JP2954336B2 - マレイミド類の製法 - Google Patents

マレイミド類の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はN−置換マレイミド類の製造方法に関するも
のである。
マレイミド類は、種々な樹脂、農薬、医薬等の原料と
して有用であり、特に近年スチレン系樹脂の耐熱性改善
のために大量に利用されている。
また、その他の樹脂の改質用コモノマーやポリマーブ
レンド用コポリマー等として用いられようとしている。
〔従来の技術〕
N−置換マレイミド類の製造方法としては古くからい
くつかの方法が知られている。一般的な製造方法は無水
マレイン酸類と一級アミンとを反応させてマレインアミ
ド酸とし、これを脱水閉環させてイミド化する方法であ
る。これらを大別すると脱水剤または触媒を用いる方法
がある。
脱水剤を用いる方法では、例えば、米国特許第244453
号やオルガニック シンセシス 第41巻、第93頁で公知
な様に、無水酢酸の様な脱水剤を等モル以上用いて反応
を行う。この方法は、反応条件が温和であり、また反応
収率が比較的高いために優れてはいるが、高価な脱水剤
を大量に使用しており、また、反応後に煩雑な生成物分
離処理をしなければならないために、製品であるマレイ
ミドのコストが高くなり、経済的な量産方法とはなり難
い。
これに比べて、触媒による脱水イミド化法は大量の高
価な副原料を消費しないので、基本的には優れた経済的
製造法になり得る方法である。
この方法として、特公昭51−40078号においてマレイ
ンアミド酸類を酸触媒により脱水し、生成水を共沸除去
しながら分子内で閉環させてイミド化する方法が知られ
ている。酸触媒としては硫酸、燐酸の様な無機酸、また
は有機のパラトルエンスルホン酸の様なpKa3以下の強酸
が使われている。
この際に、特公昭55−46394号では、マレインアミド
酸類の溶解性を高めるために非プロトン性極性溶剤を共
沸溶剤に混合した溶剤系が用いられている。特開昭60−
11465号の様に酸触媒として強酸型のイオン交換体を用
いたり、あるいは上述のような強酸触媒の存在下で無水
マレイン酸と一級アミンとを反応させることにより、直
接的にマレイミド類を得る方法を知られている。さら
に、特公昭51−40078号、特開昭61−5066号および特開
昭62−63562号では酸触媒の存在下に安定剤として重合
禁止剤やアルコール類を添加して反応させたり、酸触媒
の存在下に微量の金属化合物を添加して反応させてい
る。
これら公知の触媒的脱水イミド化方法に共通して不可
欠な要素はブレンステッド酸性の強い酸触媒である。
例えば、硫酸類、燐酸類、臭化水素、フルオロスルホ
ン酸等の様な無機プロトン酸またはクロロ酢酸、フルオ
ロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸やスルホン型イ
オン交換樹脂等のような有機プロトン酸に代表される酸
強度の強いブレンステッド酸を酸触媒として用いること
である。
触媒による脱水イミド化法は大量の高価な副原料を消
費しない直接的反応なので、基本的には優れた経済的製
造法になり得る方法である。しかしながら、マレイミド
類の工業的用途から判断して以下の理由から従来公知の
酸触媒による方法は、いずれも未だ技術的または経済的
に満足されるものではない。
(1)触媒として前記のような公知の無機または有機の
強酸を用いても反応の選択率または収率が十分ではな
い。
(2)触媒として多量に用いられる無機酸や高価な有機
酸は、有機相との分液性がよくないために、反応後の分
離回収が容易ではない。
(3)酸触媒は製品を汚染し易く、また比較的低選択率
のために副生物が多く混入する。製品からこれらを除去
するために水洗分液などの煩雑な精製が不可欠となる。
(4)前記(3)のため大量の洗浄水の排水処理をしな
ければならない。
(5)触媒の強酸を高温で多量に使用するため、反応器
および周辺装置が耐食材料となり、高価となる。
本発明者らは従来の酸触媒の有する上記5項目の問題
点を根本的に解決するため触媒探索を行った。その結
果、前述のような酸触媒を用いなくても、金属スズおよ
びスズ元素を含有する化合物の中から選ばれた少なくと
も一種の触媒を添加するだけで、目的に沿って脱水イミ
ド化出来ることを見いだし、提案した(特願平1−1524
