JP2997522B2 - 鋼板の塗装方法 - Google Patents

鋼板の塗装方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、鋼板、特に自動車車体に耐チッピング性、
防食性および物理的性能などのすぐれた塗膜を形成する
ための塗装方法に関する。
(従来の技術とその課題) 自動車産業分野では塗膜の耐久性の問題、特に衝撃剥
離による塗膜の耐食性低下ならびに鋼材の腐食の進行の
問題が重視されつつある。道路を走行する自動車はその
外面部において車輪で跳ね上げられた小石が塗膜面に衝
突し、その衝撃により塗膜が局部的に車体上から全部剥
離する衝撃剥離現象、いわゆる“チッピング”を起すこ
とが屡々ある。この現象により、車体外面の被衝撃部の
金属面が露出し、すみやかに発錆すると共に腐食が進行
する。特に、欧米の寒冷地域等では冬季自動車道路の路
面凍結を防止するために比較的粗粒に粉砕した岩塩を多
量に混入した砂利を敷くことが多く、この種の道路を走
行する自動車では、チッピングに基く発錆及び腐食の進
行が特に早い。
このチッピングならびにこれに基因する腐食の進行を
防止するため、従来から車体の外部金属基体表面の化成
処理ならびに電着塗料、中塗塗料および上塗塗料につい
て各種の検討が加えられた。例えば、化成処理におい
て、結晶形の異なる燐酸鉄系皮膜および燐酸亜鉛系皮膜
の使用が検討されたが、かかる化成処理によっては被衝
撃部における塗膜の付着性を充分に改善することは困難
である。また、電着塗料および上塗塗料についても該塗
料に含有されている樹脂および/または顔料について種
々検討されてきたが、チッピングに耐え得る充分な付着
性改善効果を有するものは今まで見い出すに至っていな
い。
一方、電着塗膜と中塗り塗膜との層間にオレフィン樹
脂を主成分とする弾性塗膜成形性の水性塗料を塗装して
耐チッピング性などを向上させる試みもあるが、該水性
塗料自体の貯蔵安定性が悪く、すぐれた耐チッピング性
機能の持続性に欠け、しかも上塗り塗装後の鮮映性など
も不十分であった。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明者らは、上述の問題点を改善するた
め、通常の電着塗料、中塗塗料および上塗塗料からなる
鋼板の塗装系によって得られる仕上り外観と少なくとも
同等で、しかも貯蔵安定性、耐チッピング性および鮮映
性などが向上し、物理的性質及び防食性に優れた塗膜を
形成する塗装方法を提供することを目的として鋭意検討
を重ねた結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、鋼板にカチオン型電着塗料を塗
装し、次いで該塗面上にオレフィン系樹脂とウレタン系
樹脂とからなる組成物をビヒクル主成分とする水性バリ
アーコートを塗装し、さらに必要に応じて中塗り塗料を
塗装してから、上塗り塗料を塗装することを特徴とする
鋼板の塗装方法に係わる。
本発明の特徴は、鋼板にカチオン型電着塗料、中塗塗
料および上塗塗料を順次塗装する行程において、電着塗
料を塗装後、中塗装塗料を塗装するに先立って、特定の
組成ならびに性状を有するバリアーコートを電着塗面に
あらかじめ塗装するところにある。
本発明のバリアーコート塗膜は、従来の中塗り塗膜な
どに比べて柔軟で、しかもポリオレフィン系樹脂および
ポリウレタン系樹脂に基因する特有の粘弾性を有してい
る。したがって、かかる物理的性質を有せしめたバリア
ーコートを介して形成した中塗り塗膜〜上塗り塗膜系表
面に岩塩や小石などによる強い衝撃力が加えられても、
その衝撃エネルギーの殆どまたは全ては該バリアーコー
ト塗膜内に吸収されその下層の電着塗膜にまで波及せ
ず、しかも上塗りならびに中塗りの両塗膜も物理的損傷
を受けることが殆ど解消され、その結果、耐チッピング
性、防食性、物理的性能などの著しくすぐれた塗膜を形
成する。さらに、ポリオレフィン系樹脂単独を水分散し
たものは、分散粒子径が大きいため、貯蔵安定性に欠け
るが、これにポリウレタン系樹脂の乳化物を配合する事
によって、既存する水性バリアーコートに比べて、貯蔵
安定性がすぐれ、長期貯蔵後でも耐チッピング性の低下
は認められず、しかも鮮映性などもすぐれている。
なお、本発明の方法において、中塗り塗装は必要に応
じて省略することができ、バリアーコートを塗装後、該
塗面に上塗り塗料を直接塗装してもさしつかえない。
以下に、本発明の塗装方法について具体的に説明す
る。
鋼板:本発明の方法によって塗装せしめる被塗物であ
って、カチオン電着塗装することが可能な金属表面を有
する素材であれば何ら制限を受けない。例えば、鉄、
銅、アルミニウム、スズ、亜鉛ならびにこれらの金属を
含む合金、およびこれらの金属、合金のメッキ、もしく
は蒸着製品などがあげられ、具体的にはこれらを用いて
なる乗用車、トラック、サファリーカー、オートバイな
どの車体がある。また、該鋼板をカチオン型電着塗料を
塗装するに先立って、あらかじめリン酸塩もしくはクロ
ム酸塩などで化成処理しておくことが好ましい。
カチオン型電着塗料:上記鋼板に塗装するための電着
塗料であって、それ自体公知のものが使用できる。該カ
チオン型電着塗料は有機酸もしくは無機酸で中和される
塩基性の水分散型樹脂、例えば樹脂骨格中に多数のアミ
ノ基を有するエポキシ系、アクリル系、ポリブタジエン
系などの樹脂を用いた水性塗料であって(樹脂はこれら
のみに限定されない)、該樹脂に中和剤、顔料(着色顔
料、体質顔料、防錆顔料など)、親水性溶剤、水、必要
ならば硬化剤、架橋剤、添加剤などを配合して常法によ
り塗料化される。上記塩基性水分散型樹脂(通常、親水
性溶剤で溶かして用いる)を中和、水溶(分散)化する
ための中和剤としては、酢酸、ヒドロキシル酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、乳酸、グリシンなどの有機酸、硫酸、
塩酸、リン酸等の無機酸が使用できる。中和剤の配合量
は、上記樹脂の塩基価(約50〜200)に対し中和当量約
0.1〜0.4の範囲が適当である。固形分濃度を約5〜40重
量%となるように脱イオン水で希釈し、pHを5.5〜8.0の
