JPH0421959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、手摺のコーピング取付構造の改良、
詳しくは、手摺を構成する部品の形状、サイズ、
およびこれら部品の相互連関機構を巧みに設定す
ることによつてコーピング（笠木）を能率的かつ
堅牢に配設することができる新方式の手摺コーピ
ング取付構造に関するものであり、ビル屋上を囲
うパラペツト手摺として、あるいはヴエランダ・
階段の手摺として等、その用途は誠に広い。

〔従来の技術、および解決すべき問題点〕

周知のとおり、パラペツト手摺やヴエランダな
どの手摺のコーピング（笠木）は、その下部のス
カート部分を支柱にビスやリベツトなどの止着手
段によつて固定されるのが普通であり、かゝるコ
ーピング取付構造を前提とした柵状構造物につい
ては、本考案者も実用新案登録を受けている（実
公昭57−14286号公報：第２図参照）。

しかし、かゝる従来のコーピング取付構造を採
用してパラペツト手摺やヴエランダなどの手摺
（柵状構造物）を構築する場合には、外部にビス
やリベツト等が露出して外見が見苦しくなるのに
加えて、組立作業に手間が掛かつて非能率的にな
り、かつ、薄くて狭いスカート部分をビス等で点
状に止着するのでは構造的に脆弱にならざるを得
ないという欠点を免れ得ない。

本考案は、従来のパラペツト手摺やヴエランダ
手摺の如き柵状構造物におけるコーピング取付構
造に前述のような欠点があつたことに鑑みてなさ
れたもので、コーピングの取付を見栄え良く簡易
迅速に行えて、しかもコーピングと支柱との連結
強度が強い新方式のコーピング取付構造を提供し
ようとするものである。

〔課題解決のために採用した手段〕

本考案者が上記課題を解決するために採用した
手段を添附図面を参照して説明すれば、次のとお
りである。

即ち、本考案が上記課題を解決するために採用
した技術的手段は、 Ａ 全体形状がチヤンネル形の中空成形体であつ
て、その内面には長手方向に沿つて嵌合溝１
１，１１を対称的に有するコーピング型材１と
いう手段； Ｂ 所定の間隔をもつて立設される筒状の支柱２
という手段； Ｃ この支柱２の上端内筒部に弾力的に掛合可能
なインサート掛止爪３１，３１を下部に備え、
かつ、それ自体の外側面には前記コーピング型
材１の嵌合溝１１，１１に嵌入可能なリブ３
２，３２を有するサドル形のジヨイント部材３
という手段； Ｄ このジヨイント部材３とコーピング型材１と
をロツクするロツク部材４という手段； Ｅ 前記ジヨイント部材３のリブ３２，３２をコ
ーピング型材１の嵌合溝１１，１１に嵌入して
前記ロツク部材４により所定位置にロツクせし
める一方、当該ジヨイント部材３のインサート
掛止爪３１，３１を支柱２の上端内筒部に挿入
して弾力掛合させるという手段； であり、上記Ａ〜Ｅに至る５つの技術手段を有機
的に連関させることによつて手摺のコーピング取
付構造を構成するのである。

〔実施例〕

以下、本考案を添附図面に示す実施例をもつて
更に詳しく説明する。なお、第１図は本実施例を
パラペツト手摺に適用して構成した組立完成斜視
図、第２図は同実施例の分解斜視図である。

図面上、符号１で指示されるものは、断面略〓
状に押出成形されたアルミ製中空成形体から成る
コーピング型材であり、その内面の裾部近傍には
長手方向に沿つて嵌合溝１１，１１が対称的に相
向いに形成されてある。

符号２で指示されるものは、角筒状の支柱であ
り、その内筒部の上端近くには歯止部２１，２１
……が形成されてある。

符号３で指示するものは、サドル形（図示例で
は、略形に成形されてある）のジヨイント部材
であり、その下端には楔形に膨出するインサート
掛止爪３１，３１、またそれ自体の側面には上記
コーピング型材の嵌合溝１１，１１に嵌入可能な
リブ３２，３２を有し、かつ、その上面の中央部
にはボルトネジ孔３３が開設してある。なお、本
実施例では、ジヨイント部材３として幅広のもの
（第２図：右側に示す）と、その1/2幅のもの（第
２図：左側に示す）とがあるが、1/2幅のものは
コーピング型材１と１を支柱１上で突合わせ連結
するのに用いられるものである。

