JPH04231858A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

Info

Publication number
JPH04231858A
JPH04231858A JP3142446A JP14244691A JPH04231858A JP H04231858 A JPH04231858 A JP H04231858A JP 3142446 A JP3142446 A JP 3142446A JP 14244691 A JP14244691 A JP 14244691A JP H04231858 A JPH04231858 A JP H04231858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
enzyme
membrane
electrode
porous ceramic
immobilized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3142446A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2814027B2 (ja
Inventor
Tsunetoshi Okura
常利 大蔵
Takashi Kato
隆史 加藤
Migiwa Ando
安藤 汀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP3142446A priority Critical patent/JP2814027B2/ja
Publication of JPH04231858A publication Critical patent/JPH04231858A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2814027B2 publication Critical patent/JP2814027B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルコースセンサ等の
バイオセンサに関し、医薬品製造業、食品工業、化学工
業等の工程管理、医療診断・計測及び環境計測等に利用
される。
【0002】
【従来の技術】一般に過酸化水素型酵素電極では、酵素
を高分子等の固定用膜に担持させ、この固定化膜中に拡
散してくる基質と酵素との酵素反応により生じた過酸化
水素を白金及び金等の電極上にて酸化し、電流として検
出することにより、基質の濃度を定量する。ここで、酵
素固定化膜は、酵素の保持・活性の維持、基質及び反応
生成物の拡散、妨害物質の阻止等の機能を要求され、酵
素電極の性能を決定する最も重要な部分である。
【0003】多孔質のセルロースアセテート膜、ニトロ
セルロース膜、ポリカーボネート膜等に酵素を固定化し
、電極にO−リング、スペーサ等で密着させる方法、ア
ニリン、ピロール等の電気化学重合膜を利用して酵素を
固定化する方法、感光性樹脂に酵素を含ませ、光硬化し
て酵素を固定化する方法(特開昭59−166852号
公報、特開昭59−164953号公報、特開昭62−
115285号公報、特開昭63−75552号公報)
等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この酵素固定
化膜の一層の性能の向上を企図し、酵素保護膜、選択膜
等を装着した場合には、応答時間が遅延する等の問題を
生ずることとなる。この様に、応答性、選択性及び経日
安定性等、本来バイオセンサに必要とされるすべての性
能を十分に満足したバイオセンサは、得られていないの
が実情である。酵素固定化膜を電極上にO−リング、ス
ペーサ等で後から固定する方法では、酵素膜と電極を完
全に密着させることは困難であり、長時間の使用により
酵素固定化膜と電極の間に隙間が生じ、応答時間、安定
性に悪影響を与える。また、電気化学重合膜を利用して
固定する方法では、電解装置、電解液等が必要で、大量
に均一の品質を得ることは困難である。更に、感光性樹
脂により酵素を固定化する方法では、樹脂が光により架
橋され、網目構造が進行する時に、酵素の失活が大きく
、安定したセンサは得られていなかった。
【0005】また、有機高分子膜は、長時間の使用、乾
燥、湿潤の繰り返し等により、膨潤、収縮等の微妙な変
形が生じ、電極と酵素膜との密着性、安定性に悪影響を
与えていた。更に、固定用膜と電極の滅菌方法も、この
固定用膜の強度、性質上の点から、かなり制限されてい
た。このように酵素固定化膜等の安定性及び強度、並び
に酵素固定化膜若しくは固定用膜と電極との密着性が悪
いため、バイオセンサの特性が悪くなっている。
【0006】本発明は、上記観点に鑑みなされたもので
あり、応答性、選択性及び経日安定性等に優れたバイオ
センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、過酸化水
素電極をデバイスとした酵素電極について、鋭意研究し