範囲内に保って常法により前記鋼板に電着塗装するので
ある。電着塗装膜厚は特に制限されないが、硬化塗膜に
もとづいて10〜40μが好ましく、約140〜210℃に加熱し
て塗膜を硬化せしめるのである。
また、上記硬化剤として、ブロックポリイソシアネー
ト化合物が使用できる。
さらに、脂環式骨格および/または有橋脂環式骨格に
エポキシ基が結合してなるエポキシ基含有官能基を1分
子あたり平均2個以上有するエポキシ樹脂も硬化剤とし
て用いることができ、該エポキシ基含有官能基は、脂環
式骨格および/または有橋脂環式骨格とエポキシ基とか
らなり、脂環式骨格は、4〜10員、好ましくは5〜6員
の飽和炭素環式環または該環が2個以上縮合した縮合環
を含有し、一方エポキシ基 は、該エポキシ基中の炭素原子の1つが上記脂環式骨格
または有橋脂環式骨格中の環炭素原子に直接結合してい
る[例えば、下記式(イ)、(ロ)参照]か、或いは該
エポキシ基の2個の炭素原子と上記脂環式骨格または有
橋脂環式骨格中の環を構成する隣接する2個の炭素原子
とが共通している[例えば下記式(ハ)、(ニ)参照]
ことが重要である。
そのようなエポキシ基含有官能基の具体例としては、
下記式(イ)〜(ニ)で示されるものが挙げられる。
式中、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R10及びR11はそれぞ
れH、CH3またはC2H5を表わし、そしてR4、R8及びR9
それぞれHまたはCH3を表わす。
上記エポキシ樹脂硬化剤は本出願人による英国公開特
許第356970号公報に詳述されており、本発明にも適用で
きる。
バリアーコート:本発明において用いるバリアーコー
トは、オレフィン系樹脂とウレタン系樹脂とからなる組
成物をビヒクル主成分とする水性塗料である。
本発明のバリアーコートに使用するオレフィン系樹脂
は、オレフィン系単量体及び/又はジエン系単量体を必
須単量体成分とする重合体である。具体的にはプロピレ
ン−エチレン共重合体、塩素化ポリプロピレン、EPDM
(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)、ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルニト
リル−ブタジエン共重合体など及びこれらのものとマレ
イン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸な
どの酸基含有重合性不飽和単量体とを重合させてなる酸
基含有重合体などが挙げられる。中でも塩素化ポリプロ
ピレンと(無水)マレイン酸とを重合させてなる酸基含
有重合体は、特に塩素化ポリプロピレン(好ましくは塩
素化率20〜30重量%)成分がプロピレン系基材に対して
優れた密着性を示しそして(無水)マレイン酸成分が上
塗り塗膜に対して優れた密着性を示すとともに耐水性等
に優れているために付着劣化が少ないという利点をもつ
ことから、このものを使用することが望ましい。該(無
水)マレイン酸成分を使用する場合には、酸基含有重合
体を基準として通常約0.5〜10重量%、好ましくは約1
〜5重量%の範囲で使用できる。
前記オレフィン系樹脂は、数平均分子量が約3000〜50
000、好ましくは約10000〜30000の範囲のものを使用で
きる。該分子量が約3000より小さいと塗膜が粘着し易く
なってホコリ、ゴミ等の異物が付着し、最終的に形成さ
れる上塗りの塗膜の外観が悪くなったり、また耐水試験
後の密着性が劣化するという欠点があるので好ましくな
い。他方、分子量が約50000より大きいと平滑性に優れ
た塗膜が得られないという欠点があるので好ましくな
い。
前記オレフィン系樹脂と組合わせて使用するビヒクル
成分であるウレタン系樹脂は、(1)1分子中に平均2
個以上の活性水素を含有する成分及び(2)ポリイソシ
アネート成分を反応させて得られるウレタンポリマー、
又は(1)成分及び(2)成分を反応させて得られるプ
レポリマーと鎖伸長剤成分とを反応させて得られるウレ
タンポリマーである。またこれらのウレタン系樹脂中に
は酸基を含有させてもよい。
前記(1)成分としては、1分子中に平均2個以上の
活性水素(好ましくは水酸基が挙げられる)を含有する
ものであれば制限なしに使用できる。具体的には下記し
たものを挙げることができる。
(i)ジオール:たとえばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレン
グリコール、1,5−ペンタジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキサングリコール、2,5−ヘキサンジオ
ール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタジオール、トリシクロデカンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど。
(ii)ポリエーテルジオール:たとえば前記(i)ジオ
ールのアルキレンオキシド付加物、アルキレンオキシ
ド、環状エーテル(テトラヒドロフランなど)などを開
環重合又は開環共重合(ブロックまたはランダム)させ
て得られるもの、たとえはポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレン
(ブロックまたはランダム)グリコール、ジオキシテト
ラメチレングリコール、ジオキシヘキサメチレングリコ
ール、ジオキシオクタメチレングリコールなど。
(iii)ポリエステルジオール:(無水)ジカルボン酸
(例えばアジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル
酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸など)とグリコー
ル[例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
8−オクタメチレンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ビスヒドロ
