JPH0413974B2 - - Google Patents
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- JPH0413974B2 JPH0413974B2 JP62087765A JP8776587A JPH0413974B2 JP H0413974 B2 JPH0413974 B2 JP H0413974B2 JP 62087765 A JP62087765 A JP 62087765A JP 8776587 A JP8776587 A JP 8776587A JP H0413974 B2 JPH0413974 B2 JP H0413974B2
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Landscapes
- Confectionery (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、テンパリング型多孔質成形チヨコレ
ートおよびその製法に関するものである。 〔従来の技術〕 近年、口当たりの軽さを特徴としたテンパリン
グ型多孔質成形チヨコレートが出回つている。こ
のようなテンパリング型多孔質成形チヨコレート
は、通常、テンパリングを経由したチヨコレート
生地を減圧下で膨張させることによつて製造され
ているが、予めチヨコレート生地中に気泡を多量
に含有させなければ非常に不均一で巨大な孔が発
生し、外観が悪くなるとともに食感もざらざらし
て好ましくなくなる。そこで、チヨコレート生地
に予め多量の気泡を含有させることを目的とし
て、テンパリングを経由したチヨコレート生地を
減圧処理に先立ちホイツプすることが行われてい
る。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記のように減圧処理に先立
ち、テンパリングを経たチヨコレート生地をホイ
ツプしても、気泡が生地中に均一に分散した状態
にすることは困難で、気泡の大きさも不揃いで微
細なものは得られない。 他方、チヨコレート生地に多量の油脂を含有さ
せ、これを急冷してチヨコレート生地を粘稠性を
持たせ、同時に攪拌して粘稠性なチヨコレート生
地中に空気泡を強制的に混入させるチヨコレート
類の製法が提案されている(特開昭60−58037号
公報)。この方法は、テンパリング作業を省略で
きるという利点を有しているが、得られるチヨコ
レートは、シエル物のセンター等に用いるクリー
ム状のものであつて大気泡が強制混入しているの
であり、これをモールドに入れ板チヨコ等の定形
性を有する成形チヨコレートに仕上げると、上記
大気泡がチヨコレート生地中に固定され、得られ
る板チヨコは、その断面が巣の入つたような状態
となり食感がバリバリとして硬く粗いものにな
る。また、上記モールドの際におけるタツピング
作業によつてチヨコレート生地中の大気泡がチヨ
コレート生地表面に移行して脱気し、その脱気跡
がチヨコレート製品の表面にクレーター状に残り
外観が極めて悪くなる。また。上記製法によつて
得られるチヨコレート製品は、油脂の多量混入に
よりカカオ脂に由来するチヨコレート本来の味を
呈さないうえ、チヨコレートの上記組成と、内部
が巣が入つたような状態になつていることとが相
俟つて保形性が悪くなり夏季では流通過程で溶融
するという難点を有している。まの、チヨコレー
ト生地に流動性がないため、モールドに充填した
時、モールドのすみずみにまでチヨコレート生地
がゆきわたらず、均一な形状のものを得ることが
できないという問題も有している。 本発明は、このような事情に鑑みなされたもの
で、均一かつ微細な多孔構造を有するとともに、
チヨコレート本来の風味を呈し、しかも保形性に
も富むテンパリング型多孔質成形チヨコレートお
よびその製法の提供をその目的とする。 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、本発明は、カカオ
脂を主成分とするチヨコレート生地中に、固体脂
含有率が0〜10℃で50重量%(以下「%」と略
す)以下、25℃で10%以下の植物性油脂が5〜10
%含有されていると同時に、多数の微細気孔が全
体に均一に分布形成されていることを特徴とする
テンパリング型多孔質成形チヨコレートを第1の
要旨とし、固体脂含有率が0〜10℃で50%以下、
