JPH04137163U - 静油圧破砕機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 従来技術の静油圧破砕機を建設機械に取付け
る場合、殆どの建設機械にはセレクタ弁、遮断・連通切
換弁などが装備されていないので、破砕機の旋回フリー
状態を行うことができなかった。したがって破砕機が破
砕作業時に被破砕物を斜めに噛むことにより大きな捩り
トルクが発生し、破砕機，作業アタッチメントなどの各
部破損をおこしていた。本考案は、上記の問題点を解決
できる静油圧破砕機を提供することを目的とする。 ［構成］ 本考案の静油圧破砕機では、破砕機の旋回軸
受に立設した取付ブラケット側に配置した油圧モータ
と、その油圧モータ用ブレーキ弁との間に遮断・連通切
換弁を介設するとともに、その付近にセレクタ弁を配置
して構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、構築物解体用建設機械の作業アタッチメント先端部に取付けた静油 圧破砕機の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６は、静油圧破砕機である破砕機１を取付けた油圧ショベル２の側面図であ る。図において、３は油圧ショベル２のフロント部に装着した作業アタッメチン ト、４は作業アタッチメント３のブーム、５はアーム、６は解体を行うビルなど 構築物である。図７は、図６におけるＡ部の一部切欠き詳細図である。図におい て、７は破砕機１のフレーム本体、８及び９は一対のロッカビーム、１０は一対 （破砕機の種類によっては１本のものもある）の破砕シリンダ、１１は旋回軸受 、１２は油圧モータ、１３は取付ブラケットである。図８は、図６における破砕 機１を作動させる要部油圧回路図である。図において、１４は油圧モータ１２の ブレーキ弁、１５は遮断・連通切換弁、１６は油圧モータ１２を制御する方向切 換弁であるパイロット切換弁、１７は旋回用リモコン弁、１８は破砕シリンダ１ ０を制御するパイロット切換弁、１９は破砕用リモコン弁、２０及び２１はそれ ぞれ第１及び第２ポンプ、２２はパイロットポンプ、２３はセレクタ弁、２４は 油タンクである。

【０００３】 次に、従来技術の静油圧破砕機を図６〜図８について述べる。破砕機１では、 旋回軸受１１に立設した取付ブラケット１３側に配置した油圧モータ１２とパイ ロット切換弁１６とを連通している圧油給排用管路２５と２６との間に、遮断・ 連通切換弁１５を配設し、破砕機１がその破砕シリンダ１０を作動させて破砕作 業を行うとき、セレクタ弁２３の操作により破砕機１の旋回をフリー状態にする ようにしている。それで作業状況によつて破砕機１を旋回フリー状態にしたくな い場合には、セレクタ弁２３を遮断油路位置イにしておく。そうするとパイロッ ト切換弁１８を負荷圧供給油路位置ハに操作しても、破砕機１は旋回フリー状態 にならない。しかしセレクタ弁２３を開通油路位置ロに切換えて破砕用リモコン 弁１９を矢印ニ方向に操作すると、パイロットポンプ２３からのパイロット圧は 、管路２７、２８、パイロット弁２９、管路３０、３１を通り、一方は管路３２ を経て、パイロット圧受圧部３３に作用する。それと同時に他方は管路３１で分 岐して、管路３４、セレクタ弁２３のロ位置、管路３５を経て、パイロット圧受 圧部３６に作用する。遮断・連通切換弁１５が遮断油路位置ホより連通油路位置 ヘに切換わるので、破砕機１は旋回フリー状態を発揮することができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

現在、従来技術の殆ど大多数の破砕機には、まだ旋回フリー状態の機能を発揮 する油圧機器が設けられていない。そのために旋回フリー状態に切換えるセレク タ弁、あるいはセレクタ弁及び遮断・連通切換弁を建設機械の車体内部に配置し ていた。したがって破砕機だけを他所の作業現場に移動して、その作業現場に居 る建設機械に取付けるとき、その現場の建設機械には上記セレクタ弁及び遮断・ 連通切換弁などが装備されていないので、旋回フリー状態を行うことができなか った。止むを得ず破砕作動を行うと、破砕機が被破砕物を斜めに噛むことにより 大きな捩りトルクが発生し、破砕機，作業アタッチメントなどの各部破損をおこ していた。本考案は上記の問題点を解決できる静油圧破砕機を提供することを目 的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、破砕機の旋回軸受に立設した取付ブラケット側に配置した油圧モー タと、その油圧モータ用ブレーキ弁との間に遮断・連通切換弁を介設するととも に、その付近にセレクタ弁を配置して構成した。

【０００６】

【実施例】

図１は、本考案の静油圧破砕機である破砕機３７を示す一部切欠き側面図であ る。図において、従来技術と同一構成要素を使用するものに対しては同符号を付 す。図２は、図１のＢ部詳細図である。図において、３８は油圧モータ１２のポ ート部、１５’は遮断・連通切換弁、１４’はブレーキ弁、３９はセレクタ弁で ある電磁セレクタ弁である。図３は、図２のＣ方向より見た要部平面図である。 図４は、本考案の第１実施例静油圧破砕機の回路図である。図において、３６’ は遮断・連通切換弁１５’のパイロット圧受圧部、４０は電磁セレクタ弁３９の ソレノイド、４１及び４２はそれぞれ油圧ショベル２’にそなえられているスイ ッチ及び電源、４３はソレノイド４０とスイッチ４１とを接続するハーネス、４ ４はパイロット圧を通す油圧配管、１６’は油圧モータ１２制御用の方向切換弁 、１９’は破砕用リモコン弁である。

