割合で示して0.7〜2
.0倍であるとが好ましく、また並列複合誘電体構成の
場合は同じく0.3〜1.5倍であることが特性の安定
性の点で好ましい。また、いずれの場合でも、同じく1
.0〜1.5倍とすると、コンデンサの耐電圧と耐熱性
のバランスを最も優れたものとすることができる。
【0022】本発明のコンデンサは上記のようにPPS
フィルムとPENフィルムを複合誘電体とするものであ
るが、これら以外にも誘電体として作用する空気層、樹
脂、含浸油、フィルムなどが含まれることは差し支えな
い。しかし、その厚さはPPSフィルムとPENフィル
ムの合計値の10%以下であることが好ましい。
【0023】本発明のコンデンサの構造は、巻回型、積
層型のいずれであっても良いが、コンデンサの小型化の
点から積層型であることが好ましい。また、電極として
蒸着膜などの金属薄膜を用いる、いわゆる金属化フィル
ムコンデンサでも良いし、電極として金属箔を用いる、
いわゆる箔巻コンデンサとすることもできるが、コンデ
ンサの小型化、およびコンデンサ耐電圧の点から金属化
フィルムコンデンサであることが好ましい。このとき、
電極としてはアルミニウム蒸着膜、亜鉛蒸着膜などを用
いることができ、その厚さは0.02〜0.2μmであ
ることがコンデンサの耐湿性と耐電圧(セルフヒール性
)の点で好ましい。
【0024】本発明のコンデンサがアルミニウム蒸着フ
ィルムコンデンサである場合、該アルミニウム蒸着膜表
面のアルミニウム酸化指数は1.65以下であることが
、コンデンサの耐湿性の点で好ましい。このようなコン
デンサとするためには、コンデンサ素子を酸素存在下で
200℃以上の温度で1時間以上の熱処理を施すなどの
方法によって得られる。
【0025】次に本発明のコンデンサの製造方法につて
説明する。
【0026】金属化フィルムコンデンサを得る場合には
、まずフィルムにアルミニウム、亜鉛、銅、ニッケルな
どの金属を蒸着、スパッタリングなどの方法で金属薄膜
を形成し金属化フィルムを得る。金属化フィルムの表面
抵抗は0.5Ω/□以上10Ω/□以下、より好ましく
は2Ω/□以上5Ω/□以下であることが好ましい。 この時、テープ、オイルなどでフィルムをマスクしてお
き、フィルム長手方向に走る非蒸着部分、いわゆるマー
ジンを設けることもできる。また、フィルム全面を金属
化し、その後レーザービーム、放電などを用いて蒸着膜
を除去してマージンを設けることもできる。この後、左
または右に非蒸着部分が走るテープ状にスリットする。 この時、フィルムの左または右端部が非蒸着部分になる
ようにスリットすることもできるし、またフィルムの左
または右端部よりやや内側に非蒸着部分が走る、いわゆ
るインナーマージン型にすることもできる。次に、得ら
れた左および右にマージンを有する二枚のテープ状金属
化フィルムを、それぞれ非マージン端部がわずかに外側
にはみでるようにずらして重ねて巻回する。また、両面
に蒸着膜を形成し表裏でそれぞれ異なる端部にマージン
が形成された両面金属化フィルムと非金属化フィルムを
重ねて巻回するする方法もある。巻回型コンデンサを得
る場合には数ミリメートル程度の小径の、積層型コンデ
ンサを得る場合には直径数十センチメートル程度のホイ
ール状、あるいは数十センチメートル程度の長さを持つ
平板状の軸に巻き取るのが一般的である。得られた巻回
体は、巻回軸からはずされる前あるいは後に加熱および
/または加圧して成形しコンデンサ素子またはコンデン
サ母素子を得る。また加熱押圧ローラーなどで巻回中に
予備成形することもできる。この場合は、金属化フィル
ムの金属化面および/または非金属化面に放電処理、コ
ーティング、易接着層形成などの方法で金属化フィルム
どうしの接着性を向上せしめることも好ましい。得られ
たコンデンサ素子またはコンデンサ母素子は金属溶射、
導電性樹脂の塗布などの方法で、内部電極となるフィル
ム上の金属薄膜と電気的に接続された外部電極を設ける