25℃で10%以下である植物性油脂を、カカオ油を
主成分とするチヨコレート生地中に5〜10%添加
混合する混合工程と、上記混合物の粘稠液に対し
て減圧処理を施して多孔質チヨコレート化する工
程とを備えることを特徴とするテンパリング型多
孔質成形チヨコレートの製法を第2の要旨とす
る。 〔作用〕 すなわち、本発明者らは、減圧処理に先立ち、
テンパリングを経たチヨコレート生地をホイツプ
する方法ではチヨコレート生地の流動性が悪いた
めどうしても気泡の取り込みが不均一で大きた気
泡ができてしまうことから、上記チヨコレート生
地の流動性をもつと高めればうまく気泡の取り込
みが行われるのではないかと想起した。そして、
一連の研究を行つた結果、上記のような特殊な植
物性油脂を、カカオ脂主体のチヨコレート生地中
に特定量添加混合すると、ホイツプ作業を行うこ
となく通常の攪拌作業でチヨコレート生地中に微
細な気泡を均一に導入できるようになり、得られ
るチヨコレートはカカオ脂本来の風味を呈するう
え、微細孔の存在により口当たりも軽くなり、ま
た保形性にも富むようになることを見いだし本発
明に到達した。 つぎに、本発明を詳しく説明する。 本発明で用いるカカオ脂とは、カカオ脂、カカ
オ同等脂およびこれらの混合物をいう。 また、本発明に用いる植物性油脂は、固体脂含
有率(以下「SFC」と略す)が0〜10℃で50%以
下、25℃で10%以下であることが必要である。こ
のような特殊な植物性油脂は、常温下で粘度が極
めて低い液体であり、チヨコレート生地中に添加
混合すると、チヨコレート生地自体の流動性を高
める機能を発揮する。上記植物性油脂としては、
モーゼルソフトSS(旭電化社製)やユニレートP
−120(不二製油社製)等をあげることができる。 上記のような、特殊な植物性油脂の使用量は、
カカオ脂を主成分とするチヨコレート生地全体に
対して5〜10%含有されるように設定される。す
なわち、上記植物性油脂の使用量が5%未満では
効果が少なく、逆に10%を超えると得られるテン
パリング型多孔質成形チヨコレートの保形性が悪
くなるとともに、チヨコレート本来の風味が損な
われるようになるからである。ここで、上記カカ
オ脂を主成分とするチヨコレート生地とは、カカ
オ脂やカカオ脂と同様脂もしくはこれらの混合物
を主体油脂とし、これに糖成分と、必要に応じて
用いられるカカオマス、ココア等のカカオ大豆由
来の原料や乳成分等からなるもののことをいう。 本発明のテンパリング型多孔質成形チヨコレー
トは、先に述べた特殊な植物性油脂を用い例えば
つぎのようにして製造することができる。すなわ
ち、まずカカオ脂、砂糖、全脂粉乳等の通常のチ
ヨコレート生地原料から得られたチヨコレート生
地(通常、カカオ脂が20〜35%含有されており、
総油脂含有量は25〜40%程度である)を融解した
のち上記特殊な植物性油脂を添加混合する。つい
で、この混合物を通常のテンパリング工程に通し
たのち、モールド等に入れ所定形状に成形し、つ
いで減圧装置内に入れる。そして、所定の減圧処
理を施して混合物(チヨコレート生地)を膨張さ
せたのち冷却固化することにより、目的とするテ
ンパリング型多孔質成形チヨコレートを製造する
ことができる。 上記製法における減圧処理時の減圧条件は、
140〜40mmHbの減圧であることが好適である。す
なわち、140mmHb未満の減圧ではチヨコレート生
地中の気泡が膨張しにくく、40mmHbを超える減
圧では減圧度の制御が困難となるからである。 このようにして得られたテンパリング型多孔質
成形チヨコレートは、微細で均一な多孔構造を有
しているため、外観が良好で口当たりも軽く、泡
雪のような口どけを有しチヨコレート本来の風味
を有しているうえ、保形性にも富んでいる。 本発明の製法を用いることにより上記のように
優れたテンパリング型多孔質成形チヨコレートが
得られるのは、チヨコレート生地中に上記のよう
な植物性油脂を添加すると、チヨコレート生地の
粘度が急激に小さくなつて流動性が高まり、混淆
のための攪拌作業で非常に微細な気泡を大量に含
有させることができるからである。なお、上記テ
ンパリング型多孔質成形チヨコレート中の上記特
殊な植物性油脂の存在は、下記の方法によつて確
認することができる。すなわち、ガスクロマトグ
ラフイーにより脂肪酸組成を分析し、リノレン酸
等の不飽和度の高い脂肪酸含有率を、カカオバタ
ーまたはカカオバター類似脂と比較することによ
