JPH04184808A - 強誘電体薄膜の製造方法 - Google Patents

強誘電体薄膜の製造方法

Info

Publication number
JPH04184808A
JPH04184808A JP2312776A JP31277690A JPH04184808A JP H04184808 A JPH04184808 A JP H04184808A JP 2312776 A JP2312776 A JP 2312776A JP 31277690 A JP31277690 A JP 31277690A JP H04184808 A JPH04184808 A JP H04184808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ferroelectric
layer
thin film
metal ion
supply layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2312776A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0695443B2 (ja
Inventor
Hideo Adachi
日出夫 安達
Hiroyuki Yoshimori
由森 博之
Masayoshi Omura
正由 大村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP31277690A priority Critical patent/JPH0695443B2/ja
Publication of JPH04184808A publication Critical patent/JPH04184808A/ja
Publication of JPH0695443B2 publication Critical patent/JPH0695443B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、強誘電体薄膜の製造方法に関する。
・[従来の技術] 従来、強誘電体材料は、その特異な電気的特性を利用し
て多くの分野に適用されている。例えば、圧電性を利用
して圧電フィルターや超音波トランスジューサー等に、
焦電性を利用して赤外線センサやパイロビジコン等に、
電気光学的効果を利用して光変調素子や光シヤツター等
に用いられている。また、最近の半導体集積回路の発達
に伴い、強誘電体材料からなる素子を薄膜(すなわち、
強誘電体薄膜)にして実用化する試みがなされている。
さらに、光IC用途における新しいデバイス、例えば先
導波路や先スイッチ素子や、残留分極の安定性を利用し
た不揮発性メモリ素子に、強誘電体薄膜を利用すること
が注目されはじめている。
従来、無機系酸化物強誘電体薄膜の製造方法には、真空
蒸着、スパッタリング、イオンブレーティング、および
クラスタイオンビーム等の物理的方法、有機金属化合物
熱分解酸化して強誘電体材料を得るゾル−ゲル法、MO
D法(MetalOrganic Decomposi
tion :有機金属分解法)、およびCVD法(Ch
e鳳1cal Vapor Deposition :
化学的気相成長法)等の化学的方法が用いられる。
強誘電体材料のうち特に利用価値が高いのは、一般式A
BO3(Aの部分をAサイト、Bの部分をBサイトとい
う)で表わされるペロブスカイト型酸化物セラミックス
である。ペロブスカイト型酸化物セラミックスの中で最
も代表的であるPZT (Pb (Zr、Ti)Os 
 :ジルコンチタン酸鉛)は、通常(P b r−x 
Ax )(Z rl−Y T iy ) 03 +aM
O(Mは金属)のように、種々の置換元素、添加物によ
って変成されて用いられている。これは、このように変
成されたPZTが、各種電子デバイスに用いられる場合
に、多項目のユーザー仕様、例えば経時変化が少ないこ
と、温度特性が良いこと、環境特性に優れること等に満
足するからであり、また強誘電体材料を実用化するため
に多成分化が要求されるからである。
このような強誘電体材料からなる薄膜を製造する方法と
しては、ゾル−ゲル法またはMOD法が挙げられる。こ
れは、これらの方法が原料を原子レベルで均質に混合す
ることができ、これにより微妙な組成制御を可能にし、
再現性に優れ、しかも常温常圧において大面積の成膜を
可能にさせるからである。以下にゾル−ゲル法の一例を
示す。
まず、P b s T1もしくはZrの金属アルコキシ
ド化合物(例えば、pbのエトキシド、T1もしくはZ
rのテトラブトキシド)の溶液を所定量混合し、下記構
造式Iに示すような2次元鎖状構造を有する錯アルコキ
シド、溶液(ゾル)を得る。
なお、金属アルコキシド化合物の代わりに金属アセチル
アセトン化合物を用いることもできる。
