JPH0415016B2 - - Google Patents

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JPH0415016B2
JPH0415016B2 JP60166197A JP16619785A JPH0415016B2 JP H0415016 B2 JPH0415016 B2 JP H0415016B2 JP 60166197 A JP60166197 A JP 60166197A JP 16619785 A JP16619785 A JP 16619785A JP H0415016 B2 JPH0415016 B2 JP H0415016B2
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water
membrane
gas
repellent
gas permeable
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JP60166197A
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Choichi Furuya
Satoru Motoo
Yoshihiko Shirakawa
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SHIRAKAWA SEISAKUSHO KK
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SHIRAKAWA SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 この発明は、液体や液体中に溶解した気体を蒸
発させて効率良く取出し、この液体から分離した
気体のみを透過することができ、しかも目詰まり
や結露等を防止して長期間にわたつて使用するこ
とのできる気体透過膜に関する。 〔従来の技術〕 従来、液体や液体中に溶解した気体を蒸発させ
て分離し、分離された気体のみを透過させるよう
にした気体透過膜としては、第21図イに示すよ
うに撥水性を有する膜31の断面で見て、膜31
の厚さ方向に貫通する多数の細孔32を形成した
ものがある。 しかしながらこの場合、細孔32によつて決定
される蒸発表面積は単に細孔32の断面積にしか
ならない。また蒸発表面積の極限も膜31の広さ
にしかならず、さらに自由表面も気体界面の広さ
にしかならない。 これを解消するため、第21図ロに示すように
膜31の厚さ方向のみならず、膜31の長さ方向
にも細孔32を形成して細孔32を三次元化する
ことが考えられる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら上記従来例においても、液体との
界面における蒸発作用が活発ではなく、それほど
気体の透過効率は向上していない。 この発明の気体透過膜は、従来例の上記欠点を
解消したもので、気体の移動量が大きく、しかも
駆動機構や加圧することなどは不必要で、コンパ
クトな装置を提供しようとするものである。 また透過効率が高いため膜の厚さを厚くするこ
とができ、したがつて剛性や強度を大きくするこ
とが可能で、耐久性に富む気体透過膜を提供しよ
うとするものである。 さらに、液体中の微粒子を濾過して汚れのほと
んどない気体を供給することが可能で、長期間に
わたつて使用することができる気体透過膜を提供
しようとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は上記の問題点を解決するため種々
研究した結果、第21図ハに示すように膜31の
表面に、別に撥水性および親水性の両方の性質を
有する膜33を形成することにより、液体との界
面における液体中の気体の蒸発作用が活発化する
ことを見出した。ところが単に撥水性を有する膜
31の表面に親水性を有する膜33を形成するだ
けでは、液体中の気体の蒸発作用が思つたほど改