り確認することができる。 つぎに、実施例について比較例と併せて説明す
る。 実施例 1 ミルクチヨコレート生地の調製 下記の配合にて、常法に従いミルクチヨコレ
ート生地を得た。 カカオマス 22重量部 カカオ脂 11 〃 全脂粉乳 20 〃 粉 糖 47 〃 レシチン 0.5 〃 香 料 0.1 〃 計 100.6 〃 多孔質チヨコレートの調製 上記のミルクチヨコレート生地を45℃で融解
し、この融解物90重量部(以下「部」と略す)
に対して、本願発明で用いる特殊な植物性油脂
(ユニレートP−120、不二製油社製)10部を添
加混合した。そして、通常の方法にしたがいテ
ンパリングを行い、予めシエル部を作製したモ
ールドに充填し、減圧装置内を用いて80mmHg
に減圧した。これを20℃で15分間行い、チヨコ
レート生地を膨張させて多孔質チヨコレート化
した。ついで、8℃で10分間放置して冷却固化
したのち、再び20℃まで上昇させ、一般ミルク
チヨコレートを用いてシエル部を形成し、ミル
クチヨコレートで被覆されたテンパリング型多
孔質成形チヨコレートを得た。このチヨコレー
トは、第1図に示すように、非常に微細な多孔
構造を有し色が本来のチヨコレート生地よりも
ずつと淡くなつている多孔質チヨコレート部1
と、これを被覆する一般チヨコレート部2とか
らなつている。3は微細気孔である。 実施例 2 ミルクチヨコレート生地の調製 実施例1と同じ。 多孔質成形チヨコレートの調製 植物性油脂(ユニレートP−120)の使用量
を5部に減じ、これを上記ミルクチヨコレート
生地に添加混合した。ついで、この混合物を通
常のテンパリング工程に通した後、キスチヨコ
形のプレート上に吐出させた。そして、実施例
1と同様にして減圧処理および冷却固化を行つ
てキスチヨコ形のテンパリング型多孔質成形チ
ヨコレートを得た。 比較例 1 ミルクチヨコレート生地の調製 実施例1と同じ。 多孔質チヨコレートの調製 植物性油脂(ユニレートP−120)の使用量
を3部に減じた。それ以外は、実施例1と同様
にして、テンパリング型多孔質成形チヨコレー
トを得た。 比較例 2 ミルクチヨコレート生地の調製 実施例1と同じ。 多孔質チヨコレートの調製 植物性油脂(ユニレートP−120)の使用量
を15部に増加した。それ以外は、実施例1と同
様にしてテンパリング型多孔質成形チヨコレー
トを得た。 比較例 3 添加油脂の調製 融点30℃のパーム油中融点品29部と、パーム
軟質油を水素添加して得た融点37.5℃の硬化油
58部と融点10℃の菜種硬化油15部とを混合して
添加油脂を調製した。この添加油脂の融点は約
36℃であつた。このものの固体脂含有率
(FSC)は10℃で59.9、25℃で44.8であつた。 ミルクチヨコレート生地の調製 下記の配合にて、常法に従いミルクチヨコレ
ート生地を得た。 カカオマス 15部 カカオ脂 22〃 全脂粉乳 20〃 粉 糖 43〃 レシチン 0.5〃 香 料 0.1〃 計 100.6〃 チヨコレートの調製 上記ミルクチヨコレート生地63部を約40℃に
加温して完全融解し、これに、40℃に加温融解
した上記添加油脂27部と、市販のテンパリング
型ハードバター(融点37℃、メラノSS400、不
二製油社製)10部とを加え、混合して流動性を
有するチヨコレートを得た。このチヨコレート
を急速に冷却しながらその品温が約30℃に下が
つたところでホイツプし、モールドに充填して
8℃で10分間放置し冷却固化した。 以上の実施例および比較例における、ミルクチ
ヨコレート生地とそれに添加する油脂との割合を
まとめて、下記の第1表に示す。
ートおよびその製法に関するものである。 〔従来の技術〕 近年、口当たりの軽さを特徴としたテンパリン
グ型多孔質成形チヨコレートが出回つている。こ
のようなテンパリング型多孔質成形チヨコレート
は、通常、テンパリングを経由したチヨコレート
生地を減圧下で膨張させることによつて製造され
ているが、予めチヨコレート生地中に気泡を多量
に含有させなければ非常に不均一で巨大な孔が発
生し、外観が悪くなるとともに食感もざらざらし
て好ましくなくなる。そこで、チヨコレート生地
に予め多量の気泡を含有させることを目的とし
て、テンパリングを経由したチヨコレート生地を
減圧処理に先立ちホイツプすることが行われてい
る。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記のように減圧処理に先立
