JP6440610B2 - 水田作業装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗用型田植機や乗用型直播機に装備される水田作業装置であって、肥料や種籾、薬剤等の農用の粉粒体を田面に供給する水田作業装置に関する。
水田作業機の一例である乗用型直播機では、特許文献1に開示されているように、機体の後部に水田作業装置を備えている。
特許文献1では、水田作業装置において、田面に溝を形成する作溝器(特許文献1の図3〜図7の29)を備えており、作溝器により田面に形成された溝に、供給装置(特許文献1の図1〜図6の18)から粉粒体が供給される。作溝器の横側の位置で田面に突入する覆土部材(特許文献1の図7及び図14の30)を備えており、覆土部材により泥を横側の溝に向って押し出して、粉粒体が供給された溝を埋める。
この場合、覆土部材の位置を上下軸芯周りに変更して、粉粒体が供給された溝に覆土部材を接近させたり、粉粒体が供給された溝から覆土部材を離間させたりして、田面の泥の硬軟や田面の水の多少に応じて、覆土部材を適切な位置に設定することができるように構成することがある。
前述のように、覆土部材の位置を変更する場合、覆土部材が連結される支持部と覆土部材とにおいて、支持部及び覆土部材の一方に長孔を備え、支持部及び覆土部材の他方にナットを備えることがある。
この構成により、長孔に沿って覆土部材の位置を変更し、所望の位置においてボルトを長孔及びナットに通して締め付けることにより、覆土部材を所望の位置で支持部に連結することができる。
特開2014−138566号公報
水田作業装置では、複数の作業条において粉粒体を田面に供給するので、複数の作業条の各々に作溝器及び覆土部材を備えることになる。これにより、覆土部材の位置を変更する場合、複数の作業条の覆土部材の位置を変更する必要がある。
この場合、[背景技術]に記載の長孔による覆土部材の位置変更の構造は、長孔により覆土部材の位置を無段階に細かく変更できるという利点があるものの、覆土部材の位置が認識し難いという不利な点がある。
従って、複数の作業条の覆土部材の位置を変更する場合、複数の作業条の覆土部材の位置を順番に変更していくと、覆土部材の位置が作業条ごとに少しずつ異なるというような状態(覆土部材の位置が作業条ごとにバラつくというような状態)の生じることがある。
本発明は、水田作業装置において複数の作業条の各々に作溝器及び覆土部材を備えた場合、複数の作業条の覆土部材の位置を変更しても、覆土部材の位置が作業条ごとに少しずつ異なるというような状態が生じないように構成することを目的としている。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、水田作業装置において次のように構成することにある。
田面に溝を形成する作溝器と、前記作溝器によって田面に形成された溝に農用の粉粒体を供給する供給装置と、粉粒体が供給された溝を埋める覆土部材とを備え、
前記覆土部材が連結される支持部と、前記覆土部材とにおいて、
前記覆土部材の連結位置を変更する方向に沿って配置された複数の位置決め部を、前記支持部及び前記覆土部材のうちの一方に備え、位置決め用の係合部を、前記支持部及び前記覆土部材のうちの他方に備え、
前記覆土部材の連結位置を変更する方向に沿った長孔を、前記支持部及び前記覆土部材のうちの一方に備え、雌ネジ部を、前記支持部及び前記覆土部材のうちの他方に備えて、
前記係合部を複数の前記位置決め部のうちの一つに挿入することによって、前記支持部での前記覆土部材の連結位置が決められ、前記係合部及び前記位置決め部により前記支持部での前記覆土部材の連結位置が決められた状態で、ボルトを前記長孔及び前記雌ネジ部に通して締め付けて、前記覆土部材を前記支持部に連結し、
前記位置決め部が前記係合部の挿入可能な開口部であり、複数の前記開口部が前記覆土部材の連結位置を変更する方向に沿って1列に並べて配置され、
前記開口部の列は、前記長孔又は前記雌ネジ部と横並びの状態で配置されている。
(作用及び発明の効果)
本発明の第1特徴によると、覆土部材を支持部にボルト連結するように構成した状態において、覆土部材の連結位置を変更する場合、ボルトを雌ネジ部から緩めて(取り外して)、係合部を位置決め部から抜き出し、覆土部材の位置を変更して、係合部を所望の位置決め部に挿入する。
これにより、覆土部材が所望の連結位置に決められるので、この状態で、ボルトを雌ネジ部に締め付けて(ボルトを長孔及び雌ネジ部に通して締め付けて)、覆土部材を所望の連結位置で支持部に連結することができる。
前述のようにして、第1の覆土部材の連結位置を変更すると、第2の覆土部材において前述と同様の作業を行うのであり、第2の覆土部材において、係合部を第1の覆土部材と同じ位置決め部に挿入することにより、第2の覆土部材を第1の覆土部材を同じ連結位置で支持部に連結することができる。
従って、第3の覆土部材以降において、前述と同様に、係合部を第1の覆土部材と同じ位置決め部に挿入することにより、全ての覆土部材を同じ連結位置で支持部に連結することができる。
以上のように、本発明の第1特徴によると、水田作業装置において複数の作業条の各々に作溝器及び覆土部材を備えた場合、覆土部材の連結位置を変更しても、全ての覆土部材を同じ連結位置で支持部に連結することができるようになって(全ての覆土部材の連結位置を揃えることができるようになって)、田面への粉粒体の安定した供給を行うことができる。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の水田作業装置において次のように構成することにある。
2つの前記長孔及び2つの前記雌ネジ部を備え、
複数の前記開口部が前記覆土部材の連結位置を変更する方向に沿って2列に並べて配置され、
前記開口部の列は、前記長孔又は前記雌ネジ部と交互に存在するように横並びの状態で配置されている。
III
(構成)
