JPH0419242B2 - - Google Patents

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JPH0419242B2
JPH0419242B2 JP57109805A JP10980582A JPH0419242B2 JP H0419242 B2 JPH0419242 B2 JP H0419242B2 JP 57109805 A JP57109805 A JP 57109805A JP 10980582 A JP10980582 A JP 10980582A JP H0419242 B2 JPH0419242 B2 JP H0419242B2
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polymer latex
polymerization
dispersion stability
vinyl monomer
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Katsuo Mitani
Yukio Mizutani
Yoshito Eda
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はポリマーラテツクスの製造方法におい
て粒子径の単分散性が良好で、分散安定性に優れ
たポリマーラテツクスの製造方法に関する。 従来ポリマーラテツクスを製造する際に、乳化
剤を使わずに単量体を乳化重合する2〜3の方法
が知らている。例えば高分子化学第22巻481頁
(1965年)には乳化剤不存在下でのポリスチレン
ラテツクスの製造方法が報告されている。さらに
また化学技術研究所報告第75巻第8号341頁
(1980年)においては乳化剤不存在下でのポリエ
チルアクリレートラテツクスの製造方法が報告さ
れている。しかしこれらの方法で得られるポリマ
ーラテツクスは広いPH領域において充分な分散安
定性を維持しえないだけでなく、実用上不可避な
機械的剪断応力下において容易に凝集するため、
実用に供しえない欠陥を有している。 而して、本発明者は、分散安定特性に広いPH領
域にわたつた分散安定性に非常に優れると共に、
粒子径の単分散性に非常に優れたポリマーラテツ
クスを得るべく鋭意研究を重ねた。その結果、非
イオン的な界面活性態をラテツクス粒子に付与す
ることにより分散安定性、単分散性が著しく向上
する知見を得て、本発明を完成するに至つた。 即ち、本発明は、水に対する溶解度が水100重
量部に対して3重量部以下の疎水性ビニル系単量
体又は該疎水性ビニル系単量体を主体としてこれ
と共重合し得るビニル系単量体混合物を、乳化剤
不存在下の水媒体中で重合し、ポリマーラテツク
スを製造するに際して、重合温度に加温した水媒
体中にラジカル重合開始剤及び該単量体又は該単
量体混合物を添加し、メルカプトアルカノール化
合物の存在下に重合することを特徴とするポリマ
ーラテツクスの製造方法である。 本発明で得られるポリマーラテツクスは分散安
定性及び粒子径の単分散性が著しく優れており、
例えば低いPH領域においても分散安定性が極めて
高い特徴がある。なおここで粒子径の単分散性に
優れるとは、粒度分布即ち粒子径の算術平均値並
びに標準偏差値を求め、標準偏差値を算術平均値
で除して%表示した値が15%以下であることを意
味する。 本発明で用いる疎水性ビニル系単量体は水に対
する溶解度が水100重量部に対して3重量部以下
の疎水性ビニル系単量体であることが必要であ
る。水に対する溶解度が3重量部より大きい所謂
親水性ビニル系単量体を用いると、比較的微細な
粒子状の重合物が得られる。しかし親水性ビニル
系単量体と水媒体との界面張力が疎水性ビニル系
単量体と水媒体との界面張力に比較して、小さく
真球粒子が得がたいのみならず、生成した粒子同
志の同一が容易で凝集粒子を生成しやすいという
致命的な欠陥を有している。 本発明に於いて好ましく使用できる該疎水性ビ
ニル系単量体は水に対する溶解度が前記限定内で
あれば時に制限されず使用できるが一般に好適に
使用されるものを具体的に例示すれば、例えば、
スチレ、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
クロロスチレン等のアルケニルベンゼン類;メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート等のアクリル酸アルキル