キシエチルベンゼン、アルキルジアルカノールアミン、
m−キシレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシ
エトキシ)ベンゼン4,4′−ビス(2−ヒドロキシエト
キシ)−ジフェニルプロパンなど]とを縮重合させて得
られたもの、たとえばポリエチレンアジペート、ポリブ
チレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポ
リエチレン/プロピレンアジペート、ビスヒドロキシメ
チルシクロヘキサンとC4〜C8の直鎖ジカルボン酸混合物
からなるポリエステルジオール(例えばKING Industri
es Inc Co.,のK−FLEX−148,同左188)、ポリラクト
ンジオール(例えばポリカプロラクトンジオール及びそ
れらの2種以上の混合物)など。
(iv)ポリエーテルエステルジオール:エーテル基含有
ジオール(前記ポリエーテルジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ールなど)もしくはこれらと他のグリコールとの混合物
を前記ジカルボン酸とまたは(無水)ジカルボン酸化合
物(無水フタル酸、無水マレイン酸など)およびアルキ
レンオキシドと反応させることによって得られるもの、
たとえばポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート
など。
(v)ポリカーボネートジオール:一般式 (式中、RはC1〜C12の飽和脂肪族ジオールの残基、X
は分子の繰り返し単位の数を示し、通常5〜50の整数で
ある) で示される化合物など。該化合物は、両末端OH基になる
ような割合で、飽和脂肪族ジオール(1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコールなどのポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、オキシエチレンオキシ
プロピレン共重合ジオールなど)と置換カーボネート
(炭酸ジエチル、ジフェニルカーボネートなど)と反応
させるエステル交換法、前記飽和脂肪族ジオールとホス
ゲンを反応させるか、または必要により、その後さらに
飽和脂肪族ジオールを反応させる方法などにより得られ
る。
前記(i)〜(v)に記載のジオールはそれぞれ1種
もしくは2種以上合わせて使用できる。
また前記(i)〜(v)に記載のジオールの中でも好
ましくは(i)〜(iii)に記載のもの、更に好ましく
は数平均分子量が約5000以下、好ましくは約1000〜3000
の範囲のものがあげられる。
前記ジオール以外にも(vi)1分子中に3個以上の水
酸基を含有する低分子量ポリオール(好ましくは数平均
分子量500以下)、を配合できる。
前記(vi)低分子量ポリオールを用いると、たとえば
該ウレタン系樹脂分子骨格に分岐性をもたせ、ウレタン
系樹脂に3次元構造を形成せしめることによって、ポリ
ウレタン粒子の水分散安定性を向上させたり、形成塗膜
の耐水性や耐化学薬品性を向上させたりするという利点
がある。
該(vi)低分子量ポリオールとしては、たとえばトリ
メチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリ
ン、トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、
ペンタエリスリトール等が使用できる。該(vi)低分子
量ポリオールは前記ジオール成分1モルに対して約0.1
モル以下の範囲で配合きる。配合量が約0.1モルより多
くなると水性化物の貯蔵安定性が悪くなったり塗膜物性
が悪くなったりするおそれがあるので好ましくない。
前記(1)成分と反応させる(2)ポリイソシアネー
ト成分としては、1分子中に平均2個以上のイソシアネ
ート基を含有する化合物が使用できる。具体的には脂肪
族ジイソシアネート化合物として、炭素数1〜12の脂肪
族ジイソシアネート、たとえばヘキサメチレンジイソシ
アネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネートなど;脂環式ジイソシアネ
ート化合物として、炭素数4〜18の脂環式ジイソシアネ
ート、たとえば1,4−シクロヘキサンジイソシアネー
ト、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,
5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシア
ネート)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イ
ソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4′−ジイソシア
ネートなど;芳香族イソシアネートとして、トリレンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレン
ジイソシアネートなどがあげられ、さらにこれらのジイ
ソシアネートの変性物(カーボジイミド、ウレトジオ
ン、ウレトイミン含有変性物など);及びこれらの二種
以上の混合物が挙げられる。
ウレタン系樹脂中に酸基を導入する方法としては従来
からのいかなる方法も採用できるが、例えばジメチロー
ルアルカン酸を前記(ii)〜(iv)に記載したグリコー
ル成分の一部もしくは全部と置き換えることによって予
めポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリ
エーテルエステルジオール等にカルボキシ基を導入して
おくか、または(i)もしくは(v)のジオール成分と
ジメチロールアルカン酸とを混合して使用することによ
り酸基を導入する方法が好適である。かかるジメチロー
ルアルカン酸としては、たとえばジメチロール酢酸、ジ
メチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロ
ール吉草酸を挙げることができる。
ウレタン系樹脂中に酸基を導入したものは界面活性剤