32および特願平2−108769)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、金属スズおよびスズ元素を含有する化
合物の中から選ばれた少なくとも一種を触媒としてN−
置換マレイミド類を製造する上記方法は、触媒の性能が
未だ充分満足できるものとは言えない。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題点を解決するため鋭意検討を行
った。その結果、金属スズおよびスズ元素を含有する化
合物の中から選ばれた少なくとも一種の接触の存在下、
N−置換マレインアミド酸を脱水イミド化し、N−置換
マレイミド類を製造するにあたり、三級アミンの存在下
で反応を行えば、触媒の性能が大幅に向上できることを
見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、金属スズおよびスズ元素を含有す
る化合物の中から選ばれた少なくとも一種の触媒の存在
下、N−置換マレインアミド酸類を脱水イミド化し、N
−置換マレイミド類を製造するに当り、三級アミンの存
在下で反応を行うことを特徴とするN−置換マレイミド
類の製造方法である。
以下、具体的に本発明の方法を説明する。本発明で原
料として使用するN−置換マレインアミド酸の例として
は以下の物を例示できる。
N−置換モノマレインアミド酸の代表例としては、N
−メチルマレインアミド酸、N−ブチルマレインアミド
酸、N−オクチルマレインアミド酸、N−ドデシルマレ
インアミド酸、N−ステアリルマレインアミド酸、N−
シクロヘキシルマレインアミド酸、N−フェニルマレイ
ンアミド酸、N−(o−トリル)マレインアミド酸、N
−ドデシルフェニルマレインアミド酸、N−クロロフェ
ニルマレインアミド酸、N−ジクロロフェニルマレイン
アミド酸、N−(o−またはp−ヒドロキシフェニル)
マレインアミド酸、N−(o−またはm−メトキシフェ
ニル)マレインアミド酸、N−(m−ヒドロキシカルボ
ニルフェニル)マレインアミド酸、N−(m−ニトロフ
ェニル)マレインアミド酸などがある。
また、N−置換ビスーマレインアミド酸の例として
は、N,N′−(m−またはp−フェニレン)ビスーマレ
インアミド酸、N,N′−(2、4ートリレン)ビスーマ
レインアミド酸、N,N′−(4、4′ージフェニルメタ
ン)ビスーマレインアミド酸、N,N′−(4、4′ージ
フェニルエーテル)ビスーマレインアミド酸、N,N′−
(4、4′ージフェニルケトン)ビスーマレインアミド
酸、N,N′−(4、4′ージフェニルジサルファイド)
ビスーマレインアミド酸、N,N′−(4、4′ージフェ
ニルスルホン)ビスーマレインアミド酸などがある。
これらのN−置換マレインアミド酸は、公知の方法に
従って、それぞれの対応する無水マレイン酸またはその
置換体と一級モノーまたはジーアミン類とを溶剤中で混
合して反応することにより容易にかつ定量的に得られる
化合物である。この様にして合成されたこれらのマレイ
ンアミド酸類は、単離して脱水反応に用いることが出来
る。
本発明においては、無水マレイン酸またはその置換体
と一級アミンとから溶剤中でマレインアミド酸を合成
し、これをそのままで脱水反応に用いることも出来る。
本発明の方法では、従来公知の酸触媒を用いなくとも
反応は進行する。
本発明の方法で、触媒として用いられる金属スズおよ
びスズ元素を含有する化合物としては、以下の物を例示
することができる。
金属スズは形状に制限はないが、微粉末が好ましい。
スズ元素を含有する化合物としては、二価および四価
のスズの酸化物、水酸化物、カルボン酸塩、アルコキサ
イド、ハロゲン化物、鉱酸塩および有機スズ化合物など
を例示することができる。スズの酸化物および水酸化物
としては、酸化第一スズ、酸化第二スズおよび水酸化第
一スズ、水酸化第二スズが使用できる。
スズの有機カルボン酸塩としては、脂肪族、脂環族ま
たは芳香族の一価または多価カルボン酸のスズ塩であ
る。このようなカルボン酸の代表例としては、例えば酢
酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン類、オク
チル酸、ラウリル酸、ステアリン酸、グリシン、乳酸、
こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、マ
