JPH041406B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヘリカルスキヤン型磁気テープ装置
にデイジタル信号を記録する場合に信頼性を向上
させる方法及び装置に関するものである。

ヘリカルスキヤン型の磁気テープ装置は、固定
ヘツド型の磁気テープ装置に比べて、高い記録密
度が得られるので、VTRなどの多量の情報量が
必要な分野で、幅広く用いられている。

また、近年のVTR技術の発達により、家庭用
のVTRが、大量にまた安価に生産され、著しく
普及しようとしている。したがつて、家庭用
VTR技術を利用すれば、大容量で、しかも安価
な磁気記憶装置を実現することができる。

しかし、ヘリカルスキヤン型のVTRは、シリ
ンダに取付けられて回転するヘツドと、シリンダ
のまわりを走行する磁気テープとの相対的位置に
より、記録トラツクが決まる。そのため、磁気デ
イスク装置などと異なり、ランダムアクセスがで
きないという大きな欠点がある。

コンピユータの記憶装置としては、データの信
頼性が非常に大きな要素となる。そのため、フレ
キシブルデイスクなどの磁気デイスク装置では、
データを記録する場合には、まず記録すべきデー
タを磁気デイスクに記録し、次にそのデータを再
生してデータが正しく記録されているかを確認
し、異常が生じていれば再度記録しなおしてい
る。ところが、ヘリカルスキヤン型VTRでは、
第１図に示すように磁気テープが一定速度で走行
しているため、磁気ヘツドは自動的に次のトラツ
クへ移動してしまい、記録したデータを再生して
確認することができない。磁気テープの走行を中
止すると、回転する磁気ヘツドと走行状態の磁気
テープの相対位置によつて記録トラツクが決めら
れている関係から、磁気ヘツドがトラツクからは
ずれてしまい、正しく信号を再生することができ
ない。したがつて、一度記録したデータを再生し
て確認するためには、磁気テープを巻き戻してか
ら再びテープを走行させ、データを再生する必要
がある。一般に、テープの巻戻しと走行の再開に
は、非常に大きな時間が必要であり、このような
形のデータの確認は、実用的でない。

家庭用のTVRを利用した装置としては、音楽
信号をデイジタル値に変換してVTRに記録する
PCMレコーダがある。PCMレコーダは、デイジ
タル値を記録再生するという点では磁気テープ装
置とまつたく同じである。PCMレコーダではデ
ータの信頼性を向上させるために、エラー訂正符
号を用いている。しかし、エラー訂正符号では、
軽度のエラーに対しては訂正が可能だが重度のエ
ラーに対しては訂正できない。オーデイオ信号の
場合には、例えば30分に１回程度の割合で重度の
エラーが生じても、致命的なエラーとは言えない
ので、エラー訂正符号だけでも充分であり、記録
データの確認までは必要がない。

しかし、パーソナルコンピユータなどの外部記
憶装置として用いる場合には、どんな小さなエラ
ーでも致命的なものとなりうるので、記録データ
の確認が欠かせない。

本発明の目的は、上記したヘリカルスキヤン型
磁気テープ装置の欠点をなくし、記録したデータ
を即座に再生して確認することのできる、信頼性
の高い磁気テープ装置を提供することである。

本発明の特徴は、シリンダに取付けられている
磁気ヘツドの形状を変更して、記録したデータを
即時に再生できるようにすると共に、再生したデ
ータが正しいか否かを判断し、その結果を同じ磁
気テープ上に記録し、さらに正しく再生されるま
で同じデータを次のトラツクに再び記録するよう
に構成した点にある。

第２〜３図に、本発明による一実施例の記録フ
オーマツトとブロツク図を示し、以下図面に従つ
て説明する。

データの記録は、第１および第２の記録ヘツド
５，７で行ない、データの再生は、第１および第
２の再生ヘツド６，８で行なう。第１および第２
の記録ヘツド５，７は、シリンダ上（図示せず）
の対角線上に設置されており、第１および第２の
再生ヘツド６，８もシリンダ上の対角線上にもう
けられている。２つの記録ヘツド５，７は、交互
に記録トラツク上を走査し、２つの再生ヘツド
６，８もやはり交互にトラツクを走査する。