を使用せずに、もしくはその配合量を少なくして水中に
分散させることが可能となるので塗膜の耐水性が良くな
るという利点がある。酸基の含有量はウレタン系樹脂の
酸価として約25〜150、好ましくは約30〜100、更に好ま
しくは約50〜80の範囲が望ましい。酸価が約25より小さ
いと水分散性が悪くなり、他方酸価が約150より大きい
と塗膜の耐水性が劣るおそれがあるので好ましくない。
ウレタン系樹脂は、通常、数平均分子量約10000〜100
000、好ましくは約20000〜50000、更に好ましくは25000
〜35000のものを用いることができる。前記(1)成分
と(2)成分との反応により、ウレタンプレポリマー
(通常数平均分子量約1000〜3000)を得る場合には、鎖
伸長によって、上記範囲の分子量とすればよい。ウレタ
ン系樹脂の数平均分子量が約10000より小さいと耐水
性、柔軟性等が悪くなるおそれがあり、他方約100000よ
り大きいと塗料貯蔵中に、このものが沈降、凝集などを
生じて、塗膜にブツなどの欠陥をおこす原因となった
り、また、塗膜平滑性が低下したりするので好ましくな
い。
ウレタンプレポリマーの鎖伸長方法は、公知の方法に
従えばよい。例えば、鎖伸長剤成分として、水、水溶性
ポリアミン、グリコール類等を使用し、ウレタンプレポ
リマーと鎖伸長剤成分とを反応させればよく、必要に応
じて、反応触媒を使用することもできる。水溶性ポリア
ミンとしては、1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を
1分子中に2個以上有するポリアミン化合物を使用する
ことができ、例えばエチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンな
どの水溶性ポリアミン類、ピペラジンなどの水溶性脂環
式ポリアミン及びこれらの混合物などが好適に使用でき
る。
グリコール類としては、例えばエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チルングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル、トリメチロールプロパンなどが好適に使用できる。
反応触媒としては、トリアルキルアミン例えばトリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミ
ン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン;N−アルキルモルホリン、例えばN−メチルモルホリ
ン、N−エチルモルホリン;N−ジアルキルアルカノール
アミン、例えばN−ジメチルエタノールアミン、N−ジ
エチルエタノールアミン;N−アルキルビニルピロリドン
及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
オレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂の水性化の方法
は、従来から知られているいかなる方法でもよいが、例
えば ウレタン系樹脂(実質的にイソシアネート基を含有
しないもの)とオレフィン系樹脂とを混合した後、界面
活性剤及び/又は中和剤を添加し、水中に分散化する方
法。
ウレタン系樹脂原料の(1)成分及び(2)成分と
オレフィン系樹脂とを混合した後、(1)成分及び
(2)成分を反応させ(実質的にイソシアネート基を含
まないようにする)、その後、界面活性剤及び/又は中
和剤を添加し、水中に分散化する方法。
オレフィン系樹脂に界面活性剤及び/又は中和剤を
添加し、水中に分散化したものと、ウレタン系樹脂(実
質的にイソシアネート基を含有しないもの)に界面活性
剤及び/又は中和剤を添加し、水中に分散化したものと
を混合する方法。
NCO基含有ウレタンプレポリマー(通常、NCO/OH当
量比1.1〜1.9の範囲)のオレフィン系樹脂と混合し、水
中に分散化させると同時に鎖伸長反応を行なう方法。こ
の方法では、水以外の鎖伸長剤を同時に添加してもよ
く、更に、必要に応じて、鎖伸長反応用触媒、界面活性
剤、中和剤等応を添加することもできる。
ウレタン系樹脂原料の(1)成分及び(2)成分と
オレフィン系樹脂とを混合した後、(1)成分及び
(2)成分を反応させて、NCO基含有ウレタンプレポリ
マー(NCO/OH当量比1.1〜1.9程度)とオレフィン系樹脂
の混合物を得た後、上記と同様にして、水分散化と鎖
伸長反応を同時に行なう方法、 NCO基含有ウレタンプレポリマーを前記と同様に
して鎖伸長反応させると同時に水中に分散化したもの
と、前記に記載のオレフィン系樹脂の水分散化したも
のとを混合する方法 等を好適に適用できる。
中和剤は、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレ
タンプレポリマー等に酸基が存在する場合に用いられ、
前記した鎖伸長反応用触媒と同様のものが使用できる。
これらのうちで、好ましいものは、トリアルキルアミ
ン、N−アルキルビニルピロリドンであり、特に好まし
いものはトリエチルアミンである。中和量は、カルボキ
シル基1当量当り、0.5〜2.0当量程度、好ましくは1〜
1.5当量程度とすればよい。
界面活性剤としては、例えば高級アルコール、アルキ
ルフェノール、アリールフェノール、ポリオキシプロピ
レングリコール等のエチレンオキシド付加物のような非
イオン系界面活性剤、アルキルフェノール、高級アルコ
ール等のエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩のようなアニオン系界面活
性剤、及びこれらの混合物が好ましい。また、界面活性
剤の配合割合は塗膜耐水性の観点から樹脂固形分100重
量部に対して約10重量部以下、好ましくは約5重量部以
下の範囲が好適である。
上記した中でも鎖伸長反応を行なって得られるものを
用いると、ポリオレフィン系樹脂の水分散化を助け、ま
た該樹脂粒子を安定化させることができ、しかも耐水
性、外観などの性能に優れた塗膜が得られるという利点
がある。該鎖伸長反応を行なって得られるポリウレタン