符号４で指示するものは、ロツク部材であつ
て、図示例では胴周囲にスクリユウ溝を形成した
ボルトとして構成されてある。

符号５でするものは、支柱１，１……間に配設
されるバラスター（baluster）６，６……の上端
を支持するアツパービームであつて、その上縁部
には屋根形のスプリングフランジ５１の突角部５
１ａが上記嵌合溝１１，１１に嵌合可能なる如く
設けられてある。なお、このアツパービーム５の
下面には柄孔（図示せず）が設けられてあり、其
処にバラスター６，６……を嵌入んで支持できる
ようになつている。

符号７で指示されるものは、コーピング型材１
と１との突合わせ連結部位に冠着されるキヤツプ
であつて、合成樹脂材料で成形されており、当該
連結部位の化粧と雨水に浸入を防ぐものである。

本実施例に用いられる部品は概ね上記のとおり
であり、これを組み立てる場合には、次のように
する。

まず、コーピング型材１の端部からジヨイント
部材３，３……を挿入し、嵌合溝１１，１１にリ
ブ３２，３２……に嵌入させて所定位置（支柱１
に対応する位置）までスライドさせ、ジヨイント
部材３上面のボルトネジ孔３３にロツク部材（図
示例では、ボルト）４を螺入してロツク部材４の
端部をコーピング型材１の内面部に突つ張り状態
に固定せしめる。

次に、上記のように固定したジヨイント部材３
下端の掛止爪３１，３１を支柱内筒部に挿入し、
ジヨイント部材３の弾力を利して支柱上端の歯止
部２１，２１に掛合せしめる。

こうしてコーピング型材１，１……が支柱２，
２……に連結された後は、アツパービーム５をコ
ーピング型材の下面側から押し込んで同ビーム上
縁の突角部５１ａをコーピング型材の嵌合溝１
１，１１に弾力的に嵌合させ、このアツパービー
ム５にバラスター６，６……配設すればよい。

本考案を図示の実施例をもつて説明すれば概ね
以上のとおりであるが、本考案の技術的範囲は前
述の実施例に限定されるに留まるものでは決して
なく「実用新案登録請求の範囲」の記載内で種々
の変形が可能であつて、特にコーピング型材１・
支柱２・ジヨイント部材３、およびロツク部材４
の具体的な形状および構造は製品設計上の様々な
要請に応じて適宜な変更が加えられることは云う
までもなく、その変更によつて各部材の嵌合形
式・嵌合位置ないしロツク機構が変化することは
本考案の技術的範囲に当然属する。

〔本考案の効果〕

以上実施例をもつて説明したとおり、本考案を
適用してパラペツト手摺やヴエランダ手摺などの
柵状構造物を構築する場合には、コーピングの連
結に従来のようなビスやリベツトの如き止着部材
を使用しないので、デザインが非常にスツキリと
見栄えの良いものとなるうえに、構造的にも安定
した嵌合機構によつて巧みに連結する方式をとつ
ているので頑丈となり、しかも作業も種々の道具
を使用しなくとも単純な動作で能率良く遂行でき
るので簡易迅速なものとなる等、その実用的メリ
ツトは頗る大と云える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案をパラペツト手摺に適用して構
成した組立完成斜視図、第２図は本考案の一実施
例を示す分解斜視図である。 １……コーピング型材、１１……嵌合溝、２…
…支柱、２１……歯止部、３……ジヨイント部
材、３１……インサート掛止爪、３２……リブ、
３３……ボルトネジ孔、４……ロツク部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 全体形状がチヤンネル形の中空成形体であつ
   て、その内面には長手方向に沿つて嵌合溝１１，
   １１を対称的に有するコーピング型材１と；所定
   の間隔をもつて立設される筒状の支柱２と；この
   支柱２の上端内筒部に弾力的に掛合可能なインサ
   ート掛止爪３１，３１を下部に備え、かつ、それ
   自体の外側面には前記コーピング型材１の嵌合溝
   １１，１１に嵌入可能なリブ３２，３２を有する
   サドル形のジヨイント部材３と；このジヨイント
   部材３とコーピング型材１とをロツクするロツク
   部材４を含んでおり、前記ジヨイント部材３のリ
   ブ３２，３２をコーピング型材１の嵌合溝１１，
   １１に嵌入して前記ロツク部材４により所定位置
   にロツクせしめる一方、当該ジヨイント部材３の
   インサート掛止爪３１，３１を支柱２の上端内筒
   部に挿入して弾力掛合させたことを特徴とする手
   摺のコーピング取付構造。