JPH04219177A - 鋼板への塗装方法 - Google Patents

鋼板への塗装方法

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JPH04219177A
JPH04219177A JP23606490A JP23606490A JPH04219177A JP H04219177 A JPH04219177 A JP H04219177A JP 23606490 A JP23606490 A JP 23606490A JP 23606490 A JP23606490 A JP 23606490A JP H04219177 A JPH04219177 A JP H04219177A
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岩瀬 治
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田渕 一郎
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根津 嗣男
Yasuhiro Fujii
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、鋼板、特に自動車車体に耐チッピング性、防
食性、および仕上り外観のすぐれた塗膜を形成するため
の塗装方法に関する。
(従来の技術とその課題) 自動車塗料分野では塗膜の耐久性の問題、特に自動車の
走行中に車輪などで跳ね上げられた小石の衝撃による塗
膜の剥離現象、すなわちチッピングが重要視されている
。その理由は、小石等による衝撃剥離が鋼材面に及ぶ場
合には、金属面の露出に伴う発錆と腐食等にまで問題が
拡大されるからである。
特に、欧米等の寒冷地域では、自動車道路の凍結防止を
目的に敷かれる岩塩の影響で、発錆及び腐食の進行が著
しく加速されるので、塗膜の耐チッピング性の向上が強
く望まれている。
このチッピングならびにこれに基因する腐食の進行を防
止するため、従来から金属表面の化成処理ならびに電着
塗料、耐チッピングソーラー、中塗塗料および上塗塗料
について各種検討が加えられた。
例えば、結晶形の異なる燐酸鉄系皮膜及び燐酸亜鉛系皮
膜による化成処理によって、防錆機能の向上は達成する
事は出来でも塗膜の付着性を充分に改善するには至って
いない。また電着塗料、耐チッピングソーラー、中塗り
塗料についても、該塗料中に含有する顔料成分・樹脂成
分・可塑剤について種々検討されて来たが、飛石などに
よる塗膜の衝撃剥離を完璧に防止する程の耐チッピング
性を有するものは得られていない。
一方、電着塗膜と中塗り塗膜との層間にオレフィン樹脂
を主成分とする弾注塗膜形成性の水性塗料を塗装して耐
チッピング性などを向上させる試みもあるが、該水性塗
料自体の貯蔵安定性が悪く、すぐれた耐チッピング性機
能の持続性に欠け、しかも上塗り塗装後の鮮映性などが
不十分であった。
(問題を解決するための手段) そこで、本発明者らは、上述の問題点を改善するため、
通常の電着塗料、中塗塗料および上塗塗料からなる鋼板
の塗装系によって得られる仕上り外観と少なくとも同等
で、しかも貯蔵安定性、耐チッピング性および鮮映性な
どが向上し、物理的性質及び防食性に優れた塗膜を形成
する塗装方法を提供することを目的として鋭意検討を重
ねた結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、 鋼板にカチオン型電着塗料を塗装し、次いで該塗面上に
オレフィン系樹脂とウレタン系樹脂とからなる組成物を
ビヒクル主成分とする水性バリアーコートを塗装し、さ
らに中塗り塗料を塗装してから、上塗り塗料を塗装する
にあたり、該中塗り塗料が、 (A)酸価が10〜100で且つ水酸基価が20〜30
0のポリエステル樹脂、 (B)水性アミノ樹脂、 (C)(C−1): 一般式 H■OCH2CH2■nO−R−O■CH2CH2O■
nH[ただし、Rは nは2〜10の整数である。] で示されるポリエーテルポリオール、及び(C−2): シクロヘキサリンメタノールと脂肪族飽和二塩基酸とか
らなり両末端に1級水酸基を含有する数平均分子量が3
00〜800未満の線状低分子量ポリエステルジオール
、及び (C−3): 一般式 で示されるヒドロキシエチルエチレン尿素から選ばれた
1種もしくは2種以上、及び(D)アルキルエーテル化
ベンゾインを主成分とする水性中塗り塗料であることを
特徴とする塗装法が提供される。
本発明の特徴は、鋼板にカチオン型電着塗料、中塗り塗
料および上塗り塗料を順次塗装する工程において、電着
塗料を塗装後、特定の組成ならびに性状を有する水性バ
リアーコートを塗装し、さらに特定の組成ならびに性状
を有する水性中塗り塗料を塗装する事である。
本発明の水性バリアーコートは従来の中塗り塗膜に比べ
て柔軟で、ポリオレフィン系樹脂およびポリウレタン系
樹脂に基因する特有の粘弾性を有しているため、鋼板/
電着塗料/中塗り塗料/上塗り塗膜からなる自動車外板
部の耐チッピング性能が著しく改善される。しかも従来
の水系バリアーコートに比べて、貯蔵安定性がすぐれ、
長期貯蔵後でも耐チッピング性の低下は認められず、し
かも鮮映性などもすぐれている。
さらに本発明では中塗り塗料が、高いワキ抵抗性と平滑
性にすぐれているため、中塗り塗料を塗装後に特に予備
加熱しないで直接加熱硬化させる工程であっても60μ
以上の硬化塗膜に塗装でき、しかも平滑性や鮮映性など
もすぐれている。
以下に、本発明の塗装方法について具体的に説明する。
鋼板:本発明の方法によって塗装せしめる被塗物であっ
て、カチオン電着塗装することが可能な金属表面を有す
る素材であれば何ら制限を受けない。例えば、鉄、銅、
アルミニウム、スズ、亜鉛ならびにこれらの金属を含む
合金、およびこれらの金属、合金のメッキ、もしくは蒸
着製品などがあげられ、具体的にはこれらを用いてなる
乗用車、トラック、サフアリーカー、オートバイなどの
車体がある。また、該鋼板を、カチオン型電着塗料を塗
装するに先立って、あらかじめリン酸塩もしくはクロム
酸塩などで化成処理しておくことが好ましい。
カチオン型電着塗料:上記鋼板に塗装するための電着塗
料であつて、それ自体公知のものが使用できる。該カチ
オン型電着塗料は有機酸もしくは無機酸で中和される塩
基性の水分散型樹脂、例えば樹脂骨格中に多数のアミノ
基を有するエポキシ系、アクリル系、ポリブタジエン系
などの樹脂を用いた水性塗料であって(樹脂はこれらの
みに限定されない)、該樹脂に中和剤、顔料(着色顔料
、体質顔料、防錆顔料など)、親水性溶剤、水、必要な
らば硬化剤、架橋剤、添加剤などを配合して常法により
塗料化される。上記塩基性水分散型樹脂(通常、親水性
溶剤で溶かして用いる)を中和、水溶(分散)化するた
めの中和剤としては、酢酸、ヒドロキシル酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、乳酸、グリシンなどの有機酸、硫酸、塩
酸、リン酸等の無機酸が使用できる。中和剤の配合量は
、上記樹脂の塩基価(約50〜200)に対し中和当量
約0.1〜0.4の範囲が適当である。固形分濃度を約
5〜40重量%となるように脱イオン水で希釈し、pH
を5.5〜8.0の範囲内に保って常法により前記鋼板
に電着塗装するのである。電着塗装膜厚は特に制限され
ないが、硬化塗膜にもとずいて10〜40μが好ましく
、約140〜210℃に加熱して塗膜を硬化せしめるの
である。
また、上記硬化剤として、ブロックポリイソシアネート
化合物が使用できる。
さらに、脂環式骨格および/または有橋脂環式骨格にエ
ポキシ基が結合してなるエポキシ基含有官能基を1分子
あたり平均2個以上有するエポキシ樹脂も硬化剤として
用いることができ、該エポキシ基含有官能基は、脂環式
骨格および/または有橋脂環式骨格とエポキシ基とから
なり、脂環式骨格は、4〜10員、好ましくは5〜6員
の飽和炭素環式環または該環が2個以上縮合した縮合環
を含有し、 ポキシ基中の炭素原子の1つが上記脂環式骨格または有
橋脂環式骨格中の環炭素原子に直接結合している[例え
ば、下記式(イ)、(ロ)参照]か、或いは該エポキシ
基の2個の炭素原子と上記脂環式骨格または有橋脂環式
骨格中の環を構成する隣接する2個の炭素原子とが共通
している[例えば下記式(ハ)、(ニ)参照]ことが重
要である。
そのようなエポキシ基含有官能基の具体例としては、下
記式(イ)〜(ニ)で示されるものが挙げられる。
式中、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R10及
びR11はそれぞれH、CH3またはC2H5を表わし
、そしてR4、R8及びR9はそれぞれHまたはCH3
