JP3447374B2 - 酵素センサーおよびその製造方法 - Google Patents

酵素センサーおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酵素センサーおよび
酵素センサーの製造方法に関し、詳しくは、高感度で、
安定性に優れると共に、長寿命である酵素センサー、お
よび簡易な方法により、高感度で、安定性に優れると共
に、長寿命である酵素センサーを製造することができる
酵素センサーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、試
料溶液中のグルコース濃度を測定する酵素センサーとし
て、アンペロメトリック型の過酸化水素電極方式のグル
コースセンサーが知られている。
【0003】このグルコースセンサーは、作用電極およ
び対照電極と、グルコースに作用する酵素を固定化した
高分子膜である酵素膜とを備えてなる。前記グルコース
に作用する酵素としては、グルコースオキシダーゼがし
ばしば用いられている。
【0004】このグルコースセンサーによる試料溶液中
のグルコース濃度の測定は、次のようにして行なわれ
る。すなわち、グルコースを含有する試料溶液中に、こ
のグルコースセンサーを浸漬する。浸漬すると、電極表
面に固定化されたグルコースオキシダーゼの触媒作用に
よって、試料溶液中のグルコースからグルコノラクトン
と過酸化水素とが生成する。生成した過酸化水素は作用
電極において水と酸素とに分解される。この結果とし
て、作用電極と対照電極との間にグルコース濃度に比例
した電流が流れる。したがって、この電流値を測定する
ことにより、間接的に試料溶液中のグルコース濃度を算
出することができる。
【0005】従来の酵素センサーにおける電極への酵素
の固定化方法として、架橋法、共有結合法、包括法、お
よび吸着法などが知られている。これらの中でも、固定
化の操作が簡便であることから架橋法が広く採用されて
いる。この架橋法としては、グルタルアルデヒド等の架
橋剤を用いて、酵素間に架橋を形成して酵素同士を結合
させて固定化する方法、およびアルブミン等のマトリッ
クス物質を加えて酵素とマトリックス物質との間に架橋
を形成することにより、酵素をマトリックス物質と共に
固定化する方法を挙げることができる。
【0006】しかしながら、従来の架橋法による酵素膜
を備えた酵素センサーは、酵素同士が密に結合すること
により物質の透過拡散性が不良となり易く、その結果、
センサーとしての感度が低く、再現性に劣り、寿命が短
いという問題を有していた。さらに、エチレンオキサイ
ドガスなどによる滅菌に対する安定性に劣るという問題
もあった。
【0007】さらに、近年においては、糖尿病患者等の
血管内または皮下組織内のグルコース濃度を連続的にモ
ニタリングすることを目的とするグルコースセンサーが
注目されており、このような目的にも使用し得るグルコ
ースセンサー、すなわち、小型で、高感度であり、より
高い安定性を有し、より長寿命のグルコースセンサーの
開発が望まれていた。また、グルコースに限らず、他の
物質の測定においても同様に、優れた感度および安定性
を有し、かつ長寿命の酵素センサーの開発が望まれてい
た。
【0008】この発明は上記事情に基づいて完成され
た。すなわち、この発明の目的は、上記従来の酵素セン
サーが有していた欠点を解消した酵素センサーを提供す
ることにある。また、この発明の目的は、小型で、優れ
た感度および安定性を有し、かつ長寿命の酵素センサー
を提供することにある。この発明の他の目的は、そのよ
うな優れた特性を有する酵素センサーを簡便な方法によ
り製造することができる酵素センサーの製造方法を提供
することにある。
【0009】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ためにこの発明者らが鋭意研究した結果、作用電極と対
照電極とを有する電極または作用電極の外側に、親水性
半透膜を形成し、その親水性半透膜の表面に、非架橋性
の親水性高分子と、非架橋性の親水性高分子中に分散さ
れ、かつ架橋された酵素とを含有する酵素膜層を形成
し、この酵素膜層の表面に多孔性膜を形成してなること
を特徴とする酵素センサーが上記目的を達成し得ること
を見出してこの発明を完成した。
