JPH04166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は地震等の地殻変動に対応しうるように
所定の隙間を設けて建築された建物のそれぞれの
壁を接続するとともに、壁間の隙間を遮断して断
熱することができる建物用ジヨイントに関する。

「従来の技術」 従来、この種の建物用ジヨイントは、左右に分
断された建物の壁間の隙間に綿状のロツクウール
の断熱材を入れ、それぞれの壁の両面側から金属
板を隙間内の断熱材を覆つた状態にそれぞれの壁
面に固定して構成しているだけであつた。

このため、永年の間に断熱材としてのロツクウ
ールの体積が小さくなり、隙間内に空間が生じて
断熱効果が低下するという欠点があつた。

また、建物のそれぞれの壁が、地震等で伸縮す
るように左右方向に揺れた場合にはロツクウール
が縮んだままで復元しないため、熱が断熱されな
いで直接的に伝導してしまうという欠点があつ
た。

「本考案の目的」 本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、地震
等によつて建物のそれぞれの壁が左右に伸縮する
ように揺れた場合でも、確実にそれぞれの壁を接
続し、かつ壁間の隙間から熱が直接的に伝導する
のを防ぐことのできる建物用ジヨイントを得るに
ある。

「本考案の目的を達成するための手段」 本考案は左右に分断された建物のそれぞれの壁
面の端部に、両端部が固定される金属シートで形
成された内カバーと、この内カバーの外側面を該
内カバーとの間に隙間を有するように覆う両端部
が前記建物のそれぞれの壁面の端部に固定される
断熱帯と、この断熱帯の外側面を該断熱帯との間
に隙間を有するように覆う両端部が前記建物のそ
れぞれの壁面の端部に固定される金属シートで形
成された外カバーとからなることを特徴としてい
る。

「本考案の実施例」 以下、図面に示す一実施例により、本考案を詳
細に説明する。

第１図ないし第３図の実施例において、１は左
右に所定幅の隙間２を設けて建築された建物の壁
３，３を接続するとともに、断熱することのでき
る本考案の建物用ジヨイントで、この建物用ジヨ
イント１は両端部が前記それぞれの壁３，３の一
壁面３ａ，３ａ側の端部に固定されるステンレス
等の金属シートで形成された内カバー４と、この
内カバー４の外側面を隙間を介して覆うように、
両端部が前記それぞれの壁３，３の一壁面３ａ，
３ａ側の端部に固定される断熱帯５と、この断熱
帯５の外側面を隙間を介して覆うように両端部が
前記それぞれの壁３，３の一壁面３ａ，３ａ側の
端部に固定されるステンレス等の金属シートで形
成された外カバー６とから構成されている。

前記内カバー４は第３図に示すように前記壁
３，３の間の隙間２の略３倍の幅寸法に弛みを持
つて固定できるように形成されている。

前記断熱帯５は、前記カバー４よりやや小さい
弛みを持つて固定できるように該断熱帯５の幅寸
法より若干狭い幅寸法に前記内カバー４と同様に
形成されている。

７は前記内・外カバー４，６および断熱帯５の
両端部をそれぞれの壁３，３に固定するアンカー
ボルトである。

上記構成の建物用ジヨイント１にあつては、内
カバー４、断熱帯５、外カバー６の順に一端側を
一方の壁３の一壁面３ａ側の端部に複数本のアン
カーボルト７によつて固定する。

しかる後、内カバー４、断熱帯５、外カバー６
の他端側を幅広の内カバー４と断熱帯５を弛みを
持たせた状態にしてそろえ、この他端側をそろえ
た状態で第２図に示すように、外カバー６も弛み
を持つた状態に他端側を他方の壁３の一側面３ａ
の端部に複数本のアンカーボルト７で固定すれば
取付け作業は完了する。

このように設置された建物用ジヨイント１は、
それぞれの壁３，３間の隙間２を該壁３，３に両
端が固定された断熱帯５によつて遮断されている
ので、地震等でそれぞれの壁３，３が左右に伸縮
するように揺れた場合でも、従来のように縮んだ
ままになつて熱が直接的に伝導したりすることな
くそれぞれの壁３，３を接続することができる。

「本考案の異なる実施例」 次に第４図ないし第６図に示す本考案の異なる
実施例につき説明する。なお、これらの実施例の
説明に当つて、前記本考案の実施例と同一構成部
分には同一符号を付して重複する説明を省略す
る。

第４図の実施例において、前記本考案の実施例
と主に異なる点は断熱帯５を２個設けた点で、こ
のように断熱帯５を２個設けて建物用ジヨイント
１Ａを構成することにより、より効果的に断熱効
果を向上させることができる。