OROR OROR R:アルキル基 構造式1 次いで、この錯アルコキシドゾル液をスピンコード法や
デイツプ法等の既知の方法で基板上に塗布し、その後乾
燥して成膜する。次いで、空気中の水分もしくは故意に
加えた水や酸により、または酸もしくはアルカリの加水
分解触媒の添加により得られた膜を加水分解する。この
加水分解により、膜は脱アルコール縮合反応を起こし、
下記構造式■に示すような3次元網目構造を有するもの
(ゲル)になる。
−−−−−−−0− T  i  −0−Z  r  
−0−P  b0   み−I − O−Z  r  −0−P b −0−T  i 
 −−−−−構造式■ 、次いで、脱アルコール縮合反応により生成したアルコ
ール、上記網目構造に取り込まれながった残留水分、ま
たは希釈溶媒を膜中から除去する。
その後、膜をゲル状態からアモルファス状態を経て結晶
化する。特に、強誘電体材料がPZTの場合は、ペロブ
スカイト型の結晶構造にするために500℃以上に加熱
する。
一方、MOD法は、2次元鎖状構造を形成する過程を経
ずに、無水条件下において有機金属化合物を熱分解し、
続けて加熱焼成して直接酸化物を結晶化させる方法であ
る。
しかしながら、これらの方法は、強誘電体材料に高温で
加熱処理を施すため、例えば、PbOのように飽和蒸気
圧が高い成分を原料とするPZT。
PbTi0.を製造する場合に、加熱処理の間にPbO
が膜中から蒸発したりまたはPbOが還元してpbとし
て離脱して強誘電体材料の組成ずれを引き起こす恐れが
ある。このため、得られるPZTSPbTiO,等の強
誘電体材料の結晶は、格子欠陥が多いものとなる。また
、これらの強誘電体材料の組成の再現性は非常に悪くな
る。さらに、組成ずれが起こると、結晶格子に組み込ま
れなかった余剰のTiO2、ZrO2等の酸化物が相分
離して単独に結晶化する。これらのものが強誘電体材料
の結晶粒界に析出すると、TiO2、ZrO2等が誘電
体として働くため誘電損失が大きくなり強誘電体材料の
強誘電性が著しく低下するという問題がある。
特に、結晶構造がその特性に大きく依存する強誘電体材
料により薄膜を製造する場合において、構成元素の蒸発
や離脱によりその組成が化学量論比から少しでもずれる
と、結晶の配列が乱れて膜の配向性を悪くする。これに
より強誘電体薄膜の特性が低下する。この傾向は電気的
特性に顕著に現れ、強誘電体材料が本来有する強誘電性
や、焦電性および圧電性等の特性が低下する。
さらに、これらの方法は、溶剤、反応により生成したア
ルコール、および加水分解時の余剰水分等を乾燥除去す
る際に、得られる薄膜に微小な空隙を発生させたり、表
面にピンホールを形成させる。この空隙やピンホールに
より強誘電体薄膜の電気絶縁性が低下する。この傾向が
甚だしい場合は、空隙やピンホール部が導通状態になっ
たり、強誘電体の反転電圧以下の低電圧で絶縁破壊を起
こして電極間で電流がリークする。
この他にも、薄膜がゲル状態から結晶まで状態変化する
時に起こる体積収縮により、薄膜表面にマイクロクラッ
クが発生して電気絶縁性を低下させることがある。
従来、PZT系強誘電体材料の熱処理において、PbO
の蒸発や還元によるpbの離脱を防止する方法としては
、強誘電体材料を密閉型のさやに入れてたり、さらに密
閉型のさやの中に鉛丹(PbiO4)粉末を敷きつめる
ことにより鉛蒸気分圧を飽和状態にして熱処理を施すも
のが用いられている。しかしながら、この方法でも組成
ずれ、電極間リークの問題を完全に解決することはでき
なかった。
本発明者らは、特願平1−294479号において、強
誘電体層と、その上に設けられた鉛を多く含む材料から
なる層とからなる複合薄膜を加熱することにより、強誘
電体層から失われる鉛成分を補償して複合薄膜の組成比
を化学量論比に合致させる方法を開示している。これに
より、均一な組成を有し、優れた強誘電性を発揮し、し
がち電流リーク等のない優れた絶縁性を奏する強誘電体
薄膜が得られることを見出した。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、この方法により得られた強誘電体薄膜は
、耐久性(ファティーグ)および分極保持性が悪いとい
う問題がある。
強誘電体薄膜を強誘電体メモリとして用いる場合、+P
r(残留分極量)と−P「との間を反転スイッチングさ
せる。このため、圧電体や焦電体としての従来用いられ
る場合と異なり、強誘電体薄膜の耐久性や分極保持性が
重要となる。
第4図は、従来の強誘電体メモリ素子の耐久性を示すグ
ラフである。このグラフは、第5図に示すような繰り返
し周波数が625kHzの4種のパルス50を用い、4
つの各パルス間のスイッチ時のスイッチング特性(スイ
ッチング電流VSスイッチング時間)を積分することに
より残留分極量を算出し、その値をプロットした特性面
!1140を示すものである。実用上スイッチングサイ
クルは1012回程度必要であるが、第4図から分かる
