JPH04134946U - ウオーム減速機付小型モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ３点軸受の同軸度および組付作業性を高める
ことができるウオーム減速機付小型モータを提供するこ
と。 【構成】 モータ軸１３の中間部外周にアーマチュア１
５等と共にウオーム２０が嵌合されて固定されていると
ともに、モータ軸１３がギヤケース３１に挿入されて、
ウオーム２０にウオームホイール３３が噛合されている
ウオーム減速機付小型モータにおいて、モータ軸１３の
ウオーム２０の近傍位置に、ウオーム２０の外径よりも
大きな外径を有するジャーナル部材２１が突設されてお
り、ギヤケース３１に中間部軸受２４が固定されている
とともに、この中間部軸受２４によりジャーナル部材２
１が支承されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ウオーム減速機付小型モータに関し、特に、モータ軸にウオームが 圧入され、このウオームに噛合されているウオームホイールを介してモータの回 転力が負荷に伝達される小型モータに関し、例えば、自動車のパワーウィンドー 用モータに使用して有効なものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のパワーウィンドー用モータとして、小型モータの出力をウオーム減速 機を介して減速するように構成されており、モータ軸が長く延長されて、この延 長されたモータ軸の中間部にウオームが圧入されてされているウオーム減速機付 小型モータが使用されることがある。

【０００３】 従来のこの種のウオーム減速機付小型モータとして、例えば、実開平１−１３ ３５４５号公報に開示されているものがあり、図３に示されているように構成さ れている。

【０００４】 すなわち、このウオーム減速機付小型モータは、互いに直列的に連設されてい るモータ部と減速機部とを備えており、モータ部および減速機部内にはモータ軸 １が全長に渡って架設され、モータ部側軸受２、減速機部側軸受３および中間部 軸受４によって回転自在に支承されている。モータ軸１にはアーマチュアおよび コミテータと共にウオーム５が圧入されて固定されている。ウオーム５は減速機 部においてウオームホイール６に噛合されており、ウオームホイール６に固定さ れた出力軸７にモータ軸１の回転力を減速して伝達するようになっている。

【０００５】 そして、中間部軸受４はモータケースおよびギアケースとは別体に形成された 軸受ホルダ８により、モータケースに支持されて芯出しされるように構成されて おり、この軸受ホルダ８はブラシホルダステーを兼用するように構成されている 。また、モータ軸１へのウオーム５の組付作業性を高めるため、中間部軸受４は ウオーム５との距離Ｌがウオーム５から充分遠くに離間するように配設されてい る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このように構成されているウオーム減速機付小型モータにおいては、 次のような問題点がある。

【０００７】 中間部軸受４がモータケースおよびギアケースとは別体に形成された軸受ホ ルダ８により、モータケースに支持されるように構成されているため、部品点数 および組付工数が多くなる。

【０００８】 しかも、モータ軸１を支承する３箇所の各軸受２、３および４の同軸度を維 持するためには、軸受ホルダ８やモータケースおよびギヤケース等についての加 工精度および組付精度を厳格に管理する必要がある。

【０００９】 モータ軸１を支承する３箇所の軸受の同軸度が低いと、ウオーム５とウオー ムホイール６との噛合精度が低下するため、大きい負荷で使用されるパワーウィ ンドー用モータ等のモータにおいては、樹脂材料が用いられて製造されたウオー ムホイール６が破損する危惧がある。

【００１０】 中間部軸受４はウオーム５から充分遠くに離間するように配設されているた め、モータ軸１が撓み易くなり、ウオーム５とウオームホイール６との噛合精度 が低下し易い。

【００１１】 モータ軸１にウオーム５を圧入する作業に際して、モータ軸１には軸受ホル ダ８が先に宙吊り状態で外装されるため、この軸受ホルダ８を保持するための治 具が必要になり、作業が煩雑になるばかりでなく、高品質の小型モータを製造す ることが困難となる。

【００１２】 本考案の目的は、３点軸受の同軸度を高めることができるとともに、組付作業 を簡単化することができるウオーム減速機付小型モータ提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るウオーム減速機付小型モータは、モータ軸にアーマチュアおよび コミテータと共にウオームが外装されて固定されているとともに、モータ軸の一 端部がギヤケースに挿入されて、このギヤケースに回転自在に支承されたウオー ムホイールにウオームが噛合されており、さらに、モータ軸が両端部軸受および 中間部軸受によって回転自在に支承されているウオーム減速機付小型モータにお いて、 前記モータ軸の前記ウオームの近傍位置に、ウオームの外径よりも大きな外径 を有するジャーナルが突設されており、他方、前記ギヤケースに前記中間部軸受 が配設され、この中間部軸受により前記ジャーナルが回転自在に支承されている ことを特徴とする。

