JPH04214896A - 細径複合金属被覆材 - Google Patents

細径複合金属被覆材

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JPH04214896A
JPH04214896A JP5380591A JP5380591A JPH04214896A JP H04214896 A JPH04214896 A JP H04214896A JP 5380591 A JP5380591 A JP 5380591A JP 5380591 A JP5380591 A JP 5380591A JP H04214896 A JPH04214896 A JP H04214896A
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俊一 吉村
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節 久保田
Motoe Yoshimura
源衛 吉村
Yukihiko Koshimizu
幸比古 輿水
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、展延性、靱軟性を有す
る細径複合金属被覆材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属芯材外周に鉄被覆層を設
ける方法として、電気めっき法が採用されている。しか
し、これまでの電気めっき技術による電着鉄めっき層は
、鉄の成分組成、物理特性などの諸条件或は電着条件に
ついての十分な検討がなされていないため、電着鉄めっ
き層は展延性、靱軟性に欠け、塑性加工が困難であり、
また強度の曲げ加工などが加わったとき、めっき層に亀
裂が生ずるといった大きな欠点があった。従って、所要
の寸法の細径複合金属材を得るには、予め芯材に所要寸
法まで圧延、線引等の塑性加工を施しておき、しかる後
にこの所要寸法とした芯材の外周に鉄を電気めっきする
方法で製造されてきた。
【0003】しかし、最近銅或は銅合金芯材の外周に鉄
めっきを施した鉄被覆複合材は、はんだ溶食性に優れる
ことから、鉄被覆複合材の用途が拡大し小型コイルやイ
ンダクタ用などの線材として、仕上外径が25μm或は
30μmといった細径の鉄被覆複合線が用いられるよう
になってきている。ところがこのような細径の鉄被覆複
合材は芯材に機械的強度の低い細径の銅或は銅合金が用
いられているため、従来の電着鉄めっき複合材の製造方
法では、鉄の電着めっき工程における機械的張力によっ
て芯材に破断を生じ実用上製造が困難であった。
【0004】そこで、上記製造上の困難さを解決するた
め、本発明者等はすでに特願昭62−175446号に
金属芯材外周に展延性のある靱軟な高純度鉄の電着めっ
き層を形成させた鉄被覆複合材及びこれの製造方法につ
いて提案し、既にこれを実用化に供し、25μmから3
0μmといった細径鉄被覆複合材を製造できるようにな
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特願昭62−1
75446号に提案した鉄被覆複合材は、最外表面層が
純度99.97%以上の高純度鉄のめっき層で形成され
るものであるので、通常の純度の鉄めっき層に比較して
異種金属の偏析などがなく耐食性に優れている。しかし
、上記の高純度鉄めっき層であっても、やはり長期間大
気雰囲気中に曝される場合には酸化により品質に悪影響
を及ぼす恐れもあり、更にまた上記の鉄被覆複合材はダ
イヤモンドダイを用いて線引加工を施した場合に、比較
的少量の線引によってダイヤモンドダイのダイ孔に摩耗
を生ぜしめ、ダイ孔に変形を生じ、ダイリダクションの
変化による断線、仕上り外径の変動或は線材外形の変形
などのトラブルを発生しがちであった。
【0006】そこで、本発明者等はダイヤモンドダイの