レイン酸、フマル酸、クエン酸、シクロヘキシルカルボ
ン酸、ナフテン酸、安息香酸、トリル酸、クロル安息香
酸、フタル酸、テレフタル酸などを例示できる。
また、スズのアルコキサイドの例としては、スズのメ
トキシド、エトキシド、n−プロポキシド、i−プロポ
キシド、n−ブトキシド、sec−ブトキシド、tert−ブ
トキシド、ペンタオキシド、ヘキサオキシド、フェノキ
シド、ベンジルオキシドなどが例示できる。
スズハロゲン化物は、塩化第一スズ、塩化第二スズ、
臭化第一スズ、臭化第二スズ、ヨウ化第一スズ、ヨウ化
第二スズ、ジクロロスズビスアセチルアセトネート、ジ
クロル−n−ブチルスズ、ジクロルジ−tert−ブチルス
ズ、ジクロルジメチルスズ、ジクロルジビニルスズ、ト
リクロルメチルスズ、トリクロルフェニルスズ、トリエ
チルブロモスズ、トリメチルブロムスズのようなハロゲ
ン含有のスズ化合物である。
さらに、スズの鉱酸塩の例としては、スズの硫酸塩、
硝酸塩、リン酸塩、ビス(トリエチルスズ)硫酸塩など
を例示できる。
有機スズ化合物としては、アリルトリフェニルスズ、
ビス(トリメチルスズ)アセチレン、ヘキサメチルジス
ズ、テトラメチルスズ、テトラ−i−プロピルスズ、ト
リ−n−ブチルシクロペンタジエニルスズ、水酸化トリ
フェニルスズなどの有機スズ化合物も使用できる。
これらの金属スズおよびスズ元素を含有する化合物の
中では、酸化第一スズ、水酸化第一スズ、水酸化第二ス
ズ、塩化第一スズ、塩化第二スズ、および二価のスズの
有機カルボン酸塩、アルコキサイドが好ましい。
これらの触媒は通常は単独で用いられるが、必要に応
じて二種類以上を混合使用することもできる。
触媒の使用量は特に制限はないが、原料マレインアミ
ド酸1モルに対して通常0.1〜20モル%(スズとして0.0
01〜0.2グラム原子)、好ましくは、0.5〜10モル%(ス
ズとして0.005〜0.1グラム原子)の範囲である。
本発明の方法で用いられる三級アミンの例として以下
の物を例示することができる。
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プ
ロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、トリ−n−
ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−t−
ブチルアミン、トリアミルアミン、トリ−i−アミルア
ミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリ
−i−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミ
ン、トリドデシルアミン、トリオクタデシルアミン、ト
リアリルアミン、トリベンジルアミン、トリプロパギル
アミン、トリス(トリメチルシリル)アミンなどの対称
脂肪族三級アミン類、ジメチルエチルアミン、ジメチル
プロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチ
ル−sec−ブチルアミン、ジメチル−t−ブチルアミ
ン、ジメチルオクタデシルアミン、ジエチルメチルアミ
ン、メチルエチルプロピルアミン、メチルエチルイソプ
ロピルアミン、メチルエチルブチルアミン、メチルエチ
ルイソブチルアミン、メチルエチル−t−ブチルアミ
ン、メチルジプロピルアミン、メチルジイソプロピルア
ミン、メチルプロピルブチルアミン、メチルプロピルデ
シルアミン、エチルジプロピルアミンなどの非対称脂肪
族三級アミン類、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレン
ジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチルエチレンジアミ
ンなどのジアミン類、N,N−ジメチルアニリン、N−メ
チル−N−エチルアニリン、p−N,N′−ジメチルトル
イジン、p−N−メチル−N−エチルクロルアニリン、
トリフェニルアミンなどの芳香族三級アミン類、N−メ
チルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−メチルモ
ルホリン、N−エチルモルホリン、N−イソブチルモル
ホリン、N−フェニルモルホリン、N−メチルピペリジ
