JPH04229644A - Icリードフレームならびに同用複合材料およびその製造方法 - Google Patents
Icリードフレームならびに同用複合材料およびその製造方法Info
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- JPH04229644A JPH04229644A JP17425891A JP17425891A JPH04229644A JP H04229644 A JPH04229644 A JP H04229644A JP 17425891 A JP17425891 A JP 17425891A JP 17425891 A JP17425891 A JP 17425891A JP H04229644 A JPH04229644 A JP H04229644A
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Landscapes
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- Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリードを構成する導電性
金属シートと絶縁を保つ絶縁材料シートとが積層された
複合構造を有するICリードフレーム、同用複合材料お
よびその製造方法に関するものである。
金属シートと絶縁を保つ絶縁材料シートとが積層された
複合構造を有するICリードフレーム、同用複合材料お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】集積回路用素子のリードフレーム用材料
として、Cu系合金やFe−42%Ni、Fe−50%
NiをはじめとしたFe−Ni系合金が広く使用されて
いる。このうち、重量%で通常Niを30〜55%含む
Fe−Ni系合金は、ICチップを構成するシリコンと
の熱膨張係数が近いことから、特に高品質が要求される
ICのリードフレーム用材料として使用されている。近
年のICの高集積化に伴い、リードフレーム用材料に対
して、さらなる多ピン化、高精細化の要求が強くなって
いる。このため、これまでのように単に1枚のFe−N
i系の合金シートにリードを形成する方法では、リード
フレームの多ピン化に対して限界に達して来ている。
として、Cu系合金やFe−42%Ni、Fe−50%
NiをはじめとしたFe−Ni系合金が広く使用されて
いる。このうち、重量%で通常Niを30〜55%含む
Fe−Ni系合金は、ICチップを構成するシリコンと
の熱膨張係数が近いことから、特に高品質が要求される
ICのリードフレーム用材料として使用されている。近
年のICの高集積化に伴い、リードフレーム用材料に対
して、さらなる多ピン化、高精細化の要求が強くなって
いる。このため、これまでのように単に1枚のFe−N
i系の合金シートにリードを形成する方法では、リード
フレームの多ピン化に対して限界に達して来ている。
【0003】このようなICリードフレームの集積度の
向上による消費電力増大への対応として、「日経マイク
ロデバイス」 1989年 6月号、PP103−10
9には図3に示すようなボンディングワイヤ8でICチ
ップ7と接続されるリード用プレーン4、電源用プレー
ン5および接地用プレーン6を有し、各プレーン間には
絶縁層3が形成されている積層タイプのICリードフレ
ームを提案している。このような積層タイプのリードフ
レームを使用したIC装置においては、リード用プレー
ンのリードの数は、搭載したICチップ上の総ボンディ
ングパッド数より、電源パッドおよび接地パッドの数だ
け少なくて良いから、それだけ総ボンディングパッド数
の多いICチップを搭載できる。上記文献で提案されて
いる多層構造のリードフレームでは、リード用プレーン
のリードは、予めリードをエッチングにより形成した後
に積層するものである。したがって、リード用プレーン
のリード数は、エッチング精度の点から、従来の単一層
リードフレーム材と何ら変わることなく、多ピン化への
対応としては不十分である。また、リード用プレーンに
Cuを用いているため、実装後のCuのマイグレーショ
ンの懸念を有する。すなわち、Cuでリードを形成した
場合、リード間の電位差と湿気によりCuがリード間で
析出・成長するというマイグレーションが発生する危険
がある。多ピン化に対応したリードフレームは、リード
