JPH041944B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の技術分野） 本発明は回転記録シートが内部に収納される例
えば磁気シートカセツトの如きカセツトの装着装
置に関し、詳しくは、例えば中心ハブの一部でス
ピンドル軸を弾性的に押圧して芯出しをし、か
つ、磁気的にスピンドル軸に中心ハブが固定され
る回転記録シートを収納して成るカセツトを記録
再生装置に装着するためのカセツト装着装置に関
するものである。

本発明に使用するカセツトには、回転記録シー
トの中心部の中心ハブに回転位相を検出するため
のPGピンが一体に成形されており、記録及び又
は再生装置には、該PGピンに対向する位置に検
出手段を設けてある。従つて、中心ハブの回転中
に上から押圧することはできず、中心ハブのスピ
ンドル軸へのスラスト方向の固定はスピンドル軸
と一体の磁石によつてなされる。

従つて、本発明に使用する前記カセツトを用い
る記録再生装置に用いられるカセツト装着装置は
カセツトをセツトするために中心ハブをスピンド
ル軸に押し込む手段を必要とすることになる。

また、該カセツトは、回転記録シートと一体に
構成した中心ハブがスピンドル軸で、又カセツト
筐体は本体でそれぞれ別個に位置決めされるた
め、記録再生中に接触しないように両者の間には
充分なすきまがとつてある。

従来のカセツト装着装置は、カセツト筐体を固
定することにより中心ハブを押してスピンドル軸
の途中まで押し込み、スピンドル軸と一体の磁石
で最後まで引き込み、位置決めし、固定する形式
であつた。

従つて、カセツト筐体の剛性、中心ハブとカセ
ツト筐体のすきま、スピンドル軸を押す弾性力の
大きさ、スピンドル軸の摩察係数、スピンドル軸
と一体の磁石の吸着力のバラツキ等の固定に影響
する要素が相互に関連してセツトが不確実とな
り、装置の互換性が悪くなるという問題がある。

セツトが不確実である場合、回転記録シートが
傾いたり偏心したまま回転することとなり、記録
再生信号状態に影響を与えるばかりでなく、回転
記録シート及び記録再生ヘツド等、装置にも悪影
響を与える。

そこで、従来の装置に於いては使用するカセツ
トの中心ハブのスピンドル軸を押圧する弾性力
は、偏心を押え、かつ磁石に吸着される程度の弾
性力でなければならないので、結局弱い範囲に厳
しく限定され、そのカセツト筐体は弾性変形量を
極力小さくすることから回転記録シートの単なる
保護ケースとしての機能以上に剛性を必要とし、
剛性確保の為の設計や材料から高価になる。又、
その中心ハブとカセツト筐体のすきまは磁石で引
つ張る都合上、一定の値以上にはできないので高
い寸法精度が要求される。

また、上記のカセツトを使用する従来の装置
は、スピンドル軸は摩察係数を小さく、一体の磁
石は中心ハブと磁性体を一定の距離から吸着する
為通常の記録再生時に必要な吸着力より大きな吸
着力を要するが小さいスペースに大きな吸着力を
有する磁石を設けるのは難しく、又磁石の吸着力
が大き過ぎると偏心を除去する弾性力を効果を無
くしてしまうという問題点がある。

（発明の目的） 本発明はこれらの欠点を解決し、回転記録シー
トのハブとスピンドルとの固定を確実にし、記録
再生を安定に行なえるようにすることを目的と
し、さらに、前記の固定に影響する要素の余裕度
を大きくし、設計の自由度を広くし互換性を良く
することを目的とし、さらに、記録再生の誤操作
に対してもトラブルのないようにすることを目的
とする。

（実施例） 第１図は本発明が適用される電子スチルカメラ
の外観であつて、本体１のカセツト蓋２を開け、
本発明に使用するカセツト３が半分差込まれた状
態を示す。

第２図は本発明に使用するカセツトの一例で磁
気シートカセツトである。カセツト３は、カセツ
ト筐体４と、中心ハブ５が該筐体４に回転自在か
つ余裕を持つて収納した構成になつている。磁気
シート６は中心ハブ５と一体構成されており、開
閉シヤツタ７を開けた状態で露出し、記録再生ヘ
ツド（不図示）と対面する。４ａ，４ｂはカセツ
ト筐体４に設けられる位置決め孔である。