ポリマーとしては、酸基を含有するものが望ましい。
バリアーコートのビヒクル成分であるオレフィン系樹
脂とウレタン系樹脂との配合割合は両者樹脂固形分換算
で前者約5〜40重量%、好ましくは約10〜30重量%、後
者約95〜60重量%、好ましくは約90〜70重量%の範囲が
望ましい。ポリオレフィン系樹脂が約5重量%より少な
いかもしくはウレタン系樹脂が約95重量%より多いと、
密着性などが低下し、他方オレフィン系樹脂が約40重量
%より多いかもしくはウレタン系樹脂が約60重量%より
少ないと上塗り塗膜に対する密着性、耐水性、塗料の貯
蔵安定性などが低下するので、好ましくない。
前記〜の方法で水性化して得られる組成物では、
ウレタン系樹脂成分をオレフィン系樹脂の水分散化を助
けオレフィン系樹脂粒子を安定化させる成分として使用
し、このようなウレタン系樹脂とオレフィン系樹脂の水
性化物に、更に、塗膜性能を向上させる機能をもつ成分
として、ウレタン系樹脂の水分散化物を混合することが
できる。このような塗膜性能向上のために用いるウレタ
ン系樹脂の水分散化物としては、前記水性化法において
記したウレタン系樹脂の水分散物と同様のものが使用で
きる。
前記〜で得られるウレタン系樹脂とオレフィン系
樹脂の水性化物中に含まれるウレタン系樹脂(以下、ウ
レタン系樹脂Aという)と、この水性化物に加える塗膜
性能向上のためのウレタン系樹脂の水分散化物中のウレ
タン系樹脂(以下、ウレタン系樹脂Bという)の好まし
い組み合わせとしては、オレフィン系樹脂と相溶性の良
いモノマー例えば、前記(1)成分として脂肪族または
脂環族のポリオール、(2)成分として脂肪族または脂
環族ジソシアネート化合物を用いて得られるウレタン系
樹脂をウレタン樹脂Aとして用い、物性の優れたモノマ
ー、例えば前記(2)成分として芳香族ジイソシアネー
トなどを多用したウレタン系樹脂であって、数平均分子
量が20000以上、好ましくは30000〜100000のウレタン系
樹脂をウレタン系樹脂Bとして用いる組み合わせがあげ
られる。また、これらの配合割合は、オレフィン系樹脂
/ウレタン系樹脂A/ウレタン系樹脂Bの割合が、これら
の樹脂固形分を基準として、約5〜40重量%/15〜60重
量%/0〜80重量%、好ましくは約10〜30重量%/20〜50
重量%/20〜70重量%とすればよい。
該バリアーコートに使用する水性化物は貯蔵安定性、
相溶性、塗面平滑性などの観点から約0.001〜5μm、
好ましくは約0.05〜2.0μmの平均粒径をもつものが望
ましい。
さらに、バリアーコートは必要に応じて着色顔料、体
質顔料、塗面調整剤、ワキ防止剤、流動性調整剤、ハジ
キ防止剤、可塑剤などを添加することができる。
バリアーコートは、通常固形分約20〜50重量%、粘度
約500〜3000センチボイズ(B型粘度計、回転数6RPM)
に調整して使用される。
電着塗膜上に塗布する手段としては、特に限定されな
いが、具体的にはスプレー塗装、ハケ塗装、浸漬塗装、
静電塗装等の手段で塗装できる。また、塗装膜厚は、通
常乾燥膜厚に基づいて約5〜50μm、好ましくは10〜20
μmの範囲が好適である。そしてこの塗膜は室温〜160
℃、好ましくは約80〜120℃の範囲で乾燥することがで
きる。
中塗り塗料:上記バリアーコート表面に塗装する塗料
であって、付着性、平滑性、鮮映性、耐オーバーベイク
性、耐候性などのすぐれたそれ自体公知の中塗り塗料が
使用できる。具体的には、油長30%以下の短油、超短油
アルキド樹脂もしくはオイルフリーポリエステル樹脂と
アミノ樹脂とをビヒクル主成分とする有機溶液形熱硬化
性中塗り塗料があげられる。これらのアルキド樹脂およ
びポリエステル樹脂は、水酸基価60〜140、酸化5〜2
0、しかも変性油として不飽和油(もしくは不飽和脂肪
酸)を用いたものが好ましく、アミノ樹脂は、アルキル
(炭素数1〜5)エーテル化したメラミン樹脂、尿素樹
脂ベンゾグアナミン樹脂などが適している。これらの配
合比は固形分重量にもとづいてアルキド樹脂および(ま
たは)オイルフリーポリエステル樹脂65〜85%、特に70
〜80%、アミノ樹脂35〜15%、特に30〜20%であること
が好ましい。さらに、上記アミノ樹脂をポリイソシアネ
ート化合物やブロック化ポリイソシアネート化合物に代
えることができる。また、該中塗り塗料の形態は、有機
溶液型が最も好ましいが、上記ビヒクル成分を用いた非
水分散液、ハイソリッド型、水溶液型、水分散液型など
であってもさしつかえない。本発明では、中塗り塗膜の
硬度(鉛筆硬度)は3B〜2H(20℃すりきず法による)の
範囲にあることが好ましい。さらに、該中塗り塗料に
は、体質顔料、着色顔料、その他塗料用添加剤などを必
要に応じて配合することができる。
本発明において、上記バリアーコート塗膜面への中塗
り塗料の塗装は前記バリアーコートと同様な方法で行な
え、塗装膜厚は硬化塗膜にもとづいて10〜50μの範囲が
好ましく、塗膜の硬化温度はビヒクル成分によって異な
り、加熱硬化せしめる場合は80〜170℃、特に120〜150
℃の温度で加熱することが好ましい。
本発明の方法では中塗り塗料は必須ではないが、塗膜
性能をさらに向上させるために用いることが好ましい。
上塗り塗料:前記中塗り塗面に塗装する塗料であっ
て、被塗物に美粧性を付与するものである。具体的に
は、仕上り外観(鮮映性、平滑性、光沢など)、耐候性
(光沢保持性、保色性、耐白亜化性など)、耐薬品性、
耐水性、耐湿性、硬化性などのすぐれた塗膜を形成する
それ自体ですでに公知の塗料が使用でき、例えば、アミ
ノ・アクリル樹脂、アミノ・アルキド樹脂系、アミノ・
ポリエステル樹脂系などをヒビクル主成分とする塗料が
あげられる。これらの塗料の形態は特に制限されず、有
機溶液型、非水分散液型、水溶(分散)液型、粉体型、
ハイソリッド型などで使用できる。塗膜の形成は、常温
乾燥、加熱乾燥、活性エネルギー線照射によって行なわ
れる。本発明において、これらの上塗り塗料の形成塗膜
は、鉛筆硬度が2B〜3H(20℃、すりきず法による)の範
囲内にあることがのぞましい。
上塗り塗料は、バリアーコート塗面に直接塗装するこ
とも可能である(中塗り省略)。
本発明において用いる上塗り塗料は、上記のビヒクル