摩耗原因について鋭意研究を重ねた結果、ダイヤモンド
ダイ孔の摩耗の原因が鉄被覆複合材の最外表面層を形作
っている鉄めっき層とダイヤモンドダイの成分である炭
素との親和力の大きいことに起因していることを突き止
めた。即ち、鉄の炭化物生成反応の標準自由エネルギー
(△G°)は下記数式1の値を有している。
【0007】
【数1】   2Fe+C=Fe2C    △G°=4(0℃)
〜3(700℃)Kcal/mol  3 Fe+C=
Fe3C    △G°=−5(0℃)〜3(2000
℃)Kcal/mol
【0008】このように、鉄の炭
化物生成反応の△G°が高いため、ダイヤモンドダイを
用いて線引加工を行なっている際に、ダイヤモンドダイ
孔が簡単に摩耗し、線引加工中の線材断線、仕上り外径
変動、線材外形変形等のトラブルを引き起こす原因とな
るものであった。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明は、上記課題を
解決すべくなされたもので、本発明の第1は銅又は銅合
金芯材の外周に、鉄の純度が99.97%以上、含有炭
素量が20ppm〜150ppm、含有酸素量が40p
pm以下、の組成を有するビッカース硬度250以下の
電着鉄めっき層を施した鉄被覆複合材の外周に、塑性加
工性を有する金属被覆層を少なくとも1層施し、かつこ
の塑性加工可能な金属被覆層の最外層の金属被覆層を炭
素との親和力の極めて低い金属被覆層で形成し、これを
複合金属被覆母材とし、この母材に所要サイズまでの冷
間又は熱間塑性加工を施すことにより得られる細径複合
金属被覆材にある。
【0010】次に、本発明の第2は、本発明者らが電着
鉄めっき層の組成に着目し実験を重ねた結果得られたも
ので、上記第1の発明とは電着鉄めっき層の組成を異に
している。上記本第1の発明の電着鉄めっき層が純度9
9.97%以上の高純度鉄の電着鉄めっき層であるのに
対し、本第2の発明の電着鉄めっき層は鉄中に特定遷移
金属元素を添加した組成からなり、かかる組成の電着鉄
めっき層を設けた鉄被覆複合材もまた、上記本第1の発
明の複合金属被覆材と同一構成の金属被覆層を設けるこ
とにより、細径複合金属被覆材に加工し得ることを見出
した。即ち、上記第1の発明の鉄被覆複合材が電着鉄め
っき層の鉄の高純度化を図ることにより、電着鉄めっき
層の塑性加工性と耐食性を向上させたのに対し、本第2
の発明の鉄被覆複合材は電着鉄めっき層中にあえて鉄の
純度を低下させる特定の遷移金属元素を1.0wt%以
下添加せしめた点に特徴を有し、遷移金属元素を添加し
た本第2の発明の電着鉄めっき層は、上記本第1の発明
の鉄純度99.97%以上の高純度電着鉄めっき層に比
べ、若干展延性と靱軟性に劣りはするものの実用上の塑
性加工性を損なうことはなく、耐食性に関してはむしろ
優れている。かように、本発明の第2は、銅又は銅合金
芯材の外周に、1.0wt%以下の遷移金属元素を含有
し、含有炭素量が20ppm乃至150ppm、含有酸
素量が40ppm以下で残部が鉄からなる電着鉄被覆層
を施した鉄被覆複合材の外周に、加工性を有する金属被
覆層を少なくとも1層施し、かつこの塑性加工可能な金
属被覆層の最外層の金属被覆層を炭素との親和力の極め
て低い金属被覆層で形成し、これを複合金属被覆母材と
し、この母材に所要サイズまで冷間又は熱間塑性加工を
施すことにより得られる細径複合金属被覆材にある。
【0011】
【作用】銅又は銅合金芯材外周上に、展延性、靱軟性に
優れた電着鉄めっき層を被覆し、更にその外周上に少な
くとも1層からなる塑性加工可能な金属被覆層を設け、
かつその最外層の金属被覆層を炭化物生成反応の標準自
由エネルギー(△G°)の低い金属、例えば銅、金、銀
、錫、鉛などの単一金属またはこれらの合金で形成する
ことにより、この最外層の金属被覆層が線引加工工程中
においてダイヤモンドダイの成分である炭素と電着鉄め