【０００７】 次に、本考案の第１実施例静油圧破砕機の構成を図１〜図４について述べる。 破砕機３７の取付ブラケット１３側に配置した油圧モータ１２のポート部３８と 、ブレーキ弁１４’との間に遮断・連通切換弁１５’を介設するとともに、その 付近に電磁セレクタ弁３９を配置した。

【０００８】 次に、本考案の第１実施例静油圧破砕機の作用を図４について述べる。破砕機 ３７にはその油圧モータ１２に対して、遮断・連通切換弁１５’、ブレーキ弁１ ４’、及び電磁セレクタ弁３９がコンパクトな一体形に組付けられている。した がって上記破砕機３７を油圧ショベル２’の作業アタッチメント先端部に取付け るときには、破砕機３７に組付けている電磁セレクタ弁３９と、油圧ショベル２ ’のスイッチ４１及びパイロットポンプ２２とを、ハーネス４３及び油圧配管４ ４にてそれぞれ接続すればよい。それにより、破砕機３７の旋回フリー状態が可 能となる。

【０００９】 次に図５は、本考案の第２実施例静油圧破砕機の油圧回路図である。図におい て、３７’は静油圧破砕機である破砕機、４５はパイロットセレクタ弁、４６は パイロットセレクタ弁４５のパイロット圧受圧部、４７はパイロットセレクタ弁 ４５とパイロットポンプ２２とを接続する油圧配管、４８はパイロットセレクタ 弁４５とパイロット切換弁１８のそれぞれパイロット圧受圧部４６と３７とを接 続する油圧配管である。次に、本考案の第２実施例静油圧破砕機の構成及び作用 を図５について述べる。破砕機３７’に配置した油圧モータ１２とブレーキ弁１ ４’との間に遮断・連通切換弁１５’を介設するとともに、その付近にパイロッ トセレクタ弁４５を介設した。したがって上記破砕機３７’を油圧ショベル２ａ の作業アタッチメント先端部に取付けるときには、破砕機３７’に組付けている パイロットセレクタ弁４５と、油圧ショベル２ａ内部のパイロットポンプ２２及 びパイロット圧受圧部３７とを、それぞれ油圧配管４７及び４８にて接続すれば よい。それにより、破砕機３７’の旋回フリー状態が可能となる。

【００１０】

【考案の効果】

現在、従来技術の殆ど大多数の破砕機には、まだ旋回フリー状態の機能を発揮 する油圧機器が設けられていない。そのために旋回フリー状態に切換えるセレク タ弁、あるいはセレクタ弁及び遮断・連通切換弁を建設機械の車体内部に配置し ていた。したがって破砕機だけを他所の作業現場に移動して、その作業現場に居 る建設機械に取付けるとき、その現場の建設機械には上記セレクタ弁及び遮断・ 連通切換弁などが装備されていないので、旋回フリー状態を行うことができなか った。止むを得ず破砕作業を行うと、破砕機が被破砕物を斜めに噛むことにより 大きな捩りトルクが発生し、破砕機，作業アタッチメントなどの各部破損をおこ していた。しかし本考案の静油圧破砕機では、破砕機の旋回軸受に立設した取付 ブラケット側に配置した油圧モータと、その油圧モータ用ブレーキ弁との間に遮 断・連通切換弁を介設するとともに、その付近にセレクタ弁を配置して構成した 。それにより本考案の破砕機の油圧モータに対して、遮断・連通切換弁、ブレー キ弁、及びセレクタ弁をコンパクトな一体形に組付けることができた。したがっ て破砕機だけを他所の作業現場に移動して、その作業現場に居る建設機械に取付 けるとき、セレクタ弁用のハーネス、油圧配管を接続すればよい。したがって本 考案の静油圧破砕機は、セレクタ弁、遮断・連通切換弁などを車体内部に装備し ていない建設機械に取付けて、破砕機の旋回フリー機能を発揮することができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の静油圧破砕機を示す一部切欠き側面図
である。

【図２】図１のＢ部詳細図である。

【図３】図２のＣ方向より見た要部平面図である。

【図４】本考案の第１実施例静油圧破砕機の回路図であ
る。

【図５】本考案の第２実施例静油圧破砕機の油圧回路図
である。

【図６】従来技術の静油圧破砕機を装着した油圧ショベ
ルの側面図である。

【図７】図６におけるＡ部の一部切欠き詳細図である。

【図８】図６における静油圧破砕機を作動させる要部油
圧回路図である。

【符号の説明】

１，３７，３７’ 破砕機 ２，２’，２ａ 油圧ショベル １０ 破砕シリンダ １１ 旋回軸受 １２ 油圧モータ １３ 取付ブラケット １４，１４’ ブレーキ弁 １５，１５’ 遮断・連通切換弁 ２３ セレクタ弁 ３９ 電磁セレクタ弁 ４５ パイロットセレクタ弁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建設機械のフロント部に作業アタッチメ
   ントを装着し、その作業アタッチメントの先端部に旋回
   軸受をそなえた破砕機を取付け、その破砕機を油圧モー
   タにて旋回駆動するようにし、またその油圧モータと、
   その油圧モータを制御する方向切換弁とを連通している
   圧油給排用管路間に、遮断・連通切換弁を配設し、破砕
   機が破砕機内部の破砕シリンダを作動させて破砕作動を
   行うとき、セレクタ弁の操作により破砕機の旋回をフリ
   ー状態にするようにした静油圧破砕機において、破砕機
   の旋回軸受に立設した取付ブラケット側に配置した油圧
   モータと、その油圧モータ用ブレーキ弁との間に遮断・
   連通切換弁を介設するとともに、その付近にセレクタ弁
   を配置して構成したことを特徴とする静油圧破砕機。