ち、テンパリングを経たチヨコレート生地をホイ
ツプしても、気泡が生地中に均一に分散した状態
にすることは困難で、気泡の大きさも不揃いで微
細なものは得られない。 他方、チヨコレート生地に多量の油脂を含有さ
せ、これを急冷してチヨコレート生地を粘稠性を
持たせ、同時に攪拌して粘稠性なチヨコレート生
地中に空気泡を強制的に混入させるチヨコレート
類の製法が提案されている(特開昭60−58037号
公報)。この方法は、テンパリング作業を省略で
きるという利点を有しているが、得られるチヨコ
レートは、シエル物のセンター等に用いるクリー
ム状のものであつて大気泡が強制混入しているの
であり、これをモールドに入れ板チヨコ等の定形
性を有する成形チヨコレートに仕上げると、上記
大気泡がチヨコレート生地中に固定され、得られ
る板チヨコは、その断面が巣の入つたような状態
となり食感がバリバリとして硬く粗いものにな
る。また、上記モールドの際におけるタツピング
作業によつてチヨコレート生地中の大気泡がチヨ
コレート生地表面に移行して脱気し、その脱気跡
がチヨコレート製品の表面にクレーター状に残り
外観が極めて悪くなる。また。上記製法によつて
得られるチヨコレート製品は、油脂の多量混入に
よりカカオ脂に由来するチヨコレート本来の味を
呈さないうえ、チヨコレートの上記組成と、内部
が巣が入つたような状態になつていることとが相
俟つて保形性が悪くなり夏季では流通過程で溶融
するという難点を有している。まの、チヨコレー
ト生地に流動性がないため、モールドに充填した
時、モールドのすみずみにまでチヨコレート生地
がゆきわたらず、均一な形状のものを得ることが
できないという問題も有している。 本発明は、このような事情に鑑みなされたもの
で、均一かつ微細な多孔構造を有するとともに、
チヨコレート本来の風味を呈し、しかも保形性に
も富むテンパリング型多孔質成形チヨコレートお
よびその製法の提供をその目的とする。 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、本発明は、カカオ
脂を主成分とするチヨコレート生地中に、固体脂
含有率が0〜10℃で50重量%(以下「%」と略
す)以下、25℃で10%以下の植物性油脂が5〜10
%含有されていると同時に、多数の微細気孔が全
体に均一に分布形成されていることを特徴とする
テンパリング型多孔質成形チヨコレートを第1の
要旨とし、固体脂含有率が0〜10℃で50%以下、
25℃で10%以下である植物性油脂を、カカオ油を
主成分とするチヨコレート生地中に5〜10%添加
混合する混合工程と、上記混合物の粘稠液に対し
て減圧処理を施して多孔質チヨコレート化する工
程とを備えることを特徴とするテンパリング型多
孔質成形チヨコレートの製法を第2の要旨とす
る。 〔作用〕 すなわち、本発明者らは、減圧処理に先立ち、
テンパリングを経たチヨコレート生地をホイツプ
する方法ではチヨコレート生地の流動性が悪いた
めどうしても気泡の取り込みが不均一で大きた気
泡ができてしまうことから、上記チヨコレート生
地の流動性をもつと高めればうまく気泡の取り込
みが行われるのではないかと想起した。そして、
一連の研究を行つた結果、上記のような特殊な植
物性油脂を、カカオ脂主体のチヨコレート生地中
に特定量添加混合すると、ホイツプ作業を行うこ
となく通常の攪拌作業でチヨコレート生地中に微
細な気泡を均一に導入できるようになり、得られ
るチヨコレートはカカオ脂本来の風味を呈するう
え、微細孔の存在により口当たりも軽くなり、ま
た保形性にも富むようになることを見いだし本発
明に到達した。 つぎに、本発明を詳しく説明する。 本発明で用いるカカオ脂とは、カカオ脂、カカ
オ同等脂およびこれらの混合物をいう。 また、本発明に用いる植物性油脂は、固体脂含
有率(以下「SFC」と略す)が0〜10℃で50%以
下、25℃で10%以下であることが必要である。こ
のような特殊な植物性油脂は、常温下で粘度が極
めて低い液体であり、チヨコレート生地中に添加
混合すると、チヨコレート生地自体の流動性を高
める機能を発揮する。上記植物性油脂としては、
モーゼルソフトSS(旭電化社製)やユニレートP
−120(不二製油社製)等をあげることができる。 上記のような、特殊な植物性油脂の使用量は、
カカオ脂を主成分とするチヨコレート生地全体に