善されず、しかも気体が親水性を有する膜33部
分から撥水性を有する膜31部分へ、効率良く排
出されない。 すなわち、この発明の気体透過膜は、撥水性多
孔質担体と、撥水性のある部分と親水性のある部
分が混在して3次元化により著しく増加した気・
液界面を有する多孔膜とを積層し、かつ積層物が
1μm以下の穴径の連続した細孔を持つようにし
たことを特徴とするものである。得られた気体透
過膜は、撥水性多孔質担体と、撥水性のある部分
と親水性のある部分が混在した多孔膜の両者が、
いずれも第21図ロと同様の三次元構造を有して
いる。このようにすることによつて液体中の気体
の蒸発作用が飛躍的に増大し、しかも気体が親水
性を有する膜部分から撥水性を有する膜部分へ、
速やかに排出されるようになつた。 本発明において1μm以下の穴径の連続した細
孔を持つ撥水性多孔質担体とは、合成樹脂の薄膜
を延伸して多孔性を持たせたり、合成樹脂の繊維
を抄紙して繊維間に隙間を作つたり、カーボンや
合成樹脂の細粒を合成樹脂で結着して得たもので
ある。この撥水性多孔質担体は、多層にすること
により撥水性をより強化することができる。 また撥水性のある部分と親水性のある部分が混
在した多孔膜は、例えば撥水性のある合成樹脂の
細粒と、親水性のあるカーボンの細粒とを結着し
て得ることができる。 これら2種の多孔膜は2層、サンドイツチ状等
の種々の態様で積層することができる。また積層
手段も熱接着や接着剤による接着等の内、目的に
応じて好適な手段を採用することができる。 〔作用〕 この発明の気体透過膜は以上のように構成した
ので、撥水性多孔質担体の所定の面に、撥水性の
ある部分と親水性のある部分が混在した多孔膜を
形成するだけで、撥水性多孔質担体を通して気体
を効率的に移動させることができる。要するに撥
水性のある部分と、親水性のある部分が混在して
3次元化により著しく増加した気・液界面を有す
る多孔膜部分が、液体に対して著しく蒸発作用を
促すのである。 なお本発明の気体透過膜は、液体や液体中に溶
解した気体を蒸発させて効率良く取出すだけでな
く、上記気・液界面が液体中への気体の溶解を促
進する効果もあり、例えば空気中のCO2やNH3
ないし大気を構成するN2やO2のいずれか等を選
択的に液体中へ溶解して取出す作業にも使用する
ことができる。 〔実施例〕 以下この発明の気体透過膜の実施例を、図面に
基づいて説明する。 第1図は基本的な構成を示すもので、この発明
の気体透過膜1を使用して流体20の通路2が規
定されている。そして上記気体透過膜1は、その
大半を撥水性のある多孔質担体3が設置されてい
る。この撥水性のある多孔質担体3は、1μm以
下の穴径、好ましくは0.5μm以下の穴径の連続し
た孔を無数に有している。この撥水性多孔質担体
3はさらに、撥水性のある部分21と、親水性の
ある部分22が混在して3次元化により著しく増
加した気・液界面を有する多孔膜4を、その流体
20の通路2側の表面に積層されている。勿論、
この多孔膜4も穴径が1μm以下の連続する孔を
無数に有している。 このような気体透過膜1は、多孔膜4部分にお
いて、混在して3次元化により著しく増加した
気・液界面を有する撥水性のある部分21と親水
性のある部分22が液体そのものや、溶液中の溶
解気体を蒸発させて分離し、分離された気体は撥
水性のある部分21から撥水性多孔質担体3へ送
られる。そして撥水性多孔質担体3の表面から排
出される。 この発明の気体透過膜1を構成する、撥水性の
ある多孔質担体3および/または多孔膜4の撥水
性のある部分21としては、シリカ、アルミナ、
酸化チタンあるいは窒化ケイ素などからなるセラ
ミツク材、カーボンブラツク、またはニツケル、
コバルトなどからなる金属材料などの超微粒子を
集合した圧縮体あるいは焼結体や、フツ素樹脂、
例えばポリテトラフルオロエチレンその他の樹脂
結着材を用いて結合した樹脂膜あるいは複合材料
膜、ないしはこれらの構造物などによつて作成さ
れる。主に使用される材料としてはポリテトラフ