エステル類;メチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキ
ルエステル類等である。 上記疎水性ビニル系単量体であつても一般に、
1つの分子鎖内に2個以上のエチレン性不飽和結
合を有する多官能性単量体は、得られるポリマー
ラテツクスの分散安定性と粒子系の単分散性に悪
影響を及ぼす場合があるので、該多官能性単量体
を用いる場合は予め製造条件下でのその影響を確
認して使用量などを考慮するのがよい。 本発明において使用できる該疎水性ビニル系単
量体と共重合可能なビニル系単量体は、特に限定
されない。一般に好適に使用されるビニル系単量
体を具体的に例示すれば、アルケニルベンゼン
類、アクリル酸アルキルエステル類、メタクリル
酸アルキルエステル類等のビニル系単量体;ヒド
ロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピル
アクリレート等のアクリル酸ヒドロキシアルキル
エステル類;ヒドロキシエチルメタクリレート、
ヒドロキシプロピルメタクレート等のメタクリル
酸ヒドロキシアルキルエステル類;テトラエチレ
ングリコールモノメタクリレート等の(メタ)ア
クリル酸エチレングリコール類;グリシジルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート等の(メ
タ)アクリル酸グリシジル類;酢酸ビニル、アク
リロアミド等である。該共重合可能なビニル系単
量体のうち分子鎖内にカルボキシル基を有するア
クリル酸、メタクリ酸等は、得られるポリマーラ
テツクスの分散安定性特に低いPH領域での分散安
定性が十分でない場合もあるので、一般には他の
共重合可能な単量体との組合せによつて予め使用
量などを決定して使用するのがよい。また、1つ
の分子鎖内に2個以上のエチレン性不飽和結合を
有する多官能性単量体についても前記同様であ
る。 また該ビニル系単量体として水溶性ビニル系単
量体を用いるときは、多量に添加すると粒子状の
重合体を与えないか、または粒子状の重合体を与
えても凝集した重合体となる場合がある。また、
水溶性ビニル系単量体を少量添加した場合も、粒
子形状が真球とはならず不定形の粒子を与える場
合がある。従つて水溶性ビニル系単量体を使用す
る場合は微粉体形状が破壊されない範囲で少量添
加するのがよい。この場合には粒子表面の親水性
を増す効果が顕著となり、良好な結果を与える。
従つて本発明において使用できる疎水性ビニル系
単量体と共重合可能なビニル系単量体は、アルケ
ニルベンゼン類、アクリル酸アルキルエステル
類、メタクリル酸アルキルエステル類、(メタ)
アクリル酸グリシジル類が特に好ましく使用でき
る。さらに該ビニル系単量体の疎水性パラメータ
ー、分子内の置換基の親水性などを総合してグリ
シジルメタアクリレートの使用が最も好ましい結
果を与える。これらのビニル系単量体の混合比は
ポリマーラテツクスの分散安定性、粒子径の単分
散性及びビニル系単量体相互の反応性等によつて
異なるために必ずしも限定されず、該疎水性ビニ
ル系単量体を主体とする混合比の範囲内で任意の
比率を選べる。なお本発明で該疎水性ビニル系単
量体を主体とすると云う意味は、該疎水性ビニル
系単量体の混合量が全ビニル系単量体に対して50
重量%以上であることを意味する。 また本発明に於けるポリマーラテツクスの製造
は前記疎水性ビニル系単量体の重合に際し、乳化
剤を存在させないで重合することが必要である。
該重合に際し、乳化剤を存在させることは一般に
粒子径が小さく分散安定性の良いポリマーラテツ
クスを得る目的では効果的な場合が多い。しかし
乳化剤が重合系の泡立ちの原因になつたり、ラテ
ツクス粒子表面への溶出するため限られた分野で
の使用しか出来なかつたり等の欠陥を与える。し
かも該乳化剤の使用は得られたポリマーラテツク
スを広いPH領域で安定に分散さすことが出来ない
大きな原因になるし、粒子径分布が揃つたポリマ
ーラテツクスを得ることを極めて困難にする。従
つて本発明に於いては重合系で乳化剤を存在させ
る重合方式が採用され得ないのである。 本発明の特徴の一つは、水媒体に該疎水性ビニ
ル系単量体を添加する前にまず水媒体を重合温度
に加温することである。即ち本発明に於いては、
水媒体を重合温度に加温した後に、ラジカル重合
開始剤及び該疎水性ビニル系単量体又は該疎水性
ビニル系単量体を主体としてこれと共重合し得る
ビニル系単量体混合物を添加することが必要であ
る。 水媒体にラジカル重合開始剤及び該疎水性ビニ
ル系単量体又は該単量体混合物を添加した後に重