同士の間隔は非常に狭いものであるため、微小なCuの
析出であっても、リード同士の接触の原因となり、好ま
しくない。
向上による消費電力増大への対応として、「日経マイク
ロデバイス」 1989年 6月号、PP103−10
9には図3に示すようなボンディングワイヤ8でICチ
ップ7と接続されるリード用プレーン4、電源用プレー
ン5および接地用プレーン6を有し、各プレーン間には
絶縁層3が形成されている積層タイプのICリードフレ
ームを提案している。このような積層タイプのリードフ
レームを使用したIC装置においては、リード用プレー
ンのリードの数は、搭載したICチップ上の総ボンディ
ングパッド数より、電源パッドおよび接地パッドの数だ
け少なくて良いから、それだけ総ボンディングパッド数
の多いICチップを搭載できる。上記文献で提案されて
いる多層構造のリードフレームでは、リード用プレーン
のリードは、予めリードをエッチングにより形成した後
に積層するものである。したがって、リード用プレーン
のリード数は、エッチング精度の点から、従来の単一層
リードフレーム材と何ら変わることなく、多ピン化への
対応としては不十分である。また、リード用プレーンに
Cuを用いているため、実装後のCuのマイグレーショ
ンの懸念を有する。すなわち、Cuでリードを形成した
場合、リード間の電位差と湿気によりCuがリード間で
析出・成長するというマイグレーションが発生する危険
がある。多ピン化に対応したリードフレームは、リード
同士の間隔は非常に狭いものであるため、微小なCuの
析出であっても、リード同士の接触の原因となり、好ま
しくない。
【0004】また、特開平02−94658号、特開平
2−94659号、特開平2−100354号、特開平
2− 100355号に開示されるように、合成樹脂で
なる絶縁層を中間に配置して、Fe−Ni系合金の導電
層、絶縁層、Fe−Ni系合金の導電層の積層構造とし
てから、これをエッチング加工してICリードフレーム
を製造しようする試みも行われている。この方法によれ
ば、絶縁層を形成する合成樹脂上にFe−Ni系合金シ
ートが保持されている構造のため、導電層を極めて薄い
ものとすることができ、しかもFe−Ni系合金シート
が薄くてもエッチングして形成したリードに曲がり、反
りといった形状の不良が生じるのを防げるという効果が
期待できるものであった。
2−94659号、特開平2−100354号、特開平
2− 100355号に開示されるように、合成樹脂で
なる絶縁層を中間に配置して、Fe−Ni系合金の導電
層、絶縁層、Fe−Ni系合金の導電層の積層構造とし
てから、これをエッチング加工してICリードフレーム
を製造しようする試みも行われている。この方法によれ
ば、絶縁層を形成する合成樹脂上にFe−Ni系合金シ
ートが保持されている構造のため、導電層を極めて薄い
ものとすることができ、しかもFe−Ni系合金シート
が薄くてもエッチングして形成したリードに曲がり、反
りといった形状の不良が生じるのを防げるという効果が
期待できるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記Fe−N
i系合金シートと合成樹脂とをそのまま積層構造とした
材料では、接合面の接着強度が十分でなく、エッチング
によりリードを形成する際に合成樹脂からリードが剥離
を生じるという問題が発生し、製品の信頼性を損ねると
ともに製品歩留を低下することが懸念され、本格的実施
には至っていない。本発明の目的は、リードフレームの
多ピン化、高精細化に対応し、従来の単一層リード用材
料に比べ格段に多ピン化が可能となるとなるような合成
樹脂とFe−Ni系合金との接合強度を向上したICリ
ードフレームおよび同用複合材料およびその製造方法を
提供することである。
i系合金シートと合成樹脂とをそのまま積層構造とした
材料では、接合面の接着強度が十分でなく、エッチング
によりリードを形成する際に合成樹脂からリードが剥離
を生じるという問題が発生し、製品の信頼性を損ねると
ともに製品歩留を低下することが懸念され、本格的実施
には至っていない。本発明の目的は、リードフレームの
多ピン化、高精細化に対応し、従来の単一層リード用材
料に比べ格段に多ピン化が可能となるとなるような合成
樹脂とFe−Ni系合金との接合強度を向上したICリ