【００１４】

【作用】

前記した手段によれば、モータ軸のウオームの近傍位置にウオームよりも大径 のジャーナルが、ギアケースに固定された中間部軸受によって支承されているた め、モータ軸はウオームに近接した位置において支承された状態になり、モータ 軸の撓みが少なくなり、３点軸受の同軸度が高くなる。

【００１５】 また、中間部軸受はギヤケースに固定されているため、必然的に中間部軸受を 保持するための軸受ホルダが不要になる。したがって、モータ軸にウオームを圧 入する作業に際しては、当該軸受ホルダ等を保持するための治具が不要になり、 モータ軸にウオームを圧入するための作業が簡単化される。

【００１６】

【実施例】

図１は本考案の一実施例であるウオーム減速機付小型モータを示す縦断面図、 図２はそのギアケースを示す縦断面図である。

【００１７】 本実施例において、本考案に係るウオーム減速機付小型モータは、自動車のパ ワーウィンドー用モータに好適なものとして構成されており、このウオーム減速 機付小型モータ１０はモータ部１１および減速機部３０を備えている。モータ部 １１のモータケース１２と減速機部３０のギヤケース３１とは、互いに直列的に 配されてビス３４によって締結されて一体的に連設されている。モータケース１ ２およびギヤケース３１の内部には、比較的小径の細長い丸棒形状に形成された モータ軸１３が全長に渡って架設されており、このモータ軸１３はその両端部お よび中間部が、モータ部側軸受２２、減速機部側軸受２３および中間部軸受２４ によってそれぞれ回転自在に支承されている。

【００１８】 モータ軸１３にはアーマチュア１５がモータ部１１の内部において外装されて 一体回転するように固定されており、このアーマチュア１５に対向するモータケ ース１２の内周面には界磁極としてのマグネット１４が複数個、周方向に間隔を 置かれて固着されている。また、モータ軸１３にはブラシ１７を摺接されている コミテータ１６が、アーマチュア１５に近接するように外装されて固定されてお り、さらに、コミテータ１６の近傍には回転検出器の検出子１９を摺接されてい る被検出子１８が外装されて固定されている。

【００１９】 本実施例において、ウオーム２０は転造加工等の適当な手段によってモータ軸 １３とは別体に形成されており、モータ軸１３の中間部外周に相対的に圧入され て固定されるようになっている。モータ軸１３の中間部外周に固定されたウオー ム２０と回転検出器の被検出子１９との間には、ウオーム２０の外径よりも大径 に形成されたジャーナルとしてのジャーナル部材２１が相対的に圧入されて固定 されている。このジャーナル部材２１は肉厚のシリンダ形状に形成されており、 その外径はウオーム２０の外形よりも僅かに大きく形成されている。

【００２０】 他方、減速機部３０のギヤケース３１は樹脂によって一体成形されており、ギ ヤケース３１の内部には出力軸３２が、略中心部においてモータ軸１３と直角方 向に挿通されて回転自在に支承されている。この出力軸３２にはウオームホイー ル３３が一体回転するように固着されており、このウオームホイール３３はギヤ ケース３１の内部においてウオーム２０に噛合されている。騒音を低減する等の 目的により、ウオームホイール３３は樹脂が用いられて一体成形されている。

【００２１】 本実施例において、樹脂成形されているギヤケース３１にはモータ軸１３の中 間部を回転自在に支承するための中間軸受２４が、モータケース１２と対向する 開口面を臨む位置であって、モータ軸１３が挿通される位置に配されて圧入され ており、この中間軸受２４にはモータ軸１３に固定的に外装されたジャーナル部 材２１が回転自在に嵌入されて支承されている。この中間軸受２４の内径はジャ ーナル部材２１を回転自在に支承し得るように、ジャーナル部材２１の外径より もきわめて若干大径に設定されており、したがって、この中間軸受２４の内径は ウオーム２０の外径よりも大径に形成されていることになる。

【００２２】 次に、前記構成に係るウオーム減速機付小型モータの組立作業について説明す る。

【００２３】 モータ軸１３の中間部におけるそれぞれの所定位置には、アーマチュア１５、 コミテータ１６、回転検出器の被検出子１８およびジャーナル部材２１がそれぞ れ固定的に外装される。また、ウオーム２０がモータ軸１３に相対的に圧入され て中間部における所定位置に外装固定される。

【００２４】 他方、樹脂成形されたギヤケース３１には、減速機部側軸受２３および中間軸 受２４がそれぞれ圧入されて固定される。また、ウオームホイール３３がギヤケ ース３１内に収容され、出力軸３２がギヤケース３１に挿通されてウオームホイ ール３３に連結される。

