JPH0418069A - マレイミド類の製造法 - Google Patents

マレイミド類の製造法

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JPH0418069A
JPH0418069A JP2147232A JP14723290A JPH0418069A JP H0418069 A JPH0418069 A JP H0418069A JP 2147232 A JP2147232 A JP 2147232A JP 14723290 A JP14723290 A JP 14723290A JP H0418069 A JPH0418069 A JP H0418069A
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tin
acid
reaction
catalyst
salts
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Ryuichiro Tsumura
津村 柳一郎
Teruo Muraishi
照男 村石
Keiichi Ikeda
圭一 池田
Kingai Ou
王 金よし
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はN−置換マレイミド類の製造法に関するもので
ある。マレイミド類は、種々な樹脂、農薬、医薬等の原
料として有用であり、特に近年スチレン系樹脂の耐熱性
改善のために大量に利用され、またその他の樹脂の改質
用コモノマーやポリマーブレンド用コポリマー等として
用いられようとしている。
(従来の技術〕 N−置換マレイミド類の製造法としては古くから幾つか
の方法が知られている。−殻内な製造法は無水マレイン
酸類と一級アミン類とを反応させてN−l換マレインア
ミド酸とし、これを脱水閉環させてイミド化する方法で
ある。
例エバ、N−フェニルマレイミドを製造するために必要
な反応は次の式(IV) ; で示される分子内脱水環化によるイミド化反応である。
これには大別すると脱水剤を用いる方法と触媒による方
法がある。
脱水剤を用いる方法では、例えば米国特許第24445
3号ヤオルガニック シンセシス 第41巻、第93頁
で公知な様に、無水酢酸の様な脱水剤を等モル以上用い
て反応を行う。この方法は、反応条件が温和であり、ま
た反応収率が比較的高いために優れてはいるが、高価な
脱水剤を大量に使用したり、また反応後に煩雑な生成物
分離処理をしなければならないために製品マレイミド類
のコストが高くなり、経済的な量産方法とはなり難い。
これに比べて、触媒による脱水イミド化法は大量の高価
な副原料を消費しないので、基本的には優れた経済的製
造法となり得る方法である。マレインアミド酸類を溶剤
の存在下に加熱すれば脱水反応が起こり、生成水を反応
系外に除去しながら加熱を続けると多少は目的物のマレ
イミドを生成する。しかしその生成速度が遅過ぎて実用
的ではなく、またこの間に好ましからざる多様な副反応
が起こるので、マレイミドの選択率も低い。そこで脱水
反応を促進して転化率と選択率を高めるために触媒が必
要となる。
この方法として、古くは特公昭51−40078号にお
いてマレインアミド酸類を酸触媒により脱水し、生成水
を共沸除去しながら分子内で閉環させてイミド化する方
法が知られている。酸触媒としては硫酸、燐酸の様な無
機酸、または有機のノぐラドルエンスルホン酸の様なp
Ka 3以下の強酸が使われている。この際に、特公昭
55−46394号では、マレインアミド酸類の溶解性
を高めるために非プロトン性極性溶剤を共沸溶削に混合
した溶剤系が用し1られている。特開昭60−1146
5号の様に酸触媒として強酸型のイオン交換体を用いた
り、或いは上述の様な強酸触媒の存在下で無水マレイン
酸と一級アミンとを反応させることにより、直接的にマ
レイミド類を得る方法も知られている。更に、酸触媒に
糧々の添加剤を併用する方法がある。例えば、特公昭5
1−40078号では酸触媒の存在下に安定剤として重
合禁止剤やアルコール類を添加して反応させたり、また
特開昭6L 5066号や特開昭62−63562号で
は酸触媒の存在下に微量(アニリンに対して0.005
〜0.5モル%、好ましくは0,01〜0.1 モル%
)の亜鉛、クロミウム、コバルト、ニッケル、鉄、アル
ミニウムやパラジウムの一種以上の金属化合物を添加し
て反応させている。
また特開昭61−60647号では無水マレイン酸と一
級アミンを有機溶剤中で反応させてマレインアミド酸の
スラリーを得て、触媒の存在下または非存在下に、該溶
剤が還流する第二の反応器中へこのスラリーを間欠的ま
たは連続的に添加している。
この際の触媒としては、前記と同様の燐または硫黄のオ
キシ酸、或いはそれらのアルカリ金属塩またはアルカリ
土類金属塩が好適とされている。また更に、エステル化
反応に慣用される触媒と同一の金属(Ni、 Co、 
Cu、 Zn l Sn、 AI l BI Sb、 
Ll l Mg、 Cr、 Tl l VIM n +
 F e )の化合物も用いられると記載されている。
しかし、これらの金属化合物に関しては、酸触媒と異な
って、触媒としての具体的説明が明示されていない、実
施例では酸触媒が使われ、個別の金属化合物の例示も全
く記載されていない。
これら公知の触媒的脱水イミド化方法に共通して不可欠
な要素はブレンステッド酸性の強い酸触媒であり、例え
ば硫酸類、燐酸類、臭化水素酸、フルオロスルホン酸等
の様な無機プロトン酸、或いはクロロ酢酸、フルオロ酢
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パラトルエンスル
