JPH04175559A - チェーン潤滑オイル帰還機構付自動変速装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、チェーン伝動機構を付設した自動変速装置に
関し、特に、チェーン潤滑オイルをトランスミッション
に帰還させる機構を設けた自動変速装置に関する。

〔従来の技術〕

車両用自動変速装置において、４輪駆動車に搭載される
ものに、トランスミッションと、その出力トルクを前・
後輪に配分するトランスファと、前輪へ出力トルクを伝
達すためのチェーン伝動機構を組合わせて一体化した装
置がある。

従来、このような自動変速装置は、通常オフロード車に
搭載され、搭載スペースに比較的ゆとりがあり、厳しい
寸法的制約を受けないため、チェーン伝動機構を含むト
ランスファ部分はトランスミッション部分とはオイル循
環上独立したケース内に収容され、独自のオイルポンプ
から作動油の供給を受ける構成とされていた。

これに対して、最近、この種の装置が乗用車にも搭載さ
れるようになり、厳しい寸法上の制約を受けるようにな
ったため、装置の一層の小形・軽量化を図る必要性が生
じている。また、前記のようなトランスファ部分を独立
させた構成を採ると、チェーン室側でオイルの攪拌にょ
る油温上昇の傾向がみられ、オイルの劣化が早く、粘性
の低下による付着力の低下とそれによる冷却効果の低下
が生じて、摩擦材やチェーンのリンク等相対回転する部
材の焼は等による性能低下の可能性があった。

このような事情から、チェーン伝動機構を含みトランス
ファ部分とトランスミッション部分をオイル循環の上で
も一体化する構成が採用されようとしている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、トランスミッションとトランスファとを
前記のように一体化した場合、急発進、極低温、登板時
等において、トランスミッション内のオイルが慣性力、
流動性の低下、傾斜等により全体に後方に寄ってしまう
ことがある。このような状態になると、トランスミッシ
ョン下方に設けられたオイルパン内のオイルレベルが傾
斜して前方で低（なったりあるいは全体に低下し、オイ
ルストレーナの吸込口より低くなる結果、エアーの吸込
みによりオイルポンプへのオイル供給が停止し、自動変
速装置各部へのオイル供給が不可能となるため、トラン
スミッションの制御かできなくなり、車両が発進不能に
陥る恐れがある。

このような現象を避ける通常の手段としては、オイルパ
ンの位置を下げ、自動変速装置の後傾時の装置後方への
オイルの流動を防いで、十分なオイル量をオイルパン内
に保つようにすることが考えられるが、寸法上の制限の
ゆるやかなオフロード車用としてはともかく、乗用車用
としては最低地上高の制約もあって、このような対策を
適用することはできない。

本発明は、このような事情に鑑み、案出された自動変速
装置のオイル循環手段の一環を成すものであり、自動変
速装置におけるのチェーン室内のオイルをチェーンの潤
滑に必要な所定量を維持させながら余剰分を速やかにト
ランスミッションに帰還させるようにし、オイルレベル
を適正に保つことのできる自動変速装置を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するため、本発明は、トランスミッシ
ョンにチェーン伝動機構を付設した自動変速装置におい
て、前記トランスミッションの作動油を前記チェーン伝
動機構に供給した後帰還させる帰還油路をトランスミッ
ションケースとチェーンケースとにわたって形成し、該
チェーンケースのチェーン周回路に近接してチェーンの
回転によりかき上げられる作動油の進路を遮るかき落と
し手段を設け、該かき落とし手段の下方で、前記帰還油
路を作動油落下方向に指向して開口させたことを特徴と
する。

〔作用及び発明の効果〕

このような構成を採った本発明に係る自動変速装置では
、トランスミッションから供給された作動油が、チェー
ン伝動機構の作動時に、チェーンの回転によりかき上げ
られ、チェーン周回路の近傍で作動油の飛散進路を遮る
かき落とし手段により落下させられて、落下方向に指向
して開口させた帰還油路に戻される。

そして、本発明によれば、上記の作用により、自動変速
装置におけるチェーン室内のオイルをチェーンの潤滑に
必要な所定量を維持させながら余剰分を速やかにトラン
スミッションに帰還させることができるようになるため
、オイルレベルを適　・正に保つことのできる自動変速
装置を提供することができる。

