JPH04133814U - 脊柱管拡大術用スペーサー - Google Patents

脊柱管拡大術用スペーサー

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JPH04133814U
JPH04133814U JP7202891U JP7202891U JPH04133814U JP H04133814 U JPH04133814 U JP H04133814U JP 7202891 U JP7202891 U JP 7202891U JP 7202891 U JP7202891 U JP 7202891U JP H04133814 U JPH04133814 U JP H04133814U
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    • A61B17/58Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor for osteosynthesis, e.g. bone plates, screws, setting implements or the like
    • A61B17/68Internal fixation devices, including fasteners and spinal fixators, even if a part thereof projects from the skin
    • A61B17/70Spinal positioners or stabilisers ; Bone stabilisers comprising fluid filler in an implant
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 切り離された椎弓部分との係合を強固にして
骨癒合前に椎弓の挿入部から脱落することがない脊椎管
拡大術用スペーサーを提供する。 [構成] スペーサー10の両側部11,12に、該ス
ペーサー10を上方から見た場合の長手方向に延在する
係合部11a,12aを形成し、また、前記スペーサー
10の上部13の両側縁にテーパー部13aを、前記係
合部11a,12aと同様に、スペーサー10を上方か
ら見た場合の長手方向に延在させて形成する。さらに、
前記スペーサー10の上部13から下部14にかけて、
該スペーサー10を椎弓に固定するための縫合糸(図示
せず)が挿通される孔15,16を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、頸椎の脊柱管側方拡大術に使用されるスペーサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、脊柱管狭窄症や後縦靭帯骨化症等の頸椎疾患に対する手術療法の1つ として脊柱管拡大術と呼ばれる方法がある。これは椎弓の一部を分割して脊柱管 を拡大し固定する方法であり、具体的には、椎弓を側方で縦割するか或は棘突起 を縦割した後に脊柱管を拡大するという術式である。 ところで、この術式を施すためには従来より、前記脊柱管を拡大し易くするた めに脊柱管の棘突起乃至椎弓に付着する靭帯を切断し、また、拡大後には前記脊 柱管の拡大部を鋼線で結んで脊柱管を拡大位置に維持したり、或は前記拡大部に 患者の腸骨から採取した自家骨を挟むといったことがなされる。 しかしながら、前記患者の自家骨を拡大部に挟む術式では患者の健康な部分が 外科的に侵襲を受けることや、採取した骨の加工に時間が掛かって手術時間が長 時間化する等の問題点があり、近年では例えばアルミナやハイドロキシアパタイ ト等の所謂バイオセラミックスからなるスペーサーを、自家骨の代わりに前記拡 大部に挟む術式が行われるようになっている。 そして、一般に前記スペーサーは、自家骨の場合と同様に略矩形の単純形状に 形成されており、このような従来のスペーサは、挟持力が掛からない前記拡大部 に単に介在させているだけであるため、脱落防止のために鋼線で前記拡大部の脊 柱管に強固に締結して固定しているのが通常である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の脊柱管拡大術では前記脊柱管の棘突起乃至椎弓 に付着する靭帯を切断していたので、該靭帯の復元までの間、術後の拡大された 脊柱管の安定性が損なわれるという不具合があり、また、この損なわれる安定性 を補うために頸椎を長期にわたって外固定する必要が生じるので、術後の頸椎の 可動性障害の一因となる不具合があった。 