た結果、酵素固定化膜として、多孔質セラミック膜を用
い、且つ膜の平均孔径を調整し、また酵素固定化膜に、
牛血清アルブミンを含ませることにより上記問題点を解
決したものである。
【0008】即ち、本第1発明に係わるバイオセンサは
、絶縁基板上に適当な間隔をもって形成された作用極及
び対極よりなる金属電極と、少なくとも該金属電極上及
び該両極間に積層された酵素固定化膜と、からなる酵素
電極を有するバイオセンサにおいて、前記酵素固定化膜
は、多孔質セラミック膜と該多孔質セラミック膜に固定
化された酵素とを有し、該多孔質セラミック膜の平均孔
径は0.05〜0.5μmであることを特徴とする。
【0009】前記「多孔質セラミック膜」の材質は、特
に限定されることはなく、バイオセンサの使用目的等に
応じて種々選択することができる。例えば、通常用いら
れているアルミナの他に、チタニア、シリカ等のセラミ
ックを使用することもできる。また、この多孔質セラミ
ック膜の気孔率は、通常は、約10〜50%程度である
。この場合は、酵素の多くを固定化でき、且つ膜の強度
維持及び基質の拡散等が良好となるからである。
【0010】更に、この「多孔質セラミック膜の平均孔
径」を0.05〜0.5μm(SEM観察及び水銀圧入
法にて測定)とするのは、以下の理由による。即ち、平
均孔径がこの範囲内にあるセラミックス微粒子が多数結
合して多孔膜を形成しているという特殊な構造の下では
、該孔内に酵素を高密度にて、効率良く固定化でき、こ
の為、酵素活性を長期間、高い状態で維持でき、更には
、膜内での基質の拡散も迅速となり、バイオセンサの応
答時間も短くなるからである。尚、この多孔質セラミッ
ク膜は、使用するセラミック微粒子の粒子径、焼成温度
及びペーストの粘度等を調整することにより、気孔率、
平均孔径、膜厚等を調整することができる。
【0011】前記「電極」の形状は特に問わず、例えば
、長方形状、リング状等とすることができる。また、作
用極及び対極の両極間の間隔も特に問わない。尚、通常
は、0.5〜5mmの間隔のものが用いられが、この間
隔を小さくすることによりセンサの小型化をはかること
ができる。
【0012】前記酵素固定化膜には、第2発明に示すよ
うに、牛血清アルブミンを含ませた構成とすることがで
きる。通常、牛血清アルブミンは、多孔質セラミック膜
の孔内表面等を覆う膜状物等として含まれる。また、こ
の牛血清アルブミンは、酵素と共に形成、配置されても
よいし、酵素が固定化された後、その上にこの牛血清ア
ルブミン膜を形成してもよい。この「牛血清アルブミン
」は、前記酵素固定化膜の選択性を向上させるためのも
のである。即ち、通常の過酸化水素電極の場合には、ア
スコルビン酸、尿酸等の電極活性物質にも応答して、測
定誤差の原因となる。これに対して、この牛血清アルブ
ミンを用いた場合には、セラミック膜の微細な貫通孔(
連通孔)と高分子との相互作用により、良い選択性が得
られるからである。
【0013】更に、本発明者らは、酵素固定化膜(若し
くは多孔質セラミック膜)の安定性、密着性を向上させ
るために、多孔質セラミック膜と電極とを一体形成した
薄膜とすることで問題を解決した。即ち、本第3発明に
係わるバイオセンサは、絶縁基板上に適当な間隔をもっ
て形成された作用極及び対極よりなる金属電極と、少な
くとも該金属電極上及び該両極間に積層された酵素固定
化膜と、からなる酵素電極を有するバイオセンサにおい
て、前記酵素固定化膜は、多孔質セラミック膜と該多孔
質セラミック膜に固定化された酵素とを有し、該多孔質
セラミック膜は、前記金属電極上に記金属電極と一体焼
成により密着形成されていることを特徴とする。
【0014】この酵素固定化膜を構成する多孔質セラミ
ック膜(酵素を固定化しようとする膜)は、通常、スク
リーン印刷、蒸着等により、電極を構成することとなる
各塗膜上に、焼成後に多孔質セラミック膜となるセラミ
ック塗膜を印刷し、これらを一体的に焼成して形成され
る。また、この多孔質セラミック膜が強固であるため、
この多孔質セラミック膜及び電極を滅菌若しくは殺菌処
理する場合、オートクレーブ、乾熱滅菌、放射線滅菌、
薬剤滅菌、アルコール滅菌等のほとんどの滅菌処理を施
すことができる。
【0015】更に、第4発明に示すように、前記多孔質
セラミック膜の平均孔径を、0.05〜0.5μmとす
る場合は、密着性に起因する経日安定性のみならず、前
記第1及び第2発明に示すような応答性及び選択性にも
優れることとなる。尚、本発明のバイオセンサにおいて
は、目的,用途により種々の種類の酵素を用いることが
でき、その種類により、種々の用途のバイオセンサ(例
えばグルコースセンサ等)とすることができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 本実施例は、酵素固定化膜の平均孔径の大きさ及び該酵
素固定化膜に含まれる牛血清アルブミンが、センサ性能
に与える影響を検討したものである。 (1)グルコースセンサの作製 アルミナよりなる絶縁基板(20mm×13mm×0.