〔実施例〕

以下、図面に沿い、本発明の実施例について説明する。

先ず、自動変速装置の全体構成について第２図を参照し
ながら簡単に説明する。この自動変速装置は、トランス
ミッションｌとして従来公知のギヤトレインを備えてお
り、その後方にフロント側へ動力を伝達するチェーン伝
動機構２が配設され、さらにその後方にフロント側とリ
ヤ側に伝達するトルク配分を制御するトランスファ３が
配設されている。

トランスミッションｌのギヤトレイン１１は、従来　公
知の２プラネタリギヤによる前進３速、後進１速のギヤ
トレイン１１の前方にオーバードライブプラネタリキャ
ユニット１２を付加して前進４速、後進１速を達成する
構成されており、これらは単一のトランスミッションケ
ースｌＯ内に収容され、それらの下方にバルブボディ１
３が取付けられ、その下方にオイルパン１４が取付けら
れている。

トランスファ３は、プラネタリギヤユニット３１とその
キャリヤ３２とサンギヤ３３とを係合、解放させるクラ
ッチ３４で構成されており、トランスミッション１から
の出力がキャリヤ３２に入力され、これがサンギヤ３３
を経てフロント側すなわちチェーン伝動機構２のドライ
ブスプロケット２１に出力される一方、リングギヤ３５
を経てリヤ側に出力される。クラッチ３４を作動させる
ための油圧は、トランスファ３のバルブボディ３６から
取る構成とされており、このバルブボディ３６へは、ト
ランスミッション１のバルブボディ１３からライン圧を
導き、それをリニヤソレノイドバルブで調整してクラッ
チシリンダ３７に供給する方式とされている。そして、
この油圧でクラッチの摩擦材の係合圧力を制御し、前後
３ニアのトルク配分からキャリヤ３２とサンギヤ３３と
を固定したリジッド状態までの制御を行う。

トランスミッションｌの後方にはチェーン伝動機構２の
チェーンケース２０が取付けられており、このケース２
０は前後に２分割されたチェーンケースフロント２ＯＡ
とチェーンケースリヤ２０Ｂとで構成されている。そし
てチェーンケース２０の後方にはトランスファのトラン
スファケース３０が取付けられている。

第１図はこの自動変速装置のチェーンケースフロント２
ＯＡの背面図、すなわち第２図のＩＶ−ＩＶ矢視図であ
って、第２図に示すトランスミッション１の作動油をト
ランスファ３を経てチェーン伝動機構２に供給した後帰
還させる帰還油路は、第１図に示すケースの部分で帰還
室２２を構成しており、この帰還室２２はチェーンケー
ス２０に設けられてはいるが、オイル循環上はチェーン
室２３を経ることなく、直接トランスミッションケース
１０に接続されている。すなわち、帰還室２２とチェー
ン室２３とはケース底部から斜めに立上がるリブ２０ａ
によって隔離されている。

チェーンケース２０には、図に想像線で示すチェーン周
回路２４に近接してチェーン２５（第２図参照）の回転
によりかき上げられる作動油の進路を遮るかき落とし手
段２６が設けられている。

かき落とし手段２６は、この例ではチェーン周回軸線に
並行する軸２６ａ回りに回転自在にケース２ＯＡに支持
されたかき落とし板２６ｂとして構成されており、かき
落とし板２６ｂは、図には示されていないがケース２０
Ａに設けられた適宜のストッパに支持されて、図示位置
より下方への反時計回り回転を阻止されている。かき落
とし板２６ｂには、時計回りの回転に所定の負荷を与え
るスプリング２６ｃが、一端をケース２ＯＡに支持され
て係止されている。

リブ２０ａとケース壁とで囲われた帰還室２２のチェー
ン室２３内に開いた開口２０ｂは、かき落とし板２６ｂ
の下方で、図に矢印Ａで示す作動油落下方向に指向して
いる。

第３図〜第７図は第２図の■−ｍ〜■−■矢視図、第８
図は各ケースの側断面図であって、この自動変速装置に
おいて、第２図に示すトランスミッションＩからトラン
スファ３に供給されたオイルは、トランスファ３から直
接あるいはチェーン伝動機構２を潤滑した後、トランス
ミッションｌに戻される構成とされている。すなわち、
第７図及び第８図に示すように、トランスファケース３
０の最後部から最前部までプラネタリギヤユニット３１
及びそのクラッチ３４（第２図参照）の外周−側に沿い
、前傾してオイル受は樋３０ａが形成されており、また
、トランスファケース３０の底部は同一レベルでチェー
ンケースリヤ２０Ｂに接続されている。