ように、1010サイクルでスイッチング電流が1/2
になる。
一方、分極保持性を考慮する場合、例えば、強誘電体薄
膜形成後のパッシベーション工程、バラケージング工程
における熱変化、並びに応力変化による残留分極の経時
的変化を考える必要がある。
本発明者らの研究により、モールドパッケージレグ前の
強誘電体薄膜の耐久性は、107サイクルであるが、モ
ールドパッケージングされた強誘電体薄膜の耐久性は、
そのバラケージング工程の熱および応力により、104
〜105サイクルに急激に低下することが確認された。
また、強誘電体薄膜の残留分極が熱や応力により半減す
ることも確認された。ただし、この現象は、温度や応力
が大きくなるとそれに伴い顕著に現れるという性質のも
のではなく、そのメカニズムは完全には解明されていな
い。しかしながら、このメカニズムについて2つの考え
方がある。一つは、スペースチャージの振る舞いが原因
であるとする考え方である。これは、S、Takaha
shi J、J、A、P、vol、9.No、10、O
ct、、1970.やJ、F、5cott et、al
、”Radiationeffects on fer
roelectric thln f’ils mem
ories :Reteution failure 
mechanisms″J、A、P、6B(8)。
Aug、1989  に記載されている。もう一つは、
分極再配列による歪発生が原因であるとする考え方であ
る。これは、M、Kuvabara et、al、、J
Am、Ceram、Sol、71(2)、Feb、19
88.塩崎 第37回応用物理学会講演予稿集に記載さ
れている。また、これら両者が原因とする考え方もある
。しかしながら、この2つの考え方は、いずれも概念的
な説明であり、検証されているものではない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、耐久性
および残留分極保持性に優れた強誘電体薄膜を製造する
方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 、本発明者らは、耐久性および残留分極保持性に優れた
強誘電体薄膜を得るためには、結晶をできるだけ(10
0)軸配向させること、粒界の欠陥により双極子のヘッ
ドもしくはテールがトラップされないような構造を有す
るようにすること、粒成長を抑えて結晶を緻密にするこ
と、均一な結晶粒径にすること、化学量論的な組成にす
ることが必要であることを見出だした。
第6図(A)は、電圧朱印船状態におけるPZT強誘電
体薄膜の一部の粒子内の分極の様子を示した説明図であ
る。このPZT強誘電体薄膜は、(100)方向に配向
した白金電極の上にP b 1.02 (Z r o、
a T j o、b ) 03の組成になるように調整
された金属アルコキシド前駆体液をスピンコードにより
塗布し、それに熱処理を施して作製したものである。こ
の薄膜は、多結晶であり、X線回折により測定すると(
100)軸配向をしている。しかしながら、実際にはど
の粒子の双極子60も完全に1方向に配向しておらず、
いくらか傾いていると考えられている。また、第6図(
B)に示すように、一つの粒子に注目しても、粒子の中
心部近傍では双極子60が(100)軸配向(180”
分域)しており、粒界近傍では双極子62のヘッド(+
イオン)もしくはテール(−イオン)が粒界または粒界
近傍の欠陥によりトラップされている。このため、粒界
近傍では、粒子中心部の双極子の方向に垂直な方向にヘ
ッドもしくはテールを向けた双極子を有する分域が形成
される。これにより、粒界近傍では小さな90″分城壁
が形成されたり、場合によっては双極子のヘッド同志ま
たはテール同志が対向して静電エネルギーの非常に高い
状態が形成され、粒子の分極状態が極めて不安定となる
。この原因は、粒界または粒界近傍に存在する欠陥であ
り、この欠陥を減少させる必要がある。
この欠陥を減少させるためには、 ・PZTの場合pbの抜けを抑えること・Ti3+やT
i4+を発生させないように遊離したTiO2を形成さ
せないこと ・粒子形状を球形に近くし、粒径を小さくしてさらに粒
子を均一にすること ・マイクロポアおよびマイクロクラックを発生させない
こと ・粒子、粒界とも酸素不足にしないこと・化学量論組成
からずれないようにすること・結晶を正方品構造とする
こと が必要である。
本発明者らは、種々の元素を粒界に拡散させて粒界にお
ける欠陥を制御することにより、これらの要件が満たさ
れることを見出だし、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、基板上に設けられた第1の電極上
に強誘電体材料からなる強誘電体層を形成する工程と、
金属イオン供給層を該強誘電体層上に形成する工程と、
該金属イオン供給層内の金属イオンを該強誘電体層の強