ードフレームおよび同用複合材料およびその製造方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、合成樹脂でな
る絶縁層および該絶縁層の表面に積層接合されたFe−
Ni系合金でなるリードを有し、前記リードには前記絶
縁層との接合界面に、NiもしくはNi合金のめっき、
CuもしくはCu合金めっき、Crめっきまたはクロメ
ートの1種または2種以上の層が施されていることを特
徴とするICリードフレームである。また本発明の材料
は合成樹脂でなる絶縁層および該絶縁層の表面に積層接
合されたFe−Ni系合金シートでなる導電層を有し、
前記Fe−Ni系合金シートには前記絶縁層との接合界
面に、NiもしくはNi合金のめっき、CuもしくはC
u合金めっき、Crめっきまたはクロメートの1種また
は2種以上の層が施されていることを特徴とするICリ
ードフレーム用複合材料である。
る絶縁層および該絶縁層の表面に積層接合されたFe−
Ni系合金でなるリードを有し、前記リードには前記絶
縁層との接合界面に、NiもしくはNi合金のめっき、
CuもしくはCu合金めっき、Crめっきまたはクロメ
ートの1種または2種以上の層が施されていることを特
徴とするICリードフレームである。また本発明の材料
は合成樹脂でなる絶縁層および該絶縁層の表面に積層接
合されたFe−Ni系合金シートでなる導電層を有し、
前記Fe−Ni系合金シートには前記絶縁層との接合界
面に、NiもしくはNi合金のめっき、CuもしくはC
u合金めっき、Crめっきまたはクロメートの1種また
は2種以上の層が施されていることを特徴とするICリ
ードフレーム用複合材料である。
【0007】また本発明の製造方法はFe−Ni系合金
でなる金属シートの表面にNiもしくはNi合金めっき
、CuもしくはCu合金めっき、Crめっきまたはクロ
メートの少なくともいずれかの処理層を形成した後、得
られたFe−Ni系合金シートの前記処理層を有する面
と合成樹脂でなる絶縁材料シートとを、接着剤を介する
かまたは前記合成樹脂のみの接着力により、好ましくは
10torr以下の減圧雰囲気下で接合し、前記合成樹
脂でなる絶縁層とFe−Ni系合金でなる金属シートの
積層構造を得ることを特徴とするICリードフレーム用
複合材料の製造方法である。
でなる金属シートの表面にNiもしくはNi合金めっき
、CuもしくはCu合金めっき、Crめっきまたはクロ
メートの少なくともいずれかの処理層を形成した後、得
られたFe−Ni系合金シートの前記処理層を有する面
と合成樹脂でなる絶縁材料シートとを、接着剤を介する
かまたは前記合成樹脂のみの接着力により、好ましくは
10torr以下の減圧雰囲気下で接合し、前記合成樹
脂でなる絶縁層とFe−Ni系合金でなる金属シートの
積層構造を得ることを特徴とするICリードフレーム用
複合材料の製造方法である。
【0008】
【作用】本発明者は、合成樹脂よりなる絶縁層とFe−
Ni系合金シートよりなる導電層の接合強度向上を目指
して、これらの接合界面を種々の方法により改質して接
合実験を進めた結果、Ni、Ni合金、Cu、Cu合金
、Crの各めっき層、またはクロメート層のいずれかを
1種または2種以上施すことにより、絶縁層とリードと
の接合強度が増加し、剥離の問題が解決されることを見
出した。この接合強度向上のメカニズムは、不詳である
が、本発明の各めっき層は、表面にそれぞれ緻密な酸化
膜が形成され、これらはクロメート層とともに絶縁層で
ある合成樹脂との密着性が高いこと、熱膨張係数がFe
−Ni系合金と前記樹脂との中間にあり、接着界面の熱
応力を緩和すること、表面粗さが粗くなり、アンカー効
果が大きくなること等が考えられる。
Ni系合金シートよりなる導電層の接合強度向上を目指
して、これらの接合界面を種々の方法により改質して接
合実験を進めた結果、Ni、Ni合金、Cu、Cu合金
、Crの各めっき層、またはクロメート層のいずれかを
1種または2種以上施すことにより、絶縁層とリードと
の接合強度が増加し、剥離の問題が解決されることを見
出した。この接合強度向上のメカニズムは、不詳である
が、本発明の各めっき層は、表面にそれぞれ緻密な酸化
膜が形成され、これらはクロメート層とともに絶縁層で
ある合成樹脂との密着性が高いこと、熱膨張係数がFe
−Ni系合金と前記樹脂との中間にあり、接着界面の熱
応力を緩和すること、表面粗さが粗くなり、アンカー効
果が大きくなること等が考えられる。
【0009】NiもしくはNi合金めっき(以下Ni系