合温度に加温して重合を行なう方法を採用する
と、得られるポリマーラテツクスの粒子径の単分
散性が極めて悪いだけでなく、分散安定性も著し
く低下する。このように、重合温度に何時加温す
るかによつて、得られるポリマーラテツクスの性
状が全く異なる現象は、本発明者が初めて見出し
たものであり、全く予想外の現象である。 本発明におけるもう一つの特徴は、反応系にメ
ルカプトアルカノール類を存在させた状態で前記
単量体を重合することである。メルカプトアルカ
ノール類の使用により従来の方法の欠陥であつた
広いPH領域にわたる分散安定性、特に低いPH領域
における分散安定性の悪さを飛躍的に改善でき
る。またさらには該メルカプトアルカノールの使
用で、重合時の分散安定性、機械的な剪断応力下
での分散安定性が著しく改善され、又粒子径の単
分散性もさらに向上する。該メルカプトアルカノ
ール類を反応系に添加する時期は特に限定される
ものではなく該水媒体の加温前でも後でも、或い
は単量体を反応系に添加する前でも同時であつて
もよい。 本発明における重合温度は特に限定されないが
一般には40℃乃至80℃、更には55℃乃至75℃の温
度範囲が良好である。該重合温度が余り低いとポ
リマーラテツクスの収率が低くなり、分散安定性
に悪い影響を与える場合もある。また逆に重合温
度が80℃を越え、特に90℃以上になると、温度が
低過ぎる場合以上にポリマーラテツクスの分散安
定性に悪影響を及ぼす場合があるので、一般には
90℃以上の温度としない方が好適である。また重
合時間は、疎水性ビニル系単量体の種類、重合温
度、重合形式等によつて異なるが一般には30分乃
至40時間が良好である。 本発明において用いるラジカル重合開始剤の種
類は特に限定されず、一般には水溶性ラジカル重
合開始剤から適宜必要に応じて選択すればよい
が、一般に得られるポリマーラテツクスの分散安
定性、及び粒子径の単分散性と密接な関係がある
傾向がある。また、一般に該疎水性ビニル系単量
体又は該単量体混合物の分子構造により、該分散
安定性、及び粒子径の単分散性を向上させるに好
ましいラジカル重合開始剤はそれぞれ異なる傾向
がある。例えばスチレンの如く比較的重合速度の
遅い単量体の場合、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩の如
く、重合時間全般にわたり徐々に分解する型のラ
ジカル開始剤が特に良好に使用される。一方、エ
チルアクリレート、メチルメタクリレートの如く
比較的重合速度の速い単量体の場合、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム及び過硫酸ナトリウム
等の過硫酸塩とチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カ
リウム、チオ硫酸水素ナトリウム等のチオ硫酸化
合物の還元剤を組み合わせたレドツクス系ラジカ
ル開始剤が速やかなラジカルの発生を容易にし特
に良好に使用される。 また、ラジカル重合開始剤の添加時について
は、水媒体を重合温度に加温した後に、まずラジ
カル重合開始剤を添加し、該ラジカル開始剤を速
やかに分解させ、重合の場を均一にし、その後、
好ましくはその直後に単量体の添加を行なうこと
が望ましい。 またラジカル開始剤の使用濃度は重合条件と相
関する為、必ずしも限定的でないが、1.0乃至20
リミモル/の範囲が良好に採用される。 該疎水性ビニル系単量体又は該単量体混合物の
濃度はポリマーラテツクスの粒子径と相関するた
めに限定的ではないが、通常、水に対して0.1乃
至40容量%、好ましくは1乃至15容量%のものを
採用するとよい。これらの種々の条件は実施に先
だち予め決定しておくのがよい。 本発明において、メルカプトアルカノール化合
物の添加量は、重合条件によつても異なるが、該
単量体に対して0.005乃至0.4重量部、更に好まし
くは0.01乃至0.2重量部用いるのがよい。メルカ
プトアルカノール化合物だけが他のメルカプト化
合物に比べて分散安定性及び粒子径の単分散性の
向上に寄与する現象は予想外であるがその理由は
現在なお明確ではない。しかし本発明者等は次の
ように推定している。即ち本発明におけるメルカ
プトアルカノール化合物の作用は、連鎖移動剤と
してのオリゴソープの形成によるポリマーラテツ
クスの安定化作用だけでなく、アルカノール基が
ポリマー分子端末に結合することによるポリマー
ラテツクスの安定化作用が著しいために、分散安