対して5〜10%含有されるように設定される。す
なわち、上記植物性油脂の使用量が5%未満では
効果が少なく、逆に10%を超えると得られるテン
パリング型多孔質成形チヨコレートの保形性が悪
くなるとともに、チヨコレート本来の風味が損な
われるようになるからである。ここで、上記カカ
オ脂を主成分とするチヨコレート生地とは、カカ
オ脂やカカオ脂と同様脂もしくはこれらの混合物
を主体油脂とし、これに糖成分と、必要に応じて
用いられるカカオマス、ココア等のカカオ大豆由
来の原料や乳成分等からなるもののことをいう。 本発明のテンパリング型多孔質成形チヨコレー
トは、先に述べた特殊な植物性油脂を用い例えば
つぎのようにして製造することができる。すなわ
ち、まずカカオ脂、砂糖、全脂粉乳等の通常のチ
ヨコレート生地原料から得られたチヨコレート生
地(通常、カカオ脂が20〜35%含有されており、
総油脂含有量は25〜40%程度である)を融解した
のち上記特殊な植物性油脂を添加混合する。つい
で、この混合物を通常のテンパリング工程に通し
たのち、モールド等に入れ所定形状に成形し、つ
いで減圧装置内に入れる。そして、所定の減圧処
理を施して混合物(チヨコレート生地)を膨張さ
せたのち冷却固化することにより、目的とするテ
ンパリング型多孔質成形チヨコレートを製造する
ことができる。 上記製法における減圧処理時の減圧条件は、
140〜40mmHbの減圧であることが好適である。す
なわち、140mmHb未満の減圧ではチヨコレート生
地中の気泡が膨張しにくく、40mmHbを超える減
圧では減圧度の制御が困難となるからである。 このようにして得られたテンパリング型多孔質
成形チヨコレートは、微細で均一な多孔構造を有
しているため、外観が良好で口当たりも軽く、泡
雪のような口どけを有しチヨコレート本来の風味
を有しているうえ、保形性にも富んでいる。 本発明の製法を用いることにより上記のように
優れたテンパリング型多孔質成形チヨコレートが
得られるのは、チヨコレート生地中に上記のよう
な植物性油脂を添加すると、チヨコレート生地の
粘度が急激に小さくなつて流動性が高まり、混淆
のための攪拌作業で非常に微細な気泡を大量に含
有させることができるからである。なお、上記テ
ンパリング型多孔質成形チヨコレート中の上記特
殊な植物性油脂の存在は、下記の方法によつて確
認することができる。すなわち、ガスクロマトグ
ラフイーにより脂肪酸組成を分析し、リノレン酸
等の不飽和度の高い脂肪酸含有率を、カカオバタ
ーまたはカカオバター類似脂と比較することによ
り確認することができる。 つぎに、実施例について比較例と併せて説明す
る。 実施例 1 ミルクチヨコレート生地の調製 下記の配合にて、常法に従いミルクチヨコレ
ート生地を得た。 カカオマス 22重量部 カカオ脂 11 〃 全脂粉乳 20 〃 粉 糖 47 〃 レシチン 0.5 〃 香 料 0.1 〃 計 100.6 〃 多孔質チヨコレートの調製 上記のミルクチヨコレート生地を45℃で融解
し、この融解物90重量部(以下「部」と略す)
に対して、本願発明で用いる特殊な植物性油脂
(ユニレートP−120、不二製油社製)10部を添
加混合した。そして、通常の方法にしたがいテ
ンパリングを行い、予めシエル部を作製したモ
ールドに充填し、減圧装置内を用いて80mmHg
に減圧した。これを20℃で15分間行い、チヨコ
レート生地を膨張させて多孔質チヨコレート化
した。ついで、8℃で10分間放置して冷却固化
したのち、再び20℃まで上昇させ、一般ミルク
チヨコレートを用いてシエル部を形成し、ミル
クチヨコレートで被覆されたテンパリング型多
孔質成形チヨコレートを得た。このチヨコレー
トは、第1図に示すように、非常に微細な多孔
構造を有し色が本来のチヨコレート生地よりも
ずつと淡くなつている多孔質チヨコレート部1
と、これを被覆する一般チヨコレート部2とか
らなつている。3は微細気孔である。 実施例 2 ミルクチヨコレート生地の調製 実施例1と同じ。 多孔質成形チヨコレートの調製 植物性油脂(ユニレートP−120)の使用量
を5部に減じ、これを上記ミルクチヨコレート
生地に添加混合した。ついで、この混合物を通
常のテンパリング工程に通した後、キスチヨコ
形のプレート上に吐出させた。そして、実施例
1と同様にして減圧処理および冷却固化を行つ
てキスチヨコ形のテンパリング型多孔質成形チ