を表わす。
上記エポキシ樹脂硬化剤は本出願人による英国公開特許
第356970号公報に詳述されており、本発明にも適
用できる。
バリアーコート:本発明において用いるバリアーコート
は、オレフィン系樹脂とウレタン系樹脂とからなる組成
物をビヒクル主成分とする水性塗料である。
本発明のバリアーコートに使用するオレフィン系樹脂は
、オレフィン系単量体及び/又はジエン系単量体を必須
単量体成分とする重合体である。具体的にはプロピレン
−エチレン共重合体、塩素化ポリプロピレン、EPDM
(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)、ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルニト
リル−ブタジエン共重合体など及びこれらのものとマレ
イン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸な
どの酸基含有重合性不飽和単量体とを重合させてなる酸
基含有重合体などが挙げられる。中でも塩素化ポリプロ
ピレンと(無水)マレイン酸とを重合させてなる酸基含
有重合体は、特に塩素化ポリプロピレン(好ましくは塩
素化率20〜30重量%)成分がプロピレン系基材に対
して優れた密着性を示しそして(無水)マレイン酸成分
が上塗り塗膜に対して優れた密着性を示すとともに耐水
性等に優れているために付着劣化が少ないという利点を
もつことから、このものを使用することが望ましい。該
(無水)マレイン酸成分を使用する場合には、酸基含有
重合体を基準として通常約0.5〜10重量%、好まし
くは約1〜5重量%の範囲で使用できる。
前記オレフィン系樹脂は、数平均分子量が約3,000
〜50,000、好ましくは約10,000〜30,0
00の範囲のものを使用できる、該分子量が約3,00
0より小さいと塗膜が粘着し易くなってホコリ、ゴミ等
の異物が付着し、最終的に形成される上塗り塗膜の外観
が悪くなったり、また耐水試験後の密着性が劣化すると
いう欠点があるので好ましくない。他方、分子量が約5
0,000より大きいと平滑性に優れた塗膜が得られな
いという欠点があるので好ましくない。
前記オレフィン系樹脂と組合わせて使用するビヒクル成
分であるウレタン系樹脂は、(1)1分子中に平均2個
以上の活性水素を含有する成分及び(2)ポリイソシア
ネート成分を反応させて得られるウレタンポリマー、又
は(1)成分及び(2)成分を反応させて得られるプレ
ポリマーと鎖伸長剤成分とを反応させて得られるウレタ
ンポリマーである、またこれらのウレタン系樹脂中には
酸基を含有させてもよい。
前記(1)成分としては、1分子中に平均2個以上の活
性水素(好ましくは水酸基が挙げられる)を含有するも
のであれば制限なしに使用できる。具体的には下記した
ものを挙げることができる。
(■)ジオール:たとえばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブ
チレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,
4−ブチレングリコール、1,5−ペンタジオール、ネ
オベンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、
2,5−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール、ト
リシクロデカリンメタノール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノールなど。
(■)ポリエーテルジオール:たとえば前記(■)ジオ
ールのアルキレンオキシド付加物、アルキレンオキシド
、環状エーテル(テトラヒドロフランなど)などを開環
重合又は開環共重合(ブロックまたはランダム)させて
得られるもの、たとえばポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレン(ブ
ロックまたはランダム)グリコール、ジオキシテトラメ
チレングリコール、ジオキシヘキサメチレングリコール
、ジオキシオクタメチレングリコールなど。
(■)ポリエステルジオール:(無水)ジカルボン酸(
例えばアジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸
、マレイン酸、フマル酸、フタル酸など)とグリコール
[例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,8−オクタメチレンジオール、ネオベンチルグリコ
ール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ビスヒド
ロキシエチルベンゼン、アルキルジアルカノールアミン
、m−モシリレングリコール、1,4−ビス(2−ヒド
ロキシエトキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(2−ヒド
ロキシエトキシ)−ジフェニルプロパンなど]とを縮重
合させて得られたもの、たとえばポリエチレンアジペー
ト、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジ
ペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート、ビスヒ
ドロキシメチルシクロヘキサンとC4〜C8の直鎖ジカ
ルボン酸混合物からなるポリエステルジオール(例えば
KING Industries IncCo,.のK
−FLEX−148、同左188)、ポリラクトンジオ
ール(例えばポリカプロラクトンジオール及びそれらの
2種以上の混合物)など。
(■)ポリエーテルエステルジオール:エーテル基含有
ジオール(前記ポリエーテルジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ールなど)もしくはこれらと他のグリコールとの混合物
を前記ジカルボン酸とまたは(無水)ジカルボン酸化合
物(無水フタル酸、無水マレイン酸など)およびアルキ
レンオキシドと反応させることによって得られるもの、
たとえばポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート
など。
(■)ポリカーボネートジオール:一般式(式中、Rは
C1〜12の飽和脂肪族ジオールの残基、Xは分子の繰
り返し単位の数を示し、通常5〜50の整数である) で示される化合物など。該化合物は、両末端OH基にな
るような割合で、飽和脂肪族ジオール(1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ジエチレングリコールなどのポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、オキシエチレ
ンオキシプロピレン共重合ジオールなど)と置換カーボ
ネート(炭酸ジエチル、ジフェニルカーボネートなど)
と反応させるエステル交換法、前記飽和脂肪族ジオール
とホスゲンを反応させるか、または必要によりその後さ
らに飽和脂肪族ジオールを反応させる方法などにより得
られる。
前記(■)〜(■)に記載のジオールはそれぞれ1種も
しくは2種以上組合わせて使用できる。
また前記(■)〜(■)に記載のジオールの中でも好ま
しくは(■)〜(■)に記載のもの、更に好ましくは数
平均分子量が約5,000以下、好ましくは約1,00
0〜3,000の範囲のものがあげられる。
前記ジオール以外にも(■)1分子中に3個以上の水酸
基を含有する低分子量ポリオール(好ましくは数平均分
子量500以下)、を配合できる。
前記(■)低分子量ポリオールを用いると、たとえば該
ウレタン系樹脂分子骨格に分岐性をもたせ、ウレタン系
樹脂に3次元構造を形成せしめることによって、ポリウ
レタン粒子の水分散安定性を向上させたり、形成塗膜の
耐水性や耐化学薬品性を向上させたりするという利点が
ある。
該(■)低分子量ポリオールとしては、たとえばトリメ
チロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン
、トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペ
ンタエリスリトール等が使用できる。該(■)低分子量
ポリオールは前記ジオール成分1モルに対して約0.1
モル以下の範囲で配合できる。配合量が約0.1モルよ
り多くなると水性化物の貯蔵安定性が悪くなったり塗膜
物性が悪くなったりするおそれがあるので好ましくない
前記(1)成分と反応させる(2)ポリイソシアネート
成分としては、1分子中に平均2個以上のイソシアネー