6mm)1上に、ペーストを用いて、焼成後、作用極(
白金電極)となる塗膜(3mm×0.5mm×5μm)
及び対極(白金電極)となる塗膜(3mm×2mm×5
μm)を印刷した。但し、この両極は、焼成後、0.5
mmの間隔になるように並置されている。
【0017】次いで、これを酸化雰囲気炉で、1000
℃にて、1時間焼成し、作用極21及び対極22を形成
した。更に、この面上に、アルミナペーストを塗布し、
酸化雰囲気炉で、1000℃にて、6時間焼成し、多孔
質セラミック膜41〔平均孔径0.06μm(SEM観
察及び水銀圧入法にて測定)、気孔率30%、膜厚15
μm〕を形成した。その後、リード部、感応部以外を、
絶縁層4にて絶縁被覆し、リード線5を接続した。次い
で、グルコースオキシダーゼ1000ユニットと牛血清
アルブミン25mgを純水0.5mlに溶解し、前記多
孔質セラミック膜上に5μl滴下し、多孔質膜31の孔
内に酵素32を保持させた。更に、風乾後、グルタルア
ルデヒドで架橋処理をし、酵素固定化膜3を形成して、
第1図及び第2図に示す試験品No.2のグルコースセ
ンサを作製した。尚、牛血清アルブミン32は、セラミ
ック膜31の孔内表面等を覆う膜状として存在している
【0018】また、表1に示す種々の平均孔径を有する
多孔質セラミック膜を形成させたこと以外は、試験品N
o.2と同様にして、試験品No.1及びNo.3〜N
o.6のグルコースセンサを作製した。更に、牛血清ア
ルブミン水溶液を用いないこと以外は、試験品No.3
と同様の方法にて、試験品No.7のグルコースセンサ
を作製した。また、多孔質セラミック膜を用いないこと
以外は、試験品No.2と同様の方法にて、試験品No
.8のグルコースセンサを作製した。尚、いずれの試験
品も、その気孔率は、30〜40%の範囲内であった。
【0019】(2)性能試験 ■性能試験1 試験品No.1〜8のグルコースセンサに対して、(a
)一定濃度(100mg/dl)のグルコースに対する
初期応答電流値(μA)、(b)グルコースセンサの酵
素活性維持率(%)、(c)応答時間(秒)、(d)選
択性の各評価を行った。この結果を表1に示す。  但
し、この場合の各数値は、対極に対し、作用極に+60
0mV印加し、バッチ法にて測定したものである。また
、前記活性維持率は、センサ作製直後の初期応答電流値
(μA)に対する30日経過後の応答電流値(μA)の
割合を百分率にて示したものである。また、表中の「膜
の平均孔径」とは、多孔質セラミック膜の平均孔径を示
す。
【0020】更に、選択性の評価は、グルコース溶液(
200mg/dl)の応答電流値と、同濃度のグルコー
ス溶液(200mg/dl)にアスコルビン酸及び尿酸
を所定濃度(10mg/dl)になるように添加した場
合の応答電流値の差が大きいか否かで行った。また、そ
の場合の応答時間の遅れについても評価した。そして、
表1中の「○」は選択性に優れることを、「×」は選択
性に劣ることをそれぞれ示す。ここで、○は応答電流値
の増加が5%未満の場合を、×はそれ以上の場合を意味
する。尚、応答時間は、いずれの場合も変化はなかった
【0021】
【表1】
【0022】■性能試験2 前記試験品No.3を用い、グルコースの濃度と応答電
流値の関係を調べた。この結果を第3図に示す。また、
試験品No.3及び7を用い、同センサ作製後の経過日
数と相対電流(初期値を100%とした場合の電流をい
う。)の関係を調べた。この結果を第4図に示す。尚、
同図中には、比較のため試験品No.5及び8を用いた
場合の結果も併記する。
【0023】更に、試験品No.3及び7を用い、所定
濃度(200mg/dl)のグルコースに添加して調製
したアスコルビン酸の濃度(mg/dl)と相対電流の
関係を調べた。この結果を第5図に示す。尚、この場合
も比較のため試験品No.5及び8を用いた場合の結果
も併記する。
【0024】(3)性能評価 ■性能試験No.1 多孔質セラミック膜の平均孔径が0.005μmと過小
な場合(試験品No.1)では、その孔中に酵素を効率
良く固定化することはできず、選択性を除くすべての試
験項目で満足できる結果を示さなかった。一方、0.9
μm以上の過大な平均孔径を有する場合(試験品No.
5及び6)も、その孔中に酵素を効率良く固定化するこ
とはできず、応答時間を除く各試験項目で満足できる結
果を示さなかった。
【0025】これらに対して、多孔質セラミック膜の平
均孔径が、0.06〜0.5μmの間にある場合(試験