本発明の第特徴は、本発明の第1又は第2特徴の水田作業装置において次のように構成することにある。
前記開口部の列において、前記開口部よりも幅狭で前記係合部が挿入不可である幅狭開口部が、隣接する前記開口部を接続するように隣接する前記開口部の間に備えられている。
(作用及び発明の効果)
複数の位置決め部を備える場合、本発明の第特徴によると、隣接する開口部の間の狭い部分が幅狭開口部となって、複数の開口部と複数の幅狭開口部とが交互に連続して並ぶ状態となるのであり、係合部を複数の開口部のうちの一つに挿入することにより、覆土部材の連結位置が決められた状態となる。
これにより、独立した開口部を所定間隔を置いて並べて配置するよりも、本発明の第特徴によると、複数の開口部を互いに接近した状態で並べて配置することができるので、覆土部材の連結位置を細かく多段階に設定することができる。
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1,2,3特徴の水田作業装置のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
前記覆土部材は、覆土部とブラケット部とを含むとともに、前記覆土部と前記ブラケット部とは別部材で構成されており、
前記位置決め部又は前記係合部は、前記ブラケット部に配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の水田作業装置。

(構成)
本発明の第特徴は、本発明の第1,2,3,4特徴の水田作業装置のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
前記覆土部材の連結位置を変更する方向が、前記覆土部材の田面への突入深さを変更する上下方向である。
(作用及び発明の効果)
例えば、泥が硬い場合や田面に水が少ない場合は、田面において泥が流れ難い状態となっていることがあり、泥が軟らかい場合や田面に水が多い場合は、田面において泥が流れ易い状態となっていることがある。
前述の状態において、本発明の第特徴によると、覆土部材の連結位置を上下方向に変更することにより、覆土部材の田面への突入深さを変更することができる。
例えば、泥が硬い場合や田面に水が少ない場合、覆土部材の田面への突入深さを深くすればよい。
これにより、覆土部材が泥に接触する面積が大きくなるので、進行に伴って覆土部材により泥が溝に向って強く押されるようにすることができて、粉粒体が供給された溝を適切に埋めることができる。
例えば、泥が軟らかい場合や田面に水が多い場合、覆土部材の田面への突入深さを浅くすればよい。
これにより、覆土部材が泥に接触する面積が小さくなるので、進行に伴って覆土部材により泥が溝に向ってあまり強く押されないようにすることができて、粉粒体が供給された溝を適切に埋めることができる。
VI
(構成)
本発明の第特徴は、本発明の第特徴の水田作業装置において次のように構成することにある。
田面に沿った横方向で粉粒体が供給された溝に接近及び離間する方向に、前記覆土部材の位置を変更する横方向位置変更部を備えている。
(作用及び発明の効果)
本発明の第特徴によると、覆土部材の連結位置を上下方向に変更して覆土部材の田面への突入深さを変更することができるのに加えて、覆土部材の連結位置を田面に沿った横方向で粉粒体が供給された溝に接近及び離間する方向に変更することができる。
これにより、覆土部材の連結位置を複数の方向に変更することができて、覆土部材の連結位置をさらに適切な位置に設定することができる。
乗用型直播機の全体側面図である。 施肥装置、播種装置、薬剤供給装置及び薬剤散布装置の平面図である。 播種装置及び薬剤供給装置の背面図である。 播種装置及び薬剤供給装置の側面図である。 薬剤供給装置の付近の背面図である。 施肥装置の作溝器の付近の背面図である。 4個のフロートの全体の配置を示す平面図である。 播種装置、薬剤供給装置及び薬剤散布装置を支持するフレーム構造を示す斜視図である。 フロートの平面図である。 フロートの背面図である。 フロートにおける薬剤供給装置の作溝器の付近の縦断側面図である。 フロートにおける施肥装置の作溝器の付近の縦断側面図である。 フロートのブラケットの付近の縦断側面図(フロートの上側への揺動限度が高側の状態)である。 フロートのブラケットの付近の縦断側面図(フロートの上側への揺動限度が低側の状態)である。 フロートのブラケットの付近の分解斜視図である。 薬剤供給装置の作溝器及び覆土部材の付近の分解斜視図である。 薬剤供給装置の覆土部材(ブラケット)の側面図である。 8条型式の乗用型直播機の旋回状態を示す平面図である。 発明の実施の第1別形態において、6条型式の乗用型直播機における4個のフロートの全体の配置を示す平面図である。 発明の実施の第1別形態において、左端部のフロートの平面図である。 発明の実施の第1別形態において、支持部の斜視図である。 発明の実施の第1別形態において、6条型式の乗用型直播機の旋回状態を示す平面図である。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。機体の作業走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
[1]
図1に示すように、前輪1及び後輪2で支持された機体の後部に、リンク機構3が昇降自在に支持され、リンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられている。機体の後部に施肥装置6が支持され、リンク機構3の後部に播種装置5、薬剤供給装置7及び薬剤散布装置8が支持されて、水田作業機の一例である8条型式の乗用型直播機が構成されている。
[2]
次に、播種装置5、薬剤供給装置7及び薬剤散布装置8を支持するフレーム構造について説明する。