ト基を含有する化合物が使用できる。具体的には脂肪族
ジイソシアネート化合物として、炭素数1〜12の脂肪
族ジイソシアネート、たとえばヘキサメチレンジイソシ
アネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネートなど;脂環式ジイソシ
アネート化合物として、炭素数4〜18の脂環式ジイソ
シアネート、たとえば1,4−シクロヘキサンジイソシ
アネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロン
ジイソシアネート)、4,4′−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシ
アネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4
′−ジイソシアネートなど;芳香族イソシアネートとし
て、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート
、メタキシリレンジイソシアネートなどがあげられ、さ
らにこれらのジイソシアネートの変性物(カーボジイミ
ド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変性物など);及
びこれらの二種以上の混合物が挙げられる。
ウレタン系樹脂中に酸基を導入する方法としては従来か
らのいかなる方法も採用できるが、例えばジメチロール
アルカン酸を前記(■)〜(■)に記載したグリコール
成分の一部もしくは全部と置き換えることによって予め
ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリエ
ーテルエステルジオール等にカルボキシ基を導入してお
くか、または(■)もしくは(■)のジオール成分とジ
メチロールアルカン酸とを混合して使用することにより
酸基を導入する方法が好適である。かかるジメチロール
アルカン酸としては、たとえばジメチロール酢酸、ジメ
チロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロー
ル吉草酸を挙げることができる。
ウレタン系樹脂中に酸基を導入したものは界面活性剤を
使用せずに、もしくはその配合量を少なくして水中に分
散させることが可能となるので塗膜の耐水性が良くなる
という利点がある。酸基の含有量はウレタン系樹脂の酸
価として約25〜150、好ましくは約30〜100、
更に好ましくは約50〜80の範囲が望ましい。酸価が
約25より小さいと水分散性が悪くなり、他方酸価が約
150より大きいと塗膜の耐水性が劣るおそれがあるの
で好ましくない。
ウレタン系樹脂は、通常、数平均分子量約10,000
〜100,000、好ましくは約20,000〜50,
000、更に好ましくは25,000〜35,000の
ものを用いることができる。前記(1)成分と(2)成
分との反応により、ウレタンプレポリマー(通常数平均
分子量約1,000〜3,000)を得る場合には、鎖
伸長によって、上記範囲の分子量とすればよい。ウレタ
ン系樹脂の数平均分子量が約10,000より小さいと
耐水性、柔軟性等が悪くなるおそれがあり、他方約10
0,000より大きいと塗料貯蔵中に、このものが沈降
、凝集などを生じて、塗膜にブツなどの欠陥をおこす原
因となったり、また、塗膜平滑性が低下したりするので
好ましくない。
ウレタンプレポリマーの鎖伸長方法は、公知の方法に従
えばよい。例えば、鎖伸長剤成分として、水、水溶性ポ
リアミン、グリコール類等を使用し、ウレタンプレポリ
マーと鎖伸長剤成分とを反応させればよく、必要に応じ
て、反応触媒を使用することもできる。水溶性ポリアミ
ンとしては、1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を1
分子中に2個以上有するポリアミン化合物を使用するこ
とができ、例えばエチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン
、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなど
の水溶性ポリアミン類、ピペラジンなどの水溶性脂環式
ポリアミン及びこれらの混合物などが好適に使用できる
グリコール類としては、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、
トリメチロールプロパンなどが好適に使用できる。
反応触媒としては、トリアルキルアミン例えばトリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン
、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルフミン
:N−アルキルモルホリン、例えばN−メチルモルホリ
ン、N−エチルモルホリン、N−ジアルキルフルカノー
ルアミン、例えばN−ジメチルエタノールアミン、N−
ジエチルエタノールアミン:N−アルキルビニルピロリ
ドン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
オレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂の水性化の方法は
、従来から知られているいかなる方法でもよいが、例え
ば ■ウレタン系樹脂(実質的にイソシアネート基を含有し
ないもの)とオレフィン系樹脂とを混合した後、界面活
性剤及び/又は中和剤を添加し、水中に分散化する方法
■ウレタン系樹脂原料の(1)成分及び(2)成分とオ
レフィン系樹脂とを混合した後、(1)成分及び(2)
成分を反応させ(実質的にイソシアネート基を含まない
ようにする)、その後、界面活性剤及び/又は中和剤を
添加し、水中に分散化する方法。
■オレフィン系樹脂に界面活性剤及び/又は中和剤を添
加し、水中に分散化したものと、ウレタン系樹脂(実質
的にイソシアネート基を含有しないもの)に界面活性剤
及び/又は中和剤を添加し、水中に分散化したものとを
混合する方法。
■NCO基含有ウレタンプレポリマー(通常、NCO/
OH当量比1.1〜1.9の範囲)をオレフィン系樹脂
と混合し、水中に分散化させると同時に鎖伸長反応を行
なう方法。この方法では、水以外の鎖伸長剤を同時に添
加してもよく、更に、必要に応じて、鎖伸長反応用触媒
、界面活性剤、中和剤等を添加することもできる。
■ウレタン系樹脂原料の(1)成分及び(2)成分とオ
レフィン系樹脂とを混合した後、(1)成分及び(2)
成分を反応させて、NCO基含有ウレタンプレポリマー
(NCO/OH当量比1.1〜1.9程度)とオレフィ
ン系樹脂の混合物を得た後、上記■と同様にして、水分
散化と鎖伸長反応を同時に行なう方法、 ■NCO基含有ウレタン プレポリマーを前記■と同様
にして鎖伸長反応させると同時に水中に分散化したもの
と、前記■に記載のオレフィン系樹脂の水分散化したも
のとを混合する方法等を好適に適用できる。
中和剤は、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタ
ンプレポリマー等に酸基が存在する場合に用いられ、前
記した鎖伸長反応用触媒と同様のものが使用できる。こ
れらのうちで、好ましいものは、トリアルキルアミン、
N−アルキルビニルピロリドンであり、特に好ましいも
のはトリエチルアミンである。中和量は、カルボキシル
基1当量当り、0.5〜2.0当量程度、好ましくは1
〜1.5当量程度とすればよい。
界面活性剤としては、例えば高級アルコール、アルキル
フェノール、アリールフェノール、ポリオキシプロピレ
ングリコール等のエチレンオキシド付加物のような非イ
オン系界面活性剤、アルキルフェノール、高級アルコー
ル等のエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩のようなアニオン系界面活性
剤、及びこれらの混合物が好ましい。また、界面活性剤
の配合割合は塗膜耐水性の観点から樹脂固形分100重
量部に対して約10重量部以下、好ましくは約5重量部
以下の範囲が好適である。
上記した中でも鎖伸長反応を行なって得られるものを用
いると、ポリオレフィン系樹脂の水分散化を助け、また
該樹脂粒子を安定化させることができ、しかも耐水性、
外観などの性能に優れた塗膜が得られるという利点があ
る。該鎖伸長反応を行なって得られるポリウレタンポリ
マーとしては、酸基を含有するものが望ましい。
バリアーコートのビヒクル成分であるオレフィン系樹脂
とウレタン系樹脂との配合割合は両者樹脂固形分換算で
前者約5〜40重量%、好ましくは約10〜30重量%