めっきと記す)、Cuめっき、Cu合金めっき、Crめ
っき、クロメートのうちで最も望ましいものは、Ni系
めっきである。すなわち、Ni系めっきのエッチング速
度は、Fe−Ni系合金とほぼ等しく、めっき性も良好
である。Cuめっきは、Niめっきと同等の接合強度を
得ることができる。しかし、特に微細なリードパターン
を形成する部分に使用する場合は、Fe−Ni系合金に
比べ、エッチング速度が大きいため、めっき部がオーバ
ーエッチングされやすく、絶縁層とリードとの界面の接
合強度低下の原因になる場合がある。また、Cu合金め
っきはこのエッチング速度を変化させることができ、た
とえばCu−Ni合金とすることにより、めっき部のオ
ーバーエッチングを大幅に改善できる。
めっきと記す)、Cuめっき、Cu合金めっき、Crめ
っき、クロメートのうちで最も望ましいものは、Ni系
めっきである。すなわち、Ni系めっきのエッチング速
度は、Fe−Ni系合金とほぼ等しく、めっき性も良好
である。Cuめっきは、Niめっきと同等の接合強度を
得ることができる。しかし、特に微細なリードパターン
を形成する部分に使用する場合は、Fe−Ni系合金に
比べ、エッチング速度が大きいため、めっき部がオーバ
ーエッチングされやすく、絶縁層とリードとの界面の接
合強度低下の原因になる場合がある。また、Cu合金め
っきはこのエッチング速度を変化させることができ、た
とえばCu−Ni合金とすることにより、めっき部のオ
ーバーエッチングを大幅に改善できる。
【0010】また、Crめっきやクロメート層を形成し
た場合も、合成樹脂でなる絶縁層との接合強度を増加で
きる。しかし、Niめっきに比べてエッチング性やめっ
き性がやや劣る。もちろん、これらのめっきは単独の層
であっても、めっきを施さない場合に比べて、十分な接
合強度の向上が可能であるが、2層以上のめっきを施し
ても接合強度の向上が達成できる。絶縁層および接着剤
としては、強度、耐熱性、熱硬化性樹脂が適している。 また、このうちエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等で
なる未硬化のシートやフィルムを絶縁層を形成する材料
として用いると、これらが接着剤の作用をするから別に
接着剤の塗布が不要であるから、複合材料の製造におい
て好都合である。本発明のICリードフレームにおいて
は、専らエッチングによってリードが形成されるから、
絶縁層となる合成樹脂は耐薬品性の点から、エポキシ系
樹脂が適当である。ポリイミド系樹脂では、フォトエッ
チング工程で使用される酸、アルカリ、有機溶剤等によ
り樹脂の変質を起こし、接着力をやや低下する。また、
Fe−Ni系合金シートの表面に形成するNi系めっき
層、 Cu系めっき層、Crめっき、クロメート層の処
理層は、前記Fe−Ni系合金シートの両面共、または
片面のみに処理しても良い。
た場合も、合成樹脂でなる絶縁層との接合強度を増加で
きる。しかし、Niめっきに比べてエッチング性やめっ
き性がやや劣る。もちろん、これらのめっきは単独の層
であっても、めっきを施さない場合に比べて、十分な接
合強度の向上が可能であるが、2層以上のめっきを施し
ても接合強度の向上が達成できる。絶縁層および接着剤
としては、強度、耐熱性、熱硬化性樹脂が適している。 また、このうちエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等で
なる未硬化のシートやフィルムを絶縁層を形成する材料
として用いると、これらが接着剤の作用をするから別に
接着剤の塗布が不要であるから、複合材料の製造におい
て好都合である。本発明のICリードフレームにおいて
は、専らエッチングによってリードが形成されるから、
絶縁層となる合成樹脂は耐薬品性の点から、エポキシ系
樹脂が適当である。ポリイミド系樹脂では、フォトエッ
チング工程で使用される酸、アルカリ、有機溶剤等によ
り樹脂の変質を起こし、接着力をやや低下する。また、
Fe−Ni系合金シートの表面に形成するNi系めっき
層、 Cu系めっき層、Crめっき、クロメート層の処
理層は、前記Fe−Ni系合金シートの両面共、または
片面のみに処理しても良い。
【0011】Fe−Ni系合金シートと合成樹脂でなる
絶縁材料シートとの接合は、Fe−Ni系合金のめっき
等の処理を施した面と絶縁層用合成樹脂シートとを、し
わやボイドの発生を防止しながら、貼り合わせることが
