JPH0418134Y2

JPH0418134Y2 -

Info

Publication number: JPH0418134Y2
Application number: JP1984142512U
Authority: JP
Priority date: 1984-09-19
Filing date: 1984-09-19
Publication date: 1992-04-22
Also published as: JPS6157371U

Description

【考案の詳細な説明】【産業上の利用分野】

本考案はテープカセツトに係り、とくにカセツ
トケーシングの前面側に装着されたカセツト蓋を
開き、このカセツト蓋の内側に掛渡されているテ
ープ状記録媒体を底部開口から挿入されたテープ
引出し手段によつて引出してヘツドと対接させ、
この状態において記録および／または再生を行な
うようにしたテープカセツトに関する。

【背景技術とその問題点】

例えばPCMオーデイオのような高密度の記録
再生を行なう場合には、ヘツドと磁気テープとの
間の相対速度を高くする必要があり、このために
回転ヘツドに磁気テープを対接させる必要が生ず
る。従つてこのような記録再生に用いられるテー
プカセツトは、上記回転ヘツドを備えるドラムに
架装されるように磁気テープが引出され得るよう
な構造になつていなければならない。すなわちカ
セツトの前面側にカセツト蓋が装着されるととも
に、底部開口によつてテープ引出し手段の挿入を
可能としている。このようなテープカセツトにおいては、上述の
如くテープ引出し手段を挿入するためにカセツト
ケーシングの底部側に開口が形成されるために、
この開口によつて不使用時に異物等で磁気テープ
が損傷されたり汚損されたりする可能性がある。
そこでこの底部開口を覆うようにスライド板を取
付けることが考察される。一般にこのようなスラ
イド板は、ばねによつて閉じる方向に付勢される
とともに、このテープカセツトがテーププレーヤ
に装着された場合に底部開口を開くように移動す
るようになる。従つてただ単にスライド板をカセ
ツトケーシングに摺動可能に取付けただけでは、
上記付勢力を発生させるばねによつてスライド板
が前方に飛出してしまい、底部開口が閉じた位置
で正しく位置規制されなくなつてしまう。

【考案の目的】

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたも
のであつて、スライド板が底部開口を閉じた状態
で正しく位置規制され、これによつて不使用時に
おけるテープ状記録媒体の保護が確実に行なわれ
るようにしたテープカセツトを提供することを目
的とするものである。

【考案の概要】

本考案は、テープ状記録媒体をリールに巻装し
てアツパシエルとロアシヨルとから成るケーシン
グ内に収納するとともに、前記テープ状記録媒体
を前記ケーシングの前面側に装着された回動可能
なカセツト蓋の内側に掛渡し、テープ引出し手段
を挿入して前記テープ状記録媒体を引出す前記カ
セツトケーシングの底部側の開口を開閉可能に覆
うスライド板を取付け、このスライド板を前記底
部側の開口を閉じるようにばねによつて付勢する
ようにしたテープカセツトにおいて、このスライ
ド板の両側に形成された係合部を前記アツパシエ
ルの案内溝によつて摺動自在に案内するように
し、しかも前記スライド板の係合部に突部を設
け、これに対して前記アツパシエルの案内溝には
前記突部の摺動を規制するストツパ部を形成し、
前記スライド板が前記底部側の開口を閉じた状態
で前記ストツパによつて前記突部の摺動を係止す
るようにしたことを特徴とするテープカセツトに
関するものであつて、上記突部と上記ストツパと
によつて係止することにより、スライド板が摺動
方向前方側へ飛出すことがないようにしたもので
ある。