誘電体材料粒子の粒界に拡散させる工程と、該金属イオ
ン供給層上に第2の電極を設ける工程とを具備すること
を特徴とする強誘電体薄膜の製造方法を提供する。
また、本発明は、基板上に設けられた第1の電極上に第
1の金属イオン供給層を形成する工程と、該第1の金属
イオン供給層上に強誘電体材料からなる強誘電体層を形
成する工程と、該強誘電体層上に第2の金属イオン供給
層を形成する工程と、該第1および第2の金属イオン供
給層内の金属イオンを該強誘電体層の強誘電体材料粒子
の粒界に拡散させる工程と、該第2の金属イオン供給層
上に第2の電極を設ける工程とを具備することを特徴と
する強誘電体薄膜の製造方法を提供する。
ここで、強誘電体材料には、(P b r−−−x ・
Ax) (Zr+−y−z ’Tiy Bz) 03 
十βM e Oaの一般式で表される化合物が用いられ
る。ただし、式中α−0〜0.2、X−0〜0.3、Y
−0〜1.0、Z−0〜0,3、β−〇〜0.5、δは
Meの価数で決定される数であって、AはCa5Sr、
Baのうちいずれかのもの、BはHf s S nのう
ちいずれかのもの、MeはLa、Th、YSSm、Dy
、E r% Ho、Tm、Yb、Ce、B i、5bS
Nb、Ta1W。
MOlCrsCo、Ni、Fe%Cu、Mn5g1,0
6% B% U% Scのうちいずれかのものである。
強誘電体材料の組成を完全に化学量論的な組成にするこ
とは実際には非常に困難であるため、適宜添加物を加え
て強誘電体材料を化学量論的な組成にすることが好まし
い。例えば、PZTはイオン結晶であるので、化学量論
的な組成かられずかにずれても電荷のバランスが崩れて
スペースチャージが発生する。このスペースチャージを
補償するために通常添加物を加える。
強誘電体材料の組成は、結晶構造が分極軸の数が少ない
正方晶になるように設定することが好ましい。これは、
分極軸の数が少ないと90°分域ができるのを抑えるか
らである。特に、粒界近傍では、残留分極の値が大きい
が分極軸の数が多くなる。このため、粒界近傍の組成と
はまったく異なる組成にする必要がある。例えば、強誘
電体材料がPZTである場合、結晶構造が正方晶のみで
あるP b T i Oiに近くなるようにZ r /
 T i比を決定することが好ましい。好ましくは、Z
r/Ti比が40/60である。
本発明において強誘電体層中に拡散させる金属イオンは
、強誘電体材料の粒界または粒界近傍のみに充填させる
ようにする。この金属イオンが強誘電体材料の各サイト
内にまで拡散すると組成ずれが生じ、かえって空間電荷
電界を発生させてしまう。このため、拡散のための処理
は瞬時に行う必要がある。なお、金属イオンを強誘電体
層中に拡散させる処理としては、熱処理等が挙げられる
強誘電体層を形成する方法としては、所望の組成になる
ように調整した強誘電体材料の前駆体溶液を調製し、そ
れをスピンコード法、デイツプ法等の既知の方法で塗布
し、その後予備焼成および本焼成する方法等が挙げられ
る。この方法において、予備焼成の後の本焼成は、予備
焼成の後に続けて行ってもよいし、予備焼成の後に他の
層を設け、その後に行ってもよい。
″また、強誘電体層の強誘電体材料に酸素欠陥を発生さ
せないためには、酸素ガス中で熱処理を行うか、酸化作
用の大きな化合物を添加物として用いることが好ましい
金属イオン供給層を形成する方法としては、金属イオン
を含む水溶液またはアルコール溶液(アルコキシド)の
希釈溶液中に一定時間浸漬して、その後乾燥する方法や
、真空蒸着、スパッタリング、イオンブレーティング等
を用いる方法が挙げられる。
金属イオン供給層は、強誘電体層のいずれか一方の表面
上に形成してもよいし、強誘電体層の両面上に設けても
よい。
金属イオン層は、強誘電体層中に金属イオンを拡散させ
た後に除去されることが好ましい。これは、未除去層が
非強誘電体である場合が多いからである。
[作用コ ゛ 本発明の強誘電体薄膜の製造方法によれば、強誘電体層
上に金属イオン供給層を設けて、金属イオンを強誘電体
層中に拡散させることにより、金属イオンを強誘電体材
料の粒界に充填させることができる。
このため、粒界に沿ってpbのような蒸気圧の高い構成
元素の拡散抜けを抑え、得られる強誘電体材料の組成ず
れを防止することができる。これにより、間接的に、そ
れ自身が誘電体となり誘電損失を招くようなTiO2等
の遊離を防止することができる。
また、SiやB等の添加物を加え、強誘電体材料の前駆
体溶液を用いて液相焼結を行うことにより、粒子の形状
および粒径を均一化を図ることができ、またマイクロポ
ア、マイクロクラックの発生を防止することができる。
したがって、本発明の方法によれば、耐久性および残留
分極保持性に優れた強誘電体薄膜を得ることができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面を参照して具体的に説明す