ヨコレートを得た。 比較例 1 ミルクチヨコレート生地の調製 実施例1と同じ。 多孔質チヨコレートの調製 植物性油脂(ユニレートP−120)の使用量
を3部に減じた。それ以外は、実施例1と同様
にして、テンパリング型多孔質成形チヨコレー
トを得た。 比較例 2 ミルクチヨコレート生地の調製 実施例1と同じ。 多孔質チヨコレートの調製 植物性油脂(ユニレートP−120)の使用量
を15部に増加した。それ以外は、実施例1と同
様にしてテンパリング型多孔質成形チヨコレー
トを得た。 比較例 3 添加油脂の調製 融点30℃のパーム油中融点品29部と、パーム
軟質油を水素添加して得た融点37.5℃の硬化油
58部と融点10℃の菜種硬化油15部とを混合して
添加油脂を調製した。この添加油脂の融点は約
36℃であつた。このものの固体脂含有率
(FSC)は10℃で59.9、25℃で44.8であつた。 ミルクチヨコレート生地の調製 下記の配合にて、常法に従いミルクチヨコレ
ート生地を得た。 カカオマス 15部 カカオ脂 22〃 全脂粉乳 20〃 粉 糖 43〃 レシチン 0.5〃 香 料 0.1〃 計 100.6〃 チヨコレートの調製 上記ミルクチヨコレート生地63部を約40℃に
加温して完全融解し、これに、40℃に加温融解
した上記添加油脂27部と、市販のテンパリング
型ハードバター(融点37℃、メラノSS400、不
二製油社製)10部とを加え、混合して流動性を
有するチヨコレートを得た。このチヨコレート
を急速に冷却しながらその品温が約30℃に下が
つたところでホイツプし、モールドに充填して
8℃で10分間放置し冷却固化した。 以上の実施例および比較例における、ミルクチ
ヨコレート生地とそれに添加する油脂との割合を
まとめて、下記の第1表に示す。
【表】
上記植物製油脂のSFC値は下記の第2表のとお
りである。
りである。
【表】
このようにして得られた実施例品と比較例品に
ついて、その断面を観察するとともに、専門パネ
ラー15名による官能評価を行つた。また、30℃で
5日間放置し、チヨコレートが溶けだすことがな
いかどうかを観察してその保形性を評価した。こ
れらの結果を下記の第3表に示す。
ついて、その断面を観察するとともに、専門パネ
ラー15名による官能評価を行つた。また、30℃で
5日間放置し、チヨコレートが溶けだすことがな
いかどうかを観察してその保形性を評価した。こ
れらの結果を下記の第3表に示す。
以上のように、本発明は、テンパリング型の多
孔質成形チヨコレートの改良を目的とするもので
あり、固体脂含有率が低い特殊な植物性油脂を用
い、その含有量を極めて少なく制限することによ
つて板チヨコ等の成形チヨコレートを全体に微細
気孔を均一に形成しうるようにしている。そのた
め、本発明のテンパリング型多孔質成形チヨコレ
ートは、上記微細気孔の均一形成によつて口当た
りが軽くなると同時に、チヨコレート本来の有す
る風味を有し、そのうえ保形性に優れており、夏
期等の流通過程においても溶融するという不具合
を生じない。また、本願発明の製法によれば、ホ
イツプ工程を不要化することができ、製造工程の
短縮化も実現することが可能となる。
孔質成形チヨコレートの改良を目的とするもので
あり、固体脂含有率が低い特殊な植物性油脂を用
い、その含有量を極めて少なく制限することによ
つて板チヨコ等の成形チヨコレートを全体に微細
気孔を均一に形成しうるようにしている。そのた
め、本発明のテンパリング型多孔質成形チヨコレ
ートは、上記微細気孔の均一形成によつて口当た
りが軽くなると同時に、チヨコレート本来の有す
る風味を有し、そのうえ保形性に優れており、夏
期等の流通過程においても溶融するという不具合
を生じない。また、本願発明の製法によれば、ホ
イツプ工程を不要化することができ、製造工程の
短縮化も実現することが可能となる。
第1図は本発明の一実施例品の一部断面斜視
図、第2図は比較例品の一部断面斜視図である。 1,1a……多孔質チヨコレート部、2……一
般チヨコレート部、3……微細気孔。
図、第2図は比較例品の一部断面斜視図である。 1,1a……多孔質チヨコレート部、2……一
般チヨコレート部、3……微細気孔。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 カカオ脂を主成分とするチヨコレート生地中
に、固体脂含有率が0〜10℃で50重量%以下、25