図4,5,6,8に示すように、左右方向の横フレーム9が備えられ、横フレーム9の中央部の前後方向の横軸芯P1周りに、縦長の連結部材18が左右に揺動自在に連結されている。横フレーム9に、2個の支持フレーム10が前向きに連結され、4個の支持フレーム13が後向きに連結されている。
図4,5,6,8に示すように、横フレーム9の中央部に、正面視で門型の支持フレーム20が連結され、支持フレーム20及び横フレーム9に上下向きの3個の縦フレーム11が連結されており、縦フレーム11の上部に亘って左右方向の横フレーム12が連結されている。支持フレーム13の後部に上下向きの縦フレーム14が連結されており、縦フレーム14の上部に亘って左右方向の横フレーム15が連結されている。
図4及び図7に示すように、支持フレーム10の前部にブラケット10aが連結されており、支持フレーム10のブラケット10aに、平板状の壁部材19及びレーキ状の整地部材21が連結されている。
後輪2の後側に壁部材19及び整地部材21が位置しており、後輪2から後方に飛ばされた泥がフロート16(後述の[7]参照)に載らないように、後輪2から後方に飛ばされた泥が壁部材19により止められる。整地部材21により、後輪2の走行跡及びフロート16の間の田面が均される(整地される)。
図1及び図4に示すように、リンク機構3の後部に、連結部材18を連結することにより、横フレーム9等の全体が横軸芯P1周りにローリング自在に支持されている。図2及び図4に示すように、右及び左の縦フレーム11の上部にブラケット11aが連結され、連結部材18の上部と縦フレーム11のブラケット11aとに亘ってバネ22が接続されており、バネ22により横フレーム9等の全体が機体と平行な姿勢に付勢されている。
[3]
次に、播種装置5について説明する。
図3及び図4に示すように、8個の繰り出し部23が横フレーム15に所定間隔を置いて連結されて、繰り出し部23の下部に案内部材24が連結されており、案内部材24は後側が開放された断面コ字状の構成されている。鉄コーティング処理された種子を貯留するホッパー25が4個備えられており、2個の繰り出し部23の上部に亘ってホッパー25が連結されている。
これにより、図3及び図4に示すように、ホッパー25の種子が繰り出し部23により所定量ずつ繰り出され、種子が案内部材24の内面に接触せずに案内部材24の内部を通り落下して、田面(表面)に供給される。
以上のように、播種装置5は、繰り出し部23、案内部材24及びホッパー25等を備えて構成されており、繰り出し部23の直下の田面(表面)に、複数粒の種子を一つの塊状に供給(点播)する表面播き型式(点播型式)に構成されている。
図7に示すように、機体の進行に伴って繰り出し部23の直下において種子が供給される田面の部分が作業条となるのであり、右から作業条L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8となる。
[4]
次に、施肥装置6について説明する。
図1及び図2に示すように、座席38の後側の機体の後部に、4個の繰り出し部26が左右方向に所定間隔を置いて配置され、肥料を貯留するホッパー27が備えられており、繰り出し部26の上部に亘ってホッパー27が連結されている。
図4,6,7,9に示すように、フロート16に2組の溝切り板28及び覆土部材31が連結されて、溝切り板28に作溝器29が連結されている(合計8組の溝切り板28及び覆土部材31、作溝器29)。図1,2,4,6に示すように、繰り出し部26と作溝器29とに亘ってホース30が接続されており、繰り出し部26に搬送風を供給するブロア39が機体の横部に備えられている。
これによって、図1,2,4,6,7に示すように、ホッパー27の肥料が繰り出し部26により繰り出され、ブロア39の搬送風によりホース30から作溝器29に供給されて、溝切り板28及び作溝器29により田面に形成された溝に肥料が供給される。図4,7,9に示すように、機体の進行に伴って覆土部材31により泥が、溝切り板28及び作溝器29による溝に向って押し出されて、肥料が供給された溝が埋められる。
以上のように、施肥装置6は、繰り出し部26、ホッパー27、溝切り板28、作溝器29、ホース30及び覆土部材31等を備えて構成されており、作業条L1〜L8の横隣の位置で案内部材24の前側の位置において、田面から下方の位置に肥料を供給するように構成されている。
[5]
次に、薬剤供給装置7について説明する。
図3,4,5に示すように、8個の繰り出し部32(供給装置に相当)が横フレーム12に所定間隔を置いて連結され、殺虫剤や殺菌剤等の薬剤(粉粒体に相当)を貯留するホッパー33(供給装置に相当)が4個備えられており、2個の繰り出し部32の上部に亘ってホッパー33が連結されている。
図4,6,7,9に示すように、フロート16に2組の溝切り板34(作溝器に相当)及び覆土部材37が連結されて、溝切り板34に作溝器35が連結されており(合計8組の溝切り板34及び覆土部材37、作溝器35)、繰り出し部32と作溝器35とに亘ってホース36が接続されている。
これにより、図4,6,7,9に示すように、ホッパー33の薬剤が繰り出し部32により繰り出され、ホース36から作溝器35に供給されて、溝切り板34及び作溝器35により田面に形成された溝に薬剤が供給される。機体の進行に伴って覆土部材37により泥が、溝切り板34及び作溝器35による溝に向って押し出されて、薬剤が供給された溝が埋められる。
以上のように、薬剤供給装置7は、繰り出し部32、ホッパー33、溝切り板34、作溝器35、ホース36及び覆土部材37等を備えて構成されており、作業条L1〜L8において種子が供給される位置の前側の位置(作業条L1〜L8と同じ位置)であって、田面から下方の位置に薬剤を供給するように構成されている。
[6]
次に、薬剤散布装置8について説明する。