必要で、これには、通常加熱したウレタンロールを使用
するのが良く、また、貼り合わせを可能の限り減圧雰囲
気、好ましくは10torr以下の減圧雰囲気で行うこ
とが望ましい。また、キュアリング中を通じて減圧雰囲
気で行うことが、封着用金属材料表面と樹脂の接着界面
の脱ガスの目的上望ましい。キュアリングは、上記のよ
うに減圧下で行うことが望ましく、また温度、時間はそ
れぞれ用いる樹脂に応じて決定する。加圧圧力は、樹脂
がフローしない範囲で行えば良い。なお、本発明におい
てFe−Ni系合金とは、Niを重量%で30〜55%
を含み、残部実質的にFeなる合金を基本組成とするも
のである。この合金に少量の添加元素、たとえば耐食性
を向上するCuを添加したり、応力腐食割れ性を改善す
るCr,Mo,Nb,V,Ti,Taのような炭化物形
成元素を添加しても、同様の効果を得ることができる。 このような添加元素はリードフレームのエッチング性を
劣化させないために5%以下が望ましい。
絶縁材料シートとの接合は、Fe−Ni系合金のめっき
等の処理を施した面と絶縁層用合成樹脂シートとを、し
わやボイドの発生を防止しながら、貼り合わせることが
必要で、これには、通常加熱したウレタンロールを使用
するのが良く、また、貼り合わせを可能の限り減圧雰囲
気、好ましくは10torr以下の減圧雰囲気で行うこ
とが望ましい。また、キュアリング中を通じて減圧雰囲
気で行うことが、封着用金属材料表面と樹脂の接着界面
の脱ガスの目的上望ましい。キュアリングは、上記のよ
うに減圧下で行うことが望ましく、また温度、時間はそ
れぞれ用いる樹脂に応じて決定する。加圧圧力は、樹脂
がフローしない範囲で行えば良い。なお、本発明におい
てFe−Ni系合金とは、Niを重量%で30〜55%
を含み、残部実質的にFeなる合金を基本組成とするも
のである。この合金に少量の添加元素、たとえば耐食性
を向上するCuを添加したり、応力腐食割れ性を改善す
るCr,Mo,Nb,V,Ti,Taのような炭化物形
成元素を添加しても、同様の効果を得ることができる。 このような添加元素はリードフレームのエッチング性を
劣化させないために5%以下が望ましい。
【0012】
【実施例】(実施例1)厚さ 0.04mmと0.15
mmのFe−42%Ni合金シートそれぞれの両面と片
面にNiめっき層、50Ni−50Co合金めっき層、
Cuめっき層、70Cu−30Ni合金めっき層、Cr
めっき層(以上いずれも電気めっき、厚み約2μm)お
よび下記条件によるクロメート層のいずれかの処理層を
形成した。この合金シートに厚さ0.04mmのエポキ
シ−ゴム樹脂シートあるいは厚さ 0.04mmの未硬
化のポリイミド樹脂シートをウレタンロールを使用して
貼り合わせることにより、図1に示す、処理層1、Fe
−Ni系合金層2、処理層1、絶縁層3、処理層1、F
e−Ni系合金層1の6層構造とした。続いて、真空プ
レス機に挿入し約5torrの減圧下に2h保持したの
ち、その減圧雰囲気状態のままで150℃に加熱し(お
よびNo.7は貼り合わせを80℃で行った後、真空引
きせず、150℃に加熱した)、圧力 5kgf/cm
2で加圧しつつ、2h保持後、放冷し、50℃まで冷却
後、大気圧に戻して、ICリードフレーム用複合材料を
得た。なお、上記クロメート層は、日本パーカライジン
グ社製パルクロムR282を塗布(0.5μm厚)する
ことにより形成した。 比較例は、従来例すなわち、Fe−42%Ni系合金シ
ートの表面に処理層を形成しないものである。
mmのFe−42%Ni合金シートそれぞれの両面と片
面にNiめっき層、50Ni−50Co合金めっき層、
Cuめっき層、70Cu−30Ni合金めっき層、Cr
めっき層(以上いずれも電気めっき、厚み約2μm)お
よび下記条件によるクロメート層のいずれかの処理層を
形成した。この合金シートに厚さ0.04mmのエポキ
シ−ゴム樹脂シートあるいは厚さ 0.04mmの未硬
化のポリイミド樹脂シートをウレタンロールを使用して
貼り合わせることにより、図1に示す、処理層1、Fe
−Ni系合金層2、処理層1、絶縁層3、処理層1、F
e−Ni系合金層1の6層構造とした。続いて、真空プ
レス機に挿入し約5torrの減圧下に2h保持したの
ち、その減圧雰囲気状態のままで150℃に加熱し(お
よびNo.7は貼り合わせを80℃で行った後、真空引
きせず、150℃に加熱した)、圧力 5kgf/cm