【実施例】

以下本考案を図示の実施例につき説明する。第
１図〜第３図は本考案の第１の実施例に係る
PCMオーデイオ用のテープカセツトを示すもの
であつて、このテープカセツトはカセツトケーシ
ング１０を備えている。カセツトケーシング１０
はアツパシエル１１とロアシエル１２とから構成
されており、これらを組合せることによつて偏平
な直方体状のカセツトケーシング１０が組立てら
れることになる。そしてケーシング１０内には一
対のリール１３が配置されるとともに、これらの
リール１３に磁気テープ１４の両端が止着された
状態で巻装されている。磁気テープ１４はロアシ
エル１２に形成された一対のテープガイド１５に
案内され、同じくロアシエル１２に形成された切
欠きから成る底部開口１６を横切るように掛渡さ
れることになる。上記一対のシエル１１，１２から成るケーシン
グ１０の前面側にはカセツト蓋１７が装着される
ようになつており、このカセツト蓋１７によつ
て、一対のテープガイド１５に案内されて掛渡さ
れている磁気テープ１４を保護するようにしてい
る。カセツト蓋１７はその両端にピン１８を備
え、このピン１８がロアシエル１２の両側に形成
された段部１９に受入れられ、これによつてケー
シング１０に回動可能に支持されるようになつて
いる。そしてケーシング１０のアツパシエル１１の下
側にはリールブレーキ２０が配置されるようにな
つており、このブレーキ２０はブレーキばね２１
によつて後方へ押され、ブレーキ片２２がリール
１３と接触して制動を行なうようになつている。
そしてリールブレーキ２０はその両端に突片２３
を備えており、第２図に示すようにカセツト蓋１
７が開かれると、この突片２３によつてリールブ
レーキ２０が前方へ移動し、上記ブレーキ片２２
がリール１３から離れて、制動が解除されるよう
になつている。上記カセツトケーシング１０のロアシエル１２
に形成されている底部開口１６を開閉可能に覆う
ように、このロアシエル１２の下側にはスライド
板２４が摺動可能に保持されている。そしてこの
スライド板２４はそのばね掛け２５に係止された
ばね２６によつて前方側へ移動するように付勢さ
れており、これによつて底部開口１６を閉じて、
このテープカセツトの不使用時における磁気テー
プ１４の保護を図るようにしている。つぎに上記スライド板２４を摺動可能に保持す
る構造について説明すると、とくに第３図に示す
ように、スライド板２４の両側にはそれぞれ係合
部２７が形成されている。この係合部２７は第５
図に示すように、カセツトケーシング１０のアツ
パシエル１１とロアシエル１２との接合部に形成
された係合溝２８に受入れられている。そしてス
ライド板２４の係合部２７の上端には上方に突出
するように突部２９が形成されており、この突部
２９がカセツトケーシング１０のアツパシエル１
１の条溝３０に受入れられるようになつている。
そしてこの条溝３０の前端部には、第４図および
第５図に示すようにストツパ３１が形成されてお
り、このストツパ３１によつてスライド板２４の
前方への移動を規制するようになつている。以上のような構成において、このテープカセツ
トをテーププレーヤに装着すると、第２図に示す
ように、その前面側のカセツト蓋１７が開かれる
ことになり、これによつて一対のテープガイド１
５間に掛渡されている磁気テープ１４が露出す
る。同時に上記カセツト蓋１７の開放によつて、
リールブレーキ２０の突片２３が前方へ押され、
ブレーキ片２２がリール１３から離間してリール
ブレーキが解除されることになる。さらにこのテ
ープカセツトのテーププレーヤへの装着に伴つ
て、スライド板２４がばね２６に抗して後方へ後
退し、ロアシエル１２に形成されている底部開口
１６が開放されることなる。従つてこの底部開口１６から一対のテープガイ
ド１５の間の部分にテープ引出し手段が挿入され
るとともに、このテープ引出し手段が前方へ移動
することによつて、テープガイド１５間の磁気テ
ープ１４を引掛けて、テーププレーヤの回転ヘツ
ドドラムに巻付けることになる。この状態におい
て、磁気ヘツドが回転するとともに、一方のリー
ル１３から送出されながら他方のリール１３に巻
取られるように磁気テープ１４が走行し、これに
よつて高密度の記録／およびまたは再生が行なわ
れるようになる。そして上記スライド板２４は、上述の如くその
両側に係合部２７を備えており、これらの係合部
２７がカセツトケーシング１０の両側に形成され
た係合溝２８と嵌合されて摺動可能に保持される
とともに、ばね２６によつて前方側へ、すなわち
上記ロアシエル１２の底部開口１６を閉じるよう
に付勢されている。そしてこのばね２６によるス
ライド板２４の前方への移動は、係合部２７に形
成された突部２９が条溝３０のストツパ３１と当
接することによつて正しく位置規制されるように
なつている。従つてこのスライド板２４がばね２６の付勢力
によつて前方側へ飛出すことが防止され、これに
よつてスライド板２４の脱落を防止することが可
能となる。さらにストツパ３１および突部２９か
ら成る係止手段は、このスライド板２４の案内部
に設けられるようになつているために、このスラ
イド板２４あるいはケーシング１０が変形しても
正しく機能するようになり、これによつて信頼性
の高いテープカセツトを提供することが可能とな
る。つぎに本考案の第２の実施例を第６図〜第９図
につき説明する。なおこの第２の実施例におい
て、上記第１の実施例と対応する部分には同一の
符号を付すとともに、同一の構成の部分について
はその説明を省略する。この第２の実施例の特徴
は、スライド板２４の前方への移動を規制する係
止手段を、アツパシエル１１の条溝３０の中間位
置に形成されたストツパ３１（第６図参照）と、
スライド板２４の突部２９の中間位置に形成され
た切欠き３２（第７図参照）とから構成したもの
である。従つてスライド板２４がロアシエル１２の底部
開口１６を閉じている場合には、第８図に示すよ
うにこのスライド板２４の前後に形成されている
突部２９の内、後側の突部２９がアツパシエル１
１のストツパ３１と当接することになり、これに
よつてスライド板２４が正しく位置規制されるよ
うになる。すなわちこのスライド板２４はテープ
カセツトが使用されない場合に、正しくケーシン
グ１０の底部開口１６を閉じ、カセツト蓋１７の
内側に掛渡される磁気テープ１４を保護すること
になる。これに対してこのテープカセツトがテーププレ
ーヤに装着された場合には、第９図に示すよう
に、ばね２６に抗してこのスライド板２４が後方
へ移動するとともに、このスライド板２４の一対
の突部２９の内前側の突部２９がアツパシエル１
１のストツパ３１と当接することになる。すなわ
ちスライド板２４の切欠き３２は、スライド板２
４のストロークに等しい寸法を有している。従つ
てこのことから、突部２９およびストツパ３１に
よつて、スライド板２４が開いたときの位置規制
をも行なうことが可能になる。