図1及び図2に示すように、1本の支持フレーム40が、支持フレーム20(図4,5,6参照)に連結されて、繰り出し部23及びホッパー25の間を通って後側に延出されており、支持フレーム40が横フレーム15(図4参照)に連結されて上側に延出されている。
図1及び図2に示すように、スカート状の拡散部57が支持フレーム40に連結されており、拡散部57の上部に、電動モータ(図示せず)により回転駆動される拡散羽根(図示せず)が備えられている。拡散部57の上部に繰り出し部58が連結されており、除草剤等の薬剤を貯留するホッパー59が繰り出し部58の上部に連結されている。
これにより、図1及び図2に示すように、ホッパー59の薬剤が繰り出し部58により繰り出されて拡散羽根に供給され、薬剤が拡散羽根により後側に拡散するように跳ね飛ばされて田面に供給される。
以上のように、薬剤散布装置8は、拡散部57、繰り出し部58及びホッパー59等を備えて構成されており、種子が供給された田面に薬剤を散布するように構成されている。
[7]
次に、フロート16について説明する。
図4及び図7に示すように、4個の同じ形状のフロート16が備えられている。図9に示すように、フロート16は、幅広の前部16a及び幅狭の後部16bを備えており、前部16aの後端の左右中央から後部16bが後側に延出されている。
図8に示すように、支持フレーム13の後部にブラケット13aが連結されている。図11,13,15に示すように、前後向きの支持フレーム41の後部が支持フレーム13のブラケット13aに連結され、支持フレーム41の前部のブラケット41aが支持フレーム13の中間部に連結されている。図9,10,11,13,15に示すように、フロート16の後部16bにブラケット43が連結されて、ブラケット43が支持フレーム41の左右方向の横軸芯P2周りに上下に揺動自在に支持されている。
図7に示すように、中央側の右及び左のフロート16が右及び左の後輪2の間の後側に配置されており、右端部(左端部)のフロート16が右(左)の後輪2の後側の右側(左側)に配置されている。フロート16に亘ってフレーム42が連結されて、フレーム42にレーキ状の整地部材47が連結されており、整地部材47によりフロート16の間の田面が均される(整地される)。
この乗用型直播機では、横フレーム9に対するフロート16の上下位置を検出することにより横フレーム9の田面からの高さを検出する高さセンサー(図示せず)、油圧シリンダ4に作動油を給排操作する制御弁(図示せず)、及び高さセンサーの検出値に基づいて制御弁を操作する制御装置(図示せず)が備えられている。
これにより、田面に接地追従するフロート16に対して、横フレーム9(播種装置5及び薬剤供給装置7)が上側及び下側に移動すると、高さセンサーの検出値に基づいて制御装置により制御弁が操作されて、横フレーム9(播種装置5及び薬剤供給装置7)が田面から設定高さに維持されるように、油圧シリンダ4が作動する。
[8]
次に、フロート16の上下の揺動規制について説明する。
図13及び図15に示すように、支持フレーム13のブラケット13aの下部に下向きの接当部13bが備えられており、フロート16が下側に揺動した際に、ブラケット43が支持フレーム13の接当部13bに当たることによって、フロート16の下側への揺動が止まる。これにより、ブラケット43が支持フレーム13の接当部13bに当たる位置が、フロート16の下側の揺動限度となる。
図13及び図15に示すように、支持フレーム41のブラケット41aに下向きの接当部41bが備えられている。フロート16が上側に揺動した際に、ブラケット43が支持フレーム41の接当部41bに当たることによって、フロート16の上側への揺動が止まる。これにより、ブラケット43が支持フレーム41の接当部41bに当たる位置が、フロート16の上側の揺動限度となる。
図13及び図15に示すように、支持フレーム41の開口部41cにピン60が取り付けられており、ブラケット43の前部の右及び左部に開口部43aが開口されている。これにより、図14に示すように、支持フレーム41の開口部41cからピン60を取り外して、ブラケット43の開口部43aにピン60を取り付けると、フロート16が上側に揺動した際に、ピン60が支持フレーム41の下辺部に当たることによってフロート16の上側への揺動が止まる。
これにより、図14に示すように、ブラケット43の開口部43aに取り付けられたピン60が支持フレーム41の下辺部に当たる位置が、フロート16の上側の揺動限度となるのであり、ブラケット43の開口部43aにピン60を取り付けない場合(図13参照)に比べて、フロート16の上側の揺動限度が低側に変更された状態となる。
[9]
次に、薬剤供給装置7において、溝切り板34及び作溝器35、繰り出し部32と作溝器35との接続について説明する。
図9,10,11に示すように、溝切り板34は、側面視において三角形状の板状に構成されて、機体の進行に伴って田面に溝を形成するのであり、フロート16の前部16aの右及び左の後端の底部に位置するように、ボルト44によってフロート16に連結されている。
図9,10,11,16に示すように、作溝器35は、板材を断面U字状に折り曲げて構成されており、前壁部35a、右壁部35b及び左壁部35cを備えている。作溝器35の前壁部35aに対して、作溝器35の右及び左壁部35b,35cの下端部35dが上側に位置しており、作溝器35の前壁部35aがボルト45により、溝切り板34の後部に連結されている。
図9,10,11,16に示すように、作溝器35の前壁部35aの横幅は溝切り板34の横幅と略同じであり、溝切り板34の後部の右部の上部から作溝器35の右壁部35bが後側に延出され、溝切り板34の後部の左部の上部から作溝器35の左壁部35cが後側に延出された状態となっている。
図11及び図16に示すように、作溝器35が溝切り板34に連結された状態で、作溝器35の右及び左壁部35b,35cの下端部35dが、フロート16の底面16cよりも上側に位置している。これにより、フロート16が田面に接地した状態において、作溝器35の右及び左壁部35b,35cの下端部35dが、田面よりも上側に位置する。