そして、第６図に示すように、チェーンケースリヤ２０
Ｂにおいては、そのリブ２０ｃが前記オイル受は樋３０
ａに接続しており、リブ２０ｃの上部に形成されたオイ
ル戻し路２０ｄが隔壁２０ｅを経てチェーン室２３に開
口している。また、底部のオイル戻し油路は、隔壁２０
ｅの開口２０ｆを通り、帰還室２２に入り、チェーンケ
ースフロント２ＯＡの隔壁２０ｈの開口２０ｇを経て、
トランスミッションケースｌＯの開口１０ａからケース
内に連通している。

このように構成された実施例の自動変速装置において、
オイル戻し路２０ｄからチェーン室２３内に戻し供給さ
れたオイルは、第１図に戻って、チェーン室２３の低部
（図において左方）に流れ、装置の運転時に、図に矢印
Ｂで示す方向へのチェーン２５（第２図参照）の周回に
連れてチェーン２５に伴われてかき上げられ、図に矢印
Ａで示すように、ドライブスプロケット２１　（第２図
参照）との噛合部を周回するときに、遠心力により余剰
分が外方へ飛散する。このように飛散したオイルは、か
き落とし板２６ｂに捕捉されて方向を変え、下方に落下
して開口２０ｂから帰還室２２に流込む。そして、この
ように捕収されたオイルは、トランスファケース底部を
流れて帰還室２２に入るオイルと合流してトランスミッ
ションケースｌＯに戻される。

この実施例では、オイルがかき落とし板２６ｂに捕捉さ
れるときに、飛散するオイルの流速と量に応じた圧力か
かき落とし板２６ｂに負荷されるため、かき落とし板２
６ｂはこの圧力に応して、スプリング２６ｃの負荷に抗
して時計回り方向に逃げ、オイル捕捉量を低減して、チ
ェーン伝動機構２の高回転時の戻し油量を減少させる働
きをし、チェーン室内の油量をチェーン伝動機構２の運
転状況に応じた所要量に調整しながら、しかも余剰分を
速やかにトランスミッションｌ側に戻す役割を果たす。

以上、本発明を一実施例に基づき詳説したが、本発明は
上記実施例の開示内容のみに限定されることな（、特許
請求の範囲に記載の事項の範囲内で種々に細部の具体的
構成を変更して実施可能なものであることはいうまでも
ない。

例えば、かき落とし手段２６は、戻し油量に応じて角度
を自動制御される形式のものとすることができるし、あ
るいは、ケースと一体の固定式のものとすることもてき
るし、戻し油量をそれほど多くする必要のないときには
、ケース壁をそのまま利用したものとすることもできる
。このように、かき落とし手段２６を固定にした場合の
戻し油量の調整は、帰還油路のチェーンケース内い開い
た開口２０ｂの面積、位置等を変更することによっても
可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の自動変速装置におけるチェ
ーンケースフロントの背面図、第２図は自動変速装置の
全体側断面図、第３図〜第７図は第２図の■−■〜■−
■矢視図、第８図は自動変速各ケースの側断面図である
。 ｌ・・・トランスミッション、２・・・チェーン伝動機
構、３・・・トランスファ、２０ｂ・・・開口、２２・
・・帰還室（帰還油路）、２４・・・チェーン周回路、
２６・・・かき落とし手段 代理人　弁理士　　阿　部　英　幸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）トランスミッションにチェーン伝動機構を付設し
   た自動変速装置において、 前記トランスミッションの作動油を前記チェーン伝動機
   構に供給した後帰還させる帰還油路をトランスミッショ
   ンケースとチェーンケースとにわたって形成し、 該チェーンケースのチェーン周回路に近接してチェーン
   の回転によりかき上げられる作動油の進路を遮るかき落
   とし手段を設け、 該かき落とし手段の下方で、前記帰還油路を作動油落下
   方向に指向して開口させたことを特徴とするチェーン潤
   滑オイル帰還機構付自動変速装置。