ン、N−エチルピペリジン、N,N′−ジメチルピペラジ
ン、N,N′−ジエチルピペラジンなどの脂肪属三級アミ
ン類、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、
キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、
フタラジン、フェナントリジン、アクリジン、1、10−
フェナントロリン、2、2′−ビピリジルなどの複素環
式三級アミン類などを例示することができる。これらの
三級アミン類の中では、脂肪族、脂環族ならびに複素環
式三級アミン類が好ましい。
これらの三級アミンの添加量は、加える三級アミンの
塩基性により異なるが、触媒として用いるスズ1グラム
原子に対し、0.001〜10モル、好ましくは、0.01〜5モ
ルの範囲である。
三級アミンの添加量が少なすぎると、添加効果が小さ
く、添加量が多すぎると反応に悪影響を及ぼす。
三級アミンを添加する方法については特に制限はない
が、通常は、マレインアミド酸を含む溶液に、触媒を添
加する際に同時に添加するか、触媒を添加した後に、所
定量の三級アミンを添加する。
本発明の脱水イミド化反応では水と共沸する有機溶剤
に有機非プロトン性極性溶剤を添加または混合した溶剤
が用いられる。
本発明における水と共沸する有機溶剤は、反応によっ
て生成する水を反応系外に共沸除去するために用いられ
る。この共沸溶剤は50〜200℃の範囲の温度で水を共沸
でき、かつ反応に不活性なものであればよい。例えば、
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン類、キ
ュメン、クロルベンゼン、アニソール、ジクロルエタ
ン、ジエトキシエタン、シクロヘキサノン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、トリオキサンなど
があり、好ましくは、溶剤の特性と価格を考慮してキシ
レン類がよく用いられる。
また有機非プロトン性極性溶媒はマレインアミド酸と
触媒の溶液濃度を高めるために用いられるが、例えば、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン、メチルイソブチルケト
ン、γ−ブチロラクトン、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素、1、3
−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが用いられる
が、好ましくは、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシドなどが用いられる。本
発明の脱水イミド化反応において、水と共沸する有機溶
剤と有機非プロトン性極性溶剤の混合溶剤の使用量は、
マレインアミド酸の原料濃度として、通常0.1〜5モル/
L,好ましくは、0.5〜4モル/Lの範囲である。混合溶剤
中の極性溶剤の組成は通常容積で0.1〜50%、好ましく
は、1〜20%の範囲の中から選ばれる。
反応温度は50〜200℃、好ましくは、80〜180℃の範囲
が用いられる。反応圧力は特に制限はなく、通常は常圧
で好ましく実施される。反応時間は、通常0.5〜10時間
の範囲であり、好ましくは、1〜5時間の範囲である。
本発明の方法では、反応は回分式、半連続式または連
続式で実施することができる。通常はマレインアミド
酸、水と共沸する有機溶剤、有機非プロトン性極性溶
剤、触媒と三級アミンを反応に先立って混合して、また
はマレインアミド酸、触媒と三級アミンは別々にして反
応器内に供給する。反応器はその後または予め加熱し、
この共沸溶剤を所定時間加熱還流させながら生成する水
を反応器内から共沸分離することにより脱水反応を進行
させマレインアミド酸をマレイミドに転化する。
この際、原料のマレインアミド酸類は別途に合成して
使用しなくても、上記の共沸溶剤またはこれと極性溶剤
との混合溶剤中で無水マレイン酸に一級アミンを添加す
る公知の方法によって合成し、引き続いて直接これに触
媒および三級アミンを添加して還流させ、上記と同様に
して共沸脱水反応させることができる。マレインアミド
酸類はほぼ定量的に合成できるので、通常はこの方が経
済的である。