ホン酸やスルホン型イオン交換樹脂等の様な有機ブトロ
ン酸で代表される酸強度の強いブレンステッド酸を酸触
媒としで用いることである。
[発明が解決しようとする課題〕 触媒の存在下にN−置換マレインアミド酸類を脱水イミ
ド化してN−置換マレイミド類を製造する方法は、副原
料を消費しない直接的反応なので、原理的には経済的に
好ましい方法である。従って、前記に代表される様な酸
触媒を用いる多数の方法が知られている。しかしマレイ
ミド類の工業的用途から判断していずれの方法も未だ技
術的または経済的に満足されるものではない。
即ち、解決すべき課題としては; (1)前記の様な公知の無機または有機の強酸を用いて
も反応の選択率または収率が十分ではない。
(2)触媒として多量に用いられる無機酸や高価なを機
酸は、有機相との分液性がよくないために、反応後の分
離回収が容易ではない。
(3)酸触媒は製品を汚染し易く、また比較的低選択率
のために副生物が多く混入する。製品からこれらを除去
するために水洗分液等の煩雑な精製が不可欠となる。
(4)前記(3)のため大量の洗浄水の排水処理をしな
ければならない。
(5)触媒の強酸を高温で多量に使用するため、反応器
及び周辺装置が耐食材料となり、高価となる。
等の酸触媒に起因する実用的に重要な技術的問題点があ
り、根本的な改善が望まれる。
これに対して、本発明は触媒反応によるマレイミド製造
法であるが、上記の様な酸触媒による方法とは全く異な
る新規な脱水イミド化方法である。
本発明の目的は上記5項目の問題点の解決にある。換言
すれば、本発明は酸触媒以外の新規な触媒を用いること
によって、N−7換マレインアミド酸類からN−置換マ
レイミド類を高収率で経済的に大量生産できる製造方法
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記5項目の問題点を根本的に解決するこ
とを目的として、以前に、従来の酸触媒に代わる高選択
性且つ実用的な新規触媒の開発が必要と考えて、触媒探
索を行った。この結果、前述の様な酸触媒を用いなくて
も、亜鉛マレインアミド酸塩類、金属亜鉛または反応系
内で該塩類を生成し得る亜鉛化合物を反応系に触媒量添
加するだけで、目的に沿って脱水イミド化できることを
見い出し、本発明に先立って特許出願した(特願平1−
30764)。
この際に、この亜鉛触媒反応を詳細に検討した結果、マ
レインアミド酸が、亜鉛と塩を形成することにより、立
体的に分子内環化イミド化し易くなる様に配位活性化さ
れ、次いで加熱脱水して速やかに且つ選択的にイミド化
するという金属配位触媒機構が本触媒反応に対して推定
された。
更に、該反応過程において新規な亜鉛のマレインアミド
酸塩を単離することに成功した。またこれとは別途に、
この亜鉛塩を他の方法により初めて合成し、その触媒量
を用いて同様の脱水イミド化反応を試みた上、これが触
媒活性種の前駆体であることを確かめた6 そこでこの考えに基いて触媒性能を一層改善するために
、種々な金属または金属化合物に関して触媒探索した結
果、驚くべきことに、酸触媒の非存在下で、且つ金属錫
、酸化錫、錫のマレインアミド酸塩類及びまたは反応系
内で該塩類を生成し得る錫化合物を触媒量用いた場合の
脱水イミド化反応において、前述の目的ムこ沿った且つ
亜鉛触媒より優れた実用的反応成績が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はN−置換マレインアミド酸類を、水と共
沸する有機溶削と有機非プロトン性極性溶剤から成る混
合溶剤中で加熱脱水し、生成する水を共沸除去しながら
脱水イミド化するに際し、酸触媒の非存在下で、且つ触
媒として金属錫、酸化錫、錫のマレインアミド酸塩類、
反応系内で該塩類を生成し得る錫化合物、またはこれら
の混合物の存在下に、脱水イミド化反応を行うことを特
徴とするN−置換マレイミド類の製造法である。
強酸性のブレンステッド酸は、触媒として本反応混合物
に添加されると、マレインアミド酸の錫塩の生成を妨害
したり酸塩を分解したりするために、本発明の方法はこ
の様な強酸性化合物の非存在下に行われる。
因に、前記特開昭61−60647号におけるエステル
化触媒用の金属化合物に関しては、比較例に示した様に
、これらの殆んど(例えば、Ni+Co+Cu、B。
Mg、Cr、Mn+Fe )が本反応の触媒として不活
性であるか、または選択率の改善を示さない。従ってエ
ステル化と本脱水イミド化の画反応間には触媒的に何ら
の共通性も全く存在しないことは明らかである。
本発明に原料として用いられるN−置換マレインアミド
酸類は、次の一般*(1); RaN)lcOcRd=cRecOOH(1)(但し、
Raは1〜30個の炭素からなる脂肪族、指環族または
芳香族の一価残基、RdとReは水素または反応に対し
て不活性な一価の置換基であり、同一でもまたは異なっ
ていてもよい)で表わされるN−置換モツマレインアミ
ド酸、並びに次の一般式(II)及び(III)  ; Rb(NHCOCRd=CReCOOH) 2    
(If)HOOCCRe=CRdCONHNHCOCR
d=CReCOOfl1?b−[−χ−Rc−コ n−
X−Rb       (Ill)□ NHCOCRd=CReCOOH (但し、Rbは1〜30個の炭素からなる脂肪族、脂環
族または芳香族の二価残基、Rcは1〜30個の炭素か
らなる脂肪族、脂環族または芳香族の三価残基、Xは反
応に対して不活性な二価の置換基、nは0〜50の整数
)で表わされるN−置換ビス−及びポリ−マレインアミ
ド酸である。
これらのN−置換マレインアミド酸は、公知の方法に従
