JPH041367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば自動車用空気調和装置のコン
ロール部と各種制御部材とを連結するコントロー
ルケーブルを固定するケーブルクランプの改良に
関する。

（従来の技術） 例えば自動車用空気調和装置のコントロール部
にはスライド式の制御レバーが設けられ、この制
御レバーを操作することにより自動車用空気調和
装置の各種ドアとか作動部材等からなる制御部材
を制御し、温度、モード、内外気の切換えあるい
はフアンスピード等をコントロールしている。

この制御レバーと制御部材とは、コントロール
ケーブルを介して連結され、前記制御レバーの操
作量がこのコントローネケーブルを介して制御部
材に伝達されるようになつているが、このコント
ロールケーブルはアウタースリーブ内に比較的剛
性のある線材を挿通した構成になつており、この
アウタースリーブを所定位置に固定しなければ、
内部の線材で所定の制御を行なうことができな
い。例えばＡ点とＢ点とをコントロールケーブル
により連結し、Ａ点の変位置をＢ点に伝達する場
合、このコントロールケーブル全体が弾性変形し
て弓状に曲がると、Ａ点の変位置はＢ点に正確に
伝わらない虞れがある場合と同様である。

そこで従来から、第３，４図に示すようなケー
ブルクランプ１が使用されている。（実公昭52−
32858号公報参照）。

このケーブルクランプ１は平板状主部２の一端
に第１脚部３を、他端に第２脚部４を夫々形成
し、この第１脚部３を固定板５（第４図参照）に
開設された通孔６に挿通する一方、第２脚部４の
湾曲片４ａの固定板５の端縁部７に係止すること
により、この平板状主部２の膨出部８と固定板５
との間でケーブル９を狭持するようにしたもので
ある。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、このケーブルクランプ１は前述した
通孔６に第１脚部３を挿通しやすい構造となつて
いるため、このケーブルクランプ１をいわゆる縦
置きに装置したときに第２脚部４を外すと、この
ケーブルクランプ１は固定板５の通孔６から抜け
落ちる虞れがある。しかも、このケーブルクラン
プ１は小さな部品であり、取付位置は、自動車の
インストルメントパネルの下部域等のような暗く
狭小な部分であるため、一旦固定板５から外れて
落下すると、発見することが難しい。その上ケー
ブルクランプと固定板との距離が大きく開くとケ
ーブルがケーブルクランプの膨出部８から外れて
しまうため再び装着する場合、ケーブルを再度セ
ツトしなければならず面倒である。

このため、ケーブルクランプ１を外す場合は固
定板５から抜け落ちないように注意して取扱わな
ければならず、しかも片手操作ではクランプを行
いにくいこともあつて、自動車用空気調和装置の
組立作業の迅速性を欠きまた作業能率も低下して
いる。

なお、実公昭55−1937号公報には、前述した第
２脚部４に相当する部分に鈎状部分を突出したも
のが開示されているが、ケーブルクランプを仮止
めするためのものでは無くケーブルの位置を調整
する場合クランプを完全に係止部から外さなけれ
ばならずケーブルが膨出部から外れてしまう欠点
を有している。しかもこのケーブルクランプは、
第１脚部に相当する側が外れ易い構成となつてお
り、前記狭小で暗い場所での組立作業を行う場合
には前述したものと同様に作業能率上等において
好ましくないものとなつている。

本考案は、上述した欠点、問題点に着目してな
されたもので、コントロールケーブルを固定板に
取付ける場合に、片手操業によつても、ケーブル
クランプの脱落がなく、確実にケーブルを固定板
に取付けることができるケーブルクランプを提供
することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案は、第１脚
部に弾性を有する折り返し片を設け、第２脚部の
湾曲片の端部を伸延することにより形成した延長
脚片に固定板の端縁部に係止する仮止め用の爪部
を形成するとともに、前記折り返し片の先端部と
第１脚部の基部との距離で通孔の巾よりも大きく
なるように構成したことを特徴するものである。

（作用） このような手段を採用した本考案では、第１脚
部は通孔に押し込むのみで折り返し片が固定板の
通孔内周縁に係止することによりケーブルクラン
プの脱落を防止することになるとともに第２脚部
を設けた仮止め用の爪部によりケーブルを膨出部
に位置させた状態で、脚部はケーブルを固定板に
仮止めし、ケーブルを所定の位置に確実にセツト
した時点で確実に固定することができる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図は、本考案の一実施例を示す全体斜視
図、第２図は、固定板に仮止めした状態を示すも
ので、第１図の−線に沿う断面相当図であ
り、第３，４図に示す部材と同一部材には同一符
号を付してある。