。コンデンサ母素子は、その後最適容量を持つように個
々の素子に切断してコンデンサ素子とする。その後、必
要に応じて熱処理工程、真空下あるいは長時間の浸漬な
どによる樹脂、ワックス等の含浸工程、リード線の取り
付け工程、樹脂モールド、樹脂の塗布、フィルム、シー
ト貼付けなどによる外装工程を経てコンデンサとなる。 さらに、本発明のコンデンサは高い耐熱性を有している
のでリード線を持たない、いわゆるチップコンデンサと
して用いることができる。この場合、外装はできるだけ
簡素な方法がコンデンサの小型化の点で好ましく、素子
切断面へのポリイミド、エポキシなどの高耐熱性樹脂の
塗布、ポリイミドフィルムなどの高耐熱性フィルムの貼
りつけなどが好適である。また、フィルム巻回後コンデ
ンサとなるまでのいずれかの段階、好ましくは外部電極
が設けられた後で200℃以上265℃以下の温度で1
時間以上の熱処理を施すとコンデンサの特性が安定化し
好ましい。
【0027】また、より高い生産効率が得られる手段と
してはフィルムの幅方向にわたって複数の素子が得られ
るように広幅のフィルムを巻き取る、あるいは広幅のフ
ィルムを巻回直前にスリットして幅方向に複数のテープ
状金属化フィルムを一つの巻回軸に巻き取る方法もある
。この場合にも、二枚以上の片面金属化フィルムを重ね
る方法、両面金属化フィルムと非金属化フィルムを重ね
る方法のいずれも採ることができる。さらには、巻回さ
れる1ターン毎にマージン位置が交互に移動した一枚の
片面金属化フィルムを巻回する方法もある。巻回軸の形
状は前記同様に円柱状のもの、平板状のものなどがある
。これらの方法は積層コンデンサを得る場合に特に有効
である。これらの方法に於いては巻回時のマージン位置
精度の問題からフィルム全面に蒸着した金属化フィルム
を巻回前または巻回時にレーザービームなどによってマ
ージンを設ける方法が好ましく用いられる。またマージ
ンは隣りあったコンデンサ素子が悪影響を及ぼしあわな
いようにインナーマージン型のマージンが好ましく用い
られる。このようにして得られた幅方向に複数のコンデ
ンサ素子の前駆体を持つ巻回体は、巻回軸からはずされ
る前あるいは後に加熱および/または加圧して成形し、
幅方向に切断するなどして分割してコンデンサ素子また
はコンデンサ母素子を得る。平板状の巻回軸は、巻回体
を巻回軸からはずすことなく高い精度でプレス可能な平
行平板プレスができる点で好都合である。また加熱押圧
ローラーなどで巻回中に予備成形しておく方法を採れば
、巻回軸から巻回体をはずしてもフィルムがばらけるこ
とがないので、やはり平行平板プレスが可能である。ま
た、幅方向への分割を巻回後の切断によって行なう場合
には、外部電極を設けるべき切断面が比較的平滑であり
外部電極と内部電極(金属薄膜)との電気的、機械的な
接続が脆弱になる恐れがあるので、巻回前あるいは切断
後に該切断面に物理的、化学的な方法により外部電極の
内部電極とのコンタクトを強化する手段を講じることが
好ましい。このような技術としては、巻回前のフィルム
に切断予定線に沿って欠損部(空孔、凹みなど)を設け
ておき、切断面が結果的に凹凸ができるようにする方法
や、切断面にプラズマエッチング、サンドブラストなど
の方法で凹凸を設ける方法、放電処理によって化学的に
易接着化する方法などがある。このようにして得られた
コンデンサ素子またはコンデンサ母素子は前述同様の工
程を経てコンデンサとする。
【0028】本発明のコンデンサは上記のようなコンデ
ンサ製造方法において、求めるコンデンサの構成に応じ
て金属化PPSフィルム、金属化PENフィルム、非金
属化PPSフィルム、非金属化PENフィルム、金属箔
などを組み合わせて巻回、あるいは積層することによっ
て得られる。例えば、片面金属化PPSフィルムと片面
金属化PENフィルムを巻回することによって並列複合
誘電体構成のコンデンサとすることができる。また、両