℃で10重量%以下の植物性油脂が5〜10重量%含
有されていると同時に、多数の微細気孔が全体に
均一に分布形成されていることを特徴とするテン
パリング型多孔質成形チヨコレート。 2 固体脂含有率が0〜10℃で50重量%以下、25
℃で10重量%以下である植物性油脂を、カカオ脂
を主成分とするチヨコレート生地中に5〜10重量
%添加混合する混合工程と、上記混合物の粘稠液
に対して減圧処理を施して多孔質チヨコレート化
する工程とを備えることを特徴とするテンパリン
グ型多孔質成形チヨコレートの製法。 3 減圧処理時に140〜40mmHgまで減圧する特許
請求の範囲第2項記載のテンパリング型多孔質成
形チヨコレートの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62087765A JPS63251048A (ja) | 1987-04-08 | 1987-04-08 | テンパリング型多孔質成形チョコレートおよびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62087765A JPS63251048A (ja) | 1987-04-08 | 1987-04-08 | テンパリング型多孔質成形チョコレートおよびその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63251048A JPS63251048A (ja) | 1988-10-18 |
JPH0413974B2 true JPH0413974B2 (ja) | 1992-03-11 |
Family
ID=13924056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62087765A Granted JPS63251048A (ja) | 1987-04-08 | 1987-04-08 | テンパリング型多孔質成形チョコレートおよびその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63251048A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03104886U (ja) * | 1990-02-09 | 1991-10-30 | ||
FR2812793B1 (fr) * | 2000-08-11 | 2003-05-30 | Gervais Danone Sa | Procede de fabrication d'un produit alimentaire aere et produit ainsi obtenu |
KR100416384B1 (ko) * | 2001-05-04 | 2004-01-31 | 롯데제과주식회사 | 기포함유 초콜릿과 그 제조방법 |
FR2892270B1 (fr) | 2005-10-26 | 2008-02-01 | Gervais Danone Sa | Puree de fruits ou de legumes microfoisonnee et son procede de preparation |
JP5897294B2 (ja) * | 2011-09-29 | 2016-03-30 | 株式会社明治 | 含気チョコレート |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6058037A (ja) * | 1983-09-07 | 1985-04-04 | Fuji Oil Co Ltd | 起泡性を有するチョコレ−ト類の製造法 |
-
1987
- 1987-04-08 JP JP62087765A patent/JPS63251048A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6058037A (ja) * | 1983-09-07 | 1985-04-04 | Fuji Oil Co Ltd | 起泡性を有するチョコレ−ト類の製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63251048A (ja) | 1988-10-18 |
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