品No.2〜4及び7)は、応答電流値、活性維持率及
び応答時間の各評価項目において、良好な結果を示した
。多孔質セラミック膜の平均孔径がこの範囲にある場合
には、その孔中に酵素を効率良く固定化できる為と考え
られる。尚、これらの場合、高分子膜に酵素を担持させ
た従来品(試験品No.8)に比べ、特に活性維持率の
向上が著しい。また、牛血清アルブミンを用いた試験品
No.2〜4では、これを用いない試験品No.7に比
べ、特に良好な活性維持率(90%以上)を示した。
【0026】尚、選択性については、試験品No.1〜
4の場合には、電極活性物質であるアスコルビン酸溶液
及び尿酸溶液の各々を用いたか否かにかかわらず良好な
結果を示した。これは、牛血清アルブミンの作用による
ものと考えられる。但し、試験品No.5及びNo.6
は牛血清アルブミンが用いられているにもかかわらず、
応答電流値が増大し、良好な結果を示さないのは、多孔
質セラミック膜の平均孔径が過大であった為と考えられ
る。
【0027】以上より、適正な膜平均孔径を有する試験
品No.2〜4及び7(本発明品)は良好な性能を示し
、このうち牛血清アルブミンを用いた試験品No.2〜
4は特に優れた性能を示した。
【0028】■性能試験No.2 第3図によれば、試験品No.3を用いた場合には、グ
ルコースの濃度と応答電流値について傾きの大きな直線
関係を示した。従って、これを用いれば、グルコース濃
度を正確に、且つ精度良く測定できることとなる。また
、第4図によれば、試験品No.3及び7(本発明品)
は、試験品No.5及び8に比べ、センサ作製後60日
を経過しても、品質の劣化が少ない。更に、試験品No
.3と試験品No.7を比べれば、牛血清アルブミンが
用いられている試験品No.3の方が特に、品質の劣化
が少ないといえる。
【0029】また、第5図によれば、試験品No.3及
び7(本発明品)は、試験品No.5及び8に比べ、良
い選択性を示しており、更に試験品No.3と試験品N
o.7を比べれば、牛血清アルブミンが用いられている
試験品No.3の方が特に、良い選択性を示している。 尚、アスコルビン酸の代わりに、尿酸を添加した場合に
も同様な結果が得られる。
【0030】実施例2 本実施例は、電極と多孔質セラミック膜とを一体化させ
ることによる経日安定性への影響を検討したものである
。 (1)グルコースセンサの製作 本実施例のセンサは、図6及び図7に示すように、絶縁
基板1aと、この上に形成された作用極21a及び対極
22aと、これらの電極の右端部側上に形成された酵素
固定化膜3a(この電極と一体的に形成された多孔質セ
ラミック膜とこのセラミック膜内及び上に配設された酵
素及びアルブミンとからなる。)と、この酵素固定化膜
3a及び電極端子部分211、221を除いて被覆、形
成された絶縁層4aと、を備えている。
【0031】このセンサは、以下のようにして、製作さ
れる。先ず、絶縁基板1上にスクリーン印刷により、焼
成後に作用極(白金電極)21aとなる塗膜及び対極(
白金電極)22aとなる塗膜を形成し、150℃にて1
0分、乾燥した。尚、この両極は、焼成後、0.5mm
の間隔になるように並置されている。
【0032】その後、アルミナペーストを用いて、これ
らの乾燥塗膜上にスクリーン印刷によりアルミナ塗膜を
形成し、更に、150℃にて10分、乾燥した。尚、こ
のアルミナペーストは、アルミナ粉末(平均粒子径;0
.5μm)58重量部、「エトセル」(ダウケミカル社
製、エチルセルロース系増粘剤)5.8重量部、「イオ
ネット」(三洋化成社製、エステル系非イオン界面活性
剤)3.0重量部、メチルセルソルブ5.8重量部及び
ブチルカルビドール27.4重量部からなる。その後、
これらの積層膜を一体的に、1200℃にて6時間焼成
して、互いに一体化され且つ密着された電極21a、2
2aと多孔質セラミック膜を形成した。この多孔質膜の
平均孔径は0.2μm、気孔率は30%及び膜厚は20
μmである。次いで、絶縁ペースト(ガラスペーストか
らなる。)で、感応部(多孔質膜)及び各電極のリード
部(211、221)以外を絶縁層4aで被覆し、リー
ド線(図示せず)を接続した。
【0033】次に、これらの表面の超音波洗浄を行い、
その後エタノールで、電極と多孔質セラミック膜の一体
物全体を殺菌し、乾燥した。次いで、この多孔質セラミ
ック膜上に、実施例1で用いたグルコースオキシダーゼ
と牛血清アルブミンの混合水溶液を5μl滴下し、風乾
後、グルタルアルデヒド等の多官能基試薬で架橋処理を