って、それぞれの対応する無水マレイン酸またはその置
換体と一層モノー、ジーまたはポリ−アミン類とを溶剤
中で混合して反応することにより容易に且つほぼ定量的
に得られる化合物であN−置換モツマレインアミド酸類
の代表例としては、例えば式中のRaがメチル、エチル
、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、5ec−
ブチル、t−ブチル、アミル、l−アミル、ヘキシル、
オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、オクタデシ
ル、アリル、ベンジル等の脂肪族基、シクロペンチル、
シクロヘキシル等の脂環族基、フェニル、トリル、キシ
リル、スチリル、ドデシルフェニル、ナフチル、ベンジ
ルフェニル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、ヒド
ロキシフェニル、メトキシフェニル、フェノキシフェニ
ル、ベンゾイルフェニル、カルボキシフェニル、ニトロ
フェニル等の芳香族基を有するものである。Raが本発
明の反応において不活性な置換基、例えばハロゲン基、
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルメ
ルカプト基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、ベン
ゾイル基、ニトリル基等やこれらの組み合わされた一価
置換基により置換されたものも含まれる。
二重結合炭素の置換基RdとReの代表例としては、水
素以外に、前述のRaと同様の脂肪族、脂環族と芳香族
の一価置換基が含まれる。
これらの中でも特に実用的に有用な具体例としては、例
えばN−メチルマレインアミド酸、N−ブチルマレイン
アミド酸、N−オクチルマレインアミド酸、N〜ドデシ
ルマレインアミド酸、N−ステアリルマレインアミド酸
、N−シクロへキシルマレインアミド酸、N−フェニル
マレインアミド酸、N−(o−トリル)マレインアミド
酸、N−ドデシルフェニルマレインアミド酸、N−クロ
ロフェニルマレインアミド酸、N−ジクロロフェニルマ
レインアミド酸、N−(0−またはp−ヒドロキシフェ
ニル)マレインアミド酸、N−(o−またはm−メトキ
シフェニル)マレインアミド酸、N−(m−ヒドロキシ
カルボニルフェニル)マレインアミド酸、N−(m−ニ
トロフェニル)マレインアミド酸等がある。
また、N−置換ビス−及びポリ−マレインアミド酸の代
表例としては、例えば(II)及び(III)式中のR
bがエチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン等の脂
肪族基、シクロヘキシレン、メチレンビス(シクロヘキ
シレン)等の脂環族基、フェニレン、トリレン、キシリ
レン、スチリレン、ドデシルフェニレン、ナフチレン、
クロロフェニレン、ジクロロフェニレン、ヒドロキシフ
ェニレン、メトキシフェニレン、フェノキシフェニレン
、ベンゾイルフェニレン、カルボキシフェニレン、ニト
ロフェニレン等の芳香族基を有するものであり、またR
aの場合と同様に、Rbも本反応において不活性な前記
の一価置換基により置換されたものを含む。
If)式のχは、例えばメチレン、ジメチルメチレン、
シクロへキシルメチレン、フェニルメチレン、エチレン
、プロピレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン等のア
ルキレン基、シクロヘキシレン基等のRbと同様の二価
脂環族基、フェニレン、トリレン、キシリレン等の二価
脂環族基、エルチル基、ケトン基、エステル基、アミド
基、ジサルファイド基、スルホン基、−0(cbon)
o−1−O(C,H4)CO(C6H4)O−1−0(
CJn)S(h(CJ4)O−等の二価置換基であり、
これらもRaと同様に、本反応において不活性な前記の
一価置換基により置換されたものを含む。
Rcとしては、例えば三価のベンゼン環(caoi)が
あり、Raと同様に、本反応において不活性な前記の一
価置換基により水素が置換されたものも含む。尚、式(
Hl)中のnが0の場合はビス−マレインアミド酸とな
り、1以上の場合にはオリゴ−またはポリ−マレインア
ミド酸を表わす。
N−1換ビス−マレインアミド酸の中でも特に実用的に
有用な具体例としては、例えばN、N’−(m−または
p−フェニレン)ビス−マレインアミド酸、N。
N″−(2,4−)リレン)ビス−マレインアミド酸、
N。
N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビス−マレイン
アミド酸、N、N’−(4,4°−ジフェニルエーテル
)ビス−マレインアミド酸、N、N’−(4,4°−ジ
フェニルケトン)ビス−マレインアミド酸、N、N’−
(4,4’−ジフエニルジサルファイド)ビス−マレイ
ンアミド酸、N、N’−(4,4’−ジフェニルスルホ
ン)ビス−マレインアミド酸等がある。
また式(III)において、Rhがフェニレン基、Xが
キシリレン基、RdとReが水素で且つnが零である構
造のN、N’−(4,4°−p−キシリレンジフェニル
)ビスマレインアミド酸も実用的である。
N−置換ポリ−マレインアミド酸で特に有用な具体例と
しては、例えば式(III)において、RbとRcがベ
ンゼン環、Xがメチレン基、I?clとReが水素で且
つnが1〜10から成る構造のポリメチレンポリフェニ
レンポリマレインアミド酸、またRbとRcがベンゼン
環、Xがキシリレン基、RdとReが水素で且つnが1
〜10から成る構造の芳香族ポリマレインアミド酸があ