主成分を用いた塗料にメタリック顔料および(または)
着色顔料を配合したエナメル塗料とこれらの顔料を全く
もしくは殆ど含まないクリヤー塗料に分類される。そし
て、これらの塗料を用いて上塗り塗膜を形成する方法と
して、例えば、 メタリック顔料、必要に応じ着色顔料を配合してな
るメタリック塗料または着色顔料を配合してなるソリッ
ドカラー塗料を塗装し、加熱硬化する(1コート1ベー
ク方式によるメタリックまたはソリッドカラー仕上
げ)。
メタリック塗料またはソリッドカラー塗料を塗装
し、加熱硬化した後、さらにクリヤー塗料を塗装し、再
度加熱硬化する(2コート2ベーク方式によるメタリッ
クまたはソリッドカラー仕上げ)。
メタリック塗料またはソリッドカラー塗料を塗装
し、続いてクリヤー塗料を塗装した後、加熱して該両塗
膜を同時に硬化する(2コート1ベーク方式によるメタ
リックまたはソリッドカラー仕上げ)。
これらの上塗り塗料は、スプレー塗装、静電塗装など
で塗装することが好ましい。また、塗装膜厚は、乾燥塗
膜に基いて、上記では25〜40μ、上記、では、メ
タリック塗料ならびにソリッドカラー塗料は10〜30μ、
クリヤー塗料は25〜50μがそれぞれ好ましい。加熱条件
はビヒクル成分によって任意に採択できるが、80〜170
℃、特に120〜150℃で10〜40分が好ましい。
(発明の作用) 本発明により、鋼板塗装系において耐チッピング性の
得られる理由は、該バリアーコート塗膜が、オレフィン
系樹脂とウレタン系樹脂に基く粘弾性を有するため、上
塗り塗面に小石などによる強い衝撃力が加えられても、
その衝撃エネルギーの大部分が、該バリアーコート塗膜
内に吸収され下層にまで到達しない事に依る。
また該バリアーコートに関し、従来の水分散タイプで
得られなかった貯蔵安定性や、上塗り仕上り性が向上す
る理由は、ウレタン系樹脂の水分散体が0.1μ以下の粒
子径であり、粒子表面の電荷の反撥によってオレフィン
系粒子同志の凝集を保護する機能を有する結果と考えら
れる。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明によれば、オレフィ
ン系樹脂及びウレタン系樹脂の水性化物を主成分とする
バリアーコート塗膜を、電着塗膜と中塗り塗膜の層間に
形成せしめる事によって鋼板塗装系の耐チッピング性・
耐発錆性、耐腐食性・仕上り性を著しく向上させる。ま
た従来の水系バリアーコートの貯蔵性を飛躍的に向上さ
せるという効果が得られる。
次に、本発明に関する実施例および比較例について説
明する。
I 試料 (1)鋼板:ボンデライト#3030(日本パーカーライ
ジング(株)製、リン酸亜鉛系)で化成処理した亜鉛メ
ッキ鋼板(大きさ300×90×0.8mm) (2)カチオン型電着塗料:エレクロン#9200(関西
ペイント(株)製、エポキシポリアミド系カチオン型電
着塗料、グレー色) (3)水性バリアーコート まず、該バリアーコートの製造に必要なエマルジョン
(a−1)〜(a−3)、(b−1)および(b−
2)、ならびに樹脂溶液(A−1)、(A−2)および
(B−1)の製造例を説明し、次いで、バリアーコート
(E−1)〜(E−5)の製造について説明する。
なお、部および%はいずれも原則として重量に基づ
く。
ウレタンプレポリマー(A−1)の製造例 数平均分子量2000のポリブチレンアジペート225数平
均分子量2000のポリカプロラクトンジオール375部、1,4
−シクロヘキサンジメタノール26.6部、ジメチロールプ
ロピオン酸60.4部、及びイソホロンジイソシアネート31
3部からなる原料(NCO/OH=1.57)を重量容器に仕込
み、撹拌下に窒素ガス雰囲気中、50℃に昇温した後、重
合触媒としてジブチル錫オキサイド0.05部を添加し、そ
の後70℃で1時間反応させて、NCO基含有量3.8%の末端
NCO基のウレタンプレポリマー(A−1)を得た。数平
均分子量は2150であった。
ウレタン樹脂エマルジョン(a−1)の製造例 前記ウレタンプレポリマー(A−1)を350部、アセ
トン115部、N−メチルビニルピロリドン35部を反応容
器内に仕込み、50℃で均一に溶解させた後、撹拌下にト
リエチルアミン14.5部を加え、50℃に保ちながら脱イオ
ン水550部を加え、2時間撹拌を続け水伸長反応を完結
させた。
さらに80℃以下で減圧蒸留を行い、留去物が115部に
なるまでアセトンを留去し、固形分37%のウレタン樹脂
エマルジョン(a−1)950部を得た。数平均分子量は3
2000であり、平均粒子径は0.1μmであった。
ウレタン樹脂(A−2)の製造例 前記ポリブチレンアジペート256部、前記ポリカプロ
ラクトンジオール427部、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール30部、ジメチロールプロピオン酸68部、及びイソホ
ロンジイソシアネート219部からなる原料(NCO/OH=0.9
75)を重合容器内に仕込み、撹拌下に窒素ガスを封入し
ながら加熱し、50℃になった時点でジブチル錫オキサイ
ド0.05部を添加し、80℃で4時間反応させた。その後60
℃に温度を下げメタノール50部を添加し、未反応NCO基
を不活性化した後、アセトン345部、N−メチル−ビニ
ルピロリドン105部を加え均一に溶解するまで撹拌を続
け、固形分67%のウレタン樹脂(A−2)を得た。数平
均分子量は25000であった。
ウレタン樹脂エマルジョン(a−2)の製造例 前記ウレタン樹脂(A−2)528.5部を反応容器に仕
込み、50℃で撹拌中にトリエチルアミン14.5部を加え、
50℃に保ちながら、さらに脱イオン水620部を徐々に加
えていき、さらに1時間撹拌を続けた。次に70℃で減圧
蒸留を行うことによってアセトン及びメタノールを留去
し、留去物が139部となったところで減圧蒸留を停止
し、固形分35%、有機溶剤含有量14.6PHRのウレタン樹
脂エマルジョン(a−2)を得た。平均粒子径は0.05μ
mであった。
ウレタン樹脂エマルジョン(a−3)の製造例 分子量2000のポリテトラオキシメチレングリコール47
6部、分子量435のK−FLEX188(KING Industries Inc.