、後者約95〜60重量%、好ましくは約90〜70重
量%の範囲が望ましい。ポリオレフィン系樹脂が約5重
量%より少ないかもしくはウレタン系樹脂が約95重量
%より多いと、密着性などが低下し、他方オレフィン系
樹脂が約40重量%より多いかもしくはウレタン系樹脂
が約60重量%より少ないと上塗り塗膜に対する密着性
、耐水性、塗料の貯蔵安定性などが低下するので好まし
くない。
前記■〜■の方法で水性化して得られる組成物では、ウ
レタン系樹脂成分をオレフィン系樹脂の水分散化を助け
オレフィン系樹脂粒子を安定化させる成分として使用し
、このようなウレタン系樹脂とオレフィン系樹脂の水性
化物に、更に、塗膜性能を向上させる機能をもつ成分と
して、ウレタン系樹脂の水分散化物を混合することがで
きる。このような塗膜性能向上のために用いるウレタン
系樹脂の水分散化物としては、前記水性化法において記
したウレタン系樹脂の水分散物と同様のものが使用でき
る。
前記■〜■で得られるウレタン系樹脂とオレフィン系樹
脂の水性化物中に含まれるウレタン系樹脂(以下、ウレ
タン系樹脂Aという)と、この水性化物に加える塗膜性
能向上のためのウレタン系樹脂の水分散化物中のウレタ
ン系樹脂(以下、ウレタン系樹脂Bという)の好ましい
組み合わせとしては、オレフィン系樹脂と相溶性の良い
モノマー、例えば、前記(1)成分として脂肪族または
脂環族のポリオール、(2)成分として脂肪族または脂
環族ジイソシアネート化合物を用いて得られるウレタン
系樹脂をウレタン樹脂Aとして用い、物性の優れたモノ
マー、例えば前記(2)成分として芳香族ジイソシアネ
ートなどを多用したウレタン系樹脂であって、数平均分
子量が20,000以上、好ましくは30,000〜1
00,000のウレタン系樹脂をウレタン系樹脂Bとし
て用いる組み合わせがあげられる。また、これらの配合
割合は、オレフィン系樹脂/ウレタン系樹脂A/ウレタ
ン系樹脂Bの割合が、これらの樹脂固形分を基準として
、約5〜40重量%/15〜60重量%/0〜80重量
%、好ましくは約10〜30重量%/20〜50重量%
/20〜70重量%とすればよい。
該バリアーコートに使用する水性化物は貯蔵安定性、相
溶性、塗面平滑性などの観点から約0.001〜5μm
、好ましくは約0.05〜2.0μmの平均粒径をもつ
ものが望ましい。
さらに、バリアーコートには必要に応じて着色顔料、体
質顔料、塗面調整剤、ワキ防止剤、流動性調整剤、ハジ
キ防止剤、可塑剤などを添加することができる。
バリアーコートは、通常固形分約20〜50重量%、粘
度約500〜3,000センチポイズ(B型粘度計、回
転数6RPM)に調整して使用される。
電着塗膜上に塗布する手段としては、特に限定されない
が、具体的にはスプレー塗装、ハケ塗装、浸漬塗装、静
電塗装等の手段で塗装できる。また、塗装膜厚は、通常
乾燥膜厚に基づいて約5〜50μm、好ましくは10〜
20μmの範囲が好適である。そしてこの塗膜は室温〜
160℃、好ましくは約80〜120℃の範囲で乾燥す
ることができる。
中塗り塗料:上記バリアーコートの塗面に塗装する塗料
であって、下記成分からなっている。
(A)酸価が10〜100で且つ水酸基価が20〜30
0のポリエステル樹脂、 (B)水性アミノ樹脂、 (C)(C−1): 一般式 [ただし、Rは nは2〜10の整数である。] で示されるポリエーテルポリオール、及び(C−2): シクロヘキサリンメタノールと脂肪族飽和二塩基酸とか
らなり両末端に1級水酸基を含有する数平均分子量が3
00〜800未満の線状低分子量ポリエステルジオール
、及び (C−3): 一般式 で示されるヒドロキシエチルエチレン尿素から選ばれた
1種もしくは2種以上、及び(D)アルキルエーテル化
ベンゾイン を主成分とする水性中塗り塗料である。
本発明で用いる水性中塗り塗料は、上記(A)、(B)
、(C)および(D)成分を併用することが必要であり
、これらの成分のうちいずれかが欠けてなる塗料塗膜を
水揮散のための予備加熱することなく、直ちに加熱硬化
すると、例えば、(A)、(B)および(C)成分から
なる系では加熱硬化時にワキが発生しやすく、(A)、
(B)および(D)成分からなる系ではワキが発生しや
すく、しかも平滑性および鮮映性も十分でない。
本発明の水性中塗り塗料は、予備加熱せずに直ちに架橋
硬化反応のために加熱しても、ワキ限界膜厚は60μm
以上であって高いワキ抵抗性を示し、且つ塗面の平滑性
がよい。
従来の水性中塗り塗料がワキ対策のため必要とした予備
加熱は、タレ抵抗性を低下させ、そのタレ抵抗性対策の
ため必要とした塗料への構造粘性付与の技術は、中塗り
塗面の平滑性を低下させるといった悪循環は、本発明塗
料により一掃され、ワキやタレなどの発生が抑制され、
かつ平滑性のすぐれたバランスの良いものとなった、ま
た、上塗鮮映性、層間付着性等においてもすぐれている
本発明で用いる水性中塗り塗料の主成分を構成する(A
)〜(D)成分について具体的に説明する。
(A)成分:酸価が10〜100で且つ水酸基価が20
〜300のポリエステル樹脂である。
当該ポリエステル樹脂としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン
ジオール、ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパ
ンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトールなどの多価アルコールおよび必要に
応じて併用する一価アルコールまたは分子中に1個のグ
リシジル基を有するモノエポキシ化合物(たとえば、「
カージュラE」(商品名、シェル化学(株)製))をア
ルコール成分とし、無水フタル酸、イソフタル酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無
水マレイン酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバチン酸
、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多塩
基酸、および必要に応じて併用する安息香酸やt−ブチ
ル安息香酸などの一塩基酸を酸成分として、上記アルコ
ール成分と上記酸成分とを縮合してなるオイルフリーポ
リエステル樹脂、または上記アルコール成分および上記
酸成分に加えてヒマシ油、脱水ヒマシ油、桐油、サフラ
ワー油、大豆油、アマニ油、トール油、ヤシ油など、お
よびそれらの脂肪酸のうちの1種又は2種以上の混合物
である油成分を、上記酸成分およびアルコール成分に加
えて、三者を反応させて得られる油変性ポリエステル樹
脂などがあげられる。また、アクリル樹脂やビニル樹脂
をグラフト化したポリエステル樹脂も(A)成分として
使用できる。
また、(A)成分としては、ウレタン変性ポリエステル
樹脂を用いると、貯蔵安定性、耐ワキ性、鮮映性および
耐チッピング性などがすぐれているので好ましい。
該樹脂は、上記で例示したアルコール成分と酸成分とを
反応させてなるポリエステル樹脂(オイルフリーが好ま
しい)に、ポリイソシアネート化合物(ジイソシアネー
トが好ましい)を水酸基過剰にして反応させて得られる
。ポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物、キシ
リレンジイソシアネート、メタまたはパラテトラメチル
キシリレンジイソシアネートのような芳香脂肪族ポリイ
ソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート
、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのビュレッ
ト化物やイソシアヌレート化物、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシア
ネート、水素添加4、4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネートなどの脂肪族ポリイソシアネートや脂環族ポリ
イソシアネート等が挙げられる。このうち、本塗料の貯
蔵安定性向上のためにはトリレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシア
ネートが好ましい。ポリイソシアネート化合物の使用量
は、ポリエステル樹脂に対して1〜40重量%、特に4
〜30重量%が好ましい。
かかる(A)成分は、酸価が10〜100、好ましくは
15〜50、水酸基価が20〜300、好ましくは50
〜230である。酸価が10より小さくなると水性化が
不十分となり、水酸基価が20より小さくなると塗膜の
硬化性が不十分であり、また酸価が100、水酸基価が