【発明の実施の形態】 以下、この発明を詳細に説明す
る。この発明の酵素センサーは、作用電極と対照電極と
からなる電極、または作用電極の外側に、親水性半透膜
と、酵素膜層と、多孔性膜とをこの順に有する。前記作
用電極と対照電極とからなる電極としては、作用電極と
対照電極とが絶縁体を介して接触している電極を好適に
採用することができ、なかでも図1に示すような円筒型
の対照電極2の内部に棒状あるいは円柱状の作用電極1
が絶縁体6を介して収容されてなる電極を好適に採用す
ることができる。
【0010】作用電極または対照電極の材質としては、
それぞれ作用電極または対照電極として機能し得る限り
特に限定はないのであるが、作用電極としては白金や金
などの貴金属が好ましく、対照電極としては銀や塩化銀
が好ましい。
【0011】前記作用電極と対照電極とからなる電極
は、その外側に酵素膜層を有するのであるが、その態様
としては、図1に示すように作用電極1および対照電極
2の表面に酵素膜層3が直接に接触していても良いし、
作用電極および対照電極の表面に一または二以上の他の
層を有し、これらの層を介して酵素膜層を有していても
良い。前記他の層としては、後述する親水性半透膜層等
を挙げることができる。
【0012】作用電極の外側に酵素膜層を有する酵素セ
ンサーにおいても同様に、酵素膜層を有する態様として
は、図2に示すように、絶縁体6を有する作用電極1の
表面に酵素膜層3が直接に接触していても良いし、作用
電極の表面に一または二以上の他の層を有し、これらの
層を介して酵素膜層を有していても良い。
【0013】作用電極の外側に酵素膜層を有する酵素セ
ンサーを使用して、グルコース等の濃度を測定する場合
には、この作用電極の他に別の対照電極が必要である。
【0014】前記作用電極および対照電極の形状は、棒
型、針型、円筒型、平板型等いかなる形状であっても良
い。
【0015】この発明における酵素膜層は、非架橋性の
親水性高分子と、非架橋性の親水性高分子中に分散さ
れ、かつ架橋された酵素とを含有する。
【0016】前記非架橋性とは、中性、かつ常温下にお
いては、酵素の固定化の際に使用する架橋剤によって親
水性高分子自体の架橋が惹起しないことを言う。親水性
高分子が非架橋性であるか否かは架橋反応を行なった場
合に、その前後で親水性高分子の溶解性が実質的に変化
するか否かにより判断することができる。すなわち、実
質的に溶解性が変化しないならば非架橋性であると判断
する。前記親水性とは、吸水率が5%以上、好ましくは
15%以上であることを言う。
【0017】この発明で採用することのできる非架橋性
の親水性高分子としては、非架橋性であり、かつ親水性
である高分子であれば特に制限はないのであるが、生体
適合性が良好であること、酵素の活性等に悪影響を与え
ることなく酵素と均一に混合することができること、お
よび水不溶性であることなどの要求特性の観点から、ポ
リビニルアルコール、アルギン酸金属塩、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリエチレンオキサイドなどを挙げることがで
きる。
【0018】これらの高分子はその分子量および官能基
の数によって水溶性になるのであるが、原料としては水
または高温の水に対して溶解し、塗布・乾燥等により製
膜した後には常温の水に溶解しない程度の分子量(重合
度)または官能基の数を備えた高分子を選択するのが良
い。しかし、架橋剤と酵素とを共に混合可能で、かつ酵
素の架橋反応が可能である溶媒系を使用する場合であれ
ば、水に対して不溶性である高分子であっても差し支え
ない。製膜後も常温の水に溶解する高分子であると、測
定の対象が水溶液中の成分である場合には使用すること
ができず、この膜の使用目的に照らすと好ましくない。
【0019】この発明における架橋反応においては、酵
素が存在するので架橋を形成する際の条件は酵素を不活
性化しない、実質的に中性かつ室温の条件を選択するの
が好ましい。このような条件においても架橋を形成し得
る架橋剤として、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒ
ド等を挙げることができるが、前記グルタルアルデヒド
を架橋剤として使用した場合においては、上記した各種
の高分子を非架橋性の親水性高分子として使用すること
