JPH0417000Y2 - - Google Patents

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JPH0417000Y2
JPH0417000Y2 JP6214289U JP6214289U JPH0417000Y2 JP H0417000 Y2 JPH0417000 Y2 JP H0417000Y2 JP 6214289 U JP6214289 U JP 6214289U JP 6214289 U JP6214289 U JP 6214289U JP H0417000 Y2 JPH0417000 Y2 JP H0417000Y2
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
(イ) 産業上の利用分野 本考案は養殖用生簀や定置網等海中で長期に展
張使用される網地に、硅藻類や海草類或いは貝類
等の海洋生物が短期間に付着且生長し汚損される
ことを防止するための、防汚性漁網に関するもの
である。 (ロ) 従来技術 養殖用生簀網や定置網等海中に長期間展張され
る網地には、各種の海洋生物が短期間に付着且生
長し多くの障害を惹起することから、従来網地を
薬殺力の強い有機錫を溶剤に溶解させた所謂防藻
剤、防汚剤中に浸漬し添着せしめて、これら海洋
生物の付着生長を防止していた。 しかしながら該防藻剤、防汚剤では使用に伴い
溶出する有機錫が養殖魚介類に蓄積され食品安全
性が危惧されること、及び海洋生物全体の生態系
における胞子、遊走子、幼稚仔等が死滅、枯死す
る等海洋公害の原因ともなつていることから、こ
れらの使用禁止措置が講ぜられるに至つている。 これがため近年では有機錫に代つて、銅化合物
系若しくは窒素硫黄系藻剤を溶解させた所謂無公
害防藻剤、無公害防汚剤を使用している実情にあ
る。 ところで防藻剤や防汚剤による海洋生物の付着
且生長防止を図るためには、防藻剤や防汚剤自体
が海洋生物に対する付着且生長防止能を保持して
いること、並びに防藻剤、防汚剤が長期に網地に
添着保持されることにある。 然るに無公害防藻剤や防汚剤は、従来の有機錫
系に比べて海洋生物に対する付着且防止能が低い
ため、防汚性を十分に発揮させるためには網地へ
の添着量を高めるとともに、長期間これを保持さ
せることが肝要となる。 他方養殖用生簀網や定置網の垣網、運動場網等
網地目合の大きな網地では、使用特性及び編成能
率の面から単糸繊度が略800〜3000デニール程度
の太繊度の合成繊維もモノフイラメントや扁平糸
が専ら使用されており、また定置網の箱網の如く
網地目合の細かい網地では、単糸繊度が数デニー
ルの細繊度合成繊維マルチ糸が専ら使用されてい
る。 反面防藻剤、防汚剤は薬剤や添着剤並びにこれ
らを希釈する希釈材や希釈割合も多岐に亘るため
その粘度も数ポイズ乃至数百ポイズと広範に亘つ
ており、而もこの粘度は添着処理時や海中使用時
等の温度条件で著るしく変動する。従つて太繊度
の原糸で編成された網地では、網糸に原糸相互の
撚製間隙が大きく形成されるから、防藻剤、防汚
剤が比較的高粘度の場合でも網地内部まで拡散浸
透しえるものの、添着に係る表面積率が小さく且
使用時には潮流や波浪の影響を網糸内部まで受け
易く、添着された防藻剤、防汚剤が短時に且容易
に洗脱喪失される結果となつており、また細繊度
の原糸で編成された網地では、網糸に原糸相互の
撚製間隙が極めて小さく形成されるため、防藻
剤、防汚剤が極めて低粘度の場合以外網糸内部に
拡散浸透されぬために添着に係る表面積率が極め
て大きな網糸にもかかわらず、単に外表面のみに
添着される結果となり添着量も少なく却つて潮流
や波浪により洗脱喪失され易くなる等、折角無公
害防藻剤、防汚剤が開発されたものの十分な添着
が図れず、而も容易に洗脱喪失されることから防
汚性が発揮されない実情にある。 (ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案はかかる問題に鑑みなされたものであつ
て、本考案は網地を形成する網糸に粘度の異る防
藻剤、防汚剤でもその内部に十分に拡散浸透せし
めるとともに、該拡散浸透された防藻剤、防汚剤
を強固に保着させて、長期に亘り防汚性が発揮し
える漁網を提供することにある。 (ニ) 問題を解決するための技術的手段 上述の技術的課題を達成するために本考案が採
用した技術的手段は、網地に所要の強力や腰を付
与させるため単糸繊度が少なくとも600デニール
以上の合成繊維モノフイラメント若しくは扁平糸
からなる太繊度の補強糸条と、該補強糸条とは撚