ルオロエチレンやシリカ、アルミナなどが望まし
いものであるが、これに限られるものではなく、
1μm以下(多少1μm以上の径のものが含まれて
いても良い。)の、連続する微細な気孔を有する
ものであれば、適宜良好に使用することができ
る。また移動する気体も、適宜決定し得る。 多孔膜4は、内部に混在して3次元化により著
しく増加した気・液界面を有する撥水性のある部
分21と親水性のある部分22とで構成されてい
るが、この多孔膜4は、撥水性のある部分21と
親水性のある部分22との混在によつて親水性の
ある部分22の親水性が低下しており、第2図に
示すような手段で親水性のある部分22の親水性
を向上させておくことが望ましい。すなわち、一
対の多孔膜4を電解液中で正極および負極に接続
し、これに電圧をかけると正極側に酸素が発生し
て親水性のある部分22の、例えば親水性カーボ
ンブラツクを酸化してより濡れ易くしている。他
方の多孔膜4も正極に接続することによつて同様
の処理が施せる。 上記において、連続する孔の穴径が1μmを越
えると気体だけでなく、液体をも透過してしまう
ので好ましくない。また、各膜の気孔率は約40%
〜90%の範囲内であることが望ましい。各膜の気
孔率が40%未満のときは気体の透過速度が低く、
各膜の気孔率が90%以上のときは膜の耐圧強度が
不十分となつてしまうので好ましくない。 なお上記の場合、撥水性多孔質担体の細孔径を
0.05μm以下にすれば、耐水圧を20〜30Kg/cm2
することができ、このとき気体の流れはいわゆる
クヌーセン流れとなる。そして耐圧強度を飛躍的
に向上させることができる。 k=λ/α>1 λ…気体分子の平均自由行路 a…貫通孔の径(例えば球を過ぎる流れでは球の
直径、管を通る流れでは管径) ただしこの場合には膜の両側に温度差がなけれ
ばならず、加温装置等の設備を要求される。 このような1μmないし0.1以下の微細な気孔を
有する樹脂膜あるいは複合材料膜の製造に際して
は、ポリテトラフルオロエチレンのデイスパージ
ヨンまたはフアインパウダーとカーボンブラツク
などの微粒子とをソルベントナフサを使用して混
合し、金型やカレンダーロールを用いて1mm程度
の薄膜を成形した後熱処理したり、フアインパウ
ダーをホツトプレスしたり、また冷間プレス後に
熱処理することによつて容易に製造することがで
きる。熱処理の温度は300℃〜400℃、好ましくは
約380℃程度である。 第22図は得られた細孔径と細孔体積との関係
を求めたグラフである。グラフにおいて縦軸は、
材料の比重とできた膜の比重から求めた膜の細孔
体積(0.851ml/g)を100とした。平均細孔径が
0.05μmでその分布はシヤープであること、また
すべての細孔に水が進入できることから、0.05μ
mの孔径は連続した細孔を有する三次元化された
多孔膜4が製造されていることが明らかである。 上記多孔膜4の細孔径はカーボンブラツクの粒
径(0.49μm)と関係する。しかしながらもう一
方のポリテトラフルオロエチレンは結着材として
働くので、その粒径(0.3μm)は上記細孔径には
無関係である。 第3図は改良した構成を示すもので、撥水性の
ある多孔質担体3は、撥水性のある部分21と、
親水性のある部分22が混在して3次元化により
著しく増加した気・液界面を有する多孔膜4を、
その流体20の通路2側の表面に積層されてお
り、さらにその表面に親水性多孔膜5を積層され
ている。 このような気体透過膜1は、親水性多孔膜5か
ら溶液が気体透過膜1中に浸透し、中間に介在す
る多孔膜4部分が、溶液中の溶解気体を蒸発させ
て分離し、分離された気体は撥水性のある部分2
1から撥水性多孔質担体3へ送られる。そして撥
水性多孔質担体3の表面から排出される。そのと
き溶液中から分離された気体は、撥水性のある部
分21から撥水性多孔質担体3へ送られるが、そ
の際、分離された気体は親水性多孔膜5に遮られ
て溶液中へ逆戻りすることはない。 第4図はサンドイツチ状の膜構成を示すもの
で、撥水性のある多孔質担体3は、撥水性のある