図11及び図16に示すように、ゴム製でジャバラ状の接続部56が作溝器35の上部に取り付けられて、硬質樹脂製の供給パイプ46が接続部56に取り付けられている。供給パイプ46は、上部から下部に亘って内部の断面積が変化しない丸パイプの直管に構成されて、十分な長さを備えており、供給パイプ46の長手方向がフロート16の底面16cと略直交するように、接続部56に取り付けられている。
図11及び図16に示すように、供給パイプ46は接続部56から上側に大きく出る長さを備えており、供給パイプ46の下部に位置する薬剤の出口46aが、作溝器35の右及び左壁部35b,35cの上部の間に位置している。
図4及び図5に示すように、作溝器35の略真上に繰り出し部32が位置しており、繰り出し部32と供給パイプ46の上部とに亘ってホース36が接続されている。ホース36は上部から下部に亘って内部の断面積が変化しない丸ホースの直管に構成されて、ホース36の内径と供給パイプ46の内径とが略同じに設定されており、繰り出し部32と供給パイプ46の上部とに亘って、ホース36が略鉛直状(直線状)に接続されている。
[10]
次に、薬剤供給装置7において、覆土部材37について説明する。
図9,10,16に示すように、横長の平板状の支持部48が、フロート16の上面にボルト49により連結されており、支持部48の右及び左の端部48aが上向きに折り曲げられている。支持部48の端部48aに、2個の連結孔67が開口されて、2個のピン68(係合部に相当)が取り付けられており、連結孔67の位置にナット69(雌ネジ部に相当)が取り付けられている。
図11及び図16に示すように、板材を折り曲げてブラケット50(覆土部材に相当)が構成されて、ブラケット50に縦壁部50a及び横壁部50bが備えられており、ブラケット50の横壁部50bに連結孔(図示せず)及びナット50cが備えられている。
図11,16,17に示すように、ブラケット50の縦壁部50aにおいて、2個の上下方向の長孔61が開口されている。ブラケット50の縦壁部50aにおいて、支持部48のピン48dが挿入可能な複数の開口部62(位置決め部に相当)が、上下方向に2列に開口されており、開口部62よりも幅狭で支持部48のピン68が挿入不可である幅狭開口部63が、隣接する開口部62を接続するように隣接する開口部62の間に開口されている。
図11,16,17に示すように、支持部48のピン68がブラケット50の開口部62の一つに挿入された状態(支持部48での覆土部材37の上下方向の連結位置が決められた状態)において、ボルト51がブラケット50の長孔61及び支持部48の連結孔67に挿入されて、支持部48のナット69に締め付けられており、ブラケット50の縦壁部50aが支持部48の端部48aに連結されている。
図9,10,11,16に示すように、板材を折り曲げて覆土部材37が構成されている。覆土部材37は、横向きの取付部37a、取付部37aの外側部分から下向きに延出された縦壁部37b、縦壁部37bから傾斜状態で後側に延出された覆土部37cを備えており、取付部37aに丸孔の連結孔37d及び長孔37e(横方向位置変更部に相当)が開口されている。
図9,10,11,16に示すように、覆土部材37の取付部37aをブラケット50の横壁部50bの下面に当て付け、ボルト52を覆土部材37の連結孔37d及び長孔37eに挿入してブラケット50のナット50cに締め付けることにより、覆土部材37がブラケット50に連結されている。
以上の構造により、図9,10,11,16に示すように、覆土部材37(取付部37a)が、ブラケット50(フロート16の左右中央)から外側に延出されて、作業条L1〜L8(図7参照)を上側から跨ぐような状態となり、覆土部材37の取付部37aから縦壁部37bが下側に延出された状態となっている。
覆土部材37の覆土部37cが田面(表面)に突入しており、平面視において、覆土部材37の縦壁部37bから覆土部37cが、作業条L1〜L8(フロート16の左右中央側)に向って斜めに延出される状態となっている。
[11]
次に、薬剤供給装置7において、覆土部材37の連結位置の変更について説明する。
図11及び図16に示すように、覆土部材37の連結位置を上下方向に変更する場合、ボルト51を緩めて(取り外して)、覆土部材37及びブラケット50を支持部48の端部48aからフロート16の外側に少し移動させて、支持部48のピン68を、ブラケット50の開口部62から抜く。
次に図11及び図16に示すように、覆土部材37及びブラケット50を上側(下側)に移動させ、再び覆土部材37及びブラケット50を支持部48側に移動させて、支持部48のピン68をブラケット50の所望の開口部62に挿入する。
これにより、図11及び図16に示すように、覆土部材37及びブラケット50が所望の連結位置に決められるので、この状態でボルト51を支持部48のナット69に締め付けて(ボルト51をブラケット50の長孔61及び支持部48のナット69に通して締め付けて)、覆土部材37及びブラケット50を所望の連結位置で支持部48に連結する。
以上のように、覆土部材37及びブラケット50の支持部48への連結位置を、ブラケット50の長孔61及び複数の開口部62に沿って上下方向に変更することにより、覆土部材37の田面への突中深さを変更することができる。
図16に示すように、ボルト52を少し緩めることにより、覆土部材37の連結孔37dを支点として、ブラケット50の横壁部50bに対する覆土部材37の連結位置を、覆土部材37の長孔37eに沿って変更することができる。これにより、前後方向に対する覆土部材37の傾斜姿勢をフロート16の底面16cに沿って変更することができるのであり、作業条L1〜L8(図7参照)(田面に沿った横方向で薬剤が供給された溝)に接近及び離間する方向に、覆土部材37の位置を変更することができる。