300を越えると塗膜の耐水性、耐薬品性が低下するの
でいずれも好ましくない。
さらに(A)成分に関し、重量平均分子量は1,000
〜20,000、特に3,000〜15,000が適し
ている。
これらの(A)成分に塩基性物質を添加してカルボキシ
ル基の50%以上を中和して水性とする。ここで用いら
れる塩基性物質としては、例えばアンモニア、メチルア
ミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン
、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミンなどがあり、このうち、ジエタノールアミン、ジメ
チルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが好
適である。
(B)成分:水性アミノ樹脂である。
これは、(A)成分の架橋剤であって、たとえばジ−、
トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−メチロールメラ
ミンおよびそれらのメチルエーテル化物、尿素−ホルム
アルデヒド縮合物、尿素−メラミン共縮合物などをあげ
ることができる。
(B)成分は、水に溶解するか又は水中に層分離や沈降
することなく安定に分散する程度に親水性である。
(B)成分としては上記のうちメラミンが好ましい、該
メラミンの官能基と本塗料の性能との関連は次の通りで
ある。
(■)メチロール化メラミンの完全エーテル化物を用い
ると、ワキ抵抗性は高くなるが、架橋反応温度が高く、
140〜150℃程度で該塗膜を硬化させるのに、酸触
媒を使用しないと架橋反応が不足となる傾向がある。
(■)メチロール基(−CH2OH)とアルキルエーテ
ル基(−CH2OR)とが混在するメラミンでは、初期
硬化が速く、酸触媒は不要であるが、塗着塗膜から水や
溶剤が十分に揮散しないうちに塗膜表面で硬化が始まり
ワキ発生の原因となることがある。
(■)イミノ基(>NH)とアルキルエーテル基(−C
H2OR)とが混在するメラミンでは、酸触媒なしで1
40〜150℃程度で(A)成分と良く架橋反応する。
また、この架橋反応は比較的遅くかつ自己硬化性もメチ
ロール基ほど速くないので、有機溶剤および水などが揮
散し塗膜が溶融流動してから架橋硬化がはじまるので平
滑性良好でワキのないかつ硬化性のよい塗膜が得られる
(B)成分としては、かかる意味で、(■)イミノ基含
有水溶性アミノ樹脂が最も適している。
(C)成分: 本発明において用いる水性中塗り塗料を構成する(C)
成分としては、下記の(C−1)〜(C−3)成分から
選ばれる1種もしくは2種以上の成分が使用できる。
(C−1)成分 一般式 [ただし、Rは nは2〜10の整数である。] で示されるポリエーテルポリオールである。
ここで、上記式中nが2より小さくなると水溶化が不十
分であり、10より大きくなると塗膜の耐水性が劣化す
るので好ましくない。特に、式中nは2〜5が最も好ま
しい。
(C−2成分) シクロヘキサリンメタノールと脂肪族飽和二塩基酸とか
らなり、両末端に1級水酸基を含有する数平均分子量が
300〜800未満の線状低分子量ポリエステルジオー
ルである。
該ポリエステルジオールの構造式は、例えばで示され、
ここで、n=1または2、m=2〜4であって、二塩基
酸対シクロヘキサリンメタノールはモル比で1:1.1
.7〜2.3の比率であることが好ましい、脂肪族飽和
二塩基酸としてはコハク酸、グルタン酸、アジピン酸お
よびこれらの無水物などが挙げられる。
(C−2)成分の数平均分子量が300より小さくなる
と塗膜の硬度や耐水性が低下し、又800以上になると
塗膜の流展性が低下し、ワキ限界膜厚が小さくなるので
、いずれも好ましくない。
(C−3)成分 一般式 で示されるヒドロキシエチルエチレン尿素である。
該(C−3)成分における第1級水酸基および−CON
Hは活性であり、加熱によって(A)、(B)および(
D)成分と反応して三次元に架橋した硬化塗膜の形成に
寄与するものと思われる。
該(C−3)成分自体は既知であり、具体的には、UN
ION CARBIDE Corp.から「UCAR 
ReactiveDiluent RD 65−2」(
商品名)として販売されている。
この(C)成分を配合することによって、塗装時の不揮
発分含有率が上がり、スプレー塗装などによる霧化が良
好となり特に、塗着した塗料が流展しやすいためにワキ
限界膜厚が向上するなどの好結果が得られる。
(D)成分:アルキルエーテル化ベンゾインである。
これは、ベンゾインのアルキル(炭素数1〜4が好まし
い)エーテル化物で、具体的には、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プ
ロピルエーテル、ベンゾインiso−プロピルエーテル
、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインiso−
ブチルエーテルなどが挙げられる。
これらは単独もしくは2種以上組合せて使用することが
できる。
(D)成分の添加方法としては、(1)顔料分散時に添
加する、(2)(A)成分の水溶液に常温もしくは加温
下で添加して撹拌混合する、(3)(A)成分の合成時
に添加する等の方法があり、いずれの添加方法を用いて
もワキ改良効果に影響はないが、一般には塗料中の顔料
含有量及び(D)成分の融点等を考慮して決定される。
このうち、(2)の方法が好ましい。
(D)成分を配合することによってワキ発生が抑制され
ワキ発生膜厚を大きくするのに有効である。
該塗料は上記(A)、(B)、(C)および(D)成分
を必須としており、これらの構成比率は目的に応じて任
意に選択できるが、(A)、(B)および(C)成分の
合計重量に基いて、(A)成分が30〜85重量%、特
に50〜80重量%、(B)成分は10〜40重量%、
特に15〜30重量%および(C)成分は5〜30重量
%、特に5〜20重量%がそれぞれ適している。また、
(D)成分は、(A)、(B)および(C)成分の合計
量に対して、0.1〜10重量%、特に1〜5重量%が
好ましい。
該塗料で用いる(B)、(C)、(D)各成分は、それ
ぞれ単独でもワキ抵抗性改良効果はあるが、その程度は
ワキ限界膜厚で40μm程度(乾燥膜厚で)にすぎず、
昨今の中塗り厚膜指向(例えば45μm以上)の場合で
は不十分である。なぜなら、スプレー塗装などにおいて
約45μmの膜厚に塗装しても、若干タレやタマリなど
が生じてその部分の膜厚が60μmまたはそれ以上にな
ることがあるので、60μm以上でもワキなどが発生し
ないことが強く望まれており、該塗料により、(A)成
分に(B)、(C)および(D)成分のすべてを配合す
ることによって、ワキ限界膜厚を60μm以上にするこ
とが可能になった。なお、これらの膜厚は予備加熱せず
、塗装後、架橋硬化のために直ちに加熱した系について
である。
該塗料は、上記(A)、(B)、(C)および(D)成
分を必須成分とするが、さらにハジキ防止剤、消泡剤、
レベリング剤、たれ防止剤および硬化促進剤(酸触媒)
などの各種の変性剤、助剤を必要に応じて添加すること
ができる。また、アルコール系、エーテルアルコール系
、エステル系、ケトン系などの水と自白に混和し得る有
機溶剤を配合することもでき、その配合量は、樹脂固形
分(重量)に対し20重量%以下の範囲が適している。
また、中塗り塗膜の膜厚保持性、塗装作業性及び塗膜の
物理強度向上等のため、酸化チタン、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム、クレー等の無機顔料や、これに加えて着
彩のための各種顔料を上記(A)、(B)、(C)およ
び(D)成分の合計樹脂固形分100重量部に対して、
1〜200重量部配合することが好ましい。
該塗料は水で塗装適正粘度に調整し、スプレー塗装、静
電塗装によって塗装される。塗装膜厚は平坦部で硬化塗
膜にもとづいて30〜50μmが適している。該塗膜は
通常140℃以上の加熱によって架橋反応して硬化塗膜
を形成する。また、該塗料を用いる前記塗装系における
電着塗料(アニオン型、カチオン型)等の下塗り塗料お
よび上塗り塗料は特に制限されることなくすでに一般に
使用されているものでよい。
上塗り塗料;前記中塗り塗面に塗装する塗料であって、
被塗物に美粧性を付与するものである。具体的には、仕
上り外観(鮮映性、平滑性、光沢など)、耐候性(光沢
保持性、保色性、耐白亜化性など)、耐薬品性、耐水性
、耐湿性、硬化性などのすぐれた塗膜を形成するそれ自
体すでに公知の塗料が使用でき、例えば、アミノ・アク
リル樹脂系、アミノ・アルキド樹脂系、アミノ・ポリエ
ステル樹脂系などをビヒクル主成分とする塗料があげら