部分21と、親水性のある部分22が混在して3
次元化により著しく増加した気・液界面を有する
多孔膜4を、両面に積層されており、さらにその
両面に親水性多孔膜5を積層されている。 このような気体透過膜1は、撥水性のある部分
21と親水性のある部分22が混在して3次元化
により著しく増加した気・液界面を有する多孔膜
4部分が、溶液中の溶解気体を分離し、分離され
た気体は撥水性のある部分21から撥水性多孔質
担体3へ送られる。そして撥水性多孔質担体3の
端面から排出される。そのとき溶液中から分離さ
れた気体は、撥水性のある部分21から撥水性多
孔質担体3へ送られるが、その際にも、分離され
た気体は親水性多孔膜5に遮られて溶液中へ逆戻
りすることはない。 なお本例の気体透過膜1は、薄膜化してその両
面に温海水と冷却水とを流すことにより、海水の
淡水化に使用したり、塩類の濃度の調整のために
使用することができる。 第5図はこの発明の気体透過膜1を溶液の通路
2の両面に形成したものである。この例でも撥水
性のある多孔質担体3は、撥水性のある部分21
と、親水性のある部分22が混在して3次元化に
より著しく増加した気・液界面を有する多孔膜4
を、溶液の通路2側の面に積層されており、さら
にその表面に親水性多孔膜5を積層しておけば良
い。 このような気体透過膜1は、溶液の通過中に溶
液中の溶解気体を分離し、分離された気体は撥水
性多孔質担体3の外面から排出される。勿論、そ
の際分離された気体は親水性多孔膜5に遮られて
溶液中へ逆戻りすることはない。 第6図はこの発明の気体透過膜1を空気調和装
置の除湿ないし加湿機構として使用した場合を示
すものである。すなわち、第4図に示したような
溶液の通路2を有する除湿ないし加湿機構6は、
通路2をこの発明の気体透過膜で構成している。
上記通路2の両端は、加温ないし冷却機構7を介
してこれとは逆の冷却ないし加温機構8に接続し
ている。上記通路2内を熱媒体からなる流体20
が通過すると、熱媒体内に含まれた水分量が外気
よりも大きいときは水分が外気に放出され、逆に
外気よりも少ないと外気から吸収して外気中の水
分量を低下させる。勿論、温度センサや温度調節
機構を付設して、熱媒体による放熱ないし冷却作
用により室内の温度を一定にコントロールするこ
ともでき、しかも気体透過膜1からなる放熱ない
し冷却機構の表面に結露することがない。したが
つてクリーンルームや宇宙ステーシヨン用の空気
調和装置として使用することができる。 ここで使用される熱媒体としては、H2SO4
リン酸等の酸のほか、LiCl、CaCl2、NaCl、KCl
等の塩、KOH、NaOH等のアルカリ、トリエチ
レングリコール、グリセリン等の吸湿性有機物等
がある。これらの熱媒体は以下の応用例において
も好適に使用できる。 第7図は、例えば燃料電池における電解液の冷
却水分除去装置とした例を示す。この例では電解
液としてH2SO4を使用し、電解して水分の濃度
が上昇した電解液を流体20として循環しつつ冷
却すれば、電解液が気体透過膜1から水分を放出
して電解液の水分濃度は低下し、しかも電解液の
温度も低下する。上記と同様の方法で、酸やアル
カリ、塩等、例えばNaOH等の希釈水溶液の濃
縮に使用することができる。 第8図は家庭用などの小型の除湿機を示し、
CaCl2を収納した容器9の側壁に近接してこの発
明の気体透過膜1が所定の通路2を形成するよう
設置されている。CaCl2を流体20として循環さ
せてこの通路2内を通過させると、CaCl2は外気
から水分を吸収して室内の湿度を強制的に下げる
ことができる。水分を吸収したCaCl2は取り出し
て脱水処理等を施せば、再利用することができ
る。 第9図はこの発明の気体透過膜1を加湿機とし
て使用した例を示すものである。すなわち、水を
入れた容器11に加熱装置12を付設し、容器1
1の側壁をこの発明の気体透過膜1で構成すれ
ば、温水13から発生する水蒸気は上面開口部の
みならず、側壁からも大量に放出され、蒸発効率
を大幅に向上することができる。この場合、気体