る。
本発明においては、無水マレイン酸またはその置換体と
一層アミンとから溶剤中でマレインアミド酸を合成し、
これをそのままで脱水反応に用いることができる。
この際に使用する無水マレイン酸類と一層アミン類中の
アミノ基のモル比は当然化学量論的が望ましいが、前者
を1〜1.1程度の範囲で若干過剰蓋用いる方が好都合
の場合が多い。尚この過剰量の無水マレイン酸は反応後
に回収再使用することができる。
本発明は、酸触媒の非存在下で、錫触媒を用いることに
より実施される。
本発明の方法で使用される錫触媒は金属錫、酸化錫、錫
のマレインアミド酸塩類及び反応系内で該塩類を生成し
得る錫化合物よりなる群から選ばれた一種または二種以
上の錫成分である。
ここでの酸触媒とは前述の様な公知のブレンステッド酸
性の強い酸触媒であり、例えば硫酸類、燐酸類、臭化水
素酸、フルオロスルホン酸等の様な無機プロトン酸、或
いはクロロ酢酸、フルオロ酢酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、パラトルエンスルホン酸やスルホン型イオン
交換樹脂等の様な有機ブトロン酸で代表されるものであ
る。これらはマレインアミド酸の錫塩の形成を妨害する
このため、もし酸触媒が共存すると、本錫触媒反応は阻
害されてしまう。
先ず、触媒として金属錫と酸化錫が用いられるが、これ
らも反応系内でマレインアミド酸塩を生成する。金属錫
は形状に制限はないが、微粉末が好ましい。酸化錫は酸
化第一錫または二価の錫を含有する錫酸化物である。本
触媒反応には酸化第一錫SnOまたは二価の錫からなる
酸化物が有効に作用する。他方、酸化第二錫SnO□、
即ち四価の錫からなる酸化物は比較例10で分かるよう
に全く不活性であるが、反応を阻害することはない。酸
化第一錫は加熱によって金属錫と酸化第二錫に不均化し
、SnOとSnugの間の5n203.5n30a 、
5nsOhのような多様な錫酸化物中間体を生成する。
本触媒としては二価の錫が含まれる限り、どのような組
成の酸化物でも使用することができる。
錫のマレインアミド酸塩類は前述のマレインアミド酸を
含む塩であり、これに有機または無機中性配位子または
結晶水が結合した塩も含まれる。
触媒に含まれるN−置換マレインアミド酸は原料として
用いるものと異なるものでも差し支えないが、好ましく
は同一のものが選ばれる。また配位子は非イオン性の窒
素、酸素、燐原子等が錫に配位し得る様な有機または無
機中性配位子である。
この具体例としては、例えばアミン類、アミド類、アル
コール類、エステル類、エーテル類、ホスフィン類、ホ
スファイト類、水等が挙げられる。好ましく使用される
配位子の代表例は、アミン類、後述する極性溶剤または
結晶水の配位子である。
これらの配位子を全く含まない錫のマレインアミド酸塩
類も同様に用いられる。
錫のマレインアミド酸塩類は触媒活性種の前駆体として
極めて重要である。本発明にはポリ−マレインアミド酸
も原料として使用され、該塩類がモノマレインアミド酸
からのものだけとは限らない。即ち、触媒としての該塩
類は一般的には弐(V); Sn (OCOCRe=CRdCONHRa) 411
.     (V)(但し、mは1または3)で示され
る様な、錫が少なくとも1モルのマレインアミド酸基を
含む化合物として定義される。
本発明の触媒として、好適な具体例としては、例工ば錫
のN−メチルマレインアミド酸塩、N−ブチルマレイン
アミド酸塩、■−ドデシルマレインアミド酸塩、N−ス
テアリルマレインアミド酸塩、N−シクロヘキシルマレ
インアミド酸塩、N−フェニルマレインアミド酸塩、N
−)サルマレ2インアミド酸塩、N−クロロフェニルマ
レインアミド酸塩、N−ニトロフェニルマレインアミド
酸塩、N−ヒドロキシフェニルマレインアミド酸塩等、
及びこれに中性配位子または結晶水が配位した錫塩の付
加体がある。
またN、N”−(m−またはp−フェニレン)ビス−マ
レインアミド酸、N、N’−(2,4−)リレン)ビス
−マレインアミド酸、N、 N’ −(4,4’−ジフ
ェニルメタン)ビス−マレインアミド酸、N、N’−(
4,4“−ジフェニルエーテル)ビス−マレインアミド
酸、N、N“−(4,4’−p−キシリレンジフェニル
)ビスマレインアミド酸の錫塩、及び同様の付加体も含
まれる。
更に、該マレインアミド酸塩類を生成し得る錫化合物と
しては、種々な錫化合物があり、特に制限されるもので
はない。代表的には、二価及び四価の錫の有機カルボン
酸塩と錫ハロゲン化物がある。
錫の有機カルボン酸塩は弱酸性(pKa>3)の脂肪族
、脂環族または芳香族の一価もしくは多価カルボン酸の
錫塩である。カルボン酸の代表例としては、例えば酢酸
、1プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、オク
チル酸、ラウリル酸、ステアリン酸、グリシン、乳酸、
こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、マ
レイン酸、フマル酸、クエン酸、シクロへキシルカルボ
ン酸、ナフテン酸、安息香酸、トリル酸、クロル安息香
酸、フクル酸、テレフタル酸等がある。中でも、好まし
くは酢酸、2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、安息
香酸、ナフテン酸等が用いられる。
錫ハロゲン化物は塩化第一錫、塩化第二錫、臭化第一錫
、臭化第二錫、沃化第一錫、沃化第二錫、ジクロロ錫ビ
スアセチルアセトネートの様なハロゲン含有の錫化合物
である。好ましくは塩化第一錫と塩化第二錫が使用され
る。
これらの触媒は通常は単独で用いられるが、必要に応し