行うという一般的方法により、酵素固定化処理を行って
、本実施例2に係わるグルコースセンサを製作した。 ここでアルブミンは、多孔質セラミック膜との相互作用
により、グルコースオキシダーゼの保護効果及び選択性
の向上効果を有している。
【0034】尚、比較例1及び比較例2の各センサを、
比較のため準備した。この比較例1のセンサは、グルコ
ースオキシダーゼを固定化した多孔質ニトロセルロース
膜(平均孔径0.2μm、膜厚20μm)を、スペーサ
を介して白金電極に密着固定したものである。そして、
比較例2のセンサは、感光性樹脂(スチルバゾリウム基
含有ポリビニルアルコール)でグルコースオキシダーゼ
を白金電極に固定したものである。
【0035】(2)性能試験 以上より構成した各センサを用いて、測定・保存を繰り
返し、その際の出力変化から経日安定性(耐久性)を調
べた。測定法は、リン酸緩衝液(pH;7)に所定のセ
ンサを浸し、対極に対し作用極に+600mV電圧を印
加し、所定濃度のグルコース(100mg/dl)に対
する応答電流値を測定した。初期特性値を100%とし
て、百分率で経日変化を示した。結果を表2及び図8に
示す。尚、保存は4℃乾燥で行い、膜の耐久性を調べる
ために、一週間に10時間は緩衝液中で撹拌した。
【0036】
【表2】
【0037】これらの結果によれば、実施例2のセンサ
では、90日後(130時間以上の測定)においても初
期特性値の約90%の特性を維持し、応答時間も5秒と
初期特性値から変化していない。これは、長時間の測定
においても多孔質セラミック膜が、電極に密着し、酵素
をしっかりと固定している細孔中の立体構造に何の変化
も起きず、非常に安定であるものと考えられる。一方、
比較例1、2のいずれのセンサにおいても、測定ととも
に特性値が低下し、応答時間も長くなり、測定、保存に
より、湿潤、乾燥が繰り返され、酵素固定化膜自身の変
形、軟化及びひび割れが見られ、途中で測定不能となっ
た。また、実施例2のセンサにおいて多孔質セラミック
膜の平均孔径が0.2μmと適正なものであるので、初
期応答時間が5秒と、比較例のもの(60秒、30秒)
と比べて著しく短い。
【0038】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
酵素の保護膜として、公知の高分子膜(例えば、セルロ
ースアセテート膜等)を形成させた構成とすることもで
きる。また、前記実施例2においては、多孔質セラミッ
ク膜の平均孔径を0.2μmとしたが、この孔径はこれ
以外の値とすることができ、この場合は前記のように、
優れた密着性に起因する経日安定性(耐久性)に優れた
ものとすることができる。尚、この孔径を、0.05〜
0.5μmとすれば、優れた初期応答性、ひいては劣化
しない安定した応答性を確保できる。
【0039】
【発明の効果】酵素固定化膜を構成する多孔質セラミッ
ク膜の平均孔径を適度な大きさにした本発明のバイオセ
ンサにおいては、応答性及び経日安定性等が優れる。ま
た、酵素固定化膜に牛血清アルブミンを含ませるセンサ
においては、酵素の活性の保護作用が更に優れると共に
、選択性にも優れるので、適用範囲が広くなると共に、
測定誤差も少なくなる。
【0040】電極と多孔質セラミック膜とを一体的に形
成して密着させて酵素固形化膜を形成させた本発明のバ
イオセンサにおいては、酵素固定化膜の耐久性、この固
定化膜(若しくは多孔質セラミック膜)と電極との密着
性が大変優れるので、バイオセンサとしての経日安定性
、応答性の特性が更に向上する。また、多孔質セラミッ
ク膜及び電極の滅菌、殺菌を、完全に且つ容易に行うこ
とができるため、長期保存しても汚染による変質がなく
安定であり、またオートクレーブ、乾熱滅菌による電極
と多孔質セラミック膜の再生も可能であり、大変経済的
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係わるグルコースセンサの要部縦断
面図である。
【図2】実施例1に係わるグルコースセンサの平面図で
ある。
【図3】実施例1においてグルコースの濃度と応答電流
値の関係を示すグラフである。
【図4】実施例1においてグルコースセンサ作製後の経
過日数と相対電流の関係を示すグラフである。
【図5】実施例1においてアスコルビン酸の濃度と相対
電流の関係を示すグラフである。
【図6】実施例2に係わるグルコースセンサの平面図で
ある。
【図7】図6に示すグルコースセンサのX−X矢視縦断