2で加圧しつつ、2h保持後、放冷し、50℃まで冷却
後、大気圧に戻して、ICリードフレーム用複合材料を
得た。なお、上記クロメート層は、日本パーカライジン
グ社製パルクロムR282を塗布(0.5μm厚)する
ことにより形成した。 比較例は、従来例すなわち、Fe−42%Ni系合金シ
ートの表面に処理層を形成しないものである。
【0013】接着力の評価は、JIS K6854−1
977に基づき、0.04mm厚み側について、10m
m巾×100mm長さの試料にてピーリングテストを行
ない接着強度として評価した。またICリードフレーム
を構成したときのリードの剥離性を評価するため、図4
に示すICチップ7を用接地プレーン6に乗せた、リー
ド用プレーン4、絶縁層3、電源用プレーン5、絶縁層
3、接地用プレーン6を有するICリードフレーム用と
して、リード用プレーン4となる0.04mmのFe−
42%Ni合金シート部分について、リードピッチ 0
.25mmのQFP(Quad Flat Packa
ge)パターンにフォトエッチング加工し、通常便宜的
に行われているリード面にセロハンテープを貼り付けた
後、剥ぎとる試験を行った。この試験で、形成したリー
ドが1本でも浮き上がるものは不良とし、このリード剥
離試験を200個の試料について行い、リード剥離発生
率を求め評価した。結果を表1に示す。表1の結果から
明らかなように、本発明のめっきを施した試料No.1
ないしNo.8は、比較例のめっきを施さない試料No
.9に比し格段に高い接合強度を有し、リードの剥離が
ないものであることがわかる。
977に基づき、0.04mm厚み側について、10m
m巾×100mm長さの試料にてピーリングテストを行
ない接着強度として評価した。またICリードフレーム
を構成したときのリードの剥離性を評価するため、図4
に示すICチップ7を用接地プレーン6に乗せた、リー
ド用プレーン4、絶縁層3、電源用プレーン5、絶縁層
3、接地用プレーン6を有するICリードフレーム用と
して、リード用プレーン4となる0.04mmのFe−
42%Ni合金シート部分について、リードピッチ 0
.25mmのQFP(Quad Flat Packa
ge)パターンにフォトエッチング加工し、通常便宜的
に行われているリード面にセロハンテープを貼り付けた
後、剥ぎとる試験を行った。この試験で、形成したリー
ドが1本でも浮き上がるものは不良とし、このリード剥
離試験を200個の試料について行い、リード剥離発生
率を求め評価した。結果を表1に示す。表1の結果から
明らかなように、本発明のめっきを施した試料No.1
ないしNo.8は、比較例のめっきを施さない試料No
.9に比し格段に高い接合強度を有し、リードの剥離が
ないものであることがわかる。
【0014】
【表1】
【0015】(実施例2)厚さ 0.04mm、0.1
5mmの表2に示す組成のFe−Ni系合金シートそれ
ぞれの両面にNiめっきまたはCuめっきでなる処理層
を、厚み約2μmになるように形成した。0.04mm
のエポキシ−ゴム樹脂シートを絶縁層とし、Fe−Ni
系合金シートの間に挿入して、ウレタンロールで張り合
わせることにより、図1で示す、処理層1、Fe−Ni
系合金層2、処理層1、絶縁層3、処理層1、Fe−N
i系合金層2を有する6層構造とした。続いて、真空プ
レス機に挿入し約0.1torrの減圧下に2h保持し
たのち、その減圧雰囲気状態のままで150℃に加熱し
圧力 5kgf/cm2で加圧しつつ、2h保持後、放
冷し、50℃まで冷却後、大気圧に戻して、ICリード
フレーム用複合材料を得た。この材料に対して実施例1
と同様に接合強度およびリード剥離発生率を求めた。結
果を表2に示す。表2に示す本発明のめっきを施した試
料No.10,11,13,14,16,17,19,
20は、めっきを施さない試料No.12,15,18
,21よりも、著しく高い接合強度が得られるとともに
、リード剥離もないものであることがわかる。
5mmの表2に示す組成のFe−Ni系合金シートそれ
ぞれの両面にNiめっきまたはCuめっきでなる処理層
を、厚み約2μmになるように形成した。0.04mm
のエポキシ−ゴム樹脂シートを絶縁層とし、Fe−Ni
系合金シートの間に挿入して、ウレタンロールで張り合
わせることにより、図1で示す、処理層1、Fe−Ni
系合金層2、処理層1、絶縁層3、処理層1、Fe−N
i系合金層2を有する6層構造とした。続いて、真空プ
