JPH0414802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は自動車用前照灯に関し、更に詳しくは
ヘツドランプとフオグランプの機能を合せ持つた
自動車用前照灯に関するものである。

〈従来の技術〉 従来、ヘツドランプとフオグランプの機能を合
せ持つた自動車用前照灯としては、第３図に示す
如く１つの灯体ａを２つの灯室a₁，₂に仕切り、各
灯室毎にバルブｂと反射鏡ｃ及びレンズｄを設置
させてヘツドランプＡとフオグランプＢを構成し
たものがあつた。しかし乍ら、このものは単にヘ
ツドランプの横にフオグランプを一体的に並列設
置したに過ぎず、面白味が全くないだけでなく、
横長の前照灯となつてしまい車体に対する設置ス
ペースの制約を受け易くなると同時に、非点灯時
にヘツドランプの白色とフオグランプの黄色が並
んで見え、正面からの見映えがあまり良くない不
具合があつた。

〈考案が解決しようとする課題〉 本考案はこの様な現状に鑑みてなされたもので
あり、ヘツドランプとフオグランプの機能を発揮
し得ると共に、非点灯時には通常の一灯式前照灯
のように見え、しかも格別に車体に対する設置ス
ペースの制約を受けることがない自動車用前照灯
を提供せんとするものである。

〈課題を解決するための手段〉 係る目的を達成する本考案の自動車用前照灯
は、正面略横長矩形状に形成した灯体の内面に反
射鏡を一体に形成し、該反射鏡の焦点位置に設置
したバルブの上下両位置に夫々、正面略Ｌ字形に
形成した２枚一組の黄色フイルター板を互いに枢
軸で蝶番様に連結せしめて設置すると共に、該バ
ルブの前方位置には２個の螺動子を上下螺動自在
に螺合させたネジ杆を回転自在に垂直状に設置せ
しめ、上記両螺動子にガイド溝を有するガイドバ
ーを夫々上記ネジ杆と直交状に取付け、上記ガイ
ド溝に前記黄色フイルター板から突設せしめた係
合突子をスライド自在に係合させて各黄色フイル
ター板を上部及び下部位置から左右にバルブの外
周を取り囲むように起伏動自在に構成した事を特
徴としたものである。

〈実施例〉 以下、本考案実施の一例を図面に基づいて説明
する。

図中１は正面略横長矩形状に形成された灯体で
あり、その内面に反射鏡２を一体に形成せしめ、
反射鏡２の焦点位置にH4型のハロゲンバルブ３
を設置すると共に、そのバルブ３の上下両位置に
黄色フイルター板４を夫々左右方向に起伏動自在
に設置し、灯体１の前方開口部に前面レンズ５を
取付けて前照灯Ａを構成する。

黄色フイルター板４はバルブ３から発光された
光を黄色に着色して前照灯Ａにフオグランプの機
能を発揮させるためのものであり、正面略Ｌ字形
に形成せしめて、バルブ３の左右外周を取り囲み
得るように設置する。

即ち、正面略Ｌ字形に形成した２個の黄色フイ
ルター板４を互いに枢軸７で蝶番様に連結したも
のを２組形成してバルブ３の上部及び下部位置に
夫々設置すると共に、バルブ３の前方には上下に
２個の螺動子８を上下螺動自在に螺合させたネジ
杆９を灯体１に垂直状に設置せしめ、上下螺動子
８にガイド溝１１を有するガイドバー１２を夫々
ネジ杆９と直交状に取付け、そのガイドバー１２
のガイド溝１１に黄色フイルター板４から突設し
た係合突子１３をスライド自在に係合させて構成
するものである。

従つて、ネジ杆９を歯車１５とピニオン１６を
介してモータ１４で回転させると、上下の螺動子
８を介して上下のガイドバー１２が上下動し、す
るとガイドバー１２のガイド溝１１に係合した黄
色フイルター板４の係合突子１３がガイドバー１
２のガイド溝１１に沿つて左右方向にスライド
し、それに伴つて２個の黄色フイルター板４が枢
軸７を中心にして左右方向に起伏動する。尚、螺
動子８を上下動させるためのネジ杆９には、当然
のことながら上半分と下半分のネジ切り方向を互
いに逆に形成して、合計４個の黄色フイルター板
４が同時にバルブ３を取り囲む方向又は開放する
方向に動作するようになつている。

而して、黄色フイルター板４を灯体１の上部壁
１ａと下部壁１ｂに沿わせた状態でもつてバルブ
３を点灯させれば、バルブ３からの光はそのまま
反射鏡２によつて前方へ反射され白色光のまま照
射されるのでヘツドランプの機能を発揮し、また
黄色フイルター板４でバルブ３を取り囲んだ状態
でもつてバルブ３を点灯させれば、バルブ３から
の光は黄色フイルター板４を通って黄色に着色さ
れ、その後反射鏡２によつて前方へ反射され黄色
光となつて照射されるのでフオグランプの機能を
発揮するようになる。

〈考案の効果〉 本考案の自動車用前照灯は斯様に構成したの
で、非点灯時には通常の一灯式前照灯のように見
え、点灯時には適時必要に応じてヘツドランプの
機能（白色光）でもフオグランプの機能（黄色
光）でも発揮することが出来るようになる。

しかも、灯体を正面横長矩形状に形成してその
内面に反射鏡を一体に形成し、合計４枚の黄色フ
イルター板をバルブの上下両位置すなわち反射鏡
として本来の機能を有しない反射鏡内部の上下位
置に配置したので、反射鏡の機能を損う惧れがな
く、ヘツドランプとしての機能を十分に発揮させ
ることが出来る。

また、前照灯にフオグランプの機能を発揮させ
る場合に、合計４枚の黄色フイルター板でバルブ
の外周をほぼ完全に取り囲むことが出来るので、
黄色光の光量が増大しフオグランプとしての機能
を十分に発揮させることが出来る。

更に、前照灯の正面形状は横長にも縦長にもな
ることがなく、従つて車体に対する設置スペース
の制約を受けることがないと同時に、デザイン上
の制約も受けることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施一例を示す断面図、第２
図は要部の斜視図、第３図は従来例を示す断面図
である。 図中、１は灯体、２は反射鏡、３はバルブ、４
は黄色フイルター板、７は枢軸、８は螺動子、１
１はガイド溝、１２はガイドバー、１３は係合突
子、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正面略横長矩形状に形成した灯体の内面に反射
   鏡を一体に形成し、該反射鏡の焦点位置に設置し
   たバルブの上下両位置に夫々、正面略Ｌ字形に形
   成した２枚一組の黄色フイルター板を互いに枢軸
   で蝶番様に連結せしめて設置すると共に、該バル
   ブの前方位置には２個の螺動子を上下螺動自在に
   螺合させたネジ杆を回転自在に垂直状に設置せし
   め、上記両螺動子にガイド溝を有するガイドバー
   を夫々上記ネジ杆と直交状に取付け、上記ガイド
   溝に前記黄色フイルター板から突設せしめた係合
   突子をスライド自在に係合させて各黄色フイルタ
   ー板を上部及び下部位置から左右にバルブの外周
   を取り囲むように起伏動自在に構成した事を特徴
   とした自動車用前照灯。