JPH0416748Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、例えば、軽自動車の助手席シート
のような車両のシート装置に関する。

（従来技術） 従来、上述例のシート装置としては、例えば、
特開昭58−47632号公報に記載の装置がある。

すなわち、シートバツクを門形の固定シートバ
ツクと、中抜き状の回転シートバツクとに分割
し、上述の固定シートバツクにリンク機構を介し
て回転シートバツクを可回動に連結し、この回転
シートバツクを門形の固定シートバツクの開口部
に位置させた時には、通常の助手席シートとして
用い、上述の回転シートバツクをリヤ方向に伏動
させた時には、後部座席と対座状態に設定して、
例えば、車両停止時のラウンジシートとした車両
のシート装置である。

しかし、このような従来構造のシート装置にあ
つては、助手席に小人および比較的大きな荷物を
載せる場合、充分な室内の有効利用ができない問
題点があつた。

（考案の目的） この考案は、シートクツシヨンを定状態からダ
ツシユパネル方向へ反転回動して小人が後ろ向き
に着座できる特異な構造とすることで、小人およ
び比較的大きな荷物を載せる場合、車室内の充分
な有効利用を図ることができる車両のシート装置
の提供を目的とする。

（考案の構成） この考案は、シートクツシヨンを前部シートク
ツシヨンと後部シートクツシヨンとに前後２分割
し、上記シートクツシヨンの定状態からダツシユ
パネル方向への反転時に、上記後部シートクツシ
ヨンの裏面が座部となるように、前端を車体に対
して回動可能に連結した第２リンクの後端を、上
記後部シートクツシヨンの前部に回動不能に固定
する一方、上記シートクツシヨンの定状態からダ
ツシユパネル方向への反転時に、上記前部シート
クツシヨンの上面が背もたれとなるように、後端
を上記後部シートクツシヨンの後部に対して回動
可能に連結した第１リンクの前端を、上記前部シ
ートクツシヨンの後部に回動不能に固定し、かつ
該第１リンクを車体に対して非連結に構成した車
両のシート装置であることを特徴とする。

（考案の効果） この考案によれば、上述の第２リンクの前端
（車体連結点）を中心として、前後の各シートク
ツシヨンを定状態からダツシユパネル方向へ一体
的に反転回動した後に、第１リンクの定状態下に
おける後端（回動支点）を中心として前部シート
クツシヨンをダツシユパネル側に引起すと、この
前部シートクツシヨンの上面が背もたれになり、
また上述の後部シートクツシヨンの裏面が座部に
なる。

このため、上述の背もたれと、座部との両者
で、小人が後ろ向きに着座できる特異な小人用シ
ートを形成することができると共に、通常時のシ
ートクツシヨンを搭載するフロアの所定部分を荷
台と、なすことができる。

この結果、小人および比較的大きな荷物を載せ
る場合において、車室内の充分な有効利用を図る
ことができる効果がある。

（実施例） この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述
する。

図面は車両のシート装置を示し、第１図、第２
図、第３図において、このシート装置は、車体と
してのフロア１上にシートクツシヨン２を搭載す
ると共に、フロア１に下部ブラケツト３および上
部ブラケツト４を介して下部シートバツク５と、
上部シートバツク６とを回動可能に連結し、さら
に上述の上部シートバツク６には、同シートバツ
ク６の上下方向略中間部を回動支点７ａに設定し
た連結リンク７を介してヘツドレスト８を回動可
能に取付けている。

ここで、上述の連結リンク７の下端（回動支点
７ａ）はシートバツク６に回動可能に連結され、
連結リンク７の上端はヘツドレスト８に回動不能
に固定されている。

上述のシートクツシヨン２は、前部シートクツ
シヨン９と後部シートクツシヨン１０とに前後２
分割している。

そして、シートクツシヨン２の定状態からダツ
シユパネル方向への反転時に、上述の前部シート
クツシヨン９の上面が小人用背もたれＡとなるよ
うに、前後の各シートクツシヨン９，１０をフロ
ア１と非連結の第１リンク１１で相互に連結して
いる。

この第１リンク１１は略Ｌ字状のリンクで、こ
の第１リンク１１の後端部、すなわち、後部シー
トクツシヨン１０側の端部を該後部シートクツシ
ヨン１０の後部に対して回動可能に連結して、こ
の第１リンク１１の後端部を回動支点１１ａに設
定している。

また上述の第１リンク１１の前端を上述の前部
シートクツシヨン９の後部に回動不能に固定して
いる。

そして、上述の回動支点１１ａにはシートクツ
シヨン２を第３図に示す如く、小人着座用のシー
トとなした時に、小人の体重を支える脚としての
支持レバー１５を可回動に配設している。

また、シートクツシヨン２の定状態からダツシ
ユパネル方向への反転時に、上述の後部シートク
ツシヨン１０の裏面が小人用座部Ｂとなるよう
に、この後部シートクツシヨン１０を定状態（第
１図参照）の前部シートクツシヨン９下部前端に
おいてフロア１と回動可能に連結させた第２リン
ク１２に連結している。

つまり、上述の第２リンク１２は略門形で、こ
の門形リンクの前端をフロア１に対して回動可能
に構成した回動支点１２ａに設定すると共に、こ
の第２リンク１２の後端を、後部シートクツシヨ
ン１０の前部に回動不能に固定している。