レス機に挿入し約0.1torrの減圧下に2h保持し
たのち、その減圧雰囲気状態のままで150℃に加熱し
圧力 5kgf/cm2で加圧しつつ、2h保持後、放
冷し、50℃まで冷却後、大気圧に戻して、ICリード
フレーム用複合材料を得た。この材料に対して実施例1
と同様に接合強度およびリード剥離発生率を求めた。結
果を表2に示す。表2に示す本発明のめっきを施した試
料No.10,11,13,14,16,17,19,
20は、めっきを施さない試料No.12,15,18
,21よりも、著しく高い接合強度が得られるとともに
、リード剥離もないものであることがわかる。
【0016】
【表2】
【0017】(実施例3)厚さ 0.04mm、0.1
5mm、0.15mmのFe−42%Ni合金シートそ
れぞれの両面にNiめっき層を、厚み約2μmになるよ
うに形成した。0.04mmのエポキシ−ゴム樹脂シー
トを絶縁層とし、Fe−42%Ni合金シートの間に挿
入して、ウレタンロールで張り合わせることにより、図
2で示す、処理層1、Fe−42%Ni合金層2、処理
層1、絶縁層3、処理層1、Fe−42%Ni系合金層
2、処理層1、絶縁層3、処理層1、Fe−42%Ni
系合金層2、処理層1を有する11層構造とした。続い
て、真空プレス機に挿入し約0.1torrの減圧下に
2h保持したのち、その減圧雰囲気状態のままで150
℃に加熱し圧力 5kgf/cm2で加圧しつつ、2h
保持後、放冷し、50℃まで冷却後、大気圧に戻して、
ICリードフレーム用複合材料を得た。得られたICリ
ードフレーム用複合材料の最上面を0.04mmのFe
−42%Ni合金シート面としフォトエッチングにより
、リード幅0.25mmのQFPパターンを得、図3に
示すリード用プレーン4、絶縁層3、電源用プレーン5
、絶縁層3、接地用プレーン6を有する構成とした。Q
FPパターンとして、100個分作成し、実施例1と同
様のリード剥離試験を行ったところ、リード部の剥離は
起こらなかった。また、最下層を形成する0.15mm
のFe−42%Ni合金シートを塩化第2鉄の溶液によ
り除去し、400倍の光学顕微鏡により樹脂との接合面
の状況を観察した。 光学顕微鏡の観察により、樹脂側に接合不良を示す痕跡
は全く観察されなかった。
5mm、0.15mmのFe−42%Ni合金シートそ
れぞれの両面にNiめっき層を、厚み約2μmになるよ
うに形成した。0.04mmのエポキシ−ゴム樹脂シー
トを絶縁層とし、Fe−42%Ni合金シートの間に挿
入して、ウレタンロールで張り合わせることにより、図
2で示す、処理層1、Fe−42%Ni合金層2、処理
層1、絶縁層3、処理層1、Fe−42%Ni系合金層
2、処理層1、絶縁層3、処理層1、Fe−42%Ni
系合金層2、処理層1を有する11層構造とした。続い
て、真空プレス機に挿入し約0.1torrの減圧下に
2h保持したのち、その減圧雰囲気状態のままで150
℃に加熱し圧力 5kgf/cm2で加圧しつつ、2h
保持後、放冷し、50℃まで冷却後、大気圧に戻して、
ICリードフレーム用複合材料を得た。得られたICリ
ードフレーム用複合材料の最上面を0.04mmのFe
−42%Ni合金シート面としフォトエッチングにより
、リード幅0.25mmのQFPパターンを得、図3に
示すリード用プレーン4、絶縁層3、電源用プレーン5
、絶縁層3、接地用プレーン6を有する構成とした。Q
FPパターンとして、100個分作成し、実施例1と同
様のリード剥離試験を行ったところ、リード部の剥離は
起こらなかった。また、最下層を形成する0.15mm
のFe−42%Ni合金シートを塩化第2鉄の溶液によ
り除去し、400倍の光学顕微鏡により樹脂との接合面
の状況を観察した。 光学顕微鏡の観察により、樹脂側に接合不良を示す痕跡
は全く観察されなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、リードを形成される合
金シートと絶縁層との接合強度が高く剥離が防止される
ので高密度リードパターンが可能となり、その結果、多
ピン化、高密度実用化が可能となるため、小型でしかも
極めて信頼性の高いICを提供できる。
金シートと絶縁層との接合強度が高く剥離が防止される
ので高密度リードパターンが可能となり、その結果、多
ピン化、高密度実用化が可能となるため、小型でしかも
極めて信頼性の高いICを提供できる。
