JPH041430Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えば海底油田等で油、ガス、水等
の流体を輸送するのに使用する可撓性流体輸送管
に関するものである。

［従来の技術］ この種の可撓性流体輸送管においては、外圧に
対する保護を行うために内表面に第３図に示すよ
うなインターロツク管１を備えていて、その内部
を流体が流れるようになつている。インターロツ
ク管１は、螺旋状をなすインターロツク用金属テ
ープ２の幅方向の一方の縁部がインターロツク縁
部２Ａ、他方の縁部が被インターロツク縁部２Ｂ
となつていて、或るターンのインターロツク縁部
２Ａが隣のターンの被インターロツク縁部２Ｂを
巻き込み固定して螺旋状にインターロツク部３が
形成された構造になつている（実公昭33−13853
号、米国特許第3311133号、実開昭59−43772号）。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このような構造ではインターロ
ツク管１の螺旋状をなすインターロツク部３の内
面に沿つて凹部４が螺旋状に存在するので、流体
抵抗が大きくなり、このためユーザー側から要求
される流体圧力一定の条件での単位時間当りの流
量を満足させるためには、平均内径を大きくしな
ければならないという問題点があつた。

また、インターロツク管１の内側にゴム、プラ
スチツク管を設ける構造のものもあるが、このよ
うな構造だと管内を検査、掃除するための種々の
道具が通過する際に、ゴム、プラスチツク管が傷
つき易く、長期間の使用には耐えられない問題点
があつた。

本考案の目的は、インターロツク管の内周の流
体抵抗を可及的に小さくすることができる可撓性
流体輸送管を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するための本考案の構成を、
実施例に対応する第１図及び第２図を参照して説
明すると、本考案は金属製のインターロツク管１
の外周にゴム、プラスチツク内管５、補強層６、
ゴム、プラスチツク外管７が順次設けられている
可撓性流体輸送管において、前記インターロツク
管１はインターロツク用金属テープ２と内面平滑
化用金属テープ８とが、前記内面平滑化用金属テ
ープ８を内側にして重ね合わされた状態で螺旋状
をなし、前記インターロツク用金属テープ２はそ
の幅方向の両側のインターロツク縁部２Ａと被イ
ンターロツク縁部２Ｂとが隣り合うターンでイン
ターロツク部３として螺旋状に連結されて構成さ
れ、前記内面平滑化用金属テープ８の一方の縁部
８Ａは前記インターロツク用金属テープ２の前記
インターロツク部３に巻き込まれて固着され、前
記内面平滑化用金属テープ８の他方の縁部８Ｂは
前記一方の縁部８Ａが属するターンのインターロ
ツク部３に対して隣のターンのインターロツク部
３の内面の凹部４を順次塞ぐ位置まで延びて内周
に沿つて設けられていることを特徴とするもので
ある。

［考案の作用］ このように内面平滑化用金属テープ８を用いて
インターロツク部３の内面の凹部４を順次塞ぐよ
うにすると、流体抵抗が小さくなり、内径を大き
くしなくても所要の流量の輸送ができるようにな
る。

［実施例］ 以下本考案の実施例を第１図及び第２図を参照
して説明する。本実施例の可撓性流体輸送管は、
インターロツク管１の外周に、ゴム又はプラスチ
ツクの押出し被覆によるゴム、プラスチツク内管
５と、金属テープ又は金属線の巻付けによる補強
層６と、ゴム又はプラスチツクの押出し被覆によ
るゴム、プラスチツク外管７とが順次設けられた
層構造になつている。本実施例の要部をなすイン
ターロツク管１は、インターロツク用金属テープ
２と内面平滑化用金属テープ８とが、内面平滑化
用金属テープ８を内側にして重ね合わされた状態
で螺旋状をなし、インターロツク用金属テープ２
はその幅方向の両側のインターロツク縁部２Ａと
被インターロツク縁部２Ｂとが隣り合うターンで
インターロツク部３として螺旋状に連結されて構
成され、内面平滑化用金属テープ８の一方の縁部
８Ａはインターロツク用金属テープ２のインター
ロツク部３に巻き込まれて固着され、内面平滑化
用金属テープ８の他方の縁部８Ｂは前述した一方
の縁部８Ａが属するターンのインターロツク部３
に対して隣のターンのインターロツク部３の内面
の凹部４を順次塞ぐ位置まで延びて内周に沿つて
設けられている。

インターロツク用金属テープ２としては例えば
厚さが0.4mmのステンレステープを用い、内面平
滑化用金属テープ８としては例えば厚さが0.4mm
のステンレステープを用いる。インターロツク管
１の内径、外径の一例を示すと、内径は100.0mm
で、外径は108.0mmである。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る可撓性流体輸
送管では、インターロツク管を形成するインター
ロツク用金属テープがなすインターロツク部で、
該インターロツク用金属テープの内面に重ねた内
面平滑化用金属テープの幅方向の一方の縁部を巻
き込み固着し、幅方向の他方の縁部で前記一方の
縁部が属するターンのインターロツク部に対して
隣のターンのインターロツク部の内面の凹部を順
次塞ぐ構造にしたので、インターロツク管の内面
の平滑状態が向上し、流体抵抗を低減させること
ができる。従つて、内径を増大させずに所要の流
量を得るようにすることができる。また、本考案
では、インターロツク管の内面にゴム、プラスチ
ツク管を設けるようなことを行わなくてよいの
で、内部を検査等の道具が通過しても、支障がな
くなる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案で用いるインターロツク管の一
例を示す上半部縦断端面図、第２図は本考案に係
る可撓性流体輸送管の一例の層構造を示す段剥ぎ
状態の斜視図、第３図は従来のインターロツク管
の上半部縦断端面図である。 １……インターロツク管、２……インターロツ
ク用金属テープ、２Ａ……インターロツク縁部、
２Ｂ……被インターロツク縁部、３……インター
ロツク部、４……凹部、５……ゴム、プラスチツ
ク内管、６……補強層、７……ゴム、プラスチツ
ク外管、８……内面平滑化用金属テープ、８Ａ，
８Ｂ……縁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製のインターロツク管１の外周にゴム、プ
   ラスチツク内管５、補強層６、ゴム、プラスチツ
   ク外管７が順次設けられている可撓性流体輸送管
   において、前記インターロツク管１はインターロ
   ツク用金属テープ２と内面平滑化用金属テープ８
   とが、前記内面平滑化用金属テープ８を内側にし
   て重ね合わされた状態で螺旋状をなし、前記イン
   ターロツク用金属テープ２はその幅方向の両側の
   インターロツク縁部２Ａと被インターロツク縁部
   ２Ｂとが隣り合うターンでインターロツク部３と
   して螺旋状に連結されて構成され、前記内面平滑
   化用金属テープ８の一方の縁部８Ａは前記インタ
   ーロツク用金属テープ２の前記インターロツク部
   ３に巻き込まれて固着され、前記内面平滑化用金
   属テープ８の他方の縁部８Ｂは前記一方の縁部８
   Ａが属するターンのインターロツク部３に対して
   隣のターンのインターロツク部３の内面の凹部４
   を順次塞ぐ位置まで延びて内周に沿つて設けられ
   ていることを特徴とする可撓性流体輸送管。