また、この第２リンク１２には、同リンク１２
の回動時おいてフロア１と対向する部分１２ｂに
弾性ストツパ１３を一体的に取付けている。

一方、上述の上部シートバツク６の背面が小人
用座部Ｃとなるように、この上部シートバツク６
の下端背面にはヒンジ１４を介して上述の上部ブ
ラケツト４を連結し、この上部ブラケツト４の上
端を回動支点４ａに設定している。

また、上述のヘツドレスト８の前面が小人用背
もたれＤとなるように、このヘツドレスト８を上
述の連結リンク７で上部シートバツク６に回動可
能に連結している。

なお、上述の下部シートバツク５の下端は下部
ブラケツト３を介して車体としてのフロア１に連
結し、この下部ブラケツト３の上端を回動支点３
ａに設定している。

図示実施例は上記の如く構成するものにして、
以下作用を説明する。

第１図に示す通常の助手席シートを、第３図に
示すように、小人２人着座用のシートに成すに
は、まず、第１図のシートクツシヨン２を第２リ
ンク１２前端の回動支点１２ａを中心として、車
両前方側すなわち、ダツシユパネル方向へ約180
度回動させて第２図の状態となす。

また、上述の支持レバー１５を回動操作して、
この支持レバー１５の遊端部をフロア１上に位置
させて、反転操作したシートクツシヨン２を支持
する。

このように、前部シートクツシヨン９および後
部シートクツシヨン１０を一体的に反転回動させ
ると、第２リンク１２に固定した弾性ストツパ１
３がフロア１に当つて、前後の各シートクツシヨ
ン９，１０は第２図に示すように水平状態とな
る。

次に、第２図に示す状態から、第１リンク１１
の回動支点１１ａを中心として、この第１リンク
１１を介して前部シートクツシヨン９を第２図の
反時計方向へ約100度回動させて位置固定すると、
この前部シートクツシヨン９の上面を第３図に示
す如く小人用背もたれＡに、また、後部シートク
ツシヨン１０の定状態時における裏面を小人用座
部Ｂにそれぞれ設定することができる。

次に、下部シートバツク５を下部ブラケツト３
上端の回動支点３ａを中心としてセンタフロアパ
ン１ａ上に回動させた後に、上述の上部シートバ
ツク６を回動支点４ａを中心として、第２図の状
態から前方水平位置まで回動して、位置固定し、
この上部シートバツク６の背面を第３図に示す如
く小人用座部Ｃに設定する。

次にヘツドレスト８を回動支点７ａを中心とし
て、連結リンク７を介して後方に回動して位置固
定すると、このヘツドレスト８の前面を第３図に
示す如く小人用背もたれＤに設定することができ
る。

このように、上述の各要素５，６，８，９，１
０をそれぞれ回動操作して、位置固定すると、小
人用座部Ｂと小人用背もたれＡとの間に小人１人
が後ろ向きに、また小人用座部Ｃと小人用背もた
れＤとの間に小人１人が前向きに着座できるの
で、助手席シートには合計２人の小人が着座でき
る効果がある。

また、前部シートクツシヨン９および後部シー
トクツシヨン１０を第３図の状態に設定すると共
に、下部シートバツク５、上部シートバツク６お
よびヘツドレスト８を第２図の状態に設定する
と、小人１人が後ろ向きに着座でき、かつセンタ
フロアパン１ａを荷台となすことができて、この
センタフロアパン１ａ上に比較的大きな荷物を載
せることができる効果がある。

以上要するに、小人および比較的大きな荷物を
載せる場合において、限られた車室内を充分に有
効利用することができる効果がある。

なお、上述の各要素５，６，８，９，１０のそ
れぞれの位置固定には、ラチエツト（ratchet）
機構その他を用いることができる。

この考案の構成と、上述の実施例との対応にお
いて、 この考案の車体は、実施例のフロア１に対応す
るも、 この考案は上述の実施例の構成のみに限定され
るものではない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は車
両のシート装置を示す側面図、第２図はセンタフ
ロアパンを荷台に設定したシート装置の側面図、
第３図は小人２人着座用に設定したシート装置の
側面図である。 １……フロア、２……シートクツシヨン、９…
…前部シートクツシヨン、１０……後部シートク
ツシヨン、１１……第１リンク、１２……第２リ
ンク、Ａ……背もたれ、Ｂ……座部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートクツシヨン２を前部シートクツシヨン９
   と後部シートクツシヨン１０とに前後２分割し、 上記シートクツシヨン２の定状態からダツシユ
   パネル方向への反転時に、上記後部シートクツシ
   ヨン１０の裏面が座部となるように、前端を車体
   １に対して回動可能に連結した第２リンク１２の
   後端を、上記後部シートクツシヨン１０の前部に
   回動不能に固定する一方、 上記シートクツシヨン２の定状態からダツシユ
   パネル方向への反転時に、上記前部シートクツシ
   ヨン９の上面が背もたれとなるように、後端を上
   記後部シートクツシヨン１０の後部に対して回動
   可能に連結した第１リンク１１の前端を、上記前
   部シートクツシヨン９の後部に回動不能に固定
   し、かつ該第１リンク１１を車体１に対して非連
   結に構成した 車両のシート装置。