て二種類以上を混合使用することもできる。
また上記以外の錫化合物も本発明のマレインアミド酸塩
からなる触媒を生成し得る限り用いることが出来る。
触媒の使用量は特に制限はないが、原料マレインアミド
酸1モルに対して0.1〜20モル%(錫として0.0
01〜0.2グラム原子)、好ましくは0.5〜10モ
ル%の範囲である。実際的には、触媒の使用量は、溶剤
量の最適化と同様に、原料と溶剤の種別、反応諸条件等
の関係から決められる。
公知の酸触媒ではその使用量からみて回収再使用が不可
避であり、また製品の汚染を伴うために煩雑な水洗工程
が不可欠である。これに対して本発明の方法は酸触媒の
代わりに錫、酸化錫及びまたは錫塩類を触媒とする初め
ての方法であり、反応後の触媒の分離が容易であり、触
媒は回収リサイクル出来る。また、製品の精製も容易と
なり、複雑な後処理は必ずしも必要としない。
本発明の触媒は、後述する実施例と比較例を比べると明
白な様に、脱水イミド化反応を単に促進するだけでなく
、環状イミドの加水分解、炭素−炭素二重結合への付加
や重合反応等に起因する副反応を抑制することによりマ
レイミドへの選択性をも改善する優れた機能を示す。
水と共沸する有機溶剤は反応によって生成する水を反応
系外に共沸除去するために用いられる。
この共沸溶剤は50〜200°Cの範囲の温度で水を共
沸でき且つ反応に不活性なものであればよい。例えば、
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン類、キ
ュメン、クロルベンゼン、アニソール、ジクロルエタン
、ジェトキシエタン、シクロヘキサノン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、トリオキサン等があ
り、溶剤の特性と価格を考慮してキシレン類が多用され
る。
また有機非プロトン性極性溶剤はマレインアミド酸と触
媒の溶液濃度を高めるために用いられるが、例えばジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセドアミド、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、メチルイソブチルケトン、T
−ブチロラクトン、ヘキサメチルホスホルアミド、N−
メチルピロリドン、テトラメチル尿素、1.3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン等から選ばれ、好ましくはジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド′、ジメチ
ルスルホキシド等が用いられる。
この欅な極性溶剤は一般に強酸と加熱すると分解を引き
起こして反応性の酸やアミン類等を生成する。従って、
従来の酸触媒を用いる脱水イミド化反応では極性溶剤が
反応中に分解し、更にまたこの分解生成物が脱水イミド
化の副生成物を増加させる。しかし本発明の錫触媒はこ
の様な性質の酸触媒とは異なり、極性溶剤の分解を抑え
ることができる。溶剤の分解並びにそれに起因するマレ
インアミド酸からマレイミドへの選択率の低下を避けら
れることは実用的に重要な本発明の特長の一つである。
本発明の脱水イミド化反応では水と共沸する有i溶剤に
有機非プロトン性極性溶剤を添加または混合した溶剤が
用いられる。混合溶剤の使用量はマレインアミド酸の原
料濃度として通常0.1〜5モル/I!、、好ましくは
0.5〜3モル/lの範囲である。混合t8荊中の極性
溶剤の組成は通常容積で0.1〜50%、好ましくは1
〜20%の範囲の中から選ばれる。これら原料濃度と溶
剤組成は原料、触媒と溶剤の種別、並びに触媒量、温度
と時間等の反応条件によって最適値が決められる。
またこの脱水反応に先立ってまたは反応後の分離精製工
程において公知の重合禁止剤等の安定剤を添加して用い
ることができる。この安定剤としては、例えばハイドロ
キノン、3級ブチルハイドロキノン、メトキシベンゾキ
ノン等のキノン類、3級ブチルカテコール、メトキシフ
ェノール等のフェノール類やビスフェノール類、アルキ
ルジフェニルアミン等のアミン類、フェノチアジン、メ
ルカプトベンツイミダゾール、メチレンブルー等の硫黄
化合物、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチ
オカルバミン酸亜鉛の様なジアルキルジチオカルバミン
酸金属塩類、ジステアリル−3゜3゛−チオジプロピオ
ン酸エステルの様なチオプロピオン酸エステル類、トリ
フェニルホスファイトの様なホスファイト類等が用いら
れる。
反応温度は50〜200°C1望ましくは80〜160
°Cの範囲が用いられるが、具体的には前述の混合溶剤
の種別と組成並びに原料濃度を選ぶことによって最適な
温度が決められる。反応圧力は特に制限はなく、通常は
常圧で好まし〈実施される。反応時間は通常0.5〜1
0時間の範囲であり、他の反応条件の選択に応して実用
的な最適時間が決定されるが、好ましくは1〜5時間の
範囲である。
本発明によりマレインアミド酸類からマレイミド類を製
造する実施形態を述べると、反応は回分式、半連続式ま
たは連続式で実施することができる。通常はマレインア
ミド酸、水と共沸する有機溶剤、有機非プロトン性極性
溶剤と触媒を反応に先立って混合して、またはマレイン
アミド酸と触媒は別々にして溶剤と共に反応器内へ供給
する。
反応器はその後または予め加熱し、この共沸溶削を所定
時間加熱還流させながら生成する水を反応器内から共沸
分離することにより脱水反応を進行させ、マレインアミ
ド酸をマレイミドに転化する。