[12]
次に、施肥装置6において、溝切り板28及び作溝器29、覆土部材31について説明する。
図9,10,12に示すように、溝切り板28は、側面視において三角形状の板状に構成されて、機体の進行に伴って田面に溝を形成する。溝切り板28は、フロート16の前部16aの右及び左の後端の底部に位置するように、ボルト49によって支持部48(前項[10]参照)と一緒にフロート16に連結されている。
図9,10,11,12に示すように、作溝器29は、板材を断面U字状に折り曲げて構成されており、前壁部29a、右壁部29b及び左壁部29cを備えて、作溝器29の前壁部29aがボルト53により、溝切り板28の後部に連結されている。
作溝器29の前壁部29aの横幅は溝切り板28の横幅と略同じであり、溝切り板28の後部の右部から作溝器29の右壁部29bが後側に延出され、溝切り板28の後部の左部から作溝器29の左壁部29cが後側に延出された状態となっている。
図11及び図12に示すように、作溝器29が溝切り板28に連結された状態で、作溝器29の右及び左壁部29b,29cの下端部29dが、フロート16の底面16cよりも下側に位置しており、溝切り板28の後部の下端部と略同じ高さに位置している。これにより、フロート16が田面に接地した状態において、作溝器29の右及び左壁部29b,29cの下端部29dが、田面よりも下側に位置している。
図9,10,11,12に示すように、板材を断面へ字状に折り曲げて覆土部材31が構成されており、覆土部材31の前後に連結孔(図示せず)が開口されている。フロート16の後部16bの右及び左側部の平板状のフランジ部の下面に、覆土部材31が当て付けられており、ボルト55により覆土部材31がフロート16のフランジ部に連結されている。
以上の構造により、図7及び図9に示すように、作溝器29が、平面視において作溝器35(供給パイプ46の出口46a)の横側(フロート16の左右中央側)で、且つ、作溝器35(供給パイプ46の出口46a)の後側に位置している。
覆土部材37が、平面視において、左右方向で作溝器35に対して作溝器29とは反対側(フロート16の外側)に位置している。
図11に示すように、作溝器29が、側面視において作溝器35の後側(供給パイプ46の出口46aの後側)に位置している。溝切り板28の前部が、側面視において作溝器35の右及び左壁部35b,35cの下側に位置しており、作溝器29が、側面視において覆土部材37と重複している。
図9に示すように、覆土部材31(覆土部材31の基部)が、平面視において、左右方向で作溝器29の横側(フロート16の左右中央側)に位置している。覆土部材31が溝切り板28及び作溝器29による溝及び後方に向う斜め後側(フロート16の外側)に延出されており、覆土部材31,37が互いに逆方向に延出されている。図11に示すように、覆土部材31(覆土部材31の基部)が側面視において作溝器29と重複している。
[1
次に、施肥装置6(繰り出し部26)と作溝器29との接続について説明する。
図11及び図12に示すように、ゴム製の接続部54が作溝器29の上部に取り付けられている。接続部54は、作溝器29の上部に取り付けられるジャバラ部54a、供給パイプ54b及び接続パイプ54cを備えて一体的に成形されて構成されている。接続部54の供給パイプ54b及び接続パイプ54cは、上部から下部に亘って内部の断面積が変化しない丸パイプの直管に構成されて、互いに斜めに交差するように接続されている。
図12に示すように、接続部54が作溝器29に取り付けられた状態において、接続部54の供給パイプ54bの長手方向が、フロート16の底面16cと略直交する状態となっており、接続部54の供給パイプ54bの下部に位置する肥料の出口54dが、作溝器29の右及び左壁部29b,29cの上部に間に位置している。
図11及び図12に示すように、接続部54が作溝器29に取り付けられた状態において、接続部54の接続パイプ54cが、前方に向う斜め上方に延出されており、図1,3,4,6に示すように、繰り出し部26と接続部54の接続パイプ54cとに亘って、ホース30が接続されている。
[1
次に、溝切り器64について説明する。
図1,2,7,9,10に示すように、4個のフロート16の全て(各々)において、フロート16の後部16bの底面16cの後端部に、機体の進行に伴って田面に排水用の溝を形成する溝切り器64が取り付けられている。
図9,10,11,12に示すように、溝切り器64は板材を正面視及び側面視で三角形状に折り曲げて構成されており、溝切り器64の前部及び後部に板状の取付部64a,64bが連結されている。溝切り器64の取付部64aがフロート16の底面16cにボルト65により連結されており、溝切り器64の取付部64bがフロート16の後部16bの上面にボルト65により連結されている。
図18に示すように、4個のフロート16の全て(各々)に溝切り器64を備えることにより、作業条L1〜L8と溝切り器64との関係は以下の状態となる。
「溝切り器64(R)が存在する作業条L1,L2の間」
「溝切り器64が存在しない作業条L2,L3の間」
「溝切り器64が存在する作業条L3,L4の間」
「溝切り器64が存在しない作業条L4,L5の間」
「溝切り器64が存在する作業条L5,L6の間」
「溝切り器64が存在しない作業条L6,L7の間」
「溝切り器64(L)が存在する作業条L7,L8の間」
これにより、図18に示すように、右端部の作業条L1と一つ左右中央側(左側)の作業条L2との間に、右端部の溝切り器64(R)が備えられ、左端部の作業条L8と一つ左右中央側(右側)の作業条L7との間に、左端部の溝切り器64(L)が備えられた状態となる。右端部の溝切り器64(R)と左端部の溝切り器64(L)との間において、
溝切り器64が存在する作業条(L1,L2)(L3,L4)(L5,L6)(L7,L8)の間(溝切り器64により田面に排水用の溝が形成された作業条の間)と、