また、上述したように従来の脊柱管拡大術に使用される従来のスペーサーは、 自家骨の場合と同様に略矩形の単純形状のものであり、挟持力が掛からない前記 拡大部に単に介在されるものであったため、脱落防止のため鋼線締結する必要が あり、術後に例えばMRI(核磁気共鳴映像装置)等を用いて検査を行う際に障 害となる不具合があった。 本考案は、上述した種々の不具合を解決するための、前記靭帯を切断せずに脊 柱管を拡大する術式(以下、Tension band式椎弓拡大形成術と称す る)を可能とするためになされたもので、切り離された椎弓部分との係合を強固 にして骨癒合前に椎弓の挿入部から脱落することがない脊柱管拡大術用スペーサ ーを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案は、脊柱管の一方の椎弓を側方部で切断して 切り離し、この切り離された椎弓部分間に介設されて前記脊柱管を拡開する脊柱 管拡大術用スペーサーであって、前記スペーサーの両側部には、前記切り離され た椎弓部分の先端がそれぞれ係合される係合部が形成されている構成とした。 また本考案は、前記スペーサーには、前記拡開方向と交差する方向に縫台糸挿 通用の孔が形成されている構成とした。
【0005】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図1は本考案の一実施例による脊柱管拡大術用スペーサーを示すもので、図1 (a)は平面図、図1(b)は正面図である。また図2は本考案の他の実施例に よる脊柱管拡大術用スペーサーを示す斜視図である。 図1(a),(b)に示すように、本考案の一実施例によるスペーサー10の 下部14近傍の両側部11,12には、該スペーサー10を上方から見た場合の 長手方向に延在する凹状の係合部11a,12aが形成されており、また、前記 スペーサー10の上部13の両側縁にはテーパー部13aが、前記係合部11a ,12aと同様に、スペーサー10を上方から見た場合の長手方向に延在させて 形成されている。 さらに、前記スペーサー10の上部13から下部14にかけては、該スペーサ ー10を後述する脊柱管の椎弓に固定するための縫合糸(図示せず)が挿通され る孔15,16が形成されている。 一方、図2に示すように、本考案の他の実施例のスペーサー100は、両側部 が略矩形状で且つ上下面130,140が略円弧状に形成されており、その両側 部が、後述する脊柱管の欠損部に係合させるための係合部110,120となっ ている。
【0006】 上述した両実施例のスペーサー10,100は、例えばアルミナ、ジルコニア 等の骨結合性がない生体不活性バイオセラミックスや、ハイドロキシアパタイト 、フッ素アパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸カルシ ウムガラス或は結晶化ガラス等の骨結合性がある生体活性バイオセラミックスか ら成形されるが、生体不活性バイオセラミックスよりも後者の生体活性バイオセ ラミックスがより好ましい。
【0007】 次に、前記スペーサー10,100を製造する方法の一例を説明する。 水酸化カルシウムスラリーとリン酸水溶液とを用いる公知の湿式法で合成した ハイドロキシアパタイトスラリーを噴霧乾燥で粉末化した後、本出願人が特開平 2−167868で提案したメチルセルロースを用いる方法で多孔質成形体を製 造し、任意の方式による機械加工により図1(a),(b)に示す形状に加工し た。そしてこれを1200℃で4時間焼成して前記スペーサー10を得た。
【0008】 続いて、図1に示す第1実施例のスペーサー10を用いた前記Tension band式椎弓拡大形成術の脊柱管拡大術への応用について、図3(a)乃至 (c)を参照して説明する。 まず、図3(a)に示すように脊柱管20の一方の椎弓30を側方部で切断し て椎弓切断部30aを形成し、2つの椎弓部分31,32に切り離すと共に、他 方の椎弓40から椎間関節50に移行する部分に溝60を形成する。 続いて、図3(b)に示すように前記溝60の部分を折り曲げ部として前記一 方の椎弓40を外方に広げることにより前記椎弓切断部30aを拡開し、さらに 、この拡大された椎弓切断部30aに前記スペーサー10を、図3(c)に示す ように該スペーサー10の上部13が脊柱管20の外側を向くように挿入する。 そして、前記一方の椎弓部分31の先端部外板31aをスペーサー10の一方 の係合部11aに係合させ、他方の椎弓部分32の先端部外板32aをスペーサ ー10の他方の係合部12aに係合させて、前記脊柱管20を図3(c)に示す ような拡大位に保持する。 さらに、前記椎弓部分31,32の先端部近傍に、図3(c)に示すように該 椎弓部分31,32の先端部外板31a,32aから先端部端面にかけて縫合糸 挿通用の孔31c,32cを穿設し、該椎弓部分31,32の孔31c,32c と、前記椎弓部分31,32の拡開方向と交差する向きとされたスペーサー10 の孔15,16とに縫合糸を挿通して、椎弓部分31,32とスペーサー10と を固定する。