れる。これらの塗料の形態は特に制限されず、有機溶液
型、非水分散液型、水溶(分散)液型、粉体型、ハイソ
リッド型などで使用できる。
塗膜の形成は、常温乾燥、加熱乾燥、活性エネルギー線
照射などによって行なわれる。本発明において、これら
の上塗り塗料の形成塗膜は、鉛筆硬度が2B〜3H(2
0℃、すりきず法による)の範囲内にあることがのぞま
しい。
本発明において用いる上塗り塗料は、上記のビヒクル主
成分を用いた塗料にメタリック顔料および(または)着
色顔料を配合したエナメル塗料とこれらの顔料を全くも
しくは殆ど含まないクリヤー塗料に分類される。そして
、これらの塗料を用いて上塗り塗膜を形成する方法とし
て、例えば、 ■メタリック顔料、必要に応じ着色顔料を配合してなる
メタリック塗料または着色顔料を配合してなるソリッド
カラー塗料を塗装し、加熱硬化する(1コート1ベーク
方式によるメタリックまたはソリッドカラー仕上げ)。
■メタリック塗料またはソリッドカラー塗料を塗装し、
加熱硬化した後、さらにクリヤー塗料を塗装し、再度加
熱硬化する(2コート2ベーク方式によるメタリックま
たはソリッドカラー仕上げ)。
■メタリック塗料またはソリッドカラー塗料を塗装し、
続いてクリヤー塗料を塗装した後、加熱して該両塗膜を
同時に硬化する(2コート1ベーク方式によるメタリッ
クまたはソリッドカラー仕上げ)。
これらの上塗り塗料は、スプレー塗装、静電塗装などで
塗装することが好ましい。また、塗装膜厚は、乾燥塗膜
に基いて、上記■では25〜40μ、上記■、■では、
メタリック塗料ならびにソリッドカラー塗料は10〜3
0μ、クリヤー塗料は25〜50μがそれぞれ好ましい
。加熱条件はビヒクル成分によって任意に採択できるが
、80〜170℃、特に120〜150℃で10〜40
分が好ましい。
(発明の作用) 本発明の鋼板塗装系において耐チッピング性が得られる
理由は、該バリアーコート塗膜が、オレフィン系樹脂お
よびウレタン樹脂に基く粘弾性を有しているため、飛石
によって上塗り塗面に衝撃が加えられても、該バリアー
コート膜が衝撃エネルギーを吸収する結果、下層の電着
塗膜にまで破壊が及ばない事に依る。
また該バリアーコートに関し、従来の水分散タイプで得
られなかった貯蔵安定性や上塗の鮮映性が向上する理由
は、ウレタン系樹脂の水分散体がオレフィン系樹脂粒子
同志の凝集・融着を保護するとともに、ウレタン系樹脂
の水分散体が粒子径0.1μ以下と細いため、平滑な塗
膜を形成することに基く。
さらに該中塗り塗料は低分子量ポリオールやアルキルエ
ーテルベンゾイン等の作用により、焼付時の塗膜硬化課
程において、特に硬化初期において、塗膜表層の流動性
が維持されるので、塗膜表面層のみが局所的に硬化する
ことがなく、結果として、ワキを生じ難く、またユズ肌
やピンホール等の欠陥もない平滑な塗面を提供するので
、上塗り塗料表面の仕上りも向上する作用がある。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明によれば、鋼板〜電着
塗料〜バリアーコート〜中塗り塗料〜上塗り塗料から成
る鋼板塗装系において、耐チッピング性・耐発錆性・耐
腐食性に優れ、かつこれらの機能が塗料の貯蔵中に失わ
れることなく、さらに上塗り仕上り性に関し、鮮映性や
平滑性にすぐれた塗面が提供される。
次に、本発明に関する実施例および比較例について説明
する。
I  試料 (1)鋼板:ボンテライト#3030(日本パーカーラ
イジング(株)製、リン酸亜鉛系)で化成処理した亜鉛
メッキ鋼板(大きさ300×90×0.8mm) (2)カチオン型電着塗料:エレクロン#9200(関
西ペイント(株)製、エポキシポリアミド系カチオン型
電着塗料、グレー色)(3)水性バリアーコート まず、該バリアーコートの製造に必要なエマルジョン(
a−1)〜(a−3)、(b−1)および(b−2)、
ならびに樹脂溶液(A−1)、(A−2)および(B−
1)の製造例を説明し、次いで、バリアーコート(E−
1)〜(E−5)の製造について説明する。
なお、部および%はいずれも原則として重量に基づく。
ウレタンプレポリマー(A−1)の製造例数平均分子量
2,000のポリブチレンアジペート225部、数平均
分子量2,000のポリカプロラクトンジオール375
部、1,4−シクロヘキサンジメタノール26.6部、
ジメチロールプロピオン酸60.4部、及びイソホロン
ジイソシアネート313部からなる原料(NCO/OH
=1.57)を重合容器に仕込み、撹拌下に窒素ガス雰
囲気中、50℃に昇温した後、重合触媒としてジブチル
錫オキサイド0.05部を添加し、その後70℃で1時
間反応させて、NCO基含有量3.8%の末端NCO基
のウレタンプレポリマー(A−1)を得た。数平均分子
量は2,150であった。
ウレタン樹脂エマルジョン(a−1)の製造例 前記ウレタンプレポリマー(A−1)を350部、アセ
トン115部、N−メチルビニルピロリドン35部を反
応容器内に仕込み、50℃で均一に溶解させた後、撹拌
下にトリエチルアミン14.5部を加え、50℃に保ち
ながら脱イオン水550部を加え、2時間撹拌を続け水
伸長反応を完結させた。
さらに80℃以下で減圧蒸留を行い、留去物が115部
になるまでアセトンを留去し、固形分37%のウレタン
樹脂エマルジョン(a−1)950部を得た。数平均分
子量は32,000であり、平均粒子径は0.1μmで
あつた。
ウレタン樹脂(A−2)の製造例 前記ポリブチレンアジペート256部、前記ポリカプロ
ラクトンジオール427部、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール30部、ジメチロールプロピオン酸68部、
及びイソホロンジイソシアネート219部からなる原料
(NCO/OH=0.975)を重合容器内に仕込み、
撹拌下に窒素ガスを封入しながら加熱し、50℃になっ
た時点でジブチル錫オキサイド0.05部を添加し、8
0℃で4時間反応させた。その後60℃に温度を下げメ
タノール50部を添加し、未反応NCO基を不活性化し
た後、アセトン345部、N−メチル−ビニルピロリド
ン105部を加え均一に溶解するまで撹拌を続け、固形
分67%のウレタン樹脂(A−2)を得た。数平均分子
量は25,000であった。
ウレタン樹脂エマルジョン(a−2)の製造例 前記ウレタン樹脂(A−2)528.5部を反応容器に
仕込み、50℃で撹拌中にトリエチルアミン14.5部
を加え50℃に保ちながら、さらに脱イオン水620部
を徐々に加えていき、さらに1時間撹拌を続けた。次に
70℃で減圧蒸留を行うことによってアセトン及びメタ
ノールを留去し、留去物が139部となったところで減
圧蒸留を停止し、固形分35%、有機溶剤含有量14.
6PHRのウレタン樹脂エマルジョン(a−2)を得た
。平均粒子径は0.05μmであった。
ウレタン樹脂エマルジョン(a−3)の製造例 分子量2,000のポリテトラオキシメチレングリコー
ル476部、分子量435のK−FLEX188(KI
NG Industries Inc.Co.,製、シ
クロヘキサンジメタノール末端のリニア−ポリエステル
)130部、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート
26部、ジメチロールプロピオン酸63部、グルセリン
3.5部、トリレンジイソシアネート(TDI)184
部、及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)11
7部からなる原料(OH/NCO=1.33)を重合容
器に仕込み、プレポリマー(A−1)と同様にして、N
CO基含有量3.1%の末端NCO基をもつウレタンプ
レポリマーを得た。次にこのプレポリマーを使用する他
はエマルジョン(a−1)と全く同様にして固形分38
%のウレタン樹脂エマルジョン(a−3)を得た。分子
量は43,000であり、平均粒子径は0.07μmで
あった。
オレフィン樹脂系エマルジョン(B−1)の製造例 数平均分子量10,000のマレイン化塩素化ポリプロ
ピレン(塩素化率25%、無水マレイン酸含有量2.0
%)500部、n−ヘプタン150部、N−メチルビニ
ルピロリドン50部を反応容器に仕込み、70℃、窒素
ガス雰囲気下で撹拌し均一に溶解させ、オレフィン樹脂
溶液(B−1)を得た。その後系内を50℃に冷却した
後、トリエチルアミン10.6部、及びノイゲンEA−
140(ポリエチレングリコールノニフェニルエーテル
、ノニオン系界面活性剤、HLB14、第一工業薬品製
)5部を仕込み1時間撹拌した後、脱イオン水2,00
0部を徐々に仕込み、さらに1時間撹拌を続けた。次に
70℃にて減圧脱溶剤を行って、n−ヘプタン及び水の
留去を留去物が600部となるまで行い、固形分23.