得られた反応混合物は、蒸発器によって両溶剤を蒸発
回収した後、簡単な抽出、晶析または蒸留などにより、
マレイミドの粗製品が得られる。一方、抽出、晶析また
は蒸留の残査は回収触媒として必要に応じて再生などの
処理を行って再使用できる。また、三級アミン類は、両
溶剤と共に蒸発回収されるか、抽出、晶析または蒸留の
残査として回収し再使用される。
マレイミドの粗製品は適当な抽出、晶析、洗浄、蒸留
などの慣用の精製操作によって容易に実用に適する高純
度製品とされる。必要に応じて適当な溶剤に溶かして実
用に供することもできる。また本発明のスズ金属系触媒
は、従来の強酸触媒と異なり、腐食性を示さない。従っ
て、通常の安価な装置材料が使用できるので、製造説備
も極めて経済的になる。
〔実施例〕
実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
実施例の中で、N−フェニルマレイミドの収率は、原
料として用いたアニリンを基準として計算した。
実施例1 水分離器付還流冷却器、撹拌機、温度計を備えた300m
lフラスコ中へ無水マレイン酸(以下MANと略記)20.2g
(0.21モル)、キシレン(以下Xyと略記)70mlとジメチ
ルホルムアミド(以下DMFと略記)10mlを仕込み、80℃
で撹拌下にアニリン(以下ANと略記)18.6g(0.20モ
ル)とXy20mlの混合液を15分間にわたって定量供給し、
さらに90℃で15分間熟成反応させてN−フェニルマレイ
ンアミド酸(以下PMAと略記)を合成した。
この白色粉末スラリーに、触媒として酸化第一スズ0.
67g(スズとして5.0mg原子、ANに対し2.5モル%)およ
びN−イソブチルモルホリン0.72g(5.0mmol)(N−イ
ソブチルモルホリン/スズモル比1.0)を添加した後、
撹拌しながら昇温して内容物を加熱還流させた。反応に
より生成する水を共沸分離しながら約140℃で還流を続
け、脱水反応が終了するのに2時間要した。
反応終了後、反応液を濃縮乾固した後にXy約350mlで
抽出し、N−フェニルマレイミド(以下PMIと略記)を
含む抽出液と抽残に分離し、それぞれを液体クロマトグ
ラフィーで定量した結果、PMI収率は91.9%で、未反応
のPMAが3.3%回収された。
比較例1 実施例1において、N−イソブチルモルホリンを添加
しなかった以外は、実施例1と全く同様に反応を行っ
た。その結果、反応を完結するのに要した時間は2.5時
間であった。また、反応成績は、PMI収率85.0%で未反
応のPMAが6.9%回収された。
実施例2 実施例1において、N−イソブチルモルホリンを0.36
g(2.5mmol)(N−イソブチルモルホリン/スズモル比
0.5)に変更した以外は実施例1と全く同様に反応を行
った。その結果、反応時間は2時間で、PMI収率90.4%
であり、未反応のPMAが3.5%回収された。
実施例3 実施例1において、N−イソブチルモルホリンを1.43
g(10mmol)(N−イソブチルモルホリン/スズモル比
2.0)に変更した以外は実施例1と全く同様に反応を行
った。その結果、反応時間は2時間で、PMI収率90.3%
であり、未反応のPMAが2.7%回収された。
実施例4 実施例1において、N−イソブチルモルホリンに変え
てN−エチルモルホリンを0.58g(5mmol)(N−エチル
モルホリン/スズモル比1.0)使用した以外は実施例1
と全く同様に反応を行った。その結果、反応時間は2時
間で、PMI収率89.8%であり、未反応のPMAが2.3%回収
された。
実施例5 実施例1において、N−イソブチルモルホリンに変え
てN−メチルモルホリンを0.51g(5mmol)(N−メチル
モルホリン/スズモル比1.0)使用した以外は実施例1
と全く同様に反応を行った。その結果、反応時間は2時
間で、PMI収率88.8%であり、未反応のPMAが2.5%回収
された。
実施例6 実施例1において、N−イソブチルモルホリンに変え
てN−フェニルモルホリンを0.82g(5mmol)(N−フェ
ニルモルホリン/スズモル比1.0)使用した以外は実施
例1と全く同様に反応を行った。その結果、反応時間は
2時間で、PMI収率86.3%であり、未反応のPMAが4.6%
回収された。
実施例7 実施例1において、N−イソブチルモルホリンに変え
てキノリンを0.65g(5mmol)(キノリン/スズモル比1.
