JPH0414967Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、圃場に籾を直播する播種機等の作業
機における覆土装置に係るものである。

従来の技術 一般に、左右の車輪を備えた走行機体に田面滑
走フロートを装着し、フロートを設けた籾案内口
から圃場に籾を直播するようにした播種機等の作
業機においては、フロートの前部に設けた作溝片
で形成した作溝内に、籾案内口から籾等を落下さ
せてから、フロートの後方に配設した覆土装置
で、作溝近傍の泥土を作溝内に覆いかぶせて埋め
込むようにしているが、フロート下面に設けた培
土板だけでは、覆土が充分できないため、フロー
トの後端に、別に覆土板を設けている。ところが
従来の覆土板は、フロートの後端の整形縁部に固
定したものであるため、硬度の高い粘土質等の圃
場では、機体前端部の抵抗が大きくなつてヘツド
アツプすると、後方に傾斜した機体のフロート後
端部に配設した覆土板が、土中に深く入り込ん
で、円滑に覆土できない許りでなく、逆に作溝を
大きくする不都合がある。

また、土中に石等を障害物があると、これに当
接した覆土板に無理な力が作用して、往々にして
変形したり破損したりする欠点があつた。

本考案が解決しようとする問題点 本考案は上記の如き実状に鑑み、これらの問題
点を解決すべく創案されたものであつて、フロー
トの後端に位置させた覆土板を、機体がヘツドア
ツプしても土入に深く入り込んだり、土中にある
石等を障害物に接当しても破損したりすることが
ないようにして、確実に泥土を作溝内に覆いかぶ
せて播種作業を円滑に行うことができる播種機に
おける覆土装置を提供することを目的としたもの
である。

問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため、本考案が講じた技
術的手段は、フロートの後方に覆土装置を配設し
た作業機において、上記覆土装置の覆土板を、フ
ロート上面から後方に延出した弾性板の下面に、
平面視において回動調節自在に装着すると共に、
上記覆土板の前端部を、フロート後端側の成形縁
部に上方から接当すべく構成したことを特徴とす
るものである。

考案の作用 上記の如く構成することにより、機体がヘツド
アツプして後部が沈下すると、覆土板に作用する
接地圧により覆土板を装着した弾性板が湾曲して
上方に逃げるので覆土板が土中に深く入り込むこ
とはない。また、覆土板が土中にある石等の障害
物に接当したときでも、上記弾性板が湾曲して、
障害物を乗りこえることができる。更に、覆土板
を回動させて、平面視における作溝側にのぞむ突
出量を自由に調節することができ、しかも、覆土
板の前端部がフロート後端側の成形縁部に上下か
ら接当するので、覆土板の上下位置が正確に位置
決めされる。

実施例 本考案の構成を図面に示された作業機として例
示する播種機の一実施例について説明すれば、１
は走行車輪２を備えた機体３の前部にエンジン４
を搭載し、後部中央に運転操作ハンドル５を後方
斜め上方に向けて延設した播種機であつて、機体
３の下方には、センターフロート６ａとサイドフ
ロート６ｂ，６ｃが上下動自在に装着されてい
る。７は上記フロート６ａ，６ｂ，６ｃ上にそれ
ぞれ設けられた播種機であつて、籾の繰出しロー
ル８を内装して機体３の後部に装着された籾タン
ク９と落下案内筒１０により連通連結されてお
り、上記播種機７の下端には、フロート６ａ，６
ｂ，６ｃの後端側に形成された前後方向の切欠部
１１から圃場面に臨む案内口１２が設けられてい
る。１３は、上記案内口１２前方のフロート下面
に突出する作溝片であつて、該作溝片１３によつ
て形成された作溝に、案内口１２から落下した籾
が播種されるようになつている。そして、上記案
内口１２の後方に覆土装置１４が設けられてい
る。すなわち、フロート６ａ，６ｂ，６ｃ底面
の、案内口１２後方一側に、先端が上記切欠部１
１側に突出した培土板１５が装着されており、さ
らに案内口１２後方の他側には、フロート６ａ，
６ｂ，６ｃの上面に取付ボルト１６を介して固定
された弾性板１７の、後方に向つて延出した後端
部に、覆土板１８が平面視において回動調節自在
に装着されている。１９は、調整ボルト２０を挿
通して上記覆土板１８の回動位置を調整する長孔
である。