6%のオレフィン樹脂系エマルジョン(b−1)を得た
。平均粒子径は0.8μmであった。
アクリル樹脂変性塩素化PPエマルジョン(b−2の製
造例 反応容器に塩素化ポリプロピレン樹脂(数平均分子量(
■n)5,800、塩素含有量26%)の固形分50%
トルエン溶液700部及びブチルセロソルブ350部を
仕込み100℃に加熱した。次にアクリル酸52部、ス
チレン130部、n−ブチルアクリレート468部、7
5%ベンゾイルパーオキサイド69部及びイソプロパノ
ール50部の混合物を前記塩素化ポリプロピレン樹脂溶
液に3時間かけて滴下を行なった後、同温度で1時間熟
成を行ない、続いて、このものにアゾビスイソバレロニ
トリル3.25部をブチルセロソルブ50部に溶解した
液を1時間かけて滴下し同温度で1時間保持し、更に温
度を110℃に昇温させ未反応モノマー、水、イソプロ
パノール、トルエンを減圧にて除去し、樹脂酸価40.
5の樹脂溶液(B−2)を得た。
次に、該(B−2)を撹拌しながら、このものにジメチ
ルエタノールアミンを樹脂溶液のカルボキシル基に対し
て1.0中和当量になる様に添加し、更に脱イオン水2
,075部を添加し、固形分28.2%、オレフィン樹
脂/アクリル樹脂固形分比=35/65のエマルジョン
(b−2)を得た。平均粒子径は、0.5μmであった
バリアーコート(E−1) 前記ウレタン樹脂エマルジョン(a−1)208部と前
記オレフィン樹脂エマルジョン(b−1)106部とを
撹拌容器内25℃でよく混合し固形分31.8%(マレ
イン塩素化オレフィン/ウレタン樹脂=25/75)、
有機溶剤含有率12.5PHRの(a−1)、(b−1
)混合エマルジョン(c−1)を得た。
エマルジョン(c−1)404部、チタン白100部、
及びカーボン顔料0.3部をよく混練して、バリアコー
ト(E−1)を得た。
バリアーコート(E−2) 前記ウレタン樹脂(A−2)120部と前記オレフィン
樹脂溶液(B−1)35部とを、反応容器に仕込み、撹
拌中系内を50℃に保ちながらトリエチルアミン3.1
部及びノイゲンEA−140 0.25部を加え1時間
撹拌を続け、さらに脱イオン水127.4部を1時間か
けて仕込んだ後、70℃で減圧脱溶剤を留去物(アセト
ン、メタノール)が29.6gとなる迄行い、不揮発分
39.0%(マレイン化塩素化ポリプロピレン/ポリウ
レタン比=25/75)、有機溶剤含有量17.4PH
Rのエマルジョン(c−2)を得た。平均粒子径は0.
28μmであった。このエマルジョン(c−2)256
部、チタン白100部、及びカーボン顔料0.3部をよ
く混練して、バリアコート(E−2)を得た。
バリアーコート(E−3) 前記ウレタン樹脂エマルジョン(a−2)214.2部
と前記オレフィン樹脂エマルジョン(b−1)105.
9部を撹拌容器内で、25℃でよく混合し固形分32.
2%(マレイン化塩素化ポリプロピレン/ウレタン樹脂
=25/75)、有機溶剤含有率16PHRの(a−2
)(b−1)混合エマルジョン(c−3)を得た。この
エマルジョン(c−3)320部、チタン白100部、
及びカーボン顔料0.3部をよく混練して、バリアコー
ト(E−3)を得た。
バリアーコート(E−4) 無水マレイン酸含有量2重量%、エチレン対ポリプロピ
レンの比が40部/60部である数平均分子量3万のマ
レイン化ポリエチレン−ポリプロピレン共重合樹脂70
部、N−メチル−ビニルピロリドン70部、及びトルエ
ン70部を反応容器中100℃で1時間撹拌して均一な
オレフィン樹脂溶液(B−3)を得た。次に反応容器内
を75℃に下げて撹拌を続け、次いで前記ウレタンプレ
ポリマー(A−1)280部及びメチルエチルケトン7
0部を仕込み、次いでトリエチルアミン14.5部で中
和した後、75℃に保ちながら脱イオン水700部を加
え2時間反応させ水伸長反応を完結させた。さらに減圧
留去によりメチルエチルケトンを留去し、固形分29.
3%(マレイン化エチレン−プロピレン共重合体/ポリ
ウレタン樹脂=20/80)、溶剤含有量39.5PH
Rのエマルジョンを得た。このエマルジョンの平均粒子
径は0.5μmであった。このエマルジョン170.6
部及び前記ウレタン樹脂エマルジョン(a−3)131
.5部を混合して、さらにチタン白100部、及びカー
ボン顔料0.3部をよく混練して、バリアコート(E−
4)を得た。
バリアーコート(E−5) エマルジョン(b−3)177.3部、エマルジョン(
a−1)135.1部、チタン白100部、及びカーボ
ン顔料0.3部をよく混練して、バリアーコート(E−
5)を得た。
塗料(E−6) ポリオレフィン樹脂エマルジョン(b−1)423.7
部、チタン白100部、及びカーボン顔料0.45をよ
く混練して、塗料(E−6)を得た。
塗料(E−7) 前記ポリオレフィン樹脂溶液(B−3)420部にトリ
エチルアミン3.0部、及びノイゲンEA−150(ポ
リエチレングリコールノニルフェニルエーテル、ノニオ
ン系界面活性剤、HLB15第一工業薬品製)3.0部
、及び脱イオン水280部、をよく混合して、ポリオレ
フィン樹脂(B−3)の水分散物を得る。その分散物の
粒径は2.5μであった。この水分散物504部とチタ
ン白100部、及びカーボン0.3部とをよく混練して
塗料(E−7)を得た。
塗料(E−8) OH価55のポリオキシテトラメチレングリコール[保
土谷化学工業(株)製のPTG−500]1,020.
0部を1mmHg、100℃で減圧脱水した後、40℃
まで下げてトリレンジイソシアネート178.6部を添
加し、85℃で3時間反応させた。ついで、このポリウ
レタンプレポリマーにトリメチロールプロパン134.