Co.,製、シクロヘキサンジメタノール末端のリニア−ポ
リエステル)130部、1,4−シクロヘキサンジイソシアネ
ート26部、ジメチロールプロピオン酸63部、グリセリン
3.5部、トリレンジイソシアネート(TDI)184部、及び
イソホロンジイソシアネート(IPDI)117部からなる原
料(OH/NCO=1.33)を重合容器に仕込み、プレポリマー
(A−1)と同様にして、NCO基含有量3.1%の末端NCO
基をもつウレタンプレポリマーを得た。次にこのプレポ
リマーを使用する他はエマルジョン(a−1)と全く同
様にして固形分38%のウレタン樹脂エマルジョン(a−
3)を得た。分子量は43000であり、平均粒子径は0.07
μmであった。
オレフィン樹脂系エマルジョン(b−1)の製造例 数平均分子量10000のマレイン化塩素化ポリプロピレ
ン(塩素化率25%、無水マレイン酸含有量2.0%)500
部、n−ヘプタン150部、N−メチルビニルピロリドン5
0部を反応容器に仕込み、70℃、窒素ガス雰囲気下で攪
拌し均一に溶解させ、オレフィン樹脂溶液(B−1)を
得た。その後系内を50℃に冷却した後、トリエチルアミ
ン10.6部、及びノイゲンEA−140(ポリエチレングリコ
ールノニフェニルエーテル、ノニオン系界面活性剤、HL
B14、第一工業薬品製)5部を仕込み1時間攪拌した
後、脱イオン水2000部を徐々に仕込み、さらに1時間撹
拌を続けた。次に70℃にて減圧脱溶剤を行って、n−ヘ
プタン及び水の留去物が600部となるまで行い、固形分2
3.6%のオレンフィン樹脂系エマルジョンン(b−1)
を得た。平均粒子径は0.8μmであった。
アクリル樹脂変性塩素化PPエマルジョン(b−2)の製
造例 反応容器に塩素化ポリプロピレン樹脂(数平均分子量
(n)5800、塩素含有量26%)の固形分50%トルエン
溶液700部及びブチルセルソルブ350部を仕込み100℃に
加熱した。次にアクリル酸52部、スチレン130部、n−
ブチルアクリレート468部、75%ベンゾイルパーオキサ
イド69部多びイソプロパノール50部の混合物を前記塩素
化ポリプロピレン樹脂溶液に3時間かけて滴下を行なっ
た後、同温度で1時間熟成を行ない、続いて、このもの
にアゾビスイソバレロニトリル3.25部をブチルセロソル
ブ50部に溶解した液を1時間かけて滴下し同温度で1時
間保持し、更に温度を110℃に昇温させ未反応モノマ
ー、水、イソプロパノール、トルエンを減圧にて除去
し、樹脂酸価40.5の樹脂溶液(B−2)を得た。
次に、該(B−2)を攪拌しながら、このものにジメ
チルエタノールアミンを樹脂溶液のカルボキシル基に対
して1.0中和当量になる様に添加し、更に脱イオン水207
5部を添加し、固形分28.2%、オレフィン樹脂/アクリ
ル樹脂固形分比=35/65のエマルジョン(b−2)を得
た。平均粒子径は、0.5μmであった。
バリアーコート(E−1) 前記ウレタン樹脂エマルジョン(a−1)208部と前
記オレフィン樹脂エマルジョン(b−1)106部とを攪
拌容器内25℃でよく混合し固形分31.8%(マレイン塩素
化オレフィン/ウレタン樹脂=25/75)、有機溶剤含有
率125PHRの(a−1)、(b−1)混合エマルジョン
(c−1)を得た。
エマルジョン(c−1)404部、チタン白100部、及び
カーボン顔料0.3部をよく混練して、バリアーコート
(E−1)を得た。
バリアーコート(E−2) 前記ウレタン樹脂(A−2)120部と前記オレフィン
樹脂溶液(B−1)35部とを、反応容器に仕込み、攪拌
中系内を50℃に保ちながらトリエチルアミン3.1部及び
ノイゲンEA−140 0.25部を加え1時間撹拌を続け、さ
らに脱イオン水127.4部を1時間かけて仕込んだ後、70
℃で減圧脱溶剤を留去物(アセトン、メタノール)が2
9.6gとなる迄行い、不揮発分39.0%(マレイン化塩素化
ポリプロピレン/ポリウレタン比=25/75)、有機溶剤
含有量17.4PHRのエマルジョン(c−2)を得た。この
エマルジョン(c−2)256部、チタン白100部、及びカ
ーボン顔料0.3部をよく混練して、バリアーコート(E
−2)を得た。
バリアーコート(E−3) 前記ウレタン樹脂エマルジョン(a−2)214.2部と
前記オレフィン樹脂エマルジョン(b−1)105.9部を
撹拌容器内で、25℃でよく混合し固形分32.2%(マレイ
ン化塩素化ポリプロピレン/ウレタン樹脂=25/75)、
有機溶剤含有量16PHRの(a−2)(b−1)混合エマ
ルジョン(c−3)を得た。このエマルジョン(c−
3)320部、チタン白100部、及びカーボン顔料0.3部を
よく混練して、バリアーコート(E−3)を得た。
バリアーコート(E−4) 無水マレイン酸含有量2重量%、エチレン対ポリプロ
ピレンの比が40部/60部である数平均分子量3万のマレ
イン化ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体樹脂70
部、N−メチル−ビニルピロリドン70部、及びトルエン
70部を反応容器中100℃で1時間撹拌して均一なオレフ
ィン樹脂溶液(B−3)を得た。次に反応容器内を75℃
に下げて撹拌を続け、次いで前記ウレタンプレポリマー
(A−1)280部及びメチルエチルケトン70部を仕込
み、次いでトリエチルアミン14.5部で中和した後、75℃
に保ちながら脱イオン水700部を加え2時間反応させ水
伸長反応を完結させた。さらに減圧蒸留によりメチルエ
チルケトンを留去し、固形分29.3%(マレイン化エチレ
ン−プロピレン共重合体/ポリウレタン樹脂=20/8
0)、溶剤含有量39.5PHRのエマルジョンを得た。このエ
マルジョンの平均粒子系は0.5μmであった。このエマ
ルジョン170.6部及び前記ウレタン樹脂エマルジョン
(a−3)131.5部を混合して、さらにチタン白100部、
及びカーボン顔料0.3部をよく混練して、バリアーコー
ト(E−4)を得た。
バリアーコート(E−5) エマルジョン(b−3)177.3部、エマルジョン(a
−1)135.1部、チタン白100部、及びカーボン顔料0.3
部をよく混練して、バリアーコート(E−5)を得た。
塗料(E−6) ポリオレフィン樹脂エマルジョン(b−1)423.7
部、チタン白100部、及びカーボン顔料0.4部をよく混練
して、塗料(E−6)を得た。
塗料(E−7) 前記ポリオレフィン樹脂溶液(B−3)420部にトル
エチルアミン3.0部、及びイノゲンEA−150(ポリエチレ
ングリコール)ニルフェニルエーテル、ノニオン系界面
活性剤、HLB15第一工業薬品製)3.0部、及び脱イオン水
280部、をよく混合して、ポリオレフィン樹脂(B−
3)の水分散物を得る。その分散物の粒径は2.5μであ
った。この水分散物504部とチタン白100部、及びカーボ
ン0.3部とをよく混練して、塗料(E−7)を得た。
塗料(E−8) OH価55のポリオキシテトラメチレングリコール[保土
谷化学工業(株)製のPTG−500]1020.0部を1mmHg、100
℃で減圧脱水した後、40℃まで下げてトリレンジイソシ
アネート178.6部を添加し、85℃で3時間反応させた。
ついで、このポリウレタンプレポリマーにトリメチロー
ルプロパン134.0部と無水マレイン酸98.0部とから合成
した酸価233.8、ハーフエステル化合物49.9部を添加
し、窒素気流下で85℃、3時間反応させ、カルボキシル
基を含有するイソシアネート末端プレポリマーを得た。
このプレポリマーを85℃に保持し、水酸化ナトリウム8.