る。
実施例1 第1図は本発明にかかる第1の実施例を示す工程図であ
る。この実施例は、Si基板上に設けられた電極上に一
般式(P b 、−−−x ・Ax)(Z r 1−Y
−Z ” T i Y Bz ) 03+βM e O
aである強誘電体薄膜を形成し、その後、強誘電体材料
の粒界に拡散させる金属イオンを含む層を設けて、金属
イオンを粒界に拡散させる方法である。
まず、混合工程10において、酢酸鉛と鉛サイトを置換
させる金属(M e )の酢酸塩を混合し、この混合物
1に対して2−メトキシエチルアルコール5を加えて、
加熱しつつ攪拌して反応させた後、これを120℃まで
加熱し、次いで90℃まで冷却する。ここで、鉛サイト
を置換させる金属の酢酸塩の金属としては、Ba、Sr
、Ca。
Mg、  La、  Y、  Th、  Sm、  D
y、  Er、  Ho。
Tm、Yb、Ce、Bi、Sbが用いられる。この90
℃に保持されたアルコキシド溶液にM(OR)xアルコ
キシド溶液を混合して混合アルコキシド溶液を得た。こ
こで、Mには、Zr。
TiまたはBサイトを置換させる元素であり、例えば、
W、Nb、Ta、Mo、Sbが用いられる。
例えば、一般式において、α−0,02、X−01Y−
0,6,2−0、β−0の場合、すなわち、P b 1
.02 (Z r o、a T i o、b ) Os
の薄膜を製造する場合は、酢酸鉛溶液を1.02モル/
fl SM (OR) xアルコキシド溶液としてZr
(OR)4溶液を0.4モル/IIおよびT i (O
R)a溶液を0.6モル/gを用いる。
次いで、加水分解工程11において、水/PZTのモル
比が1.5、酢酸/PZTのモル比が10となるように
、混合アルコキシド溶液に水および酢酸を加えて、加水
分解および縮重合させた。なお、PZTのモル数はPb
、Zr、Tiのモル数を加えたものである。このように
して、強誘電体前駆体溶液を調製した。
第1の塗布工程12において、得られた前駆体溶液をp
t電極を設けた(100)Si基板上にスピンコード法
により塗布する。なお、Pt電極の形成は、(100)
Si基板上に厚さ数百人のTi薄膜を形成し、その上に
スパッタリング法等の既知方法によりptを被着して行
った。
また、スピンコードする際のスピナーの回転数は200
 Orpmとする。
次いで、第1の乾燥工程13において、150℃、10
分間で塗膜を乾燥した。
この塗布・乾燥を5回繰り返して厚さ0.5μmの強誘
電体前駆体層を形成した。
熱処理工程14において、強誘電体層を設けた基板をさ
やに入れ密閉し、酸素雰囲気中で熱処理する。ここで、
熱処理条件は、一般式でX−Z−β−0の場合に550
〜650℃で1時間、X。
Z、またはβが0でない場合に650〜750℃で1時
間であることが好ましい。これは、熱処理温度が上記の
温度以下であると強誘電体材料の結具構造がパイロクロ
ア構造を含むことになり、良好な強誘電性を発揮しない
からである。
次いで、第2の塗布工程15において、強誘電体材料の
粒界に充填するための金属イオンを含む溶液をスピンコ
ード法により塗布する。スピンコードする際のスピナー
の回転数は4000〜5000 rplIとする。これ
は、膜厚を小さくするために溶液の粘度を低くしている
からである。なお、強誘電体材料の粒界に充填するため
の金属イオンを含む溶液には、強誘電体層に含まれない
金属のアルコキシド化合物またはその金属アルコキシド
と強誘電体材料の原料アルコキシドとの混合溶液が用い
られる。アルコキシド化合物の他、そのような金属の炭
酸塩水溶液、シュウ酸塩水溶液等を用いることもできる
。また、有機金属化合物としては、アセチルアセトン金
属塩を用いてもよい。金属としては、(La、Y、Th
、Sm。
Dy、Er、Ho、Tm、Yb、Bi、5b)=A群、
(Cr、Mn、Ni、Co、Fe、Cu。
Sc、U)−B群、(Si、Ge、B)−C群が用いら
れる。強誘電体材料にA群の金属が含まれる場合、粒界
に充填する金属はB群から選び、強誘電体材料にB群の
金属が含まれる場合、粒界に充填する金属はA群から選
ぶようにする。また、C群の金属は、A、B群の金属に
置き換えてもよいし、A、B群の金属と併用してもよい
次いで、第2の乾燥工程16において、150℃、60
分間で塗膜を乾燥し、金属イオン供給層を形成する。
次いで、瞬間熱処理工程17において、金属イオン供給
層まで設けた基板に酸素ガス雰囲気中で400〜450
℃、5分以内の熱処理を施し、金属イオン供給層中の金
属イオンが拡散して強誘電体材料の粒界に充填される。
なお、この熱処理を5分以上施すと、金属イオンが粒界
のみならず粒子内にも拡散するので好ましくない。
その後、必要に応じて未拡散の金属イオン供給層をエツ
チング等により除去する。
Pt電極形成工程18において、ptを既知の方法によ
り形成して、強誘電体薄膜を製造する。