【考案の効果】

以上のように本考案は、スライド板の両側に形
成された係合部をアツパシエルの案内溝によつて
摺動自在に案内するようにし、しかもスライド板
の係合部に突部を設け、これに対してアツパシエ
ルの案内溝には突部の摺動を規制するストツパ部
を形成し、スライド板が底部開口を閉じた状態で
ストツパによつて突部の摺動を係止するようにし
たものである。従つてとくにスライド板の係合部に形成されて
いる突部とアツパシエルの案内溝に形成されてい
るストツパとによつて、スライド板が底部開口を
閉じた位置で位置規制されることになり、ばねに
よつてスライド板が飛出すことを防止できるよう
になる。すなわち底部開口を閉じた状態でスライ
ド板を正しく係止して位置規制することが可能に
なり、これによつてテープ状記録媒体の保護を確
実に行なうことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例に係るテープカ
セツトを示す外観斜視図、第２図は同カセツト蓋
を開いた状態の外観斜視図、第３図はこのテープ
カセツトの分解斜視図、第４図はアツパシエルを
逆様にした状態の斜視図、第５図はスライド板の
案内部の構造を示す要部縦断面図、第６図は第２
の実施例に係るテープカセツトのアツパシエルを
逆様にした状態の斜視図、第７図は同スライド板
の斜視図、第８図はスライド板の係止の構造を示
す横断面図であつてロアシエルを省略した横断面
図、第９図は同スライド板が開かれた状態の第８
図と同様の横断面図である。なお図面に用いた符号において、１０……カセ
ツトケーシング、１３……リール、１４……磁気
テープ、１６……底部開口、１７……カセツト
蓋、２４……スライド板、２６……ばね、２７…
…係合部、２８……係合溝、２９……突部、３１
……ストツパ、３２……切欠き、である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

テープ状記録媒体をリールに巻装してアツパシ
エルとロアシヨルとから成るケーシング内に収納
するとともに、前記テープ状記録媒体を前記ケー
シングの前面側に装着された回動可能なカセツト
蓋の内側に掛渡し、テープ引出し手段を挿入して
前記テープ状記録媒体を引出す前記カセツトケー
シングの底部側の開口を開閉可能に覆うスライド
板を取付け、このスライド板を前記底部側の開口
を閉じるようにばねによつて付勢するようにした
テープカセツトにおいて、このスライド板の両側
に形成された係合部を前記アツパシエルの案内溝
によつて摺動自在に案内するようにし、しかも前
記スライド板の係合部に突部を設け、これに対し
て前記アツパシエルの案内溝には前記突部の摺動
を規制するストツパ部を形成し、前記スライド板
が前記底部側の開口を閉じた状態で前記ストツパ
によつて前記突部の摺動を係止するようにしたこ
とを特徴とするテープカセツト。