JPH0414248Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、トレーリングツイストアクスル式サ
スペンシヨンのアクスルビームに固着されるリン
フオースメントとトレーリングアームとの接合部
の構造に関する。

〈従来の技術〉 トレーリングツイストアクスル式サスペンシヨ
ンは、車室側への突き出し量を少なくすることが
可能なことから、特に車室容積の拡大を狙つた小
型前輪駆動車のリヤサスペンシヨンとして用いら
れることが多い。

このトレーリングツイストアクスル式サスペン
シヨンの概略構造を表す第３図に示すように、図
示しない後車輪を取り付けるためのスピンドル１
を突設したアクスルビーム２と、このアクスルビ
ーム２と図示しない車体との間にそれぞれ取り付
けられる緩衝ばね３及びダンパ４と、前後両端部
が前記車体とアクスルビーム２とに連結され且つ
このアクスルビーム２の前後方向の動きを規制す
るトレーリングアーム５と、車体とアクスルビー
ム２とに左右両端部が連結され且つこのアクスル
ビーム２の左右方向の動きを規制するラテラルロ
ツド６とを有している。

前記トレーリングアーム５は、車体の前後方向
に延びる板金の平板にて形成され、その一端が車
体側に連結されている。このトレーリングアーム
５の他端は、溝形断面をなすアクスルビーム２の
左右両端部に密着状態で固着された補強用のリン
フオースメント７に対して溶接接合されており、
これらの溶接接合部の応力集中を緩和するため、
リンフオースメント７とトレーリングアーム５と
の隅部には、この部分を拡大した第４図に示すよ
うなガセツト８を設けている。

〈考案が解決しようとする課題〉 第３図に示した従来のトレーリングツイストア
クスル式サスペンシヨンのトレーリングアーム５
とリンフオースメント７との隅部に設けられる第
４図に示す如きガセツト８は、トレーリングアー
ム５及びリンフオースメント７に沿ったフランジ
部９，１０と、これらフランジ部９，１０を両端
に形成したウエブ部１１とからなる補強板であ
り、フランジ部９，１０のそれぞれ先端がトレー
リングアーム５とリンフオースメント７とに溶接
接合されている。

このため、スピンドル１を介してアクスルビー
ム２にねじれや左右方向の荷重が負荷すると、ガ
セツト８のフランジ部９，１０とウエブ部１１と
の折り曲げ部分に応力集中が起こる結果、この折
り曲げ部分に亀裂が発生し易く、ガセツト８の耐
久強度が低い欠点を有している。

〈考案の目的〉 本考案は、トレーリングアームとアクスルビー
ムの左右両端部に密着状態で固着されるリンフオ
ースメントとの隅部に設けられるガセツトの耐久
強度を向上させ得るトレーリングツイストアクス
ル式サスペンシヨンを提供することを目的とす
る。

〈課題を解決するための手段〉 本考案によるトレーリングツイストアクスル式
サスペンシヨンは、車軸方向に延在するアクスル
ビームの左右両端部に固着され且つ車輪が装着さ
れるスピンドルを支持するリンフオースメント
と、板厚方向がほぼ水平をなすように前後方向に
配置され且つ前記リンフオースメントに後端が固
着された板金製のトレーリングアームとの間の隅
部に、ガセツトを接合したトレーリングツイスト
アクスル式サスペンシヨンにおいて、前記ガセツ
トはその板厚方向がほぼ水平となるように配置さ
れた平板にて形成され且つその両端部が前記リン
フオースメントの前面と前記トレーリングアーム
の外側面とに突き合わせ溶接されていることを特
徴とするものである。

〈作用〉 アクスルビームに固着したリンフオースメント
とトレーリングアームとの隅部に設けられるガセ
ツトは、平板にて形成され且つその板厚方向がほ
ぼ水平となるように両端部がそれぞれリンフオー
スメントとトレーリングアームとに接合されてお
り、折り曲げ部がないことから従来のような応力
集中がガセツトに作用しない。

〈実施例〉 本考案の一実施例の要部を示す第１図及びその
外観を表す第２図に示すように、車幅方向に延在
するアクスルビーム２の左右両端には、図示しな
い後車輪を支持するスピンドル１が突設されてお
り、このスピンドル１とアクスルビーム２の両端
部とには、半円筒状をなす補強用のリンフオース
メント７が接合されている。前端部が車体側に揺
動自在に連結されてアクスルビーム２の前後方向
の動きを規制する板金製のトレーリングアーム５
の後端部は、その板厚方向がほぼ水平となるよう
に、リンフオースメント７に対して接合されてお
り、以上の構成は従来のものと全く同じである。

一方、車体の中心側に対して前記トレーリング
アーム５の外側面とリンフオースメント７の前面
との間の隅部には、平板で形成されたガセツト１
２の両端部が、その板厚方向がほぼ水平となるよ
うに、これらトレーリングアーム５の外側面とリ
ンフオースメント７の前面側に突き合わせ溶接さ
れている。

つまり、ガセツト１２には従来のような折り曲
げ部が存在せず、これによつて、折り曲げ部に応
力集中を生ずる従来のガセツトの欠点をなくすこ
とができ、ガセツトの耐久強度が向上する。

〈考案の効果〉 本考案のトレーリングツイストアクスル式サス
ペンシヨンによると、平板にて形成したガセツト
をその板厚方向がほぼ水平となるように配置し、
このガセツトの両端部をトレーリングアームの外
側面とリンフオースメントの前面とに突き合わせ
溶接したので、このガセツトの耐久強度をアクス
ルビームのねじれ剛性の増大を伴うことなく向上
させることができる。又、ガセツトがトレーリン
グアームの外側に配置されているため、トレーリ
ングアームの内側の空間を広く確保することがで
き、従つて燃料タンク等の容量を大きく設定する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による一実施例の主要部を示す
平面図、第２図はこの部分を前方からみた斜視
図、第３図はトレーリングツイストアクスル式サ
スペンシヨンの斜視図、第４図は従来の構造を示
す第１図に対応した平面図である。 又、図中の符号で１はスピンドル、２はアクス
ルビーム、５はトレーリングアーム、７はリンフ
オースメント、１２はガセツトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車軸方向に延在するアクスルビームの左右両端
   部に固着され且つ車輪が装着されるスピンドルを
   支持するリンフオースメントと、板厚方向がほぼ
   水平をなすように前後方向に配置され且つ前記リ
   ンフオースメントに後端が固着された板金製のト
   レーリングアームとの間の隅部に、ガセツトを接
   合したトレーリングツイストアクスル式サスペン
   シヨンにおいて、前記ガセツトはその板厚方向が
   ほぼ水平となるように配置された平板にて形成さ
   れ且つその両端部が前記リンフオースメントの前
   面と前記トレーリングアームの外側面とに突き合
   わせ溶接されていることを特徴とするトレーリン
   グツイストアクスル式サスペンシヨン。