透過膜1を多数並設すれば、なお一層蒸発面積を
増大させることができる。 第10図は同様の例で、水を入れた容器11を
密閉したものである。この例では水蒸気は側壁か
らのみ放出される。 次に第11図は湿度の自動制御装置を示すもの
である。 この例ではLiClの水溶液を収納した容器11の
側壁をこの発明の気体透過膜1で構成している。
この場合、LiCl水溶液中の水分濃度と外気の湿度
とが常に平衡を保とうとするので、外気の湿度が
高いときはLiCl水溶液中に水分が吸収され、逆に
外気の湿度が低いときにはLiCl水溶液中の水分が
外気中に放出されて外気を加湿する。したがつて
LiCl水溶液中の水分量を調節しさえすれば、湿度
は自動的に制御される。このような湿度の自動制
御装置は、湿度の制御を必要とする食品、その他
のシヨーケース内の水分のコントロール用とし
て、また美術館や博物館、その他の湿度制御の必
要な建築物の湿度の自動制御用として使用するこ
とができる。 第12図はこれと同じ原理に基づくもので、
LiCl水溶液を筒状の容器11内に収納し、その側
壁部分をこの発明の気体透過膜1で形成したもの
である。この例では外気の湿度変化に応じて容器
内の水分が出入りし、LiCl水溶液の液面の高さが
変化するので、容器11に目盛表示を付けておけ
ば湿度計となる。実験によれば、湿度11%〜95%
まで測定でき、特に湿度40%〜75%ではほぼリニ
アに変化し、±3%以内で湿度が測定できた。な
おLiCl水溶液その他の溶質には固有の水分含有量
があり、測定すべき湿度に応じて溶質を選択すれ
ば良い。例えばCaCl2ではLiClと同様の範囲で、
グリセリンでは0〜90%の範囲で測定できる。 また第13図は、やはりこのような外気との水
分の平衡を保つ性質を利用したもので、LiCl水溶
液を収納した容器11の壁面の一部をこの発明の
気体透過膜1で構成し、例えば容器11の中央部
分に筒状に配置して、この筒の中に湿度センサ1
4を取り付けておけば、この部分では常に一定の
湿度が得られる。したがつて標準湿度発生装置
(検定器)として利用することができ、非常に応
答速度の高い装置が得られる。 この場合にも、LiClのみならず、KClやNaCl、
MgCl2、Mg(NO32その他の媒体を使用すること
ができる。 第14図はこの発明の膜を種々の液体中への気
体の溶解もしくは液体中からの脱気用として使用
したものである。すなわち、気体透過膜1の外部
から減圧吸引したり、加圧することによつて、液
体中に強制的に種々のガス類を溶解ないし脱気す
ることができる。例えばこれを気液混相流の分離
に使用すると、プロピレンカーボネート:空気=
7:3の混合物から空気が速やかに除去できた。
そのときの条件は、面積が10×50の2枚の膜を1
mm間隔で保持し、この間に200ml/minの量の上
記混合物を0.1atmの圧力で流すものであつた。 第15図はこの発明の気体透過膜1を海水淡水
化装置に適用した例を示すものである。すなわ
ち、海水側に気体透過膜1の撥水性のある部分2
1と親水性のある部分22が混在して3次元化に
より著しく増加した気・液界面を有する多孔膜4
を配設している。一方撥水性多孔質担体3側にお
いては、海水から蒸発してきた水蒸気が冷却され
て蒸留水が取り出される。 第16図はこの発明の気体透過膜1を蒸留水の
冷却用として使用した場合を示すものである。こ
の場合、水分の蒸発面積が大きいので蒸留水の冷
却用として有効に使用することができ、凝結した
水は膜の表面で撥じかれて滴下する。したがつ
て、蒸留水の冷却効率が飛躍的に増大する。 第17図はこの発明の気体透過膜1をより効率
的に使用できるようにしたもので、筒状のユニツ
トとして液体と気体の界面を大幅に増大させ、例
えば液体や液体中に溶解した気体を大量かつ迅速
に排出できるようにしたものである。 この発明の気体透過膜の性能をみるため、その
気体の蒸発効率を従来の膜と比較してみる。 実験例 1 第18図に示すような恒温槽を使用し、この発