【0009】 上述した本Tension band式椎弓拡大形成術では、従来の術式のよ うに脊柱管20の棘突起21乃至椎弓30,40に付着する靭帯(図示せず)は 切断しないので、前記椎弓切断部30aを拡開した状態においては、前記図示し ない靭帯の緊張力により前記椎弓部分31が他方の椎弓部分32側に付勢された 状態となる。 このため、椎弓切断部30aに挿入された前記スペーサー10には2つの椎弓 部分31,32による挟持力が掛かることとなり、また、前記スペーサー10の 係合部11a,12aに前記2つの椎弓部分31,32の先端部外板31a,3 2aを係合させるので、スペーサー10と椎弓部分31,32乃至脊柱管20と の係合が強固となり、骨癒合前にスペーサー10が脊柱管20の椎弓切断部30 aから脱落することがなくなると共に、従来のようにスペーサーの鋼線締結が不 要となる。 さらに、前記スペーサー10の椎弓切断部30aにおける保持状態が向上する ことに伴い、施術の直後から拡大椎弓の安定性が格段に増し、従来のように術後 に頸椎を長期にわたって外固定することが不要となるので、術後早期から頸椎運 動を開始することが可能となる。
【0010】 また、前記スペーサー10の係合部11a,12aは前記2つの椎弓部分31 ,32の先端部外板31a,32aと係合するので、スペーサー10の下部14 が前記2つの椎弓部分31,32の先端部内板31b,32bよりも脊椎管20 の内方に突出せず、よって、スペーサー10が脊柱管20内の脊椎(図示せず) を圧迫することを防ぐことができる。 さらに、スペーサー10の上部13にテーパー部13aを形成したので、脊柱 管20の外側に突出する部分のスペーサー10は殆ど前記テーパー部13aとな り、これにより脊柱管20の外側近傍の軟部組織(図示せず)を傷付けないよう にすることができる。 加えて、前記スペーサー10に縫合糸71,72を挿通するための孔15,1 6を形成したので、スペーサー10と椎弓部分31,32との縫合固定を容易に 行うことができ、この縫合糸71,72も図3(c)に示すように椎弓部分31 ,32の先端部内板31b,32bよりも脊椎管20の内方に突出しないので、 縫合糸71,72が脊柱管20内の脊椎(図示せず)を圧迫することをも防ぐこ とができる。
【0011】 次に、図2に示す第2実施例のスペーサー100を用いた前記Tension band式椎弓拡大形成術の脊柱管拡大術への応用について、図4(a)乃至 (c)を参照して略説する。尚、図4(a)乃至(c)に示す要素のうち図3( a)乃至(c)にて示すものと同一の要素には同一の引用符号を付し、その説明 を省略する。 そして、前記スペーサー100を用いるTension band式椎弓拡大 形成術では、前記第1実施例のスペーサー10を用いる場合と同様に脊椎管20 を拡大するが、このときに、図4(a)及び(b)に示すように一方の椎弓部分 32における先端部外板32aの部分に係合凹部32dを形成する。 続いて、拡大された椎弓切断部30aに前記スペーサー100を、図4(c) に示すように該スペーサー100の上面130が脊柱管20の外側を向くように 挿入し、前記一方の椎弓部分32に形成した係合凹部32dにスペーサー100 の一方の係合部120を係合させ、他方の係合部110をもう一方の椎弓部分3 1の先端部端面に当て付ける形で係合させて、前記脊柱管20を図4(c)に示 すような拡大位に保持する。