ができる。これらの中でも、非架橋性の親水性高分子と
してポリビニルアルコールを採用することが好ましい。
一方、反応性が高いホルムアルデヒドを架橋剤として使
用した場合においては、非架橋性であることが要求され
ることから、上記各種の高分子の内、ポリエチレンオキ
サイドなどの反応性の低い高分子が好ましい。
【0020】この発明における非架橋性の親水性高分子
は、架橋反応の系において使用する酵素、架橋剤等に応
じて適宜に選択することができ、具体的な高分子に限定
されることはない。
【0021】ポリビニルアルコールを採用する場合にお
けるポリビニルアルコールの重合度は、通常1,000
〜2,500であり、好ましくは1,500〜2,00
0である。上記範囲内のポリビニルアルコールを使用す
ると、特に優れた性質を有する酵素センサーを得ること
ができる。
【0022】この発明における酵素膜層は、上記非架橋
性の親水性高分子中に分散され、かつ架橋剤によって架
橋された状態の酵素を含有する。
【0023】前記酵素としては、特に制限はなく、例え
ばグルコースオキシダーゼ、ラクトースオキシダーゼ、
アルコールオキシダーゼ、ウリカーゼ等を挙げることが
できる。前記架橋剤としては、それぞれの酵素に適した
それ自体従来公知の架橋剤を使用することができるが、
中でもグルタルアルデヒドを好適に採用することができ
る。
【0024】作用電極と対照電極とからなる電極、また
は作用電極の外側に酵素膜層を形成する方法としては、
非架橋性の親水性高分子の存在下に酵素を架橋すること
ができる限り特に制限はなく、例えば、非架橋性の親水
性高分子と酵素とを含有する溶液に、作用電極と対照電
極とからなる電極もしくは作用電極を浸漬し、乾燥させ
た後に、または非架橋性の親水性高分子と酵素とを含有
する溶液を前記作用電極と対照電極とからなる電極もし
くは作用電極に塗布し、乾燥させた後に、架橋剤で処理
する方法、支持体上に非架橋性の親水性高分子と酵素と
の混合溶液を塗布し、乾燥することによって酵素膜を形
成した後、支持体から剥離して電極に直接あるいは他の
層を介して被覆することによって酵素膜層を形成する方
法等を挙げることができる。
【0025】これらの方法の中でも、非架橋性の親水性
高分子と酵素とを含有する溶液に、作用電極と対照電極
とからなる電極もしくは作用電極を浸漬し、乾燥させた
後に、または非架橋性の親水性高分子と酵素とを含有す
る溶液を前記作用電極と対照電極とからなる電極もしく
は作用電極に塗布し、乾燥させた後に、架橋剤で処理す
る方法が、操作が簡便であり、剥離等による膜の破損も
なく、電極に密着した厚さの均一な酵素膜層が得られる
ので特に好ましい。
【0026】固定化する酵素としてグルコースオキシダ
ーゼを、非架橋性の親水性高分子としてポリビニルアル
コールをそれぞれ採用した場合においては、次のように
して酵素膜層を形成することが好ましい。すなわち、グ
ルコースオキシダーゼを1〜10%、特に好ましくは3
〜7%含有し、かつポリビニルアルコールを1〜5%、
特に好ましくは2〜3%含有する溶液に、表面に他の層
を有していても良い作用電極と対照電極とからなる電極
もしくは作用電極を浸漬し、乾燥する。次いで、グルタ
ルアルデヒドを1〜10%、特に好ましくは3〜7%含
有する溶液に、浸漬し、乾燥することによって架橋を形
成させる。この場合において電極を両溶液に順次浸漬す
る代わりに両溶液を順に塗布する方法も好適に採用する
ことができる。
【0027】この発明に係る酵素センサーにおいては、
作用電極と対照電極とからなる電極または作用電極の表
面に酵素膜層を有していても良いのであるが、作用電極
と対照電極とからなる電極または作用電極と、酵素膜層
との間に親水性半透膜を有してなるのがより好ましい。
このような、親水性半透膜を有することによって、アス
コルビン酸、尿酸などの生体内に存在する妨害物質によ
る測定精度への影響を排除することができる。このよう
な親水性半透膜としては、セルロースアセテート、セル
ロースプロピオネート等のセルロース誘導体の膜を好適
に採用することができる。
【0028】親水性半透膜の形成方法としては、特に制
限はなく、例えば、セルロース誘導体の溶液に作用電極
と対照電極とからなる電極または作用電極を浸漬し、乾
燥することにより形成することができる。