明の気体透過膜を含む種々の膜を、80℃の温水を
収納した容器内に隔壁として設置した。そして温
水の収納されている面の反対側から真空吸引して
10mmHgまで減圧した。このとき使用する膜の構
成比率を変化させて気体の蒸発速度を測定したも
のを第19図に示す。図中23は補強のために膜
の背面に設置した厚さ1.85mm、孔径10μmのステ
ンレスフイルターである。 従来、例えば海水淡水化装置等において使用さ
れている、0.42μm以下の穴径の連続した細孔を
持つ撥水性多孔質担体(例えばポリテトラフロロ
エチレン製の多孔質合成皮革、ゴアテツクス「登
録商標」ジヤパンゴアテツクス社製)を基準とす
る。上記の撥水性多孔質担体のみの蒸発速度を1
とし、撥水性のある部分Aと親水性のある部分B
が混在した多孔膜を、上記Aと同様の組成を持つ
撥水性多孔質担体に積層し、多孔膜中のAないし
Bの構成比率を変化させて測定した。AないしB
はそれぞれ次のような成分構成を有している。 A:B=1:0〜10 A……デンカブラツク(撥水性カーボン 電気化
学工業
【株】製) 8 PTFE(デイスパージヨン)(ダイキン工業
【株】製 D−1) 2 B……バルカンXC−72R(親水性カーボン キヤ
ボツト社製) …親水性を増加させるために、これをさらに
焼成したものを使用した。 図でも明らかなようにA/A+Bの比が1/2
のときに最大の蒸発速度を有している。 撥水性多孔質担体を上記ゴアテツクスとした場
合、またBをSiO2で置き換えた場合についても
同様の効果であつた。 実験例 2 次に、気体の透過効率の比較のために通常のガ
ラスと、撥水性を有する膜として0.5mm厚のポリ
フロンペーパー(ダイキン工業
【株】製 商品
名)とを使用し、本発明の気体透過膜と比較し
た。本発明の気体透過膜は以下の成分構成であつ
た。 担 体 …デンカブラツク 7 PTFE(フアインパウダー) 3 当初の膜厚2.0mm 多孔膜 …デンカブラツク 3 バルカンXC−72R 4 PTFE(フアインパウダー) 2 当初の膜厚0.4mm 上記両者は、いずれもソルベントナフサで混合
し、ロールで圧延して合わせて0.5mmのシートと
したものである。 芯 材 …エクスパンデツドメタル(ステンレス) 厚さ0.1mm 以上のシートとエクスパンデツドメタルの2者
を380℃の温度下で200Kg/cm2の圧力でホツトプレ
スしたところ、0.55mmの厚さの気体透過膜が得ら
れた。これを上記ガラスやポリフロンペーパーと
ともにそれぞれ第20図に示したような、筒25
の底に貼り付けた。そして水温70℃および80℃の
湯を入れて水量の減少速度を測定した。その結果
を次表に示す。なお、上記筒25は外周にヒータ
ー26が巻かれた真鋳製で、温度調節装置により
温度コントロールができるようになつている。測
定時の室温は25℃、湿度49%であつた。
【表】 本発明の気体透過膜ではいずれの温度でも大量
の気泡が発生し、蒸発作用が促進される。 実験例 3 第12図のLiCl水溶液を使用した湿度計に、こ
の発明の気体透過膜1を適用した場合の実験例を
次に説明する。 そのときの条件は次の通りであつた。 担 体 …デンカブラツク 7 PTFE(フアインパウダー) 3 当初の膜厚1.0mm 多孔膜 …デンカブラツク 3 バルカンXC−72R 4 PTFE(フアインパウダー) 2 FEP(四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重
合樹脂) 0.5 当初の膜厚0.2mm 親水性多孔膜 …バルカンXC−72R 9.5 PTFE(フアインパウダー) 0.5 当初の膜厚0.2mm 上記3者は、いずれもソルベントナフサで混合
し、ロールで圧延して合わせて0.5mmのシートと
したものである。 比較のためにゴアテツクスを使用した場合につ
いても数値を測定した。 上記において室内の湿度が60%から50%に低下
したときの反応(90%までの変化)は、ゴアテツ
クスを使用した場合が60分であつたのに対し、こ
の発明の気体透過膜では25分と、2.2〜2.5倍の反