定性等の向上に寄与するものと推定される。 本発明で用いるメルカプトアルカノール化合物
は特に限定されず公知のものが使用出来る。一般
には2−メルカプトエタノール、α−チオグリセ
ロール、3−メルカプトプロパノール、4−メル
カプトブタノール、5−メルカプトペンタノール
等が好適に使用される。特に炭素数の少ない例え
ば炭素数2〜3のメルカプトアルカノール化合物
を使用すると得られるポリマーラテツクスの分散
安定性と粒子径の単分散性が顕著にみられる。従
つて2−メルカプトエタノール、α−チオグリセ
ロール、3−メルカプトプロパノールなどのメル
カプトアルカノール化合物が特に好適に使用され
る。 また、得られるポリマーラテツクスの分散安定
性と粒子の単分散性を更に向上させるための手段
として、水溶性ラジカル重合開始剤、メルカプト
アルカノール化合物及び疎水性ビニル系単量体と
共にグリシジルメタクリレートを添加して行なう
態様は本発明の最も好ましい態様である。 本発明で得られるポリマーラテツクスは、極め
て分散安定性がよく、特に広いPH領域にわたる分
散安定性に優れ且つ粒子径の単分散性の良好なも
のである。この原因は、必ずしも明確ではない
が、従来の乳化剤不存在下における懸濁重合にお
いては、粒子のブラウン運動並びに開始剤切片の
硫酸根等のアニオン及び共重合等により導入した
カルボン酸等のアニオン、等による粒子相互のイ
オン的反発力により粒子の安定性を維持してい
た。 しかし、かかる安定性のみでは実用上種々の欠
陥を生じている。例えば広いPH領域特に低いPH領
域における分散安定性、高い塩濃度下特に多価イ
オン存在下での分散安定性、重合中の分散安定
性、重合後の分散安定性及び機械的な剪断応力下
での分散安定性等が挙げられる。用途によつては
これらの欠陥が致命的な欠陥となり、従来の方法
で製造されるポリマーラテツクスの用途を著しく
制限している。 本発明においては、従来のイオン的な反発力に
かえてメルカプトアルカノール化合物の使用によ
り、ポリマー分子端末にアルカノール基を導入
し、非イオン的な分散安定能を粒子に付与したた
めに、従来の方法で得られたポリマーラテツクス
とは異なる分散安定性の挙動を示したものと考え
られる。また、メルカプトアルカノール化合物が
連鎖移動剤としての働きも示し、オリゴソープな
いしはポリソープと呼ばれる比較的親水性の物質
を粒子表面に付与し、分散安定性に寄与すること
も考えられる。 さらに本発明における最も好ましい態様である
該疏水性ビニル系モノマー、グリシジルメタクリ
レート単量体及びメルカプトアルカノール化合物
からなる態様においては、グリシジルメタクリレ
ートの分散安定性への寄与が見られる。この原因
は、必ずしも明確ではないが、グリシジルメタク
リレート単量体の疎水性パラメーターが乳化剤を
加えないで水媒体中で重合する条件によく適合し
ていることと共にエポキシ基が水媒体中でのポリ
マーラテツクスの分散安定性に特異的に寄与し、
該疎水性ビニル系単量体の重合の場を安定的に供
給することが考えられる。さらには、エポキシ基
が重合過程で部分的に加水分解することにより、
生成した水酸基がポリマーラテツクスの分散安定
性を更に向上させていると推定される。事実、水
媒体中でラジカル重合開始剤を用いてグリシジル
メタクリレート単量体を重合し、得れたグリシジ
ルメタクリレートのポリマーラテツクスが自己架
橋していることが熱分析と溶解テストから判明し
た。このことは、グリシジルメタクリレートのエ
ポキシ基が重合過程で一部開環していること、並
びに重合過程で一部脱エステル反応により発生し
たカルボキシル基を消費していることを示す。 本発明で得られるポリマーラテツクスの用途と
しては、乳化剤を含まないポリマーラテツクスの
応用、分散安定性や単分散性の優れたポリマーラ
テツクスの応用、さらにグリシジルメタクリレー
トを添加した態様においては反応性に富むエポキ
シ基を粒子表面に有するので、反応性を要求され
るポリマーラテツクスの応用等が一般的に挙げら
れる。とりわけ広いPH領域において分散安定性が
高く、また粒子表面に疎水性、親水性の2つの部
分が混在すると考えられるために、ラテツクス凝
集反応による抗原抗体の検出や細胞の貧食機能評
価等に良好に応用できるものである。 以下、本発明を更に具体的に説明するために、
実施例及び比較例を挙げる。尚、実施例及び比較
例で表示された測定値は以下の評価方法に従つ
た。 (1) ポリマーラテツクスの粒子径と単分散性の測
定 透過型電子顕微鏡で観察した写真(20000倍)
