JPS6327331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はテープ収納体に係り、特にテープ収納
筐体の前面を覆う開閉蓋が離脱しないよう構成し
たテープ収納体に関する。

従来技術 一般にビデオ用テープカセツト及び小型テープ
カセツト用アダプタは、テープを収納するテープ
収納筐体とこの前面側に開閉可能に設けられた開
閉蓋とより構成してある。特に開閉蓋は、左右の
側板部に内方に向けて立設した一対の軸を夫々筐
体の側壁の支持孔に嵌合させて、筐体に取付けら
れている。

こゝで、開閉蓋は形状的には細長の本体部を有
し、材料的には合成樹脂製であり、取扱い中に多
少強めの力を加えると、比較的簡単に彎曲してし
まう。特に開閉蓋を強く押し付けたような場合に
は、蓋は第１図中二点鎖線で示すように彎曲して
軸が筐体の孔より抜け出し、蓋が筐体より外れて
しまうという問題点があつた。

問題点を解決するための手段 そこで、本考案は開閉蓋の側方軸の形状を工夫
して上記問題点を解決したテープ収納体を提供す
ることを目的とするものであり、その構成は、開
閉蓋の側方軸を半径方向に突出してテープ収納筐
体の側壁の内面に対向する係止部を設けてなる形
状とし、開閉蓋が外方より押圧力を受けたとき開
閉蓋が撓み側方軸が側壁の孔より離脱する方向に
移動するも、係止部が側壁の内面に当接して側方
軸の側壁の孔よりの抜け出しが制限されるように
したものである。

実施例 次に本考案の一実施例であるテープカセツト用
アダプタについて説明する。

第１図に示すように、テープカセツト用アダプ
タ１は、アダプタ筐体２と前側蓋３とよりなり、
標準型テープカセツトと実質上同じ外形寸法を有
し、内部に小型テープカセツト収納部４を有す
る。このアダプタ１は、収納部４内に標準形テー
プカセツトより小型である小型テープカセツト５
を収納し、トツプカバー６を小型テープカセツト
５を覆うように閉じ、更には操作ノブ７を回動操
作してアダプタ内でテープローデイングを行なつ
て所定のテープパスを形成して、標準形記録再生
装置のカセツトハウジング内に挿入されて当該装
置に装着される。

小型テープカセツト５は、第２図に示すよう
に、磁気テープを収納したカセツト筐体８と、こ
の前面側に設けてあり通常は閉じており内部の磁
気テープを保護している蓋９とよりなる。この蓋
９は閉蓋位置と水平な開蓋位置との間をピン１０
を中心に回動し、Ｕ字状板ばねと押圧杆との作用
で各位置にクリツク的に保持される。

操作ノブ７を時計方向に回動操作すると、特殊
チエーン１１が固定ガイド板１２のＪ字形ガイド
溝１２ａ内に巻き込まれるように引き込まれ、ロ
ーデイングアーム１３は特殊チエーン１１に引か
れてピン１４を中心に時計方向に二点鎖線で示す
位置まで回動する。また、アーム１３の回動はリ
ンク１５及び歯車列１６を介して伝達され、ロー
デイングアーム１７がピン１８を中心に反時計方
向に二点鎖線で示す位置まで回動する。

各ローデイングアーム１３，１７の回動によ
り、ポール１９，２０がカセツト収納部４内に収
納されている小型テープカセツト５より磁気テー
プ２１を引き出し、アダプタ１内でテープローデ
イング動作が行なわれ、標準形テープカセツトの
前面側テープパスに対応するテープパス２２が形
成される。アダプタ１はこの状態で、標準形テー
プカセツトの場合と同様に、標準形記録再生装置
に装着されて、小型テープカセツト５の磁気テー
プ２１に対して記録再生が行なわれる。

前側蓋３は、第３図に示すように、細長の本体
部３０と、この左右端の側板部３１，３２と、各
側板部３１，３２に内方に立設された短軸３３と
長軸３４とよりなる。

短軸３３は、第４図及び第５図に併せて示すよ
うに、成型時ヒケを考慮した断面十字状の軸本体
３３ａと軸本体３３ａの先端より外周方向（第４
図中左方）に突出した本考案の要部をなす係止部
３３ｂとよりなる。

長軸３４は、第６図に併せて示すように、円柱
状の軸本体３４ａとこれより外周方向に突出した
腕部３４ｂとよりなる。この腕部３４ｂには、操
作ノブ７の操作により作動する歯車列２３に作用
するブレーキ機構（図示せず）を動作させるコネ
クタ３５が接続してある。

一方、アダプタ筐体２の左側壁４０には、第７
図に示すように、短軸３３が嵌合する孔４１が形
成してある。孔４１は、円形孔より切溝部４１ａ
が下方に延在してなる形状を有する。右側壁４２
には、長軸３４が嵌合する孔４３が形成してあ
る。