溝切り器64が存在しない作業条(L2,L3)(L4,L5)(L6,L7)の間(排水用の溝が存在しない作業条の間)とが、
右端部及び左端部の溝切り器64(R)(L)が存在する作業条(L1,L2)(L7,L8)の間を含めて左右方向に交互に存在するように、溝切り器64が配置される状態となっている。
図18に示すように、乗用型直播機では一回の作業行程(作業条L1〜L8)が終了して畦際に達すると、畦際で旋回して、前回の作業行程(作業条L1〜L8)に隣接する位置に入ることにより、次の作業行程(L9〜L16)に入る。これにより、
「溝切り器64(L)が存在する作業条L9,L10の間」
「溝切り器64が存在しない作業条L10,L11の間」
「溝切り器64が存在する作業条L11,L12の間」
「溝切り器64が存在しない作業条L12,L13の間」
「溝切り器64が存在する作業条L13,L14の間」
「溝切り器64が存在しない作業条L14,L15の間」
「溝切り器64(R)が存在する作業条L15,L16の間」
という状態となる。
従って、一回の作業行程、畦際での旋回及び次の作業行程を繰り返すことにより、一つの圃場において、溝切り器64により排水用の溝が形成された作業条の間と、排水用の溝が存在しない作業条の間とが交互に存在する状態が得られる。
[発明の実施の第1別形態]
本発明を、6条型式の乗用型直播機に適用した場合について説明する。
図19に示すように、6条型式の乗用型直播機は、播種装置5において6個の繰り出し部23(案内部材24)及び2個のホッパー27を備えている。施肥装置6において4個の繰り出し部26及び1個のホッパー27、6組の溝切り板28及び作溝器29、覆土部材31を備えている。薬剤供給装置7において6個の繰り出し部32及び3個のホッパー33、6組の溝切り板34及び作溝器35、覆土部材37を備えている。
図7及び図19に示すように、8条型式の乗用型直播機及び6条型式の乗用型直播機において、中央側の右及び左の2個のフロート16は共通であるに対して、6条型式の乗用型直播機では右端部及び左端部のフロート17が、8条型式の乗用型直播機の右端部及び左端部のフロート16とは異なるものとなっている。
図19及び図20に示すように、6条型式の乗用型直播機において、フロート17は、幅広の前部17a及び幅狭の後部17bを備えており、前部16aの後端の右端部(左端部)から後部16bが後側に延出されている。前項[8]及び図13,14に示すフロート16の上下の揺動規制する構造も、フロート17において備えられている。
図19及び図20に示すように、1組の溝切り板34及び作溝器35、覆土部材37、1組の溝切り板28及び作溝器29、覆土部材31が、フロート16と同じ配置でフロート17に備えられている。フロート17の後部17bの底面の後端部に、機体の進行に伴って田面に排水用の溝を形成する溝切り器64が取り付けられている。
図20及び図21に示すように、板材を平面視でクランク形状に切り出した支持部66が用意されており、支持部66がフロート17の上面に乗せられている。フロート17の下面に溝切り板28,34が配置されており、支持部66と溝切り板28,34とでフロート17を挟み込むように、ボルト44,49が取り付けられて締め付けられている。
図20及び図21に示すように、支持部66の端部66aが上向きに折り曲げられている。前項[10]及び図16,17に示す、2個の連結孔67、2個のピン68、2個のナット69が支持部66の端部66aに備えられている。
これにより、図20及び図21に示すように、ブラケット50の縦壁部50aを支持部66の端部66aに連結し、ブラケット50の横壁部50bに覆土部材37を連結することにより、前項[10]と同じ構成が得られる。
図19及び図22に示すように、4個のフロート16,17の全て(各々)において、フロート16,17の後部16b,17bの底面16cの後端部に、機体の進行に伴って田面に排水用の溝を形成する溝切り器64が取り付けられている。
図22に示すように、4個のフロート16,17の全て(各々)に溝切り器64を備えることにより、作業条L1〜L6と溝切り器64との関係は以下の状態となる。
「溝切り器64(R)が存在する作業条L1の右外側」
「溝切り器64が存在しない作業条L1,L2の間」
「溝切り器64が存在する作業条L2,L3の間」
「溝切り器64が存在しない作業条L3,L4の間」
「溝切り器64が存在する作業条L4,L5の間」
「溝切り器64が存在しない作業条L5,L6の間」
「溝切り器64(L)が存在する作業条L6の左外側」
これにより、図22に示すように、右端部の作業条L1の右外側に、右端部の溝切り器64(R)が備えられ、左端部の作業条L6の左外側に、左端部の溝切り器64(L)が備えられた状態となる。右端部の溝切り器64(R)と左端部の溝切り器64(L)との間において、
溝切り器64が存在する作業条(L2,L3)(L4,L5)の間(溝切り器64により田面に排水用の溝が形成された作業条の間)と、
溝切り器64が存在しない作業条(L1,L2)(L3,L4)(L5,L6)の間(排水用の溝が存在しない作業条の間)とが、
右端部及び左端部の溝切り器64(R)(L)が存在する作業条の間を含めて左右方向に交互に存在するように、溝切り器64が配置される状態となっている。
図22に示すように、乗用型直播機では一回の作業行程(作業条L1〜L6)が終了して畦際に達すると、畦際で旋回して、前回の作業行程(作業条L1〜L6)に隣接する位置に入ることにより、次の作業行程(L7〜L12)に入る。これにより、
「溝切り器64(L)が存在する作業条L7の左外側」
「溝切り器64が存在しない作業条L7,L8の間」
「溝切り器64が存在する作業条L8,L9の間」
「溝切り器64が存在しない作業条L9,L10の間」
「溝切り器64が存在する作業条L10,L11の間」
「溝切り器64が存在しない作業条L11,L12の間」