【0029】このように電極表面に親水性半透膜を形成
した場合においても、上述した方法により、この親水性
半透膜の表面に酵素膜層を形成することができる。
【0030】この発明の酵素センサーにおいては、例え
ば図3に示すように、酵素膜層の外側に、測定の対象た
る物質が透過可能な多孔質膜を有してなるのが好まし
い。多孔質膜を有することによって酵素膜層と電極との
密着性が向上する。前記多孔質膜としては、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート、セルロースアセテートからなる
膜を好適に採用することができる。
【0031】多孔質膜の形成方法としては、特に制限は
なく、例えば、ポリウレタン、ポリカーボネート、セル
ロースアセテート溶液に、酵素膜層を有する電極を浸漬
し、乾燥することにより形成することができる。
【0032】この発明において作用電極と対照電極とか
らなる電極または作用電極の外側に形成される酵素膜層
を含む層の厚みは、通常5〜50μmであり、好ましく
は、10〜20μmである。厚みが前記範囲内である
と、グルコースや酸素などの分子が膜内に迅速に透過拡
散することができ、応答性が良く、出力のばらつきの小
さい電極が得られるので好ましい。
【0033】
【実施例】以下、この発明について実施例を用いて詳細
に説明する。なお、かかる実施例によりこの発明は何ら
限定されない。
【0034】(実施例)白金製の陽極と銀/塩化銀電極
である陰極とからなる針型の電極を5本用意し、それぞ
れを3%のセルロースアセテート溶液に浸漬し、乾燥さ
せることにより前記電極表面にセルロースアセテート製
の被膜を形成した。次いで、このセルロースアセテート
の被膜を有する電極の先端を、グルコースオキシダーゼ
を5%、重合度1700のポリビニルアルコールを2.
5%含有してなる混合溶液に浸漬し、乾燥させることに
より前記電極の先端表面を酵素膜層でさらに被覆した。
その後、この電極の先端を、5%のグルタルアルデヒド
溶液に浸漬し、乾燥させることによりグルコースオキシ
ダーゼの架橋を行なった。最後に、架橋処理後の電極
を、濃度6%のポリウレタン溶液に浸漬し、乾燥させる
ことによってグルコースセンサーを得た。
【0035】電極の先端部に、このようにして形成され
た酵素膜層を含む積層膜の厚みは、10〜20μmであ
った。
【0036】得られたグルコースセンサーの性能を、以
下のようにして評価した。
【0037】グルコースセンサーをリン酸緩衝液に浸漬
し、作用電極と対照電極との間に0.65Vの電圧を印
加してエージングを行なった。次いで、グルコース濃度
が順に0、100、200、300mg/dlであるグ
ルコース含有リン酸緩衝溶液に対するグルコースセンサ
ーの出力応答を調べた。
【0038】測定後にグルコースセンサーを乾燥し、そ
の1週間後に、前記と同様にしてグルコースの濃度に対
する出力応答の再現性を調べた。次いで、グルコースセ
ンサーをグルコース濃度200mg/dlのリン酸緩衝
溶液に浸漬し、その後、48時間連続して測定を行な
い、センサーの出力の安定性を調べた。
【0039】(比較例)グルコースオキシダーゼを5
%、ポリビニルアルコールを2.5%含有してなる混合
溶液に代えて、グルコースオキシダーゼを5%、牛血清
アルブミンを2.5%含有してなる混合溶液を使用した
他は、実施例と同様にしてグルコースセンサーを得た。
【0040】このグルコースセンサーについて、実施例
と同様な評価を行なった。 (結果)実施例に示した方法により得られた酵素センサ
ーは、図4に示すように最初の測定で高い出力と良好な
直線性を示し、またセンサー間のばらつきも少なかっ
た。
【0041】また、乾燥状態で1週間放置した後におい
ても、図5に示すように、わずかに出力が低下を示した
他は良好な再現性を示した。
【0042】48時間の連続測定においても、図6に示
すように、出力の変動はほとんど見られず良好な安定性
を示した。
【0043】一方、比較例に示した方法により得られた
酵素センサーは、図7に示すように、最初の測定におい
ては、良好な直線性を示したもののその出力値は低く、
またセンサー間のばらつきも大きかった。
【0044】また、乾燥状態で1週間放置した後におい
ては、図8に示すように、直線性も低下し、出力の値も