から100個以上の粒子径を測定し、算術平均に
より平均粒子径を求めた。また、単分散性は平
均粒子径に対する標準偏差を求め、次いで該標
準偏差を該平均粒子径で除した値を%表示し
た。 (2) ポリマーラテツクスの分散安定性 重合が完了したポリマーラテツクスの水分散
液に等量のメタノールを加えて静置し、ポリマ
ーラテツクスの沈降状態を観察したその状態に
より安定性を次の5段階表示した。 5:重合終了時、既にラテツクス粒子がなく、
全量凝集沈降した。 4:重合終了時、既にラテツクス粒子が一部凝
集して沈降した。 3:メタノールを添加してから24時間内にラテ
ツクス粒子が全量沈降した。 2:メタノールを添加してから1週間後にラテ
ツクス粒子の沈降によりラテツクス濃度が低
下した。 1:メタノールを添加してから1週間後にほと
んど、もしくは全くラテツクス粒子の沈降が
みられない。 従つて、数字が小さくなる程ポリマーラテツ
クスの分散安定性が良い。 さらにまた、ポリマーラテツクスの水分散液
に塩酸を加えてPHを低下させると、凝集が肉眼
で観察される。従つて、本発明において分散安
定性の大きな特徴である広いPH領域における分
散安定性を次の方法で調べた。即ちポリマーラ
テツクスの水分散液に塩酸の2規定水溶液を加
え任意のPHに調製した後凝集の発生の有無を肉
眼で観察し、次の評価方法に従つて5段階表示
した。 5:PH=2に調製すると直ちに凝集したことが
肉眼で観察される。 4:PH=2に調製すると24時間内に凝集したこ
とが肉眼で観察される。 3:PH=2に調製し、24時間経過しても凝集は
肉眼で観察されないが、さらに塩酸を加えて
PH=1とすると直ちに凝集したことが肉眼で
観察される。 2:PH=2に調製し、24時間経過しても凝集は
肉眼で観察されないが、さらに塩酸を加えて
PH=1とすると24時間内に凝集したことが肉
眼で観察される。 1:PH=1に調製し、1週間経過しても凝集し
たことが肉眼で認められない。 従つて、数字が小さくなる程ポリマーラテツ
クスのPH変化に対する分散安定性が良い。 塩酸にかえて水酸化ナトリウム水溶液をポリ
マーラテツクスの水分散液に加えてPHを増大し
凝集の発生を観察したが、PH=14に調製して
も、いずれの試料も凝集は観察されなかつた。 実施例1〜5及び比較例1〜2 撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後
に蒸留水270c.c.を加えて第1表に示す重合温度に
保つた。次いで窒素雰囲気下、撹拌下に過硫酸カ
リウム5ミリモル/になる様に添加した後に、
第1表に示す割合のメルカプトアルカノール化合
物を加える。次いで第1表に示す割合でスチレン
または、スチレンと他のビニル系単量体との混合
物を加えて撹拌重合した。第1表に示した重合時
間後に0.1gのクペロンを加えると同時にフラス
コを冷却して重合を停止した。 得られたポリマーラテツクスの特性を第1表に
示した。 尚、比較例として、メルカプトアルカノール化
合物を使用しないで得られたポリマーラテツクス
の特性についても第1表に示した。 第1表の結果から明らかな如く、本発明による
ポリマーラテツクスの分散安定性、粒子径の単分
散性が著しく優れることが理解される。
【表】 実施例6〜7及び比較例3〜4 撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後
に蒸留水270c.c.を加えて第2表に示す重合温度に
保つた。次いで窒素雰囲気下、撹拌下に過硫酸カ
リウム5モリモル/、チオ硫酸ナトリウム5ミ
リモル/、硫酸銅0.25ミリモル/になる様に
添加した後に、第2表に示す割合のメタクリル酸
メチルまたは、メタクリル酸メチルと他のビニル
系単量体との混合物に、さらに第2表に示す割合
のメルカプトアルカノール化合物を加えた混合物
を反応液に加えて撹拌重合した。第2表に示した
重合時間後に0.1gのクペロンを加えると同時に
フラスコを冷却して重合を停止した。 得られたポリマーラテツクスの特性を第2表に
示した。 尚、比較例として、メルカプトアルカノール化
合物を使用しないで得られたポリマーラテツクス
の特性についても第2表に示した。
【表】 第2表の結果から明らかな如く、本発明による
ポリマーラテツクスの分散安定性、粒子径の単分
散性が著しく優れることが理解される。 実施例 8 撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後
に蒸留水270c.c.を加えて70℃に保つた。次いで窒