「溝切り器64(R)が存在する作業条L12の右外側」
という状態となる。この場合、左端部の溝切り器64(L)は、前回の作業行程(作業条L1〜L6)において通過した同じ経路を逆方向に通過する状態となる。
従って、一回の作業行程、畦際での旋回及び次の作業行程を繰り返すことにより、一つの圃場において、溝切り器64により排水用の溝が形成された作業条の間と、排水用の溝が存在しない作業条の間とが交互に存在する状態が得られる。
[発明の実施の第2別形態]
本発明を、6条型式の乗用型直播機に適用した場合、図7に示す8条型式の乗用型直播機のフロート16と同じようなフロートを3個備えるように構成してもよい。
この場合、2組の溝切り板34及び作溝器35、覆土部材37、2組の溝切り板28及び作溝器29、覆土部材31が、図7及び図9に示す配置と同じ配置でフロートに備えられる。溝切り器64が、図7及び図9に示す配置と同じ配置でフロートに備えられる。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、図9,10,16に示す覆土部材37に代えて、図9及び図10に示す覆土部材31と同じような形状の覆土部材37を備えて、覆土部材31,37が後側に向う斜め後方(フロート16の外側)に延出されるように構成してもよい。
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、図16に示す連結孔67、ピン68及びナット69等について、以下の(1)〜(5)に示すように構成してもよい。
(1)
連結孔67、ピン68及びナット69をブラケット50に備え、長孔61、開口部62及び幅狭開口部63を支持部48,66に備える。
(2)
連結孔67及びナット69、開口部62及び幅狭開口部63をブラケット50に備え、ピン68及び長孔61を支持部48,66に備える。
(3)
ピン68及び長孔61をブラケット50に備え、連結孔67及びナット69、開口部62及び幅狭開口部63を支持部48,66に備える。
(4)
幅狭開口部63を廃止して、独立した開口部62を所定間隔を置いて並べる。又は幅狭開口部63を廃止して、独立した凹部(位置決め部に相当)を所定間隔を置いて並べる。
(5)
前述の[発明を実施するための形態]並びに前述の(1)〜(4)において、連結孔67、ピン68及びナット69、長孔61、開口部62(凹部)(幅狭開口部63)の構成を、ブラケット50の横壁部50bと覆土部材37とに備える。
この構成ではブラケット50が支持部となるのであり、覆土部材37の連結位置を左右方向(横方向)に変更することができる。
本発明は、乗用型田植機や乗用型直播機に装備される水田作業装置において、薬剤供給装置ばかりではなく、施肥装置の覆土部材にも適用できるのであり、乗用型直播機において種子を田面に埋める型式の播種装置の覆土部材にも適用できる。本発明は4条型式や10条型式の乗用型田植機や乗用型直播機にも適用できる。
32,33 供給装置
34,35 作溝器
37,50 覆土部材
37e 横方向位置変更部
48,66 支持部
51 ボルト
61 長孔
62 位置決め部、開口部
63 幅狭開口部
68 係合部
69 雌ネジ部

Claims (6)

  1. 田面に溝を形成する作溝器と、前記作溝器によって田面に形成された溝に農用の粉粒体を供給する供給装置と、粉粒体が供給された溝を埋める覆土部材とを備え、
    前記覆土部材が連結される支持部と、前記覆土部材とにおいて、
    前記覆土部材の連結位置を変更する方向に沿って配置された複数の位置決め部を、前記支持部及び前記覆土部材のうちの一方に備え、位置決め用の係合部を、前記支持部及び前記覆土部材のうちの他方に備え、
    前記覆土部材の連結位置を変更する方向に沿った長孔を、前記支持部及び前記覆土部材のうちの一方に備え、雌ネジ部を、前記支持部及び前記覆土部材のうちの他方に備えて、
    前記係合部を複数の前記位置決め部のうちの一つに挿入することによって、前記支持部での前記覆土部材の連結位置が決められ、前記係合部及び前記位置決め部により前記支持部での前記覆土部材の連結位置が決められた状態で、ボルトを前記長孔及び前記雌ネジ部に通して締め付けて、前記覆土部材を前記支持部に連結し、
    前記位置決め部が前記係合部の挿入可能な開口部であり、複数の前記開口部が前記覆土部材の連結位置を変更する方向に沿って1列に並べて配置され、
    前記開口部の列は、前記長孔又は前記雌ネジ部と横並びの状態で配置されている水田作業装置。
  2. 2つの前記長孔及び2つの前記雌ネジ部を備え、
    複数の前記開口部が前記覆土部材の連結位置を変更する方向に沿って2列に並べて配置され、
    前記開口部の列は、前記長孔又は前記雌ネジ部と交互に存在するように横並びの状態で配置されている請求項1に記載の水田作業装置。
  3. 前記開口部の列において、前記開口部よりも幅狭で前記係合部が挿入不可である幅狭開口部が、隣接する前記開口部を接続するように隣接する前記開口部の間に備えられている請求項1又は2に記載の水田作業装置。
  4. 前記覆土部材は、覆土部とブラケット部とを含むとともに、前記覆土部と前記ブラケット部とは別部材で構成されており、
    前記位置決め部又は前記係合部は、前記ブラケット部に配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の水田作業装置。
  5. 前記覆土部材の連結位置を変更する方向が、前記覆土部材の田面への突入深さを変更する上下方向である請求項1から4のいずれか一項に記載の水田作業装置。
  6. 田面に沿った横方向で粉粒体が供給された溝に接近及び離間する方向に、前記覆土部材の位置を変更する横方向位置変更部を備えている請求項に記載の水田作業装置。
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