【0012】 上述した第2実施例のスペーサー100を用いた前記Tesion band 式椎弓拡大形成術においても、第1実施例のスペーサー10を用いた前記Ten sion band式椎弓拡大形成術の場合と同様に、スペーサー100と椎弓 部分31,32乃至脊柱管20との係合が強固となり、骨癒合前にスペーサー1 00が脊柱管20の椎弓切断部30aから脱落することがなくなると共に、従来 のようにスペーサーの鋼線締結が不要となる。 さらに、前記スペーサー100の椎弓切断部30aにおける保持状態が向上す ることに伴い、施術の直後から拡大椎弓の安定性が格段に増し、従来のように術 後に頸椎を長期にわたって外固定することが不要となるので、術後早期から頸椎 運動を開始することが可能となる。 また、図4(c)に示すように、前記スペーサー100の下面140が前記2 つの椎弓部分31,32の先端部内板31b,32bよりも脊椎管20の内方に 突出せず、よって、スペーサー10が脊柱管20内の脊椎(図示せず)を圧迫す ることを防ぐことができ、さらに、本第2実施例のスペーサー100では、その 上面130も椎弓管20の外方に突出することがないので、脊柱管20の外側近 傍の軟部組織(図示せず)を傷付けないようにすることができる。
【0013】 尚、前記第1実施例では、スペーサー10に縫合糸71,72を挿通するため の孔15,16やテーパー部13aを形成したものについて説明したが、これら の一方或は両方を省略した構成としてもよい。 また、前記椎弓部分31,32と前記両実施例のスペーサー10,100との 固定は、例えば公知のフィブリン糊や、本出願人が特開平2−77261で提案 したリン酸カルシウム系硬化体、或は本出願人が特開平1−272644で提案 した骨セメントを用いてもよい。 さらに、前記両実施例のスペーサー10,100の製造方法は上述した方法に 限定されず、さらに、これらスペーサー10,100の材料は、上述した生体不 活性バイオセラミックスや生体活性バイオセラミックスに限定されるものではな く、例えば金属、高分子化合物、或は一般のセラミックスに溶射法等によってコ ーティングを施したもの等であってもよい。
【0014】
【考案の効果】
以上説明したように本考案の脊柱管拡大術用スペーサーによれば、切り離され た2つの椎弓部分の先端をスペーサーの係合部に係合させることにより、スペー サーと椎弓部分との係合が強固となり、骨癒合前にスペーサーが椎弓の挿入部か ら脱落するのを防止することができる。 また、前記スペーサーに縫合糸を挿通するための孔を形成したので、スペーサ ーと椎弓部分との縫合固定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による脊柱管拡大術用スペー
サーを示すもので、図1(a)は平面図、図1(b)は
正面図である。
【図2】本考案の他の実施例による脊柱管拡大術用スペ
ーサーを示す斜視図である。
【図3】図1(a),(b)に示すスペーサーを用いた
Tension band式椎弓拡大形成術を脊柱管拡
大術に応用した場合の術過程を示す説明図である。
【図4】図2に示すスペーサーを用いたTension
band式椎弓拡大形成術を脊柱管拡大術に応用した
場合の術過程を示す説明図である。
【符号の説明】
10,100 スペーサー 11,12 側部 11a,12a,110,120 係合部 15,16 孔 20 脊柱管 30,40 椎弓 31,32 椎弓部分

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脊柱管の一方の椎弓を側方部で切断して
    切り離し、この切り離された椎弓部分間に介設されて前
    記脊柱管を拡開する脊柱管拡大術用スペーサーであっ
    て、前記スペーサーの両側部には、前記切り離された椎
    弓部分の先端がそれぞれ係合される係合部が形成されて
    いる、ことを特徴とする脊柱管拡大術用スペーサー。
  2. 【請求項2】 前記スペーサーには、前記拡開方向と交
    差する方向に縫合糸挿通用の孔が形成されている、こと
    を特徴とする請求項1記載の脊柱管拡大術用スペーサ
    ー。
JP1991072028U 1991-05-30 1991-05-30 脊柱管拡大術用スペーサー Expired - Lifetime JP2536295Y2 (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62254751A (ja) * 1986-04-30 1987-11-06 京セラ株式会社 人工椎弓

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62254751A (ja) * 1986-04-30 1987-11-06 京セラ株式会社 人工椎弓

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