前側蓋３は、まず長軸３４をその腕部３４ａを
位置合せして孔４３内に嵌入させて右側について
支持し、次いで、第７図に示すように、短軸３３
の係止部３３ｂを孔４１の切溝部４１ａに合せる
ために、閉蓋状態より90度回動させた状態とし、
本体部３０を反らせて短軸３３と長軸３４との間
の寸法を拡大させ、短軸３３を左側壁４０に対向
させて孔４１内に嵌入させて、アダプタ筐体２に
取付けられる。これにより、短軸３３と左側壁４
０との関係は、第８図及び第９図に示す如く、短
軸３３が孔４１を挿通し、係止部３３ｂが切溝部
４１ａ内を通過して左側壁４０の内側に到つた状
態となる。

こゝで、前側蓋３の短軸３３とアダプタ筐体２
とは、閉蓋状態と通常の開蓋状態、及びその途中
では、係止部３３ｂが切溝部４１ａには対向せず
周方向上これより外れて孔４１に臨む左側壁４０
の内側面に対向する関係となつている。このた
め、例えば閉蓋状態で前側蓋４の本体部３０を矢
印Ａ方向に強く押付けた場合にも（これにより本
体部３０が彎曲して短軸３３は第８図及び第９図
中矢印Ｂ方向、即ち孔４１より抜け出る方向に変
位しようとする）、係止部３３ｂが左側壁４０の
内側面に当接して、短軸３３は孔４１よりの抜け
出しを制限されて孔４１に嵌合したまゝに保たれ
る。また長軸３４についても、その腕部３４ｂが
上記係止部３３ｂと同様に機能して長軸３４の孔
４３よりの抜け出しが制限される。

これにより、取扱い中に前側蓋３の本体部３０
を強く押して従来のアダプタにおいては前側蓋が
筐体より外れてしまうような場合でも、本実施例
のアダプタ１においては前側蓋３は筐体２より外
れずに筐体２に取付けられた状態に保たれる。

なお、本考案は、テープカセツト筐体と、前側
蓋とよりなるテープカセツトにも同様に適用しう
るのは勿論である。

効 果 本考案によれば、開閉蓋の側方軸を半径方向に
突出してテープ収納筐体の側壁の内面に対向する
係止部を設けてなる形状としてなるため、例えば
開閉蓋を強く押付けることにより、側方軸が筐体
の孔より抜け出そうとしても、係止部が上記側壁
の内面に当接して側方軸の孔よりの抜け出しが制
限され、テープ収納体を乱暴に取り扱つた場合に
も、開閉蓋がテープ収納筐体より外れることがな
く、開閉蓋のテープ収納筐体への取付け構造の信
頼性を向上させることが出来る等の特長を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になるテープ収納体の一実施例
である小型テープカセツト用アダプタの平面図、
第２図は第１図のアダプタ内に収納される小型テ
ープカセツトの斜視図、第３図は第１図中前側蓋
を取り出して示す平面図、第４図は短軸側を示す
第３図中−線に沿う断面矢視図、第５図は前
側蓋の短軸側を示す一部切截斜視図、第６図は長
軸側を示す第３図中−線に沿う断面矢視図、、
第７図は前側蓋をアダプタ筐体に取付ける方法及
び取付けられた状態での短軸の孔への嵌合状態を
示す側面図、第８図及び第９図は夫々前側蓋が取
付けられている状態での短軸とアダプタ側壁との
係合関係を示す図である。 １……テープカセツト用アダプタ、２……アダ
プタ筐体、３……前側蓋、５……小型テープカセ
ツト、１３，１７……ローデイングアーム、２１
……磁気テープ、３０……細長の本体部、３１，
３２……側板部、３３……短軸、３３ａ……軸本
体、３３ｂ……係止部、３４……長軸、３４ａ…
…軸本体、３４ａ……腕部、４０……左側壁、４
１，４３……孔、４１ａ……切溝部、４２……右
側壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープを収納するテープ収納筐体と、側方の軸
   を該筐体の側壁の孔に挿通させて開閉可能に設け
   てあり閉蓋状態で該筐体の前面側を覆う開閉蓋と
   よりなるテープ収納体において、該開閉蓋の側方
   軸を半径方向に突出して該筐体の側壁の内面に対
   向する係止部を設けてなる形状とし、該開閉蓋が
   外方より押圧力を受けたとき該開閉蓋が撓み該側
   方軸が該側壁の孔より離脱する方向に移動する
   も、該係止部が該側壁の内面に当接して該側方軸
   の上記孔よりの抜け出しが制限される構成のテー
   プ収納体。