面金属化PPSフィルムと非金属化PENフィルム、あ
るいは両面金属化PENフィルムと非金属化PPSフィ
ルムを巻回することによって同様の構成のものとするこ
とができる。また、片面金属化PPSフィルムと非金属
化PENフィルム、あるいは片面金属化PENフィルム
と非金属化PPSフィルムを重ね合わせて巻回すること
によって直列複合誘電体構成のコンデンサとすることが
できる。
【0029】
【特性の評価法】(1)コンデンサのハンダ耐熱性コン
デンサ素子部分を260℃の溶融ハンダに30秒間浸漬
して静電容量変化率を測定した。これを△C/C(%)
で示し、ハンダ耐熱性を判定した。ここで、Cは浸漬の
静電容量、△Cは浸漬前後の静電容量変化量である。判
定は以下の規準によった。なおコンデンサの静電容量は
自動キャパシタンスブリッジを用いて測定した。 ◎  ・・・  △C/C≧0。ハンダ耐熱性が極めて
良好。 ○  ・・・  0>△C/C≧−5。ハンダ耐熱性が
良好。 △  ・・・  −5>△C/C≧−10。ハンダ耐熱
性は実用的範囲。 ×  ・・・  −10>△C/C。ハンダ耐熱性は不
良。 なお、これらの値はコンデンサ100個について上記試
験を行ったときの平均値である。
【0030】(2)コンデンサの平均耐電圧コンデンサ
に電圧を100V/sec の割合で昇圧しながら印加
し、コンデンサに絶縁破壊が発生し5mA以上の電流が
流れた時点の電圧を測定する。コンデンサの容量が大き
く、充電電流のみで5mA以上の電流が流れる場合は該
電流値を充電電流と絶縁破壊電流を分離できる適切な値
に設定する。コンデンサがセルフヒール現象によって絶
縁性が回復している、いないにかかわらず、これを1つ
のコンデンサに対して3回繰り返し、3回の平均値を求
め耐電圧とした。(絶縁性が回復していない時は、その
回の耐電圧は0Vとなる。)この試験を、コンデンサ1
00個について行い、耐電圧を平均して平均耐電圧とし
た。
【0031】(3)蒸着膜のアルミニウム酸化指数蒸着
膜表面を軟X線光電子分光法で分析する。試料がコンデ
ンサとなっている時は解体して蒸着面を空気中に暴露し
て試料とする。測定によって得られるピーク面積比を各
原子の相対感度因子で補正して得られる原子数比および
各原子の結合状態によりシフトしたピークを分割して求
められる成分割合より、アルミニウム酸化指数O/Al
を(1)式によって求める。   O/Al=[ O(Al oxide)/Al(T
otal)]/[ Al(III) /Al(Tota
l)]                      
                         
           ・・・(1)ここで[ Al(
III) /Al(Total)]はアルミニウム原子
のピークを分割して得られるAl(III) の存在比
、また[ O(Al oxide)/Al(Total
)]はアルミニウムに対する全酸素濃度から酸素単体お
よびアルミニウム以外の元素と結合した酸素濃度を差し
引いて求められる。すなわち、例えば炭素と結合した酸
素の濃度は、炭素のピークを分割して求められる。この
時、酸素を含む官能基がいくつか考えられたり、あるい
は結合エネルギーが接近しているため分離ができない等
、酸素の量が特定できない場合には最も多くの酸素が炭
素と結合しているものと見積もる。同様にして、他の元
素に結合した酸素についても結合酸素量を求め、合計し
た値を全酸素濃度から差し引く。
【0032】測定条件を以下に示す。 装置          :  島津製作所製  ES
CA750励起X線      :MgKα1.2線(
1253.6eV) エネルギー補正:C1Sメインピークの結合エネルギー
を284.6eVとする。 光電子脱出角度:90度
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0034】実施例1 フィルム進行方向に対して右側に非金属化帯(マージン