っき層との接触を防ぐ作用を成し、ダイヤモンドダイの
寿命を著しく延ばすことができる。前述のように鉄の炭
化物生成反応の標準自由エネルギーが非常に高いのに比
べ、銅、金、銀、錫、鉛等は炭素との親和性が全くない
ので、銅、金、銀、錫、鉛などの最外層金属被覆層がい
わば線引加工時の潤滑材として作用し、ダイの摩耗を著
しく減少させ、ダイの摩耗に起因する断線トラブル、仕
上り外径の変動や線材外形変形トラブルの発生を著しく
低減させる。なお、ニッケルやコバルトは下記数式2に
示すように鉄と同様に高い炭化物生成反応の標準自由エ
ネルギー(△G°)を有するため、最外表面金属被覆層
としては不適当である。
【0012】
【数2】   3Ni+C=Ni3C    △G°=8(0℃)
〜6(1100℃)Kcal/mol  3Co+C=
Co3C    △G°=1(0℃)〜2(1100℃
)Kcal/mol
【0013】そしてまた、銅、金、
銀、錫、鉛などは展延性に優れているので、展延性、靱
軟性に優れる上記電着鉄めっき層とともに圧延、線引等
の加工を容易に行なうことができ、更にこれら金属は貴
金属であることから酸化雰囲気中における耐食性に優れ
、鉄めっき層から発生する赤さびを極めて小さく抑える
作用も有する。また、電着鉄めっき層と銅などの最外表
面金属被覆層との中間金属被覆層にニッケル被覆層を設
けることにより複合金属被覆材の耐熱性を向上させるこ
ともできる。
【0014】更にまた、本発明の細径複合金属被覆材は
最外層の金属被覆層を銅、金、銀、錫、鉛のいずれかの
単一金属又はその合金から構成するものであるので、は
んだ濡れ性に優れる。しかも、細径複合金属被覆材の芯
材の外周は、溶融はんだ中へ拡散溶出し難い鉄めっき層
で被覆されているので、この電着鉄めっき層が芯材の銅
の溶融はんだ中への溶出を防ぐバリア層として作用する
。これは、鉄が600℃〜700℃以下の温度ではんだ
と合金化することがないので、芯材の銅原子が鉄めっき
層を通過してはんだ中へ溶出することがないためである
。依って、本発明の細径複合金属被覆材をコイル線材或
は電子機器の配線材として用いたとき、はんだ付け性に
優れ、しかも芯材にはんだ細りの生じない優れた性能を
発揮する。
【0015】上記の展延性、靱軟性に優れた電着鉄めっ
き層には、炭素含有量20〜150ppm;酸素含有量
40ppm以下;で鉄の純度が99.97%以上の組成
のものと遷移金属元素を1.0wt%以下含有し残部鉄
からなる組成のものが特定される。これは、電着鉄めっ
き層中の炭素含有量が20ppm未満のもの、150p
pmを越えるもの、また酸素含有量が40ppmを越え
るもの、のいずれのものも電着鉄めっき層が脆弱となり
、塑性加工を施したときにめっき層に亀裂を生じ加工性
に劣ることによる。また、鉄の純度を99.97%以上
としたものは電着鉄めっき層中の鉄の結晶粒界に不純物
の析出がなくなるので、塑性加工時に電着鉄めっき層に
亀裂を生ずることがなく塑性加工性の向上をもたらす。 一方、鉄に1.0wt%以下の遷移金属元素を添加した
ものは電着鉄めっき層中に遷移金属元素が含有されるこ
とにより、電着鉄めっき層表面に安定で極めて薄い酸化
皮膜を形成し、電着鉄めっき層からの赤さびの発生を抑
制する作用をなし、耐食性に優れた特性を示す。しかも
、塑性加工性においても、遷移金属元素の添加量が1.
0wt%以下であれば、鉄純度99.97%以上の高純
度鉄めっき層の塑性加工性に比べ若干劣りはするものの
、機械的特性を悪化させることなく圧延、線引等の塑性
加工の可能な健全な電着鉄めっき層を得ることができる
。含有遷移金属元素が1.0wt%を越えると耐食性に
ついての有効性はあるが、圧延、線引等の塑性加工中に
めっき層の硬度の著しい上昇を招き、中間焼鈍工程を頻
繁に経る必要があり製造コストの上昇、歩留りの低下を
もたらすので好ましくない。なお、遷移金属元素を1.
0wt%以下含有する電着鉄めっき層は、後記実施例に
示す電解液の成分濃度、電流密度及びその他の電解パラ
メーターを制御することにより得られる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図1、図2、図3及び図4
に沿い説明する。
【0017】図1は電着鉄めっき層上に金属被覆層を1
層施した細径複合金属被覆丸線を示し、図2は電着鉄め
っき層上に金属被覆層を1層施し箔状に形成した細径複
合金属被覆平角線を示し、図3は電着鉄めっき層上に金
属被覆層を2層施した細径複合金属被覆丸線を示す。図
1〜図3において、1aは直径0.1mm以下の銅又は
銅合金丸線、1bは例えば0.03mm厚で0.25m
m幅の銅又は銅合金平角線、2は展延性、靱軟性のある
電着鉄めっき層で少なくとも0.1μm厚さを有する。 3は展延性に優れ、しかも炭素と結合し難い銅、銀、金
、錫、鉛から選ばれた単一金属又は合金で形成された金
属被覆層で少なくとも0.1μmの厚さを有する。3a
は展延性に優れた金属からなる金属被覆層で、例えばニ
ッケルなど耐熱性を有する金属で形成される。図4は本
発明の細径複合金属被覆材の製造工程の1実施例を示す
フローチャートで、芯材1は断面円形或は角状の銅又は
銅合金の棒材又は線条材である。芯材1は先ず電着鉄め
っき装置により所定組成の鉄めっきが所要の厚さに施さ
れ、次いでこの電着鉄めっき層の外周に第1の金属被覆
装置により展延性があり炭素と結合し難い金属被覆層を
所定厚さに施す。なお、必要に応じ第1の金属被覆装置
の前に第2の金属被覆装置を設け、展延性のある金属被
覆層を設けて金属被覆層を2層に形成してもよい。この
ようにして複合金属被覆母材が形成される。次に、この
母材は圧延装置、線引装置により圧延、線引加工が施さ
れ、所要サイズの細径複合金属被覆材が得られる。
【0018】次に本発明の実施例を示す。
【0019】(実施例1) 芯材に外径0.9mmφの銅線材を用い、前処理として
水酸化ナトリウム系のアルカリ溶液中でのカソード脱脂
( 処理条件:液温50℃、カソード電圧DC4V、処
理時間12秒)、水洗及び塩素系溶液中での酸洗いによ
る銅線材表面のスケール及び酸化物除去、水洗の連続工
程処理後、下記めっき液、めっき条件にて鉄の電着を施
した。   めっき液:FeCl2・4H2O        
300g/l            CaCl2・2
H2O        200g〜400g/l  p
H:1〜2、  浴温:60℃、  めっき液循環流量
:50〜100l/min  アノード:純鉄、  電
流密度:0.5A/dm2上記めっきで、0.9mmφ
銅線外周に鉄純度が99.97%、含有炭素量20pp
m、含有酸素量14ppm、の組成を有した30μm厚
さの鉄めっき層を形成した。 次に上記鉄めっき銅線の外周に下記条件で銅めっきを施
した。 上記めっきにより15μm厚さの銅めっき層を形成した
。得られた上記複合金属被覆母材を中間焼鈍を行なうこ
となく、ダイヤモンドダイを用いた冷間線引加工によっ
て仕上り外径0.03mmの細径複合金属被覆線を得た
。このときの仕上り鉄めっき層の厚さは1μm,仕上り
銅めっき層の厚さは0.5μmであった。この細径複合
金属被覆線は可とう性に富み、鉄めっき層、銅被覆層の
いずれにも亀裂などの外観異常は認められなかった。
【0020】(実施例2) 芯材に外径0.9mmφの銅線材を用い、前記実施例1
と同一条件で前処理を行なった後、下記めっき液、めっ
き条件にて鉄の電着を施した。 上記めっきで、0.9mmφ銅線外周に含有ニッケル量
0.8wt%、含有炭素量145ppm、含有酸素量3
0ppmで残部鉄からなる組成を有した30μm厚の鉄
めっき層を形成した。次に、上記鉄めっき銅線の外周に
下記条件で銅めっきを施した。 上記めっきにより15μm厚さの銅めっき層を形成した
。得られた上記複合金属被覆母材を中間焼鈍を行なうこ
となく、ダイヤモンドダイを用いた冷間線引加工によっ
て外径0.10mmの複合金属被覆線を得、これに中間
焼鈍を行なった後、再びダイヤモンドダイによる冷間線
引加工を施し0.03mmの細径複合金属被覆線を得た
。 このときの仕上り鉄めっき層の厚さは1μm、仕上り銅
めっき層の厚さは0.5μmであった。この細径複合金
属被覆線は可とう性に富み、鉄めっき層、銅めっき層の
いずれにも亀裂などの外観異常は認められなかった。
【0021】(比較例1) 芯材に外径0.9mmの銅線材を用い、この銅線材外周
に前記実施例1と同一条件で、同一組成の30μm厚の
電着鉄めっき層を形成し、この得られた鉄めっき母材を
中間焼鈍を行なうことなく、ダイヤモンドダイを用いた
冷間線引加工によって仕上り外径0.03mm、仕上り
鉄めっき層の厚さ1μmの細径鉄めっき線を得た。この
細径鉄めっき線は可とう性に富み、鉄めっき層に亀裂な
どの外観異常は認められなかった。
【0022】(比較例2) 芯材に外径0.9mmの銅線材を用い、この銅線材の外
周に前記実施例2と同一条件で前記実施例2と同一組成
の30μm厚の電着鉄めっき層を形成し、この得られた
鉄めっき母材を中間焼鈍を行なうことなく、ダイヤモン
ドダイを用いた冷間線引加工によって外径0.10mm
の鉄めっき線を得、これに中間焼鈍を行なった後、再び
ダイヤモンドダイによる冷間線引加工を施し仕上り外径
0.03mm、仕上り鉄めっき層の厚さ1μmの細径鉄
めっき線を得た。この細径鉄めっき線は可とう性に富み
、鉄めっき層に亀裂などの外観異常は認められなかった
【0023】上記実施例1、2と比較例1、2について
、線引加工工程におけるダイヤモンドダイによる線引量
、塑性加工性及び耐食性の比較試験を行なった。その結
果を表1に記す。
【0024】
【表1】
【0025】上記表1中、線引量の測定は0.03mm
内径の仕上げ用ダイヤモンドダイのダイ内径の偏平率(
下記数式3により算定)が1.7%に到るまでの線引量
で比較し行った。
【0026】
【数3】
【0027】また、塑性加工性は各試料について、各母
材から外径0.03mmまで線引加工する工程中におけ
る各試料線材の断線状況、中間焼鈍の要否等から比較し
た。また、耐食性は各試料を、90℃、相対湿度95%
の雰囲気中に16時間置いた後の各試料線材の外観から
判定した。
【0028】以上結果から明らかなように、本発明の細
径複合金属被覆線は線引加工性に極めて優れているとと
もに耐食性にも優れていることが判る。
【0029】次に、実施例1及び実施例2のそれぞれ外
径0.03mmの細径複合金属被覆線と外径0.03m
mの軟銅線について、耐はんだ溶食性を比較した結果を
下記表2に示す。耐はんだ溶食性試験は、はんだ組成6
0Sn−40Pb,はんだ温度380℃の溶融はんだ液
中に上記各試料を浸せきし、各試料の外径の経時変化を
測定し行った。
【0030】
【表2】
【0031】上記表2に示されるように、銅線は短時間
ではんだ中へ溶出するが、本発明の細径複合金属被覆線
ははんだ溶食が全く見られなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明の細径複合金属被覆材は、芯材外
周に特定組成の展延性、靱軟性に優れた電着鉄めっき層
を設け、更に塑性加工性に富みかつ炭素との親和性のな
い金属被覆層を最外表面層に設けた構造であるので、こ
の最外表面の金属被覆層によりダイヤモンドダイの磨耗
が著しく減じ、ダイ磨耗による当該被覆材の線引中の断
線、仕上り外径の変動、線材外形の変形が低減し、線引
加工性が飛躍的に向上するとともに金属被覆層による電
着鉄めっき層の酸化防止効果との相乗的効果により、細
径複合金属被覆材の製造工程中における全体的なロス、
不良発生の低減に大きな効果を有し、生産性向上、コス
ト低減に寄与する効果は極めて大である。
【0033】更に、このようにして得られた細径複合金
属被覆材は、これをコイルに用いたとき、強磁性体であ
る電着鉄めっき層の効果で高周波特性に優れるという利
点を有し、またチップコイルや時計コイルなどのコイル
線材或は細径配線材など、はんだ処理を必要とする極細