【００２５】 そして、ギヤケース３１内にそのモータケース１１と対向する開口から、モー タ軸１３のウオーム２０が固定的に外装された側の端部が挿入される。この挿入 に伴って、モータ軸１３の挿入側先端部がギヤケース３１の奥側に配されたギヤ 側軸受２３に嵌入され、ウオーム２０がウオームホイール３３に噛合され、さら に、ジャーナル部材２１がギヤケース３１の入口側に配された中間軸受２４に嵌 入されて行く。

【００２６】 このとき、中間軸受２４の内径はウオーム２０の外径よりも大径に形成されて いるため、ウオーム２０は中間軸受２４を支障なく、容易に通過することができ る。また、ジャーナル部材２１の外径は中間軸受部材２４に回転自在に嵌入し得 るように設定されているため、ジャーナル部材２１は中間軸受２４によって回転 自在に支承された状態になる。

【００２７】 その後、モータケース１２がモータ軸１３のアーマチュア１５の外部に被せら れ、モータ軸１３がモータケース１２に相対的に挿入される。この挿入に伴って 、モータ軸１３のモータケース側の端部がモータ部側軸受２２に回転自在に嵌入 され、回転自在に支承された状態になる。

【００２８】 前記実施例によれば次の効果が得られる。 モータ軸１３の中間部に中間軸受２４よりも大径のジャーナル部材２１が固 定的に外装され、このジャーナル部材２１がギヤケース３１に圧入された中間軸 受２４に回転自在に嵌入されて支承されるように構成されているため、中間軸受 ２４がモータ軸１３をウオーム２０に近接した位置にて支承する状態になる。そ の結果、モータ軸１３を支承する３点軸受の同軸度を高めることができるととも に、モータ軸１３の撓みを抑制することができる。

【００２９】 前記により、モータ軸１３の回転精度や、ウオーム２０とウオームホイー ル３３との噛み合わせ精度等を高めることができるため、ウオームホイール３３ の損傷の発生を未然に防止することができるとともに、ウオーム減速機付小型モ ータの品質および信頼性を高めることができる。

【００３０】 中間軸受２４の内径がウオーム２０の外径よりも大径に形成されているため 、モータ軸１３のウオーム２０がギアケース３１に挿入される作業に際して、ウ オーム２０は中間軸受２４を支障なく通過することができる。

【００３１】 中間軸受２４はギヤケース３１に配されて固定されているため、従来例のよ うな軸受ホルダを廃止することができる。その結果、部品点数および組付工数を 減少することができるとともに、各構成部品の加工公差や組付誤差等の相乗によ るモータ軸１３およびその３点軸受の同軸度の低下を防止することができる。

【００３２】 前記およびにより、組立作業を簡単化することができ、生産性を高める ことができるため、ウオーム減速機付小型モータの製造コストを大幅に低減する ことができる。

【００３３】 なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない 範囲において、種々変更可能であることはいうまでもない。

【００３４】 例えば、ウオーム２０とジャーナル部材２１とは、別体に形成してモータ軸１ ３に圧入するように構成するに限らず、ウオーム２０の一端部にジャーナル部２ １を一体的に形成し、これをモータ軸１３に圧入するように構成してもよい。

【００３５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、３点軸受の同軸度を高めることができ るとともに、組付作業を簡単化することができるため、品質および信頼性の高い ウオーム減速機付小型モータを安価に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例であるウオーム減速機付小型
モータを示す一部省略正面断面図である。

【図２】そのギアケースを示す正面断面図である。

【図３】従来のウオーム減速機付小型モータを示す正面
断面図である。

【符合の説明】１０…ウオーム減速機付小型モータ、１
１…モータ部、１２…モータケース、１３…モータ軸、
１４…マグネット、１５…アーマチュア、１６…コミテ
ータ、１７…ブラシ、１８…回転検出器の被検出子、１
９…検出子、２０…ウオーム、２１…ジャーナル部材、
２２…モータ部側軸受、２３…減速機部側軸受、２４…
中間部軸受、３０…減速機部、３１…ギヤケース、３２
…出力軸、３３…ウオームホイール、３４…ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータ軸にアーマチュアおよびコミテー
   タと共にウオームが外装されて固定されているととも
   に、モータ軸の一端部がギヤケースに挿入されて、ギヤ
   ケースに回転自在に支承されたウオームホイールにウオ
   ームが噛合されており、さらに、モータ軸が両端部軸受
   および中間部軸受により回転自在に支承されているウオ
   ーム減速機付小型モータにおいて、前記モータ軸の前記
   ウオームの近傍位置に、ウオームの外径よりも大きな外
   径を有するジャーナルが突設されており、他方、前記ギ
   ヤケースに前記中間部軸受が配設され、この中間部軸受
   により前記ジャーナルが回転自在に支承されていること
   を特徴とするウオーム減速機付小型モータ。