【図1】本発明のリードフレーム用複合材料の一例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図2】本発明のリードフレーム用複合材料の他の例を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図3】本発明のリードフレームの構成例を示す図であ
る。
る。
【図4】本発明のリードフレームの構成の他の例を示す
図である。
図である。
1 処理層
2 Fe−Ni系合金層
3 絶縁層
4 リード用プレーン
5 電源用プレーン
6 接地用プレーン
7 ICチップ
8 ボンディングワイヤ
Claims (4)
- 【請求項1】 合成樹脂でなる絶縁層および該絶縁層
の表面に積層接合されたFe−Ni系合金でなるリード
を有し、前記リードには前記絶縁層との接合界面に、N
iもしくはNi合金のめっき、CuもしくはCu合金め
っき、Crめっきまたはクロメートの1種または2種以
上の層が施されていることを特徴とするICリードフレ
ーム。 - 【請求項2】 合成樹脂でなる絶縁層および該絶縁層
の表面に積層接合されたFe−Ni系合金シートでなる
導電層を有し、前記Fe−Ni系合金シートには前記絶
縁層との接合界面に、NiもしくはNi合金のめっき、
CuもしくはCu合金めっき、Crめっきまたはクロメ
ートの1種または2種以上の層が施されていることを特
徴とするICリードフレーム用複合材料。 - 【請求項3】 Fe−Ni系合金シートの表面にNi
もしくはNi合金めっき、CuもしくはCu合金めっき
、Crめっきまたはクロメートの少なくともいずれかの
処理層を形成した後、得られたFe−Ni系合金シート
の前記処理層を有する面と合成樹脂でなる絶縁材料シー
トとを、接着剤を介するかまたは前記合成樹脂の接着力
により接合し、前記合成樹脂でなる絶縁層とFe−Ni
系合金でなる導電層の積層構造を得ることを特徴とする
ICリードフレーム用複合材料の製造方法。 - 【請求項4】 Fe−Ni系合金シートの前記処理層
を有する面と合成樹脂でなる絶縁材料シートとの接合は
10torr以下の減圧雰囲気で行うことを特徴とする
請求項3に記載ICリードフレーム用複合材料の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17425891A JPH04229644A (ja) | 1990-09-21 | 1991-07-16 | Icリードフレームならびに同用複合材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-252542 | 1990-09-21 | ||
JP25254290 | 1990-09-21 | ||
JP17425891A JPH04229644A (ja) | 1990-09-21 | 1991-07-16 | Icリードフレームならびに同用複合材料およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04229644A true JPH04229644A (ja) | 1992-08-19 |
Family
ID=26495939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17425891A Pending JPH04229644A (ja) | 1990-09-21 | 1991-07-16 | Icリードフレームならびに同用複合材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04229644A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104015423A (zh) * | 2014-05-20 | 2014-09-03 | 中南大学 | 一种发热复合材料及其制备方法 |
-
1991
- 1991-07-16 JP JP17425891A patent/JPH04229644A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104015423A (zh) * | 2014-05-20 | 2014-09-03 | 中南大学 | 一种发热复合材料及其制备方法 |
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