中心ハブ５には、スピンドル軸を弾性押圧し偏
心を押える弾性部材５ａが中心ハブ５の一部を利
用して構成され、磁性体のPGピン８は磁気シー
ト６の回転位相を検出するために中心ハブと一体
構成されている。

第３図は第２図のＡ−Ａ矢視拡大断面図に回転
位相検出手段の一例を書き加えたものである。
PGピン８は図のように磁性体９と接して一体構
成され、一方回転位相検出手段１０と対面してい
る。磁性体９は、スピンドル軸と一体に設けられ
る磁石により吸着され、中心ハブ５をスピンドル
軸に固定し、かつ、PGピン８へ磁束を導く働き
がある。第３図で判るように、回転位相検出手段
１０は、PGピン８と一定の近距離において固定
されなければならず、回転中に中心ハブをスラス
ト方向に押圧するような手段は設けられない。

従つて、回転中の中心ハブ５のスラスト方向の
固定は、スピンドル軸と一体の磁石で中心ハブ５
を吸引固定するのみであり、回転前に確実に中心
ハブが押し込まれ、磁石の吸引力によつて固定さ
れていることが必要である。

カセツト筐体４と中心ハブ５とのスラスト方向
のすきま１１の距離は、従来の装置ではカセツト
筐体４で押し込まれた後に、中心ハブ５がスピン
ドル軸と一体の磁石で吸引可能の距離であり、本
発明の装置では中心ハブ５を押し込む手段によ
り、セツト後確実に押圧できる距離である。

第４図は本発明のカセツト装着装置の一実施例
である。実線で示す状態は、カセツト３を装填し
てカセツト蓋２を閉じる途中である。カセツト３
はホルダ１２に装填され、カセツト蓋２が閉じら
れると、それに伴つて軸１３を中心にして回転
し、カセツト筐体４に設けられた位置決め孔４ａ
と４ｂに位置決めピン１４と１５がそれぞれ嵌入
して位置決めされ、不図示の手段により押圧固定
される。それに伴つて、中心ハブの押圧手段も作
動する。押圧基板１６はカセツト蓋２の回転軸１
７と同軸で回転可能に支持されており、押圧ピン
１８、押圧ばね１９、およびばね２０が取付けら
れている。押圧ピンの首下部１８ａは押圧基板１
６の穴１６ａから下に伸び、中心ハブを押してい
る。押圧基板１６はばね２０によりカセツト蓋で
押されて時計方向にモーメントを与えられ、カセ
ツト蓋２の突起２ａで回転が制限されている。押
圧ばね１９で中心ハブを押す時に押圧基板１６に
半時計回りのモーメントを発生するが、ばね２０
による時計回りのモーメントの方が大きく、か
つ、押圧ばね１９の押圧力を中心ハブ５をスピン
ドル軸２１に押し込むに充分な力量であるよう設
定されている。従つて、押圧基板１６はカセツト
蓋の突起２ａと接したまま中心ハブ５をスピンド
ル軸２１に押し込むこととなる。

この後押圧基板１６は位置決めピン１４に当接
して回動を停止し、さらにカセツト蓋２が閉じら
れ、ばね２０の力量が大きくなるが、押圧ピン１
８の押圧力はばね１９により一定に保たれ、過大
な押圧力のかかるのを防止する。この時、スピン
ドル軸２１と一体に設けられた磁石２１ａで中心
ハブの磁性体９を吸収し、スピンドル軸２１に設
けられた、スラスト方向の位置決め部２１ｂで中
心ハブは位置決めされる。尚第４図で、二点鎖線
は、カセツト蓋２を閉める前の状態つまり第１図
下方から見た部分断面図である。