面図である。
【図8】実施例2においてグルコースセンサ作製後の経
過日数と相対電流の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1    絶縁基板 21  作用極 22  対極 3    酵素固定化膜 31  多孔質セラミック膜 32  グルコースオキシターゼと牛血清アルブミン4
    絶縁層 5    リード線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  絶縁基板上に適当な間隔をもって形成
    された作用極及び対極よりなる金属電極と、少なくとも
    該金属電極上及び該両極間に積層された酵素固定化膜と
    、からなる酵素電極を有するバイオセンサにおいて、前
    記酵素固定化膜は、多孔質セラミック膜と該多孔質セラ
    ミック膜に固定化された酵素とを有し、該多孔質セラミ
    ック膜の平均孔径は0.05〜0.5μmであることを
    特徴とするバイオセンサ。
  2. 【請求項2】  前記酵素固定化膜には牛血清アルブミ
    ンが含まれる請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】  絶縁基板上に適当な間隔をもって形成
    された作用極及び対極よりなる金属電極と、少なくとも
    該金属電極上及び該両極間に積層された酵素固定化膜と
    、からなる酵素電極を有するバイオセンサにおいて、前
    記酵素固定化膜は、多孔質セラミック膜と該多孔質セラ
    ミック膜に固定化された酵素とを有し、該多孔質セラミ
    ック膜は、前記金属電極上に該金属電極と一体焼成によ
    り密着形成されていることを特徴とするバイオセンサ。
  4. 【請求項4】  前記多孔質セラミック膜の平均孔径は
    、0.05〜0.5μmである請求項3記載のバイオセ
    ンサ。
JP3142446A 1990-11-15 1991-05-17 バイオセンサ Expired - Fee Related JP2814027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3142446A JP2814027B2 (ja) 1990-11-15 1991-05-17 バイオセンサ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-310694 1990-11-15
JP31069490 1990-11-15
JP3142446A JP2814027B2 (ja) 1990-11-15 1991-05-17 バイオセンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04231858A true JPH04231858A (ja) 1992-08-20
JP2814027B2 JP2814027B2 (ja) 1998-10-22

Family

ID=26474444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3142446A Expired - Fee Related JP2814027B2 (ja) 1990-11-15 1991-05-17 バイオセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2814027B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007514460A (ja) * 2003-09-30 2007-06-07 エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト 増大した生物適合性を示すセンサー
JP2007218795A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 電極材料、並びにそれを用いたバイオセンサー及び燃料電池
JP2011095647A (ja) * 2009-11-02 2011-05-12 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5927255A (ja) * 1982-08-06 1984-02-13 Mitsubishi Electric Corp 生物センサ