この際、原料のマレインアミド酸類は別途に合成して使
用しなくても、上記の共沸7容則またはこれと極性溶剤
との混合溶剤中で無水マレイン酸またはその置換体に対
応する一般アミンを添加する公知の方法によって合成し
、引き続いて直接これに触媒を添加して還流させ、上記
と同様にして共沸脱水反応させることができる。マレイ
ンアミド酸類はほぼ定量的に合成できるので、通常はこ
の方が経済的である。
得られた反応混合物は、蒸発器によって両溶剤を蒸発回
収した後、簡単な抽出、晶析または蒸留等に付され、マ
レイミドの粗製品が得られる。この純度は90〜100
%、通常は95〜99.9%程度である。一方、抽出、
晶析または蒸留の残渣は少量のマレイミドと残留する未
反応のマレインアミド酸の外に副生物と錫触媒を含有し
、それは有効成分としてそのままでまたは適当な処理を
施して反応系に供給し再使用することができる。錫触媒
は反応直後にまたは溶剤分離後に沈殿物として析出させ
て固液分離するか、または溶解した液から抽出等によっ
て分離することもできる。
マレイミドの粗製品は適当な抽出、晶析、洗浄、蒸留等
の慣用の精製操作によって容易に実用に適する高純度製
品とされる。必要に応して適当な溶剤に溶かして実用に
供することもできる。
また本発明の錫金属系触媒は、従来の強酸触媒と異なり
、腐食性を示さない。従って、通常の安価な装置材料が
使用出来るので、製造設備も極めて経済的となる。
かくして、本発明は、新規な錫触媒を用いることにより
、目的とする前記5項目の課題解決を達成し、(1)極
めて高い選択率と収率で、(2)触媒が容易に分離出来
、(3)煩雑な水洗等の精製を必要とせず、(4)排水
処理の負担なく、且つ(5)安価な材料の反応装置によ
ってN−置換マレイミド類を製造することが出来る。
即ち、本発明は、酸触媒の非存在下に、且つ金属錫、酸
化錫、錫のマレインアミド酸塩類及び反応系内で該塩類
を生成し得る錫化合物よりなる群から選ばれた一種また
は二種以上の錫化合物から成る高活性触媒を使用するこ
とによって、無水マレイン酸またはその置換体と対応す
る一層アミン類を出発原料として、またはN−置換マレ
インアミド酸類を原料として、極めて高い選択率と収率
で、且つ簡略な分離精製によって目的とするN−置換マ
レイミド類を経済的に製造する方法を提供するものであ
る。
〔実施例〕
次に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
実施例 1 水分離器付き還流冷却器、撹拌機、温度計を備えた30
0m lフラスコ中へ無水マレイン酸(以下MANと略
記)  15.44 g、キシレン(以下xyと略記)
 70m1とジメチルホルムアミド(以下DMFと略記
) 10m1を仕込み、80°Cで撹拌下にアニリン(
以下ANと略記)  13.97gとキシレン20m1
の混合液を15分間にわたって定量供給し、更に15分
間熟成反応させてN−フェニルマレインアミド酸(以下
PMAと略記)を合成した。
この白色粉末スラリーに、触媒として酸化第一錫(以下
SnOと略記) 0.530g (M A Nに対して
2.5モル%)を添加し、撹拌しながら昇温しで内容物
を加熱還流させた0反応により生成する水を共沸分離し
ながら約140°Cで3.5時間還流を続けた。この間
に、脱水反応の進行に伴ってPMAの白色スラリーは次
第に溶解して、橙黄色溶液となった。他方、反応終期に
は触媒成分が析出してきた。
これから溶剤を減圧蒸発させて回収し、釜残をシクロヘ
キサンで熱抽出した。次いで抽出液を濃縮乾燥して鮮黄
色針状結晶の抽出物22.88 gと抽残3.88gが
得られた。液体クロマト分析によると、この抽出物はN
−フェニルマレイミド(以下PMIと略記)であり、そ
の純度は98.3%であった。またPMAが1.4%含
まれていた。抽残にはPMIが 15.6%、PMAが
42.9%と無水マレイン酸が1.8%含有されていた
反応成績として、PMIとPMAの収率(使用AN基準
)並びにPMAを有効中間体としたPMIの反応選択率
を第1表にまとめた。
実施例 2 触媒を2倍量用いて2.5時間脱水反応させた以外は、
実施例1と同様にして実施した。この反応結果は第1表
に示した。
実施例 3 VAN15.OOgと触媒0.505g用いた以外は、
実施例1と同様にして実施した。この反応結果は第1表
に示した。
実施例 4 MAN22.06gと触媒0.505g用いた以外は、
実施例1と同様にして実施した。この反応結果は第1表
に示した。
実施例 5 MAN20.59g、 AN18.63gと触媒0.6
73g用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。
この反応結果は第1表に示した。
実施例 6 MAN30.89g、 AN27.94gと触媒1.0
10g用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。
この反応結果は第1表に示した。
実施例 7〜9 キシレンの代わりにそれぞれ(7)エチルヘンゼン(P
hEtと表示)、(8)クロルベンゼン(PhC1と表
示)と(9)キュメン(Cumと表示)を用いた以外は
、実施例1と同様にして実施した。これらの反応結果は
第1表に示した。
実施例 10〜12 触媒0.505gとDMFの代わりにそれぞれ(10)
ジメチルアセトアミド(以下DMACと略記)、(11
)ジメチルスルホキシド(DMSOと略記)と(12)
 N−メチルピロリドン(NMPと略記)を用いた以外
は、実施例1と同様にして実施した。
これらの反応結果は第1表に示した。
実施例 13 実施例1と同形式の500m1反応器にPMAを76.
48g、χY 180m1. D M F 20nlと
触媒1.616gを仕込み、撹拌しな、がら加熱還流さ
せた。反応により生成する水を凝縮分離しながら約14
0°Cで3時間還流を続けた。この間に、反応の進行に
伴ってPMAの白色スラリーは次第に溶解して、橙黄色
溶液となり、触媒成分が析出してきた。この生成物を実
施例1と同様に処理して得られた結果は第1表に合わせ
て示した。
実施例 14 実施例1と同形式のII反応器にMAN144.2gと
X y 630m1を仕込み、撹拌下に30〜80°C
でAN130.4gを1時間で供給し、白色粉末状スラ
リーのPMAを合成した。このスラリーに、D M F
 70m1と触媒9.428gを添加した以外は実施例
1と同様に反応し、処理した。得られた結果は第1表に
合わせて示した。
実施例 15 触媒としてSn075重量%を含む錫酸化物1.347
gとDMFの代わりにDMACを用いた以外は、実施例
5と同様に実施した。この結果は第1表に示した。
実施例 16〜18 触媒としてSnOの代わりにそれぞれ(16)酢酸第一
錫(5n(OAc)zと表示) 0.93:’g、(1
7)錫を28重量%含有する2−エチルヘキサン酸第−
錫(Sn (OCOHep) tと表示) 1.669
gと(18) 宋患香酸第−錫(5n(OCOPh)z
と表示) 1.421gを用いた以外は、実施例1と同
様に実施した。これらの結果は第2表に、示した。
実施例 19〜21 触媒として、SnOの代わりにそれぞれ(19)反応混
合物から分離された新規なN−フェニルマレインアミド
酸第−錫塩(以下Sn (PMA) zと略記)1.9
7g、  (20)新規なN−フェニルマレインアミド
酸第−錫塩・ジメチルホルムアミド付加体(以下Sn 
(PMA) !−DMFと表示)2.25gと(21)
新規なN−フェニルマレインアミド酸第−錫塩・トリエ
チアミン付加体(以下Sn(PMA)z ’ TEAと
表示)2.36gを用い、3時間還流した以外は、実施
例1と同様にして実施した。これらの反応結果は第2表
に示した。
実施例 22 触媒として酢酸第一錫1.811gを用いた以外は、実
施例3と同様に実施した。この結果は第2表に示した。
実施例 23 触媒として前記の2−エチルヘキサン酸第−錫塩4.4
51gを用い2時間還流した以外は、実施例5と同様に
実施した。この結果は第2表に示した。
実施例 24 触媒として前記の2−エチルへキサン酸第−錫塩6.6
76gを用い、2時間還流した以外は実施例6と同様に
実施した。この結果は第2表に示した。
実施例 25〜26 溶剤としてXyO代わりにそれぞれ(25) PhEt
と(26) PhC1を用い、触媒2.225gを仕込
み、3.5時間還流した以外は、実施例23と同様にし
て実施した。これらの反応結果は第2表に示した。
実施例 27〜29 極性溶剤としてDMFの代わりにそれぞれ(27)DM
AC1(28)DMSOと(29)NMPを用い、触媒
として酢酸第一錫1.183gを仕込み、3.5時間還
流した以外は、実施例23と同様にして実施した。これ
らの反応結果は第2表に示した。
実施例 30 DMFを添加せずにXy90ml中でPMAを合成し、
これにDMFlomlと触媒として酢酸第一錫2、48
6gを添加した以外は、実施例23と同様に実施した。
この結果は第2表に示した。
実施例 31 触媒として酢酸第一錫2.841gを用いて3.5時間
還流した以外は、実施例13と同様に実施した。この結
果は第2表に示した。
実施例 32 触媒としてSnOの代わりに金属錫粉末0.623gを
用いただ以外は、実施例5と同様に実施した。この結果
は第3表に示した。
実施例 33〜36 触媒として5nOO代わりにそれぞれ(33)無水塩化
第一錫(SnC12と表示)0.747g、(34)塩
化第一錫(SnC1□2H20と表示) 0.888g
、(35)無水塩化第二錫(SnC1,と表示) 1.
03gと(36)塩化第二錫(SnC1m 5H20と
表示) 1.38gを用いた以外は実施例1と同様に実
施した。これらの結果は表3に示した。
実施例 37 実施例1と同じ反応装置にMAN 15.44gとχ1
70m1を仕込み、これにp−アミノフェノール(以下
PAPと略記) 16.37g (0,15モル)、χ
y65mlとD M F 15m1の混合液を撹拌下に
80°Cで30分間にわたって供給し、更に15分間熟
成反応させてN−(p−ヒドロキシフェニル)マレイン
アミド酸(スラリー状態)を合成した。
次いで、触媒として酸化第一錫1.061g  (5,
0モル%/M A N )を添加し、撹拌下に約140
°Cで3時間還流しながら反応により生成する水を共沸
分離してマレイミドを合成した。
この反応混合物から溶剤を減圧蒸発させ、釜残からマレ
イミドを抽出した。抽出液としてシクロヘキサンの代わ
りにこれとχyの混合液を用いた以外は、実施例1とほ
ぼ同様に実施して黄色結晶のN−(ρ−ヒドロキシフェ
ニル)マレイミド(MIとして表示)を分離し、定量し
た。この反応結果は第4表に示した。
実施例 38〜41 PAPの代わりにそれぞれ(38) o−アニシジン(
表ではMOANと略記)、(39) p−クロルアニリ
ン(表ではCLANと略記)、(40)シクロヘキシル
アミン(表ではCHAと略記)と(41)ドデシルアミ
ン(表ではDODAと略記)を0.15モル用い、第4
表に記載通りの触媒と脱水時間によって反応を行った以
外は、実施例37とほぼ同様の操作により実施し、対応
するマレインアミド酸(MAとして表示)とマレイミド
(MIとして表示)が得られた。これらの結果は第4表
にまとめて示した。
実施例 42〜45 PAPO代わりにそれぞれ(42) p−フェニレンジ
アミン(表ではPDAと略記)、(43) 2.4−ト
リレンジアミン(表ではTDAと略記)、(44)4.
4“−ジアミノジフェニルメタン(表ではMDAと略記
)と(45) 4.4”−ジアミノジフェニルエーテル
(表ではDADPEと略記)を0.075モルとD M
 F 20m1を用い、表4に記載通りの触媒と脱水時
間によって反応を行った以外は、実施例37とほぼ同様
の操作により実施し、対応するビスマレイミド(Mlと
して表示)が得られた。この結果は第4表にまとめて示
した。
実施例 46 次式(vBで表わされるポリアミン混合物(H2N)−
Rh−[−X−Rc(NHz)−1n−X−Rb−(N
)12)  (VI)(但し、Rbがp−フェニレン基
、Rcがベンゼン環、XがP−キシリレン基であり、n
が0のα、α゛−ビス(p−アミノフェニル)p−キシ
レンのジアミンが78%、nが1のトリアミンが18.