上記覆土板１８は、中央平面部１８ａを挾ん
で、作溝側の上昇傾斜片１８ｂと、反対側の下降
傾斜片１８ｃが形成された後方に向つて巾狭に縮
小する略流線形状となつている。そして前端側の
一部１８ｄが、フロート６ａ，６ｂ，６ｃの後端
を成形する縁部６ｄに上方から重合して接当する
ようになつている。

上記の如き構成において、いまエンジン４を始
動して車輪２の駆動により機体３を圃場に進入さ
せれば、フロート６ａ，６ｂ，６ｃが田面に沿つ
て滑走しながら、播種機１を走行させることがで
きる。ついで籾タンク９に収納した籾を繰出しロ
ール８によつて繰出せば、繰出された籾は落下案
内筒１０を通つてフロート６ａ，６ｂ，６ｃに設
けた播種部７の案内口１２から落下して、案内口
１２前方の作溝片１３により形成された作溝中に
播種されたのち、案内口１２の後方に設けた培土
板１５と更に後方の覆土板１８により両側から泥
土を覆せるので充分に覆土することができる。

そして、圃場の泥土が粘土質等で硬度が高く機
体がヘツドアツプするようなことがあつても、覆
土板１８に作用する接地圧により覆土板１８を装
着した弾性板１７が上方に湾曲するので、従来の
ように覆土板１８が土中に深く入り込んで作溝を
大きくするようなことはなく、また、覆土板１８
が土中にある石等の障害物に接当しても、同様に
弾性板１７が湾曲するので、覆土板１８に無理な
力が作用して変形したり破損することはない。さ
らに覆土板１８の調整ボルト２０を緩めて長孔１
９に沿つて回動させ、平面視における作溝側に突
出する量を調整して調整ボルト２０を締めれば、
常に適正な覆土をすることができ、しかも覆土板
１８は、前端側の一部１８ｄがフロート６ａ，６
ｂ，６ｃの後端を成形する縁部６ｄに上方から接
当するので、上下方向が正確に位置決めされる。

考案の効果 これを要するに本考案は、フロートの後方に覆
土装置を配設した作業機において、上記覆土装置
の覆土板を、フロート上面から後方に延出した弾
性板の下面に、平面視において回動調整自在に装
着すると共に、上記覆土板の前端部をフロート後
端側の成形縁部に上方から接当すべく構成したか
ら、フロートの後端に覆土板を設けたものであり
ながら、機体がヘツドアツプしたときでも、弾性
板の弾力性を利用して、覆土板が土中に深く入り
込むのを防止することができる許りでなく、土中
にある石等の障害物に覆土板が接当しても、無理
な力が加わつて変形したり、破損することはなく
確実に覆土することができる。しかも覆土板の平
面視における作溝側に突出する量を自由調整する
ことができ、上下方向の位置は、フロート後端側
の成形縁部により正確に位置決めされるので常に
適正な量の覆土ができる等極めて有用な実用的効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る作業機における覆土装置の
一実施例を示すものであつて、第１図は播種機の
全体側面図、第２図は播種部の平面図、第３図は
同上側面図、第４図は同上後面図、第５図は覆土
板の側面図、第６図は同上平面図、第７図は同上
後面図である。 図中、１は播種機、６ａ，６ｂ，６ｃはフロー
ト、６ｄは成形縁部、１２は籾案内口、１４は覆
土装置、１７は弾性板、１８は覆土板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロートの後方に覆土装置を配設した作業機に
   おいて、上記覆土装置の覆土板を、フロートの上
   面から後方に延出した弾性板の下面に、平面視に
   おいて回動調整自在に挿着すると共に、上記覆土
   板の前端部をフロート後端側の整形縁部に上方か
   ら接当すべく構成したことを特徴とする作業機に
   おける覆土装置。