素雰囲気下、撹拌下に過硫酸カリウム5ミリモ
ル/、チオ硫酸ナトリウム5ミリモル/、硫
酸銅0.25ミリモル/になる様に添加した後に、
アクリル酸エチル20c.c.とグリシジルメタクリレー
ト10c.c.との混合物を加える。次いで2−メルカプ
トエタノール0.02c.c.を加えて撹拌重合した。2時
間後に0.1gのクペロンを加えると同時にフラス
コを冷却して重合を停止した。 ポリマーラテツクスの分散安定性は、重合終了
時に凝集物がなく、メタノールを加えて一週間後
のポリマーラテツクス濃度が僅かに低下するにす
ぎなかつた(評価:2)。またポリマーラテツク
スの粒子径は0.196ミクロンであり、粒子径の単
分散性は6%であつた。また塩酸を加えPH=2に
調製し、24時間経過しても凝集は肉眼で観察され
なかつたが、PH=1に調製すると直ちに凝集を確
認した(評価3)。 実施例9及び比較例5〜7 撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後
に蒸留水270c.c.を加えて70℃に保つた。次いで窒
素雰囲気下、撹拌下に過硫酸カリウム5ミリモ
ル/になるように添加した後に、スチレン25c.c.
とグリシジルメタクリレート5c.c.の混合物を加え
る。次いで第3表に示す割合でメルカプトアルカ
ノール化合物を加えて撹拌重合した。24時間後に
0.1gのクロペンを加えると同時にフラスコを冷
却して重合を停止した。 得られたポリマーラテツクスの特性を第3表に
示した。 尚、比較例としてメルカプトアルカノール化合
物を使用しないで得られたポリマーラテツクスの
特性についても第3表に示した。第3表の結果か
ら明らかな如く、本発明によるポリマーラテツク
スの分散安定性、粒子径の単分散性が著しく優れ
ることが理解される。
【表】 注2 得られたポリマーは全て凝集体であつた。
比較例 8 ポリマーラテツクスを製造するに際し、所定の
原料をガラス製フラスコに添加した後に、所定の
重合温度まで加温した重合を開始する以外は実施
例1と同様に操作した。 すなわち撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置
換した後に、窒素雰囲気下に撹拌しながら20℃で
蒸溜水270c.c.を加え、次いで過硫酸カリウムを5
ミリモル/になるように加えた後に、2−メル
カプトメタノールを0.02c.c.および、スチレンを30
c.c.加えた。この後、撹拌下に所定の重合温度であ
る70℃まで1時間かけて昇温し、その後70℃撹拌
下で24時間重合した。 重合後、0.1gのクペロンを加えると同時にフ
ラスコを冷却して重合を停止した。得られたポリ
マーラテツクスの特性は、粒子径の単分散性が34
%、メタノール添加時の分散安定性、及び塩酸添
加時の分散安定性が前記の5段階評価に従つて、
各々(3)及び(4)の評価であり、上記方法で製造した
ポリマーラテツクスの分散安定性が悪く、かつ粒
子径の単分散性に乏しい事が分かつた。また平均
粒子径は0.46μm、ポリマーの収率は95%、固形
物は35%であり、固形物の割合が実施例1に比較
して多く、ポリマーラテツクスの分散安定性が悪
いことが判つた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水に対する溶解度が水100重量部に対して3
    重量部以下の疎水性ビニル系単量体又は該疎水性
    ビニル系単量体を主体としてこれと共重合し得る
    ビニル系単量体との混合物を、乳化剤不存在下の
    水媒体中で重合し、ポリマーラテツクスを製造す
    るに際して、重合温度に加温した水媒体中にラジ
    カル重合開始剤及び該単量体又は該単量体混合物
    を添加し、メルカプトアルカノール化合物の存在
    下に重合することを特徴とするポリマーラテツク
    スの製造方法。 2 重合温度が40℃乃至80℃の範囲内である特許
    請求の範囲第1項記載の製造方法。 3 メルカプトアルカノール化合物を、該単量体
    100重量部に対して0.005乃至0.4重量部用いる特
    許請求の範囲第1項記載の製造方法。 4 メルカプトアルカノール化合物が、炭素数2
    乃至3のメルカプトアルカノール化合物である特
    許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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