データを記録する場合には、バスライン１１か
ら送られてくるデータを、インタフエイス回路１
２を通してRAM１７とエンコード回路１３に送
り、エンコード回路１３によつて変換された記録
信号を記録増幅器１４、記録ヘツド５（または
７）によつて磁気テープに記録する。このとき
に、同じトラツクを、すこし遅れて走査する再生
ヘツド６（または８）は、記録されたばかりの信
号を再生し、再生増幅器１５およびデコード回路
１６で再生データに変換する。一致検出回路１８
は、RAM１７に記憶されている記録データと、
デコード回路から出力される再生信号とを、１ト
ラツク分すべてについて比較する。記録データと
再生データがすべて一致した場合には、データ有
効信号Ｘを、エンコーダ回路１３、記録増幅器１
４、および記録ヘツド７（または５）を用いて、
次のトラツクの先頭に記録し、引き続いて次に記
録すべきデータをCPU側（図示せず）に要求し
て記録していく。もし記録データと再生データが
一致しない場合には、データ無効信号Ｙを記録
し、RAM１７に保存されている記録データを再
び記録する。したがつて、磁気テープ上のトラツ
クには、第４図に示すように記録される。トラツ
ク１には、データａが記録され、再生ヘツドによ
つて正しく再生されると、データ有効信号Ｘがト
ラツク２の先頭に記録される。トラツク２には引
き続き次のデータｂが記録される。

しかし、トラツク３では、データｃを記録した
のだが、磁気テープ上のキズなどの何らかの原因
で、再生信号はc′となつている。そこで、データ
無効信号Ｙがトラツク４の先頭に記録され、再び
データｃがトラツク４に記録される。

データを再生する場合には、再生ヘツド６，８
を用いてデータを再生する。この場合、データ無
効信号Ｙがある場合には、そのトラツクの前の信
号を捨ててしまう。すなわち、トラツク４を再生
して、データ無効信号Ｙが再生されると、トラツ
ク３で再生したデータc′は捨ててトラツク４のデ
ータｃを用いる。

第３図の実施例では、データ有効信号Ｘまたは
データ無効信号Ｙは、記録ヘツド５または７によ
つて次のトラツクの先頭に記録しているが、再生
増幅器１５と記録増幅器１４を一時的に切換え
て、再生用ヘツド６または８を用いて、トラツク
の最後尾に記録することもできる。この場合の磁
気テープ上のトラツクは、第５図のようになる。

第３図の実施例では、記録ヘツドと再生ヘツド
に、それぞれ２つのヘツドを用いているが、シリ
ンダの対角線上に設置された２つのヘツドを用い
ても、同じことが可能である。この場合、１方の
ヘツドは他のヘツドに比べて設置をずらし、同じ
トラツク上を２つのヘツドが走査するように調整
する必要がある。

以上述べたように、本発明によれば、磁気テー
プ上に正しくデータが記録されたことを確認する
ことができ、磁気テープ上のキズなどによりデー
タが失なわれることが無く、高い信頼性が得られ
る。また、すべての動作が、テープ走行を障たげ
ることなく行なわれるので、結果的に高速にデー
タの記録、あるいは再生が行なえ、特に大容量の
フアイルを高速に転送するのに適している。デー
タの再生時に必要な処理も、正常なデータか否か
の判定をして、正常でなければ次のトラツクのデ
ータを用いるだけなので、容易に処理できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、ヘリカルスキヤン形VTRの記録フ
オーマツトの一例を示す構成図、第２図は本発明
による記録方法を示す構成図、第３図は本発明に
よる記録再生糸の一実施例を示すブロツク図、第
４図は本発明による記録トラツクを示す構成図、
第５図は本発明の他の実施例による記録トラツク
を示す構成図である。 １……磁気テープ、２……ビデオトラツク、３
……音声トラツク、４……コントロールトラツ
ク、５……第１の記録ヘツド、６……第２の記録
ヘツド、７……第１の再生ヘツド、８……第２の
再生ヘツド、１１……バスライン、１２……イン
タフエイス回路、１３……エンコード回路、１４
……記録増幅器、１５……再生増幅器、１６……
デコード回路、１７……RAM、１８……一致検
出回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ デイジタル信号を記録するヘリカルスキヤン
   型磁気記憶装置において、データを記録する第１
   の磁気ヘツドと、主にデータの再生を行う第２の
   磁気ヘツドと、記録データを記録波形に変換し、
   第１の磁気ヘツドに供給するエンコード回路と、
   第２の磁気ヘツドにより再生された信号の再生波
   形から記録されたデータを再現するデコード回路
   と、データが正常に記録されたか否かを検出する
   記録異常検出回路とを備えていることを特徴とす
   る磁気記憶装置。 ２ 前記記録異常検出回路が記録データを記憶す
   るメモリ回路と、一致検出回路より構成され、記
   録データを前記メモリ回路に記憶し、再生データ
   と前記メモリに記憶された記録データとの一致を
   前記一致検出回路で検出することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の磁気記憶装置。