以上のような操作により、ベースとなる強誘電体材料お
よび粒界に充填させる添加物を種々変更してそれぞれの
耐久性を調べた(試料NO,1〜30)。
その結果を下記第1表に示す。なお、耐久性は、第5図
に示す4連パルスを強誘電体薄膜に各回縁り返して送り
、その時のスイッチング電流が初期値の1/2以下にな
ったときの回数を調べることにより行った。
第   1   表 第1表から明らかなように、本発明の方法により得られ
た強誘電体薄膜(試料N11L3〜30)は、10″回
でもスイッチング電流が1/2にならず、優れた耐久性
を示した。特に、試料N11L24〜2B、29゜30
の強誘電体薄膜は、1015回でもスイッチング電流が
1/2にならなかった。これに対して、強誘電体材料の
粒界を充填しないもの(試料N[Llおよび2)は、1
012回もたずにスイッチング電流が172になった。
実施例2 第2図は本発明にかかる第2の実施例を示す工程図であ
る。実施例1と同じ操作の部分については、参照番号を
付すことにより説明を省略する。
本実施例においては、金属イオン供給層を形成する際に
、スピンコード法の代わりに真空蒸着法やスパッタリン
グ法等の被着方法を用いること、すなわち第2の塗布工
程15および第2の乾燥工程16の代わりに薄膜被着工
程20を用いること以外は実施例1と同様にして強誘電
体薄膜を製造する。
本方法においては、粒界に充填される金属イオンがすべ
て拡散されずに、一部強誘電体層表面に酸化物として残
存する場合がある。しかしながら、これにより強誘電体
薄膜の耐久性が特に悪くなることはないようであるが、
前記実施例と同様に必要に応じて強誘電体層上に残存し
た酸化物を除去することが好ましいことである。
以上のような操作により、ベースとなる強誘電体材料お
よび粒界に充填させる添加物を種々変更してそれぞれの
耐久性を実施例1と同様にして調べた(試料?に31〜
60)。その結果を下記第2表に示す。
第2表 第2表から明らかなように、本発明の方法により得られ
た強誘電体薄膜(試料NCL33〜60)は、1012
回でもスイッチング電流が1/2にならず、優れた耐久
性を示した。特に、試料N[L58〜60の強誘電体薄
膜は、1015回でもスイッチング電流が172になら
なかった。これに対して、強誘電体材料の粒界を充填し
ないもの(試料N11L1および2)は、1012回も
たずにスイッチング電流が1/2になった。
実施例3 第3図は本発明にかかる第3の実施例を示す工程図であ
る。実施例1と同じ操作の部分については、参照番号を
付すことにより説明を省略する。
本実施例においては、金属イオン供給層を形成する際に
、強誘電体材料の粒界に充填するための金属イオンを含
む溶液をスピンコードする代わりにこの溶液に直接基板
を浸漬すること、すなわち第2の塗布工程15の代わり
に浸漬工程30を用いること以外は実施例1と同様にし
て強誘電体薄膜を製造する。
この浸漬方法は、溶液濃度および浸漬時間を種々変更す
ることにより金属イオン供給層の形成を精密に制御する
ことができる。
例えば、Sm (CH3Coo)33H20およびMn
 (CH3Coo)24H20の混合液に溶媒としてC
3H,OHを加えた0、1モル/p溶液に、基板をその
液面に水平にゆっくり浸漬し、1時間放置した後取り出
す方法である。。
以上のような操作により、ベースとなる強誘電体材料、
粒界に充填させる添加物、浸漬時間を種々変更してそれ
ぞれの耐久性を実施例1と同様にして調べた(試料Nα
61〜66)。その結果を下記第3表に示す。なお、試
料慮66は、基板上に設けられたPt電極上にPZT 
40/60 + SI+ Mn+st溶液をスピンコー
ドし、浸漬、乾燥、500℃程度の予備焼成を順次施し
た後、PZT 4oybo溶液をスピンコードし、乾燥
、650〜700℃の熱処理を施し、その後、これをP
ZT 40/60 + S@+ Mn+ Sl溶液に浸
漬、乾燥し、500〜750℃の熱処理を施して得たも
のである。
第3表から明らかなように、本発明の方法により得られ
た強誘電体薄膜(試料No、61〜66)は、1012
回でもスイッチング電流が1/2にならず、優れた耐久
性を示した。特に、試料!1i183〜66の強誘電体
薄膜は、10】5回でもスイッチング電流が1/2にな
らなかった。
[発明の効果] 以上説明した如く本発明の強誘電体薄膜の製造方法は、
耐久性および残留分極保持性に優れた強誘電体薄膜を製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる第1の実施例を示す工程図、第
2図は本発明にかかる第2の実施例を示。 す工程図、第3図は本発明にかかる第3の実施例を示す
工程図、第4図は従来の強誘電体メモリ素子の耐久性を
示すグラフ、第5図は4連パルスを示す説明図、第6図
(A)は電圧未印加状態におけるPZT強誘電体薄膜の
一部の粒子内の分極の様子を示した説明図、第6図(B
)は電圧朱印船状態におけるPZT強誘強誘電膜薄膜内
つの粒子内の分極の様子を示した説明図である。 10・・・混合工程、11・・・加水分解工程、12・
・・第1の塗布工程、13・・・第1の乾燥工程、14
・・・熱処理工程、15・・・第2の塗布工程、16・
・・第2の乾燥工程、17・・・瞬間熱処理工程、18
・・・pt電極形成工程、20・・・薄膜被着工程、3
0・・・浸漬工程。 出願人代理人 弁理士 坪井 淳 1i1図 第2図 1[13図 サ  イ  り  ル 114図 時間 箇511

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基板上に設けられた第1の電極上に強誘電体材料
    からなる強誘電体層を形成する工程と、金属イオン供給
    層を該強誘電体層上に形成する工程と、該金属イオン供
    給層内の金属イオンを該強誘電体層の強誘電体材料粒子
    の粒界に拡散させる工程と、該金属イオン供給層上に第
    2の電極を設ける工程とを具備することを特徴とする強
    誘電体薄膜の製造方法。
  2. (2)基板上に設けられた第1の電極上に第1の金属イ
    オン供給層を形成する工程と、該第1の金属イオン供給
    層上に強誘電体材料からなる強誘電体層を形成する工程
    と、該強誘電体層上に第2の金属イオン供給層を形成す
    る工程と、該第1および第2の金属イオン供給層内の金
    属イオンを該強誘電体層の強誘電体材料粒子の粒界に拡
    散させる工程と、該第2の金属イオン供給層上に第2の
    電極を設ける工程とを具備することを特徴とする強誘電
    体薄膜の製造方法。
JP31277690A 1990-11-20 1990-11-20 強誘電体薄膜の製造方法 Expired - Lifetime JPH0695443B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31277690A JPH0695443B2 (ja) 1990-11-20 1990-11-20 強誘電体薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31277690A JPH0695443B2 (ja) 1990-11-20 1990-11-20 強誘電体薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04184808A true JPH04184808A (ja) 1992-07-01
JPH0695443B2 JPH0695443B2 (ja) 1994-11-24

Family

ID=18033275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31277690A Expired - Lifetime JPH0695443B2 (ja) 1990-11-20 1990-11-20 強誘電体薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0695443B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005333105A (ja) * 2004-04-23 2005-12-02 Seiko Epson Corp 強誘電体膜積層体、強誘電体メモリ、圧電素子、液体噴射ヘッドおよびプリンタ
JP2007314368A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Fujifilm Corp ペロブスカイト型酸化物、強誘電素子、圧電アクチュエータ、及び液体吐出装置
JP2009283950A (ja) * 2004-04-23 2009-12-03 Seiko Epson Corp 圧電素子、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
JP2011249659A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Kyocera Corp 圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システム
JP2013518420A (ja) * 2010-01-27 2013-05-20 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 圧電アクチュエータまたは圧電アクチュエータモジュールに用いられる圧電セラミックスを製造するための方法および材料

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005333105A (ja) * 2004-04-23 2005-12-02 Seiko Epson Corp 強誘電体膜積層体、強誘電体メモリ、圧電素子、液体噴射ヘッドおよびプリンタ
JP2009283950A (ja) * 2004-04-23 2009-12-03 Seiko Epson Corp 圧電素子、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
JP2007314368A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Fujifilm Corp ペロブスカイト型酸化物、強誘電素子、圧電アクチュエータ、及び液体吐出装置
JP2013518420A (ja) * 2010-01-27 2013-05-20 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 圧電アクチュエータまたは圧電アクチュエータモジュールに用いられる圧電セラミックスを製造するための方法および材料
JP2011249659A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Kyocera Corp 圧電素子、これを備えた噴射装置及び燃料噴射システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0695443B2 (ja) 1994-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Schwartz Chemical solution deposition of perovskite thin films
US5614018A (en) Integrated circuit capacitors and process for making the same
TWI261273B (en) Composition for thin film capacitive device, insulating film with high dielectric constant, thin film capacitive device, thin-film laminated capacitor and process for producing thin film capacitive device
JP2010239132A (ja) 圧電薄膜、圧電素子および圧電素子の製造方法
JPH0369512A (ja) 改良ペロブスカイト薄膜
JP2008042069A (ja) 圧電体素子とその製造方法
US7229662B2 (en) Heterolayered ferroelectric thin films and methods of forming same
Sakka History of ferroelectric materials prepared by sol-gel method
US6528863B1 (en) Perovskite-containing composite material, method of manufacturing said material, electronic component and module
JPWO2004079059A1 (ja) (001)配向したペロブスカイト膜の形成方法、およびかかるペロブスカイト膜を有する装置
JPH04184808A (ja) 強誘電体薄膜の製造方法
KR100803440B1 (ko) 복합 금속 산화물용 원료 조성물
JPH0585704A (ja) 強誘電体薄膜の製造方法
JP3105080B2 (ja) 強誘電体薄膜の製造方法
JP2012018944A (ja) 強誘電体膜の製造方法とそれを用いた強誘電体素子
CN115020210A (zh) 一种具有高剩余极化强度的铈掺杂铪锆氧铁电薄膜的制备方法及应用
JP2002261093A (ja) ゾル−ゲル工程を利用した強誘電体薄膜の製造方法
Aegerter Ferroelectric thin coatings
Yu et al. Preparation, structure, and properties of 0.3 Pb (Zn1/3Nb2/3) O3-0.7 PbTiO3 thin films on LaNiO3/YSZ/Si substrates
JPH0891841A (ja) 強誘電体膜の製造方法
JPH0578103A (ja) 厚膜無機酸化物
KR101138239B1 (ko) 고압전 계수 박막의 제조방법
JP2003272444A (ja) 誘電体酸化物膜の製造方法
JPH0419911A (ja) 強誘電体薄膜形成前駆体溶液の製造方法および強誘電体薄膜の製造方法
JP3195827B2 (ja) 基板上に強誘電体チタン酸ビスマス層を製造する方法