第５図の実施例において、前記本考案の実施例
と主に異なる点は、それぞれの壁３，３の他壁面
３ｂ，３ｂ側にも一壁面３ａ，３ａ側と同様に内
カバー４、断熱帯５および外カバー６を取付けて
建物用ジヨイント１Ｂを構成した点で、このよう
に建物用ジヨイント１Ｂを構成することにより、
より確実に断熱し、かつそれぞれの壁３，３を接
続することができる。

第６図の実施例において、前記本考案の実施例
と主に異なる点はそれぞれの壁３，３の他壁面３
ｂ，３ｂ側端部に切欠き形成したジヨイント取付
け部８，８を設けるとともに、外カバー６Ａを弛
みなく固定する幅寸法に形成して、張設状態に外
カバー６Ａを固定して建物用ジヨイント１Ｃを構
成した点で、このように構成することにより建物
用ジヨイント１Ｃをすつきりと設置することがで
きる。

「本考案の効果」 以上の説明から明らかなように、本考案にあつ
ては次に列挙する効果がある。

１ 左右に分断された建物のそれぞれの壁面の端
部に、両端部が固定される金属シートで形成さ
れた内カバーと、この内カバーの外側面を該内
カバーとの間に隙間を有するように覆う両端部
が前記建物のそれぞれの壁面の端部に固定され
る断熱帯と、この断熱帯の外側面を該断熱帯と
の間に隙間を有するように覆う両端部が前記建
物のそれぞれの壁面の端部に固定される金属シ
ートで形成された外カバーとで構成されている
ので、建物のそれぞれの壁間の隙間を断熱帯で
遮断した状態に接続することができる。したが
つて、壁間の隙間を断熱した状態でそれぞれの
壁を接続することができる。

２ 前記１により、簡単な構造なので、安価に製
造することができるとともに、設置作業も容易
にできる。

３ 内・外カバーおよび断熱帯を弛みを持たせて
設置すれば、地震等で建物のそれぞれの壁が左
右に伸縮するように揺れた場合でも、確実にそ
れぞれの壁の動きに追従し、従来のように断熱
材が縮んだまま復元せず、熱が断熱されないで
直接的に伝導したりするのを防ぐことができ
る。

４ 前記１によつて、内カバー、断熱帯、外カバ
ーはそれぞれ独立しているため、設置現場まで
の輸送はそれぞれ別々に行なうことができ、嵩
張らず、容易に行なうことができる。

５ 内カバー、断熱帯、外カバーのそれぞれの間
には隙間を有するように取付けられているた
め、隙間によつて熱伝導を効率よく防止するこ
とができるとともに、内カバー、断熱帯、外カ
バーにはそれぞれ他の部材に拘束されることが
ないため、左右に分断された建物の揺れ動きに
追従する動きが容易にでき、内カバー、断熱
帯、外カバーの破損を効率よく防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図は第１図のＡ−Ａ線に沿う断面図、第３図は内
カバー、断熱帯および外カバーの幅寸法の関係を
示す説明図、第４図、第５図、第６図はそれぞれ
本考案の異なる実施例を示す説明図である。 １，１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……建物用ジヨイント，
２……隙間，３……壁，３ａ……一壁面，３ｂ…
…他壁面，４……内カバー，５……断熱帯，６，
６Ａ……外カバー，７……アンカーボルト，８…
…ジヨイント取付け部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 左右に分断された建物のそれぞれの壁面の端
   部に両端部が固定される金属シートで形成され
   た内カバーと、この内カバーの外側面を該内カ
   バーとの間に隙間を有するように覆う両端部が
   前記建物のそれぞれの壁面の端部に固定される
   断熱帯と、この断熱帯の外側面を該断熱帯との
   間に隙間を有するように覆う両端部が前記建物
   のそれぞれの壁面の端部に固定される金属シー
   トで形成された外カバーとからなることを特徴
   とする建物用ジヨイント。 ２ 内・外カバーはステンレス等の金属シート材
   で形成されていることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の建物用ジヨイント。 ３ 内カバー、断熱帯および外カバーは建物のそ
   れぞれの壁面が左右方向へ揺れた場合でも対応
   できるようにそれぞれ弛みを持つて固定できる
   幅寸法に形成されていることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の
   建物用ジヨイント。 ４ 断熱帯はロツクウール等の繊維材で形成され
   ていることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項ないし第３項いずれかに記載の建物用
   ジヨイント。