5%とnが2以上のテトラアミン以上が6.5%から成
る組成物であり、表ではPAPXと略記)20gをPD
Aの代わりに用い、第4表に記載通りの触媒と脱水時間
によって反応を行った以外は、実施例42とほぼ同様の
操作により実施し、原料ポリアミンにほぼ対応するポリ
マレイミド(M+として表示)が得られた。この結果は
第4表に併記した。
比較例 1〜3 触媒を用いない場合(比較例1)、触媒として85%オ
ルソ燐酸(比較例2)または96%硫酸(比較例3)を
MANに対して5モル%用いた以外は、実施例1と同様
に反応を実施した。それぞれの結果は第5表に示した。
本発明による触媒の効果は、PMI収率並びに選択率に
関して、上記実施例の結果を比較例1と比べれば一目瞭
然である。
更に、公知の酸触媒の代表例としての比較例2または3
と実施例を比べれば、本発明の触媒は収率、特に選択率
で優れていることが明確となる。
尚、比較例の酸触媒では抽残としての副生物が実施例に
比べて異常に多いのが特徴的である。
本発明では酸化第一錫、N−1F換マレインアミド酸の
錫塩類とその他の錫化合物が触媒となるために、酸触媒
では不可欠となる煩雑な反応生成物からの酸触媒除去操
作(水洗、中和、分液、乾燥等)が不要となる効果も実
用上から軽視できない。
比較例 4〜9 前述の様に、エステル化触媒として慣用される金属化合
物の殆どは本反応の触媒として用いることができない、
これを実証するために、これらの金属の中で例えば(4
)と(5)ニッケル、(6)コバルト、(7)銅、(8
)マグネシュウムと(9)マンガンに関して、例示の化
合物を触媒として用いた以外は実施例1と同様実施した
これらの結果は第5表に併記した。
これらの比較例を無触媒の比較例1及び錫触媒の実施例
1と反応結果(P’MTの収率と選択率)について比較
すると、すべての本比較例ではPMA転化率とPMI選
択率に関して触媒活性が認められないことが分かる。
比較例 10〜11 SnOの代わりに(10)酸化第二錫と(11)ジブチ
ル錫ジラウレート(MANに対して2.5モル%)を用
いたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
この結果は第5表に併記した。
この結果は四価の酸化錫とジアルキル錫化合物が反応に
対して何ら影響を及ぼさないことを示す。
比較例 12 SnOの代わりに硫酸第一錫(MANに対して2.5モ
ル%)を用いたこと以外は、実施例5と同様に実施した
。この結果は第5表に併記した。
この比較例は硫酸の様な無機強酸の二価の錫塩が触媒活
性を全く発現しないことを示す。
〔発明の効果〕
本発明によれば、無水マレイン酸またはその置換体と対
応する一層アミン類を出発原料として、またはN−置換
マレインアミド酸を原料として、高い選択率と収率でN
−置換マレイミド類を経済的に製造することができる。
また本発明によれば、特にポリマー原料等として有用な
高純度マレイミド類を容易に大量生産することができる
特許出願人  三井東圧化学株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)N−置換マレインアミド酸類を、水と共沸する有機
    溶剤と有機非プロトン性極性溶剤から成る混合溶剤中で
    加熱脱水し、生成する水を共沸除去しながら脱水イミド
    化するに際し、酸触媒の非存在下に、且つ金属錫、酸化
    錫、錫のマレインアミド酸塩類及び反応系内で該塩類を
    生成し得る錫化合物よりなる群から選ばれた一種または
    二種以上の触媒の存在下に、脱水イミド化反応を行うこ
    とを特徴とするN−置換マレイミド類の製造法。 2)N−置換マレインアミド酸類が、次の一般式( I
    ); RaNHCOCRd=CReCOOH( I )(但し、
    Raは1〜30個の炭素からなる脂肪族、脂環族または
    芳香族の一価残基、RdとReは水素または反応に対し
    て不活性な一価の置換基であり、同一でもまたは異なっ
    ていてもよい)で表わされるN−置換モノマレインアミ
    ド酸、並びに次の一般式(II)及び(III); Rb(NHCOCRd=CReCOOH)_2(II)▲
    数式、化学式、表等があります▼(III) (但し、Rbは1〜30個の炭素からなる脂肪族、脂環
    族または芳香族の二価残基、Rcは1〜30個の炭素か
    らなる脂肪族、脂環族または芳香族の三価残基、Xは反
    応に対して不活性な二価の置換基、nは0〜50の整数
    )で表わされるN−置換ビス−及びポリ−マレインアミ
    ド酸よりなる群から選ばれる一種または二種以上のマレ
    インアミド酸である請求項1に記載の方法。 3)金属錫が粉末状である請求項1に記載の方法。 4)酸化錫が酸化第一錫または二価の錫を含有する錫酸
    化物である請求項1に記載の方法。 5)錫のマレインアミド酸塩類がN−置換モノ−、ビス
    −及びポリ−マレインアミド酸の錫塩、及び該錫塩に中
    性配位子または結晶水が配位した錫塩の付加体よりなる
    群から選ばれる一種または二種以上のマレインアミド酸
    の錫塩である請求項1に記載の方法。 6)反応系内で該マレインアミド酸塩類を生成し得る錫
    化合物が錫の有機カルボン酸塩である請求項1に記載の
    方法。 7)反応系内で該マレインアミド酸塩類を生成し得る錫
    化合物が錫ハロゲン化物である請求項1に記載の方法。 8)水と共沸する有機溶剤がシクロヘキサン、ベンゼン
    、トルエン、エチルベンゼン、キシレン類、キュメン、
    クロルベンゼン類、アニソール、ジクロルエタン、ジエ
    トキシエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン
    、メチルイソブチルケトン、トリオキサンよりなる群か
    ら選ばれる溶剤である請求項1に記載の方法。 9)有機非プロトン性極性溶剤が、ジメチルホルムアミ
    ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ス
    ルホラン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクト
    ン、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルピロリド
    ン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダ
    ゾリジノンよりなる群から選ばれる一種または二種以上
    の溶剤である請求項1に記載の方法。 10)重合防止剤の存在下に反応及びまたは精製処理を
    行う請求項1に記載の方法。
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