製に際しても相互が集束固化されずに撚製間隙を
形成し、而も防藻剤、防汚剤を多量に添着しえる
よう表面積率が大きく且強固に保着する多数の微
細間隙を形成しえる、単糸繊度が20デニール以下
の合成繊維マルチフイラメント若しくはスパン
糸、或いは開裂分岐部が20デニール以下に開裂さ
れた開繊糸からなる保着糸条とを用い、補強糸条
に対し保着糸条が重量比20〜50%の割合で且均質
に混撚して網糸となしたうえ、これを編成して網
地となすことにある。 (ホ) 作用 本考案の技術的手段は、次のような作用を有す
る。即ち単糸繊度が少なくとも600デニール以上
の合成繊維モノフイラメント若しくは扁平糸から
なる太繊度の補強糸条と、単糸繊度が20デニール
以下の合成繊維マルチフイラメント若しくはマル
チ糸或いは開裂分岐部が20デニール以下に開裂さ
れた開繊糸からなる、極めて細繊度で且任意本数
に集束された保着糸条とを用い、補強糸条に対し
保着糸条が重量比20〜50%で且均質に混撚された
網糸で編成された網地であつて、補強糸条と保着
糸条とは形態や物理的性質を異にするため、均質
に混撚させても相互は集束固化されず比較的大き
な撚製間隙が形成され、該撚製間隙は粘度の異る
防藻剤、防汚剤でも容易に網糸内に拡散浸透がな
され、更に保着糸条はその単糸繊度が補強糸条に
比べ1/30以下であるから表面積率が大きく、仮り
の重量比20%の使用の場合でも添着量に関与する
表面積は2.12倍に増大し、而も保着糸条相互は微
細間隙を多数形成するため、拡散浸透した防藻
剤、防汚剤はこの微細間隙内に保着される。また
補強糸条と保着糸条が撚製による集束固化されぬ
ため、相互に滑りが生れ網糸全体は屈撓性を増大
させる。 (ヘ) 実施例 以下に本考案実施例を図面に基づき詳細に説明
すれば、補強糸条1は単糸繊度が少なくとも600
デニール以上所謂直径換算では略0.24〜0.36ミリ
φ以上の太繊度の合成繊維モノフイラメント若し
くは扁平糸よりなるもので、一般的には断面円形
のモノフイラメント1Aや異径糸1B或いはデー
プヤーンの如き扁平糸1Cが使用される。また該
補強糸条1の素材は具体的使用途により種々選択
され、養殖生簀網の如く浮揚性を要するものでは
低比重のポリオレフイン系素材が、また定置網の
如く沈降性を要するものにはポリ塩化ビニリデン
系やポリエステル系等素材が好適である。そして
該補強糸条1の単糸繊度が600デニール以上に制
限される所以は、混撚される他の糸条と集束固化
されぬ程度の太みと反撥弾性所謂剛性を保持させ
ておく必要による。 そしてこの補強糸条1と混撚される保着糸条2
は、防藻剤、防汚剤を多量に添着させるために表
面積率が大きく且これを強固に保着させるため撚
製集束により多数の微細間隙を形成させるうえ
で、補強糸条1に対し1/30以下の繊度所謂単糸繊
度が20デニール以下で且任意本数が集束されたも
のが好適で、一般的には第2図に示す合成繊維マ
ルチフイラメント2Aやスパン糸が使用され、ま
た第3図に示すような開裂分岐部2B′が20デニ
ール以下に開裂された開繊糸2Bも使用できる。
保着糸条2の素材に特別制限はないが、添着性、
保着性をより高めるうえからはポリビニルアルコ
ール系、ポリアミド系、若しくはポリエステル系
素材が望まれる。 かくしてなる補強糸条1と保着糸条2とを混撚
して網糸4を形成するものであるが、網糸4は編
成手段所謂無結節編成による無結節網地と有結節
編成による有結節網地でやや形態を異にする。即
ち無結節網地では混撚したストランド3の2子を
互に公叉撚絡させて網糸及び網目合が形成される
が、有結節網地ではストランド3の3子を撚合し
て一旦網糸を作成したうえ、この網糸を所要の網
目合に編成するものである。従つて網糸の性能は
実質的にはストランド3の性能によつて位置づけ
られるもので、このストランド3は第4図に示す
如く補強糸条1に対し、保着糸条2を重量比20〜
50%の割合で且相互を均質に混撚して形成される
もので、かかる理由は保着糸条2の混撚割合が50
%を超えると補強糸条1との撚製に伴い形成され
る比較的大きな間隙3Aが少なくなり、防藻剤、
防汚剤の拡散浸透性が悪くなるばかりか、高粘度
の防藻剤、防汚剤では一段と拡散浸透性が低下す
る。また保着糸条2の混撚割合が20%以下となる
と防藻剤、防汚剤の添着性や保着性が悪くなるこ
とによる。即ち保着糸条2は補強糸条1に比べ1/
30の細繊度にもかかわらず、表面積は僅か1/
5.5程度の相違しかない極めて表面積率が大きな
ものであるから、20%の混撚でもストランド3の
表面積は略1.89倍以上に、また50%の混撚では略