0)使用した以外は実施例1と全く同様に反応を行っ
た。その結果、反応時間は2.5時間で、PMI収率87.9%で
あり、未反応のPMAが5.3%回収された。
実施例8 実施例1において、N−イソブチルモルホリンに変え
てピラジンを0.20g(5mmol)(ピラジン/スズモル比1.
0)使用した以外は実施例1と全く同様に反応を行っ
た。その結果、反応時間は2.5時間で、PMI収率85.9%で
あり、未反応のPMAが6.8%回収された。
実施例9 実施例1において、N−イソブチルモルホリンに変え
てトリフェニルアミンを1.23g(5mmol)(トリフェニル
アミン/スズモル比1.0)使用した以外は実施例1と全
く同様に反応を行った。その結果、反応時間は2.5時間
で、PMI収率86.8%であり、未反応のPMAが6.5%回収さ
れた。
実施例10 実施例1において、N−イソブチルモルホリンに変え
て2、2′−ビピリジルを0.39g(2.5mmol)(2、2′
−ビピリジル/スズモル比0.50)に使用した以外は実施
例1と全く同様に反応を行った。その結果、反応時間は
1時間30分で、PMI収率は86.8%であり、未反応のPMAが
6.1%回収された。
実施例11 実施例1において、N−イソブチルモルホリンに変え
て1、10−フェナントロリンを0.49g(2.5mmol)(1、
10−フェナントロリン/スズモル比0.5)使用した以外
は実施例1と全く同様に反応を行った。
その結果、反応時間は2.5時間で、PMI収率87.8%であ
り、未反応のPMAが4.4%回収された。
実施例12 実施例1において、アニリンに変えてシクロヘキシル
アミンを19.84g(0.20mol)使用した以外は実施例1と
全く同様に反応を行った。その結果、反応時間は2.5時
間で、N−シクロヘキシルマレイミド収率85.8%であ
り、未反応のN−シクロヘキシルマレアミド酸が5.6%
回収された。
比較例2 実施例12において、N−イソブチルモルホリンを使用
しなかった以外は実施例12と全く同様に反応を行った。
その結果、反応時間は3時間で、N−シクロヘキシルマ
レイミド収率80.1%であり、未反応のN−シクロヘキシ
ルマレアミド酸が10.2%回収された。
[発明の効果] 本発明は、金属スズおよびスズ元素を含有する化合物
の中から選ばれた少なくとも一種の触媒の存在下、N−
置換マレインアミド酸類を脱水イミド化し、N−置換マ
レイミド類を製造するにあたり、三級アミンの存在下に
反応を行うことを特徴とするN−置換マレイミド類の製
造方法である。
三級アミンの存在下で反応を行う本発明の方法によ
り、N−置換マレイミド類の生成速度および収率が大き
く向上し、その効果は著しく大きなものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−18069(JP,A) 特開 昭61−60647(JP,A) 特公 昭55−46394(JP,B2) 米国特許4705866(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 207/00 - 207/50 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属スズおよびスズ元素を含有する化合物
    の中から選ばれた少なくとも一種の触媒の存在下で、N
    −置換マレインアミド酸類を脱水イミド化し、N−置換
    マレイミドを製造するに際し、三級アミンの存在下で反
    応を行うことを特徴とするN−置換マレイミド類の製造
    方法。
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