センサー間で大きくばらついた。
【0045】48時間の連続測定においては、図9に示
すように、センサー出力は経時的に低下した。
【0046】
【発明の効果】この発明によると、小型で、優れた感度
および安定性を有し、かつ長寿命の酵素センサーを提供
することができる。
【0047】この発明における酵素は、非架橋性の親水
性高分子中に分散された状態で、架橋されて固定化され
る。したがって、酵素は、密にならずに適度に分散され
た状態に維持されると考えられる。これによって、測定
の対象物であるグルコース等の透過拡散性が良好とな
り、酵素反応が効率的に進行するものと推測される。ま
た、使用する親水性高分子は非架橋性であるので、酵素
との間に架橋が形成されず、酵素は高い自由度をもって
固定化されると考えられる。固定化された酵素の自由度
が高いことが、酵素の失活を防止し、これによって、こ
の発明の酵素センサーにおける優れた安定性が達成され
たものと推測される。
【0048】また、親水性高分子は、酵素を、乾燥、滅
菌等の酵素失活の原因から保護す作用を有し、この親水
性高分子の作用により、酵素センサーの乾燥、滅菌等に
対する耐性が向上したものと思われる。
【0049】さらに、ポリビニルアルコール等の親水性
高分子は、アルブミン等のタンパク質と比較して変質し
にいので、安定性に優れ、長寿命である酵素センサーを
得ることができるものと思われる。
【0050】この発明によると、高感度で、安定性に優
れると共に、長寿命である酵素センサーを簡便な操作で
製造することができる酵素センサーの製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の酵素センサーの一例を示す
概略説明図である。
【図2】図2は、この発明の酵素センサーの一例を示す
概略説明図である。
【図3】図3は、この発明の酵素センサーの一例を示す
概略説明図である。
【図4】図4は、実施例の酵素センサーのグルコース濃
度に対する出力応答を示すグラフである。
【図5】図5は、乾燥状態で1週間放置した後の、実施
例の酵素センサーのグルコース濃度に対する出力応答を
示すグラフである。
【図6】図6は、実施例の酵素センサーを用いて48時
間連続してグルコース濃度を測定した際の、時間とセン
サー出力との関係を示すグラフである。
【図7】図7は、比較例の酵素センサーのグルコース濃
度に対する出力応答を示すグラフである。
【図8】図8は、乾燥状態で1週間放置した後の、比較
例の酵素センサーのグルコース濃度に対する出力応答を
示すグラフである。
【図9】図9は、比較例の酵素センサーを用いて48時
間連続してグルコース濃度を測定した際の、時間とセン
サー出力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・作用電極、2・・・対照電極、3・・・酵素膜
層、4・・・親水性半透膜、5・・・多孔性膜、6・・
・絶縁体

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作用電極と対照電極とを有する電極また
    は作用電極の表面に、親水性半透膜と、非架橋性の親水
    性高分子および非架橋性の親水性高分子中に分散され、
    かつ架橋された酵素を含有する酵素膜層と、多孔性膜と
    を、この順に有してなることを特徴とする酵素センサ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記非架橋性の親水性高分子がポリビニ
    ルアルコールである前記請求項に記載の酵素センサ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記酵素がグルコースオキシダーゼであ
    る前記請求項1又は2に記載の酵素センサー。
  4. 【請求項4】 作用電極と対照電極とを有する電極また
    は作用電極の外側に、親水性半透膜を形成し、その親水
    性半透膜の表面に、非架橋性の親水性高分子の存在下に
    酵素を架橋することにより酵素膜層を形成し、次いで多
    孔性膜を形成することを特徴とする酵素センサーの製造
    方法。
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