2部を含有する水溶液1534部中へホモミキサーで混合し
ながら注入、乳化したところ、乳白色の固形分44.9%の
ポリウレタンエマルジョンが得られた。
このエマルジョン222.7部、チタン白100部、及びカー
ボン顔料0.3部をよく混練して、塗料(E−8)を得
た。
(E−1)〜(E−8)については、脱イオン水で粘
度500〜600センチボイズ(B型粘度計、20℃)になるよ
う調節したのち塗装に供した。
なお、(E−1)〜(E−8)のうち、(E−6)〜
(E−8)は比較用のバリアーコートである。
(4)中塗り塗料:アミラックN−2シーラー(関西
ペイント(株)製、アミノポリエステル樹脂計中塗り塗
料) (5)上塗り塗料 (A):アミラックホワイト(関西ペイント(株)
製、アミノアルキド樹脂系上塗り塗料、1コート1ベー
ク用色白塗料、鉛筆硬度H(20℃)) (B):マジクロンシルバー(関西ペイント(株)
製、アミノアクリル樹脂系上塗り塗料、2コート1ベー
ク用シルバーメタリック塗料、鉛筆硬度H(20℃)) (C):マジクロンクリヤー(関西ペイント(株)
製、アミノアクリル樹脂系上塗り塗料、2コート1ベー
ク用クリヤー塗料、鉛筆硬度H(20℃)) II 実施例 比較例 上記試料を用いて鋼板にカチオン電着塗料、バリアー
コート、中塗り塗料および上塗り塗料を第1表に示した
ごとく塗装した。
試験方法 (*1)鮮映性: Image Clarity Meter(HA−ICH,スガ試験機(株))
を用いて測定した。
(*2)耐衝撃性: JIS K5400−1979 6.13.3B法に準じて、0℃の雰囲
気下において行なった。重さ500gのおもりを50cmの高さ
から落下して塗膜の損傷を調べた。
(*3)付着性: JIS K5400−1979 6.15に準じて塗膜にゴバン目を作
り、その表面に粘着セロハンテープを貼着し、急げきに
剥した後の塗面を評価した。
(*4)耐水性: 40℃の水に10日間浸漬した後の塗面を評価。
(*5)耐チッピング性−I (1)試験機器:Q−G−Rグラベロメーター(Qパネ
ル会社製品) (2)吹付けられる石:直径約15〜20m/mの砕石 (3)吹付けられる石の容量:約500ml (4)吹付けエアー圧力:約4kg/cm2 (5)試験時の温度:約20℃ 試験片を試験片保持台にとりつけ、約4kg/cm2の吹付
けエアー圧力で約500mlの砕石粒を試験片に発射せしめ
た後、その塗面状態および耐塩水噴霧性を評価した。塗
面状態は目視観察し次のような基準で評価し、耐塩水噴
霧性は試験片をJISZ2371によって240時間、塩水噴霧試
験を行ない、被衝撃部からの発錆の有無、腐食状態を観
察した。
◎(良):上塗りの塗膜の一部に衝撃によるキズが極く
僅か認められる程度で、電着塗膜の剥離を全く認めず。
△(やや不良):上塗りおよび中塗り塗膜に衝撃による
キズが多く認められ、しかも電着塗膜の剥れも散見。
×(不良):上塗りおよび中塗り塗膜の大部分が剥離
し、被衝撃部およびその周辺を含めた被衝撃部の電着塗
膜が剥離。
(*6)耐チッピング性−II 該バリアーコート(E−1)〜(E−5)、および塗
料(E−6)〜(E−8)の各々を20℃で1カ月貯蔵し
たものを用いて、作製した塗板に、耐チッピング性−I
と同じ試験を行い、同じ基準で評価した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C25D 13/00 308 C25D 13/00 308C (56)参考文献 特開 昭62−65773(JP,A) 特開 昭62−129184(JP,A) 特開 昭59−62372(JP,A) 特開 昭62−262777(JP,A) 特開 昭62−65967(JP,A) 特開 昭61−242668(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 7/14 B05D 7/24 302 B05D 1/36 B05D 3/10 B05D 5/00 C25D 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板にカチオン型電着塗料を塗装し、次い
    で該塗面上にオレフィン系樹脂とウレタン系樹脂とから
    なる組成物をビヒクル主成分とする水性バリアーコート
    を塗装し、さらに必要に応じて中塗り塗料を塗装してか
    ら、上塗り塗料を塗装することを特徴とする鋼板の塗装
    方法。
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