JPS60173452A (ja) * 1984-02-20 1985-09-06 Fuji Electric Corp Res & Dev Ltd 酵素電極用固定化酵素膜の形成方法
JPS60228955A (ja) * 1984-04-26 1985-11-14 Ngk Insulators Ltd 電気化学的装置及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5927255A (ja) * 1982-08-06 1984-02-13 Mitsubishi Electric Corp 生物センサ
JPS60173452A (ja) * 1984-02-20 1985-09-06 Fuji Electric Corp Res & Dev Ltd 酵素電極用固定化酵素膜の形成方法
JPS60228955A (ja) * 1984-04-26 1985-11-14 Ngk Insulators Ltd 電気化学的装置及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007514460A (ja) * 2003-09-30 2007-06-07 エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト 増大した生物適合性を示すセンサー
JP2007218795A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 電極材料、並びにそれを用いたバイオセンサー及び燃料電池
JP2011095647A (ja) * 2009-11-02 2011-05-12 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2814027B2 (ja) 1998-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0457892B1 (en) Enzyme electrical sensor electrode and method of making it
JP2943700B2 (ja) バイオセンサ
US4886740A (en) Enzyme-electrode sensor with organosilane treated membrane
US5707502A (en) Sensors for measuring analyte concentrations and methods of making same
EP0333860A1 (en) Enzymatic sensor
JPH09127041A (ja) 酵素電極
JP4167595B2 (ja) 酵素電極およびその製造方法
JP2008545952A (ja) 親水性ポリマーで被覆されたカバー膜層を含む酵素センサー
JPH02120655A (ja) グルコースセンサ
WO1997015827A1 (en) Coated wire sensor
CA1067457A (en) Membrane for enzyme electrodes
JPH0235933B2 (ja)
JPH04231858A (ja) バイオセンサ
JPH1019832A (ja) 酸化還元酵素固定化バイオセンサを用いる濃度測定方法
JP5061375B2 (ja) 電気化学測定装置用電極およびバイオセンサ用電極
Yang et al. Enzyme electrodes with glucose oxidase immobilized on Stöber glass beads
JPS59164953A (ja) 固定化酵素膜およびその製造方法
JPS6050300B2 (ja) ハロゲンイオンの検知用電位差型装置
JPS61274682A (ja) 酵素固定化膜の製造法
JP3447374B2 (ja) 酵素センサーおよびその製造方法
ANZAI et al. A facile method of regulating the dynamic range of L-Lactate sensor based on polymer coating
JPS6288952A (ja) 酵素電極
JPH03122560A (ja) 酵素電極
JP2655727B2 (ja) 酵素センサー
JPS61274253A (ja) 酵素膜およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees