JPH0418266Y2

JPH0418266Y2 -

Info

Publication number: JPH0418266Y2
Application number: JP1986149571U
Authority: JP
Priority date: 1986-09-30
Filing date: 1986-09-30
Publication date: 1992-04-23
Also published as: JPS6356841U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、比較的電界強度が強い地区におい
て、マルチパス雑音が発生した際、セパレーシヨ
ン制御のみ行なうことによつて、聴感上の雑音感
を大幅に低減し、より高品質なFM受信を提供す
る車載用FM受信装置に関する。

（従来の技術）従来、この種のFM受信装置は、電界強度によ
つてセパレーシヨンと高音域制御を行う回路を備
えており、電界強度が下がつた場合、自動的にセ
パレーシヨン（ASCと呼ばれる）と高音域カツ
ト（ATC）を行つて雑音の軽減を行つてきた。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、上記従来のFM受信装置では、
受信電界強度によつてセパレーシヨンと高音域を
制御するため、受信電界強度が比較的強い所で発
生したマルチパスによる雑音は、低減することが
できないという問題があつた。また、電界強度が
比較的強い所で、マルチパスを検知してセパレー
シヨンと高音域を同時に制御すると、雑音は軽減
されるが聴感上の違和感が残るという問題もあつ
た。本考案は、このような従来の問題を解決する
ものであり、受信電界強度の強い地区で違和感を
少なく、マルチパスによる雑音を低減する優れた
FM受信装置を提供することを目的とするもので
ある。

（問題点を解決するための手段）本考案は、上記目的を達成するために、車載用
のFM受信装置における中間周波増幅検波部とス
テレオ復調部間に、受信電界強度に応じてセパレ
ーシヨン制御するセパレーシヨン制御回路と、受
信電界強度に応じて高音域を制御する高音域制御
回路と、マルチパス受信時には、マルチパスを検
出し、この検出出力によつて電界強度とは別にセ
パレーシヨンのみを制御するマルチパスによるセ
パレーシヨン制御回路とをそれぞれ具備し、上記
セパレーシヨン制御出力によりマルチパス発生時
の音声出力の歪成分を軽減するようにしたもので
ある。

（作用）従つて、本考案によれば、比較的受信電界強度
が弱い所では、高音帯域の制御とセパレーシヨン
制御とを行い、比較的受信電界強度が強い所で
は、マルチパス検出によつてセパレーシヨンのみ
を行い、受信電界強度に関係なく雑音を低減でき
るという効果を有する。

また、本考案によれば、受信電界強度の比較的
強い所では、マルチパス検出によつてセパレーシ
ヨンのみを行つているので、聴感上の違和感が少
ないという効果を有する。

（実施例）第１図は、本考案の一実施例を示すものであ
る。第１図において、１はアンテナであり、２は
RF増幅部である。３は周波数を混合しIFに変換
する回路であり、４は局部発振器である。５は
IFの増幅と検波を行う。６はステレオ復調を行
う部分であり、７は比較的弱い電界強度に応じて
高音域をカツトし、オーデイオの周波数特性を制
御する回路である。８は同様に比較的弱い電界強
度に応じて分離度を下げるようにセパレーシヨン
を制御する回路である。９はオーデイオ増幅部、
１０はスピーカである。１１は本考案で述べるマ
ルチパス検出回路である。１２はマルチパス量に
応じてセパレーシヨン及びその応答時間を制御す
る回路である。１３はこの情報源となるIFエン
ベロープの検波出力である。

次に、上記実施例の動作について説明する。中
間周波増幅検波部の検波出力１３にマルチパスが
発生した時には、高域成分を含んだAM変動成分
が生じる。このIFエンベロープのAM成分より歪
の量を検出するのがマルチパス検出回路１１であ
る。この歪の量は、パルス列という形で検出され
る。そして、立上り時には時定数を短くとり、歪
の量に応じて大きいことになり、分離度を下げる
ようにステレオ→モノへ切換える。歪の量が減れ
ば、その時にはパルス列は少なくなり、歪がゼロ
となればパルス列もゼロになる。この時、立上り
時に比べ長い時定数によつて分離度を再びモノ→
ステレオに戻していく。

このように上記実施例によれば、マルチパス発
生時には、セパレーシヨンを制御して歪感を少な
く保つことができる。また、上記実施例によれ
ば、セパレーシヨン制御のみであるから、聴感上
の違和感は少なくてすむという効果を有する。

なお、本考案におけるAM成分より歪量を検出
するマルチパス検出回路は、特に実例をあげるま
でもなく、周知の回路を組み合わすことによつ
て、各種構成することができることはいうまでも
ない。

（考案の効果）本考案は、上記実施例により明らかなように、
以下に示す効果を有する。受信電界強度の変化範
囲が第２図Ａのような場合、マルチパスが発生し
ても、一般に、受信平均電界よりも弱い電界であ
るので、電界強度に応じた高音域制御回路と電界
強度に応じたセパレーシヨン制御回路のみで雑音
が除去できる。また、第２図Ｂのように受信平均
電界強度が強い場合には、本考案のように、マル
チパス検出回路およびマルチパスによるセパレー
シヨン制御回路を持つことにより、雑音と聴感上
の違和感を軽減することができる。ここで、雑音
というのは歪率と置き換えることができるが、第
３図のように、マルチパスによる歪はセパレーシ
ヨンと相関関係があり、ステレオからモノに近づ
くほど歪率は低くなつてゆく、本考案は、この効
果を用いている。また、本考案は、マルチパス発
生時の高音域カツト制御は聴感上大きな違和感を
生じるため、セパレーシヨン制御のみとしている
ので、聴感上の違和感を大幅に低減することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるFM受信装
置の概略ブロツク図、第２図は従来の装置の電界
強度と分離度を示す図、第３図はマルチパス発生
時のセパレーシヨンと歪率の定性的説明図であ
る。１……アンテナ、２……RF増幅部、３……周
波数混合部、４……局部発振器、５……IF増幅
検波部、６……ステレオ復調部、７……高音域制
御回路、８……セパレーシヨン制御回路、９……
AF増幅部、１０……スピーカ、１１……マルチ
パス検出回路、１２……セパレーシヨン制御回
路、１３……IF検波出力。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

車載用のFM受信装置における中間周波増幅検
波部とステレオ復調部間に、受信電界強度に応じ
てセパレーシヨン制御するセパレーシヨン制御回
路と、受信電界強度に応じて高音域を制御する高
音域制御回路と、マルチパス受信時には、マルチ
パスを検出し、この検出出力によつて電界強度と
は別にセパレーシヨンのみを制御するマルチパス
によるセパレーシヨン制御回路とをそれぞれ具備
し、上記セパレーシヨン制御出力によりマルチパ
ス発生時の音声出力の歪成分を軽減するようにし
た車載用FM受信装置。