導体として用いたとき、電着鉄めっき層の効果により芯
材の銅原子のはんだ中への拡散溶出が防止され、極細導
体のはんだ付けで問題となるいわゆる導体のはんだ細り
が解消される。また、最外表面金属被覆層は銅、金、銀
、などはんだ付け性の良い金属で形成されるので、通常
の銅線と全く同様なはんだ付け特性が得られる効果も有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示し電着鉄めっき層上に金
属被覆層を1層施した細径複合金属被覆丸線。
【図2】本発明の他の実施例を示し電着鉄めっき層上に
金属被覆層を1層施した細径複合金属被覆平角線。
【図3】本発明の他の実施例を示し電着鉄めっき層上に
金属被覆層を2層施した細径複合金属被覆丸線。
【図4】本発明の細径複合金属被覆材の製造工程の1実
施例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1a  展延性を有する丸芯材 1b  展延性を有する平角芯材 2  展延性を有する電着鉄めっき層 3  展延性を有し炭素との親和性のない金属被覆層3
a  展延性を有する金属被覆層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  銅または銅合金芯材の外周に、鉄の純
    度が99.97%以上、含有炭素量が20ppm乃至1
    50ppm、含有炭素量が40ppm以下の組成を有す
    るビッカース硬度が250以下の電着鉄被覆層を施した
    鉄被覆複合材の外周に、塑性加工可能な金属被覆層を少
    なくとも1層設けかつ該塑性加工可能な金属被覆層の最
    外層の金属被覆層を炭素との親和力の極めて低い金属被
    覆層で形成し、複合金属被覆母材となし、該母材に冷間
    又は熱間塑性加工を施すことにより得られることを特徴
    とする細径複合金属被覆材。
  2. 【請求項2】  銅または銅合金芯材の外周に、1.0
    wt%以下の遷移金属元素を含有し、含有炭素量が20
    ppm乃至150ppm、含有酸素量が40ppm以下
    で残部が鉄からなる電着鉄被覆層を施した鉄被覆複合材
    の外周に、塑性加工可能な金属被覆層を少なくとも1層
    設けかつ該塑性加工可能な金属被覆層の最外層の金属被
    覆層を炭素との親和力の極めて低い金属被覆層で形成し
    、複合金属被覆母材となし、該母材に冷間又は熱間塑性
    加工を施すことにより得られることを特徴とする細径複
    合金属被覆材。
  3. 【請求項3】  前記遷移金属元素がクロム,コバルト
    ,ニッケルの何れかからなる請求項2記載の細径複合金
    属被覆材。
  4. 【請求項4】  前記塑性加工可能な金属被覆層の最外
    層金属被覆層が銅、金、銀、錫又は鉛のいずれかの単一
    金属またはその合金からなる請求項1、請求項2又は請
    求項3記載の細径複合金属被覆材。
  5. 【請求項5】  前記塑性加工可能な金属被覆層が二層
    からなり、内層の金属被覆層がニッケル、外層の金属被
    覆層が銅である請求項1、請求項2、請求項3又は請求
    項4記載の細径複合金属被覆材。
  6. 【請求項6】  前記細径複合金属被覆材は、前記電着
    鉄被覆層の厚さを少なくとも0.1μm有し、前記塑性
    加工可能な金属被覆層の1層当りの厚さを少なくとも0
    .1μm有するものである請求項1、請求項2、請求項
    3、請求項4又は請求項5記載の細径複合金属被覆材。
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JPS62151594A (ja) * 1985-12-26 1987-07-06 Totoku Electric Co Ltd 高周波線輪用絶縁電線の製造法

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