3.23倍以上に表面積が増大し添着性が向上するこ
ととなり、また保着糸条2を20%混撚すると単糸
相互の微細空隙3Bは略6.8倍以上に、更に保着
糸条2を50%混撚した場合の微細空隙3Bの形成
は略15.5倍以上にも達し、拡散浸透した防藻剤、
防汚剤の保着性が格段に向上することになる。 かくして形成されたストランド3の2子を、第
5図に示すように互に撚合させつつ網糸4を形成
しつつ、且他のストランド3′で撚合形成される
網糸4′と所要の網目合に公叉撚絡させることに
より、本考案品5が形成される。 実施例 以下に本考案品と従来網地との防藻剤、防汚剤
添着性=(添着網地重量−原網地重量)/原網地重量
×100
【表】 次に防藻剤の添着された本考案品と従来網地と
を、養殖生簀網や定置網が展張される海域の平均
的潮流速度と略等しい20cm/秒の流速の海水水槽
内に展張し、経過日数毎に引揚げ120分間風乾後
に添着重量変化を測定し、次式により保着性を求
めた結果は第二表の通りである。 保着性=原添着量−経過日添着量/原添着量×100 上記実施例から明白なように、本考案品は従来
網地に比べ表面積が理論上略3.72倍に形成されて
おり、防藻剤、防汚剤の添着性では略5倍、添着
量では略5.22倍の優れた結果が理解される。 また保着性においても本考案品は従来網地に比
べて大きな間隙及び小さな間隙が理論上略4.64倍
に形成されており、初期時(10日経過)において
も略3倍以上、1ケ月経過においては略12倍以上
も保着性が優れており、このことは微細間隙内に
強固に保着された防藻剤、防汚剤は潮流や波浪で
も洗脱されにくいことが容易に理解される。
【表】 (ト) 考案の効果 本考案は上述の如く、単糸繊度が少なくとも
600デニール以上の太繊度の合成繊維モノフイラ
メントや扁平糸からなる補強糸条と、単糸繊度が
20デニール以下の細繊度の合成繊維マルチフイラ
メント、スパン糸或いは開繊糸からなる保着糸条
とを用い、補強糸条に対し保着糸条を重量比20〜
50%の割合で且均質に混撚してなる網糸で編成さ
れてなるから、網地外面には補強糸条と保着糸条
との形態や物性の相違に伴う大きな間隙が形成さ
れ、粘度変動の著るしい防藻剤、防汚剤でも容易
に網糸内部に拡散浸透しえ、而も保着糸条の混撚
により添着に係る表面積が略1.89〜3.23倍以上に
も増大するため、防藻剤、防汚剤が多量に添着し
え且該保着糸条の細繊度多数本使用に伴い形成さ
れる多数の微細間隙内に強固に保着されて長期に
亘り保着維持されること等が相俟つて、薬殺性の
弱い無公害防藻剤、防汚剤でも十分に防汚性を発
揮させることが可能になる。 更に本考案では特段原糸量を増大させることな
く実施できるから極めて安価であり、而も太繊度
の補強糸条と細繊度の保着糸条とが適度の滑り効
果を発揮して網地が柔軟に保持される等優れた特
徴を具備した防汚性漁網である。
【図面の簡単な説明】
第1図は補強糸条の説明図、第2図及第3図は
保着糸条の説明図、第4図は網糸を形成するスト
ランドの拡大断面図、第5図は本考案無結節網地
の一部拡大説明図である。 符号の説明、1……補強糸条、2……保着糸
条、3……ストランド、3A……大きな間隙、3
B……微細間隙、4……網糸、5……本考案無結
節網地。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 単糸繊度が少なくとも600デニール以上の合成
    繊維モノフイラメント若しくは扁平糸よりなる補
    強糸条と、単糸繊度が20デニール以下の合成繊維
    マルチフイラメント若しくはスパン糸或いはその
    開裂分岐部が20デニール以下に開裂された開繊糸
    よりなる保着糸条とからなり、補強糸条に対し保
    着糸条が重量比20〜50%で且均質に混撚された網
    糸で編成されてなることを特徴とする防汚性漁
    網。
JP6214289U 1989-05-29 1989-05-29 Expired JPH0417000Y2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP6214289U JPH0417000Y2 (ja) 1989-05-29 1989-05-29

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JPH03663U JPH03663U (ja) 1991-01-08
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