このケーブルクランプ２０は平板状主部２の一
端に第１脚部３を、他端に第２脚部４形成してい
る。この平板状主部２は第２脚部４より離れた位
置に膨出部８を形成してあり、この膨出部８の中
央には押圧片２１を形成するためにＨ字状の打抜
き孔２２が開設されており、この打抜き孔２２の
形成により、第２脚部４が弾性変形し易くしてい
る。

この第１脚部３は、平板状主部２より延長した
基部２３と、この基部２の先端から折り返された
弾性を有する折り返し片２４とを有し、この折り
返し片２４に押圧力が加えられない非拘束状態に
あるときは、この折り返し片２４の先端部２４ａ
と前記基部２３との距離Ｓは、固定板５に開設し
た通孔６の巾よりも大きくなるようにしてい
る。つまりこの第１脚部３が通孔６内に挿入され
ると抜け出ない構成となつている。

一方、前記第２脚部４は、固定板５の端縁部７
に係止する湾曲片４ａを有しているが、本実施例
ではこの湾曲片４ａの端部を伸延して延長脚片２
５を形成してあり、この延長脚片２５には前記固
定板５の端縁部７に係止する仮止め用の爪部２６
を切り起こしてある。

このように構成した実施例の作用を説明する。

まず、ケーブルクランプ１の第１脚部３を通孔
６内に挿入すれば、折り返し片２４は一旦押し縮
められた後に、この通孔６から抜け出ない状態と
なる。

次に、このケーブルクランプ１の膨出部８と固
定板５との間でケーブル９を狭持するように該ケ
ーブルクランプ１を回動し、この第２脚部４の仮
止め用の爪部２６を固定板５の端縁部７に係止す
る。

この仮止め状態では、膨出部８の押圧片２１に
設けられた押え爪２１ａはケーブル９に喰いつく
ことはないのでケーブル９の位置を自由に調節す
ることができる。

この調節が完了し、ケーブル９の位置が決まる
と、第２脚部４の湾曲片４ａが固定板５の端縁部
７に係合するように押圧する。

この押圧により前記押え爪２１ａは、ケーブル
９の外周面に喰い込み、また押圧片２１のケーブ
ル押圧力も増し、強固にケーブル９を固定板５上
にクランプすることになる。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案によれば、第１脚部
に弾性を有する折り返し片を設け、第２脚部の湾
曲部の端部を伸延することにより形成した延長脚
片に固定板の端縁部に係止する仮止め用の爪部を
形成し、前記折り返し片の非拘束時の先端部と第
１脚部の基部との距離が通孔の巾よりも大きくな
るように構成したので、片手作業でケーブルクラ
ンプを固定板に取付けることができ、しかもこの
取付後、反転させると仮止めした状態となり、ケ
ーブルがクランプの膨出部より外れることなくケ
ーブルの取付位置を調節することができる。ま
た、この仮止め後、第２脚部を押圧すればケーブ
ルを固定板に確実に固定することができることに
なる。しだかつてケーブルを如何なる場所であつ
ても片手操作により迅速にかつ確実に取付けるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す斜視図、第
２図は、第１図の−線に沿う断面図、第３図
は、従来のケーブルクランプを示す斜視図、第４
図は、第３図の−線に沿う断面図である。 ２……平板状主部、３……第１脚部、４……第
２脚部、５……固定板、６……通孔、７……端縁
部、８……膨出部、９……ケーブル、２３……基
部、２４……折り返し片、２４ａ……先端部、２
５……延長脚部、２６……仮止め用の爪部、…
…通孔の巾、Ｓ……距離。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平板状主部２の一端に形成した第１脚部３を、
   固定板５に開設された通孔６を挿通して係止する
   一方、前記平板状主部２の他端に形成した第２脚
   部４の湾曲片４ａを前記固定板５の端縁部７に係
   止することにより、前記平板状主部２に形成した
   膨出部８を前記固定板５との間でケーブル９を狭
   持するようしたケーブルクランプにおいて、前記
   第１脚部３に弾性を有する折り返し片２４を設け
   るとともに、前記第２脚部４の湾曲部４ａの端部
   を伸延することにより形成した延長脚片２５に、
   前記膨出部８に向つて切り起こされた前記固定板
   ５の端縁部７が係止する仮止め用の爪部２６を形
   成し、前記折り返し片２４の非拘束時の先端部２
   ４ａと第１脚部３の基部２３との距離Ｓが前記通
   孔６の巾よりも大きくなるように構成してなる
   ケーブルクランプ。