)をもつアルミニウム蒸着PPSフィルム(フィルム厚
さ2.0μm、蒸着膜抵抗3.5Ω、フィルム幅4.0
mm、マージン幅0.3mm)と、フィルム進行方向に
対して左側に非金属化帯をもつアルミニウム蒸着PEN
フィルム(フィルム厚さ2.0μm、蒸着膜抵抗3.5
Ω、フィルム幅4.0mm、マージン幅0.3mm)を
準備した。
【0035】600mm径のドラムに厚さ25μmの接
着剤付PPSフィルムを10ターン巻き付け保護層とし
、その上に、前記の2つのアルミニウム蒸着フィルムを
0.2mmのずらしを持たせて重ね合わせ、1000タ
ーン巻回し、さらにその上に再び接着剤付PPSフィル
ムを10ターン巻き付けた。
【0036】得られたフィルム巻回体をドラムに巻き付
けたまま180℃の熱風オーブンで1時間熱処理し、さ
らに巻回体の端面部分にメタリコンを施した後、ドラム
の対向する2ヶ所で巻回体を切断し半円状のコンデンサ
母素子を得た。
【0037】得られたコンデンサ母素子を、容量が0.
1μFになるような長さに切断してコンデンサ素子を得
た。素子の切断面をエポキシ粉体塗装によって保護した
後、235℃に加熱したオーブンに入れ5時間熱処理し
、メタリコン部分表面にハンダメッキして積層チップ状
コンデンサを得た。このコンデンサの評価結果を表1に
示す。
【0038】比較例1 フィルム進行方向に対して右側、および左側に非金属化
帯(マージン)をもつ一組のアルミニウム蒸着PPSフ
ィルム(フィルム厚さ2.0μm、蒸着膜抵抗3.5Ω
、フィルム幅4.0mm、マージン幅0.3mm)を準
備した。
【0039】この金属化フィルムから実施例1と同様に
してコンデンサを得た。このコンデンサの評価結果を表
1に示す。
【0040】比較例2 フィルム進行方向に対して右側、および左側に非金属化
帯(マージン)をもつ一組のアルミニウム蒸着PENフ
ィルム(フィルム厚さ2.0μm、蒸着膜抵抗3.5Ω
、フィルム幅4.0mm、マージン幅0.3mm)を準
備した。
【0041】この金属化フィルムから実施例1と同様に
してコンデンサを得た。このコンデンサの評価結果を表
1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】以上のように、本発明のコンデンサは従来
のPPSフィルムコンデンサの持つ高い耐熱性とPEN
フィルムコンデンサの持つ高い耐電圧性をそれぞれ維持
しながら併せ持ったコンデンサであることがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明のコンデンサは、上記の構成とす
ることにより、従来得られなかった高い耐熱性と高い耐
電圧を有したコンデンサとなった。すなわち、従来より
2種以上の誘電体を組み合わせてなるコンデンサのいず
れもが、それぞれの誘電体の中間の特性を有するにすぎ
なかったのに対し、本発明のコンデンサはそれぞれの誘
電体の長所を全く損なうことなく、さらにお互いの短所
を完全に補うことができる。具体的には、PPSフィル
ムコンデンサの持つ優れた耐熱性とPENフィルムコン
デンサの持つ高い耐電圧特性を併せ持ったコンデンサと
することができるのである。
【0045】これによって、従来得られなかったような
高耐電圧超小型フィルムチップコンデンサを得ることが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ポリ−p−フェニレンスルフィドフィ
    ルムおよびポリエチレン−2,6−ナフタレートフィル
    ムを複合誘電体とすることを特徴とするフィルムコンデ
    ンサ。
JP40869190A 1990-12-28 1990-12-28 フィルムコンデンサ Pending JPH04233208A (ja)

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