0部と無水マレイン酸98.0部とから合成した酸価2
33.8、ハーフエステル化合物49.9部を添加し、
窒素気流下で85℃、3時間反応させ、カルボキシル基
を含有するイソシアネート末端プレポリマーを得た。こ
のプレポリマーを85℃に保持し、水酸化ナトリウム8
.2部を含有する水溶液1,534部中へホモミキサー
で混合しながら注入、乳化したところ、乳白色の固形分
44.9%のポリウレタンエマルジョンが得られた。
このエマルジョン222.7部、チタン白100部、及
びカーボン顔料0.3部をよく混練塗料(E−8)を得
た。
(E−1)〜(E−8)については、脱イオン水で粘度
500〜600センチポイズ(B型粘度計、20℃)に
なるよう調節したのち塗装に供した。
なお、(E−1)〜(E−8)のうち、(E−6)〜(
E−8)は比較用のバリアコートである。
(4)中塗り塗料: I  (A)成分の製造例 ■エチレングリコール19.6部、トリメチロールプロ
パン18.5部および無水フタル酸46.7面を160
〜230℃で7時間反応させてなるポリエステル樹脂に
トリレンジイソシアネート15.7部を120℃で反応
させたのち、さらに無水トリメリット酸5.2部を加え
て180℃で1時間反応させて重量平均分子量が6,0
00、酸価が40および水酸基価が112のウレタン変
性ポリエステル樹脂を得た。これを、ジメチルエタノー
ルアミンで当量中和して、ウレタン変性ポリエステル樹
脂■とした。尚、ポリイソシアネートの使用量はポリエ
ステル樹脂に対して17重量%である。
■エチレングリコール19.3部、トリメチロールプロ
パン18.2部および無水フタル酸46.2部を160
〜230℃で7時間反応させてなるポリエステル樹脂に
キシリレンジイソシアネート16.8部を120℃で反
応させたのち、さらに無水トリメリット酸5.1部を加
えて180℃で1時間反応させて重量平均分子量が6,
200、酸価が40および水酸基価が110のウレタン
変性ポリエステル樹脂を得た。これを、ジエタノールア
ミンで当量中和して、ウレタン変性ポリエステル樹脂■
とした。尚、ポリイソシアネートの使用量はポリエステ
ル樹脂に対して18重量%である。
■エチレングリコール27.7部、グリセリン10.3
部および無水フタル酸50.0部を160〜230℃で
7時間反応させてなるポリエステル樹脂にトリレンジイ
ソシアネート9.7部を120℃で反応させたのち、さ
らに無水フタル酸8.3部を加えて160℃で3時間反
応させて重量平均分子量が4,500、酸価が50およ
び水酸基価が220のウレタン変性ポリエステル樹脂を
得た。これを、トリエタノールアミンで当量中和して、
ウレタン変性ポリエステル樹脂■とした。尚、ポリイソ
シアネートの使用量はポリエステル樹脂に対して10重
量%である。
第1表に示した組成により、水性中塗り塗料S1〜S9
を得た。
顔料としては、(A)、(B)及び(C)成分の合計固
形分100部あたり、酸化チタン白80部、硫酸バリウ
ム20部およびカーボンブラック0.3部を配合した。
これら顔料は、(A)成分の一部及び脱イオン水、消泡
剤と一緒に容器に仕込み、ガラスピースを分散メジアと
して1時間かけて、ツブゲージで測定した粒子(ツブ)
が5μm以下になるよう分散した。
(*1)(A)成分名称。
■、■および■は前記製造例で得たもの。
(*2)(B)成分名称。
(B−1):「サイメル703」(三井サイアナミド(
株)製品、イミノ基含有メラミン樹脂)(B−2):「
サイメル370」(三井サイアナミド(株)製品、一部
エーテル化メチロールメラミン樹脂、イミノ基含まず) (*3)(C)成分名称 一般式 で示されるポリエーテルポリオールにおいて、(C−■
):n=3のもの (C−■):n=4のもの (C−■):シクロヘキサンジメタノールとコハク酸、
グルタン酸、アジピン酸の二塩基酸ジエステル混合物と
を用いてなり、両末端に1級水酸基を有するポリエステ
ルジオールで、数平均分子量が435、水酸基価が23
0。
(C−■):シクロヘキサリンメタノールとアジピン酸
とを用いてなり、両末端に1級水酸基を有するポリエス
テルジオールで、数平均分子量が440、水酸基価が2
35。
(C−■):「UCAR Reactive Dilu
ent RD 65−2」(75%水溶液) (*4)(D)成分名称。
(D−1):ベンゾインエチルエーテル、(*5)有機
溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテル。これ
の配合量は、(A)成分、(B)成分および(C)成分
の合計固形分100重量部あたりである。
(5)上塗り塗料 (A):アミラックホワイト(関西ペイント(株)製、
アミノアルキド樹脂系上塗り塗料、1コート1ベーク用
白色塗料、鉛筆硬度H(20℃))(B):マジクロン
シルバー(関西ペイント(株)製、アミノアクリル樹脂
系上塗り塗料、2コート1ベーク用シルバーメタリック
塗料、鉛筆硬度H(20℃)) (C):マジクロンクリヤー(関西ペイント(株)製、
アミノアクリル樹脂系上塗り塗料、2コート1ベーク用
クリヤー塗料、鉛筆硬度H(20℃)) II  実施例 比較例  上記試料を用いて鋼板にカチオン電着塗料、バリアー
コート、中塗り塗料および上塗り塗料を第2表に示した
ごとく塗装した。
またその試験結果を第3表に掲げた。
試験方法 (*1)鮮映性: image Clarity Meter(HA−IC
H、スガ試験機(株))を用い、測定した。
(*2)平滑性: 目視で評価し、塗面の平滑性について、良好なものを○
、不良のものを×、〇と×の中間のものを△とした。な
お、この平滑性の試験のみ、中塗り塗料を硬化塗膜に基
いて60μの膜厚になるように塗装して、タレやワキの
発生も含めて観察した。
(*3)耐水性: 40℃の水に10日間浸漬した後の塗面を評価 (*4)耐衝撃性: JIS K5400−1979 6.13.3B法に準
じて、0℃の雰囲気下において行なった。重さ500g
のおもりを50cmの高さから落下して塗膜の損傷を調
べた。
(*5)耐チッピング性−I (1)試験機器:Q−G−Rグラベロメーター(Qパネ
ル会社製品) (2)吹付けられる石:直径約15〜20m/mの砕石 (3)吹付けられる石の容量:約500ml(4)吹付
けエアー圧力:約4kg/cm2(5)試験時の温度:
約20℃ 試験片を試験片保持台にとりつけ、約4kg/cm2の
吹付けエアー圧力で約500mlの砕石粒を試験片に発
射せしめた後、その塗面状態および耐塩水噴霧性を評価
した。塗面状態は目視観察し次のような基準で評価し、
耐塩水噴霧性は試験片をJISZ2371によって24
0時間、塩水噴霧試験を行ない、被衝撃部からの発錆の
有無、腐食状態を観察した。
〇(良):上塗り塗膜の一部に衝撃によるキズが極く僅
か認められる程度で、電着塗膜の剥離を全く認めず。
△(やや不良):上塗りおよび中塗り塗膜に衝撃による
キズが多く認められ、しかも電着塗膜の剥れも散見。
×(不良):上塗りおよび中塗り塗膜の大部分が剥離し
、被衝撃部およびその周辺を含めた被衝撃部の電着塗膜
が剥離。
(*6)耐チッピング性−II 該バリアーコート(E−1)〜(E−5)、および塗料
(E−6)〜(E−8)の各々を20℃で1ヵ月貯蔵し
た物を用いて、作製した塗板に、耐チッピング性−Iと
同じ試験を行い同じ基準で評価した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 鋼板にカチオン型電着塗料を塗装し、次いで該塗面上に
    オレフィン系樹脂とウレタン系樹脂とからなる組成物を
    ビヒクル主成分とする水性バリアーコートを塗装し、さ
    らに中塗り塗料を塗装してから、上塗り塗料を塗装する
    にあたり、該中塗り塗料が、 (A)酸価が10〜100で且つ水酸基価が20〜30
    0のポリエステル樹脂、 (B)水性アミノ樹脂、 (C)(C−1): 一般式 で示されるポリエーテルポリオール、及び、(C−2)
    : シクロヘキサリンメタノールと脂肪族飽和二塩基酸とか
    らなり両末端に1級水酸基を含有する数平均分子量が3
    00〜800未満の線状低分子量ポリエステルジオール
    、及び (C−3): 一般式 で示されるヒドロキシエチルエチレン尿素から選ばれた
    1種もしくは2種以上、及び(D)アルキルエーテル化
    ベンゾイン を主成分とする水性中塗り塗料であることを特徴とする
    鋼板への塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005330339A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Kansai Paint Co Ltd 水性塗料組成物及び複層塗膜形成方法
JP2006257431A (ja) * 2000-09-22 2006-09-28 Ppg Ind Ohio Inc 硬化可能なポリウレタン、それから調製されるコーティング、およびこれらを作製する方法
JP2011508005A (ja) * 2007-12-20 2011-03-10 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 優れたmvss接着性を得るためのコーティング組成物
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