第５図は押圧力の解除の手段を示す部分断面図
である。退避レバー２２は、本体に固定された部
材２３に固定された軸２４を中心に回動自在であ
り、一端２２ａがカセツト蓋２と当接して時計方
向に回転し、他端２２ｂは押圧基板１６の端部を
押上げる。

第６図は、カセツト蓋２が完全に閉鎖されて押
圧力が解除された状態を示している中心ハブとス
ピンドルの部分を省略した断面図である。退避レ
バーの一端２２ｂに押上げられた押圧基板１６
は、カセツト蓋２が時計方向に回転するに従い、
反時計方向に回動する。この時、押圧板１６に取
付けられた押圧ピン１８も同時に中心ハブ５から
離れ、押圧を解除する。

この状態で不図示のロツク装置で蓋２をロツク
し、セツトを終る。

第７図は第６図のＢ−Ｂ矢視断面図であつて押
圧手段を平面的に見た図であり、押圧ピン１８
は、位相検出用のPG検出手段の設置位置１０′を
避けて配置されている。

次に動作を説明する。

第１図で、カセツト蓋２を開け、カセツト３を
差込むと、第４図二点鎖線の状態になり、カセツ
ト蓋２を閉じると、中心ハブ５は押圧ピン１８に
より押圧されて、スピンドル軸に固定され、さら
に蓋２が押込まれると退避レバー２２により押圧
ピン１８が退避しセツト状態になる。

従つて、カセツト筐体４を押し込むことによつ
て間接的に中心ハブ５を差し込む従来の装置の欠
点は解決される。

さらに、カセツト蓋２を開ける時、上記の逆の
過程を通るため、第４図の状態の時、中心ハブ５
は押圧ピン１８により押される。

従つて、カセツト３を装填してカセツト蓋２を
閉じた後、再びカセツト蓋２が開かれてカセツト
を取り出さずに閉じられた場合、その開き角がど
の程度であつても、カセツト蓋２が閉じた状態に
おいては中心ハブは確実にセツトされた状態にあ
る。

以上のように本発明によれば、中心ハブを直接
押し込む手段を有するから、回転記録シートのハ
ブとスピンドルとの固定が確実であり、固定して
影響する要素の予裕度を大きくとることができ、
さらに中心ハブのセツトが不確実なことに起因す
る回転記録装置や記録・再生装置の損傷やトラブ
ルを無くすことができる。

また、カセツト蓋を途中まで開けて閉じた場合
でも、カセツト蓋が閉じれば中心ハブは確実にセ
ツトされるから、カセツトの装填、交換等におい
て誤操作の発生を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明が適用される電子スチルカメラ
の外観図、第２図は本発明の装置に使用するカセ
ツトの平面図、第３図は第２図のＡ−Ａ矢視拡大
断面図に位相検出用部材の位置を示した図、第４
図は本発明の一実施例の断面図、第５図は要所部
分断面図、第６図は第４図と同じ断面の異つた状
態を示す断面図、第７図は第６図のＢ−Ｂ矢視断
面図である。 （主要部分の符号の説明）、１……本体、２…
…カセツト蓋、３……カセツト、５……中心ハ
ブ、１８……押圧ピン、２２……退避レバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スピンドル軸を弾性的に押圧して芯出しをす
   る中心ハブを有する回転記録シートカセツトを装
   着するカセツト装着装置において、カセツト装着
   時に中心ハブをスピンドル軸に押圧してセツトす
   る中心ハブ押圧手段と、カセツト装着後、カセツ
   ト蓋を閉じた状態で該中心ハブ押圧手段を中心ハ
   ブから退避せしめる退避手段とを有し、該中心ハ
   ブ押圧手段は、カセツト蓋がカセツト挿入可能位
   置にある場合は中心ハブを押えず、該カセツト蓋
   が閉じられる途中の一定位置で中心ハブを押し、
   該カセツト蓋が閉じられた状態では該退避手段で
   中心ハブから退避することを特徴とするカセツト
   装着装置。