応速度を有していた。 実験例 4 第12図の湿度計において、LiCl水溶液に代え
てZnCl2水溶液を使用した場合について実験し
た。 得られた湿度計は10%〜90%の範囲で測定可能
であり、40%〜70%の範囲内ではほぼリニアに反
応した。 実験例 5 さらに、第12図の湿度計にこの発明の気体透
過膜1を適用した。そのときの条件は次の通りで
あつた。 担 体 …疎水性SiO2粉末(日本アエロジル
〔発明の効果〕
この発明の気体透過膜は以上のように構成した
ので、液体や液体中に溶解した気体を蒸発させて
効率良く取出し、この液体から分離した気体のみ
を透過することができ、しかも目詰まりや結露等
を防止して長期間にわたつて使用可能な気体透過
膜を得ることができる。 また、構造が簡単でしかも製作が容易であり、
低コストでコンパクトな気体透過膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の気体透過膜の実施例を示し、
第1図は基本形態を示す断面図、第2図は気体透
過膜の親水性を向上させる手段を示す概略図、第
3図ないし第5図は他の形態を示す断面図、第6
図はこの発明の気体透過膜を空気調和装置の除湿
ないし加湿機構として使用した場合を示す概略
図、第7図は電解液の冷却水分除去装置として使
用した場合の概略図、第8図はこの発明の気体透
過膜を家庭用などの小型の除湿機に使用した場合
の概略図、第9図および第10図はこの発明の気
体透過膜を加湿機に適用した場合の概略図、第1
1図は湿度の自動制御装置に適用した場合を示す
概略図、第12図は湿度計とした場合を示す概略
図、第13図は標準湿度発生装置に適用した場合
を示す概略図、第14図はこの発明の膜を種々の
液体中への溶解ないし脱気用として使用した場合
の概略図、第15図はこの発明の気体透過膜を海
水淡水化装置に適用した場合を示す概略図、第1
6図はこの発明の気体透過膜を水蒸気の冷却用と
した場合を示す概略図、第17図はこの発明の気
体透過膜を筒状のユニツトとした場合を示す斜視
図、第18図はこの発明の気体透過膜の蒸発効率
を従来の膜のそれと比較した場合を示すためのも
ので、実験用装置の概略図、第19図はその結果
を示すグラフ、第20図はこの発明の気体透過膜
の気体の透過効率を従来の膜のそれと比較するた
めのもので、実験用装置の概略図、第21図イ〜
ハはこの発明の原理を示す概略断面図、第22図
は得られた細孔径と細孔体積との関係を求めたグ
ラフである。 1……気体透過膜、2……通路、3……撥水性
多孔質担体、4……多孔膜、5……親水性多孔
膜。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 撥水性多孔質担体と、撥水性のある部分と親
    水性のある部分とが混在して3次元化により著し
    く増加した気・液界面を有する多孔膜とを積層
    し、この積層物が1μm以下の穴径の連続した細
    孔を持つようにしたことを特徴とする気体透過
    膜。 2 上記撥水性多孔質担体と上記多孔膜の撥水性
    のある部分とが、有機合成高分子からなる特許請
    求の範囲第1項記載の気体透過膜。 3 上記有機合成高分子が、フツ素樹脂である特
    許請求の範囲第2項記載の気体透過膜。 4 上記フツ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチ
    レンである特許請求の範囲第2項記載の気体透過
    膜。 5 上記撥水性多孔質担体と上記多孔膜の撥水性
    のある部分とが、0.1μm以下の穴径の連続した細
    孔を持つクヌーセン拡散膜である特許請求の範囲
    第1項記載の気体透過膜。
JP16619785A 1985-07-27 1985-07-27 気体透過膜 Granted JPS6227005A (ja)

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