JP2536295Z - - Google Patents

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JP2536295Z
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旭光学工業株式会社
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【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、頸椎の脊柱管側方拡大術に使用されるスペーサーに関する。 【0002】 【従来の技術】 一般に、脊柱管狭窄症や後縦靭帯骨化症等の頸椎疾患に対する手術療法の1つ
として脊柱管拡大術と呼ばれる方法がある。これは椎弓の一部を分割して脊柱管
を拡大し固定する方法であり、具体的には、椎弓を側方で縦割するか或は棘突起
を縦割した後に脊柱管を拡大するという術式である。 ところで、この術式を施すためには従来より、前記脊柱管を拡大し易くするた
めに脊柱管の棘突起乃至椎弓に付着する靭帯を切断し、また、拡大後には前記脊
柱管の拡大部を鋼線で結んで脊柱管を拡大位置に維持したり、或は前記拡大部に
患者の腸骨から採取した自家骨を挟むといったことがなされる。 しかしながら、前記患者の自家骨を拡大部に挟む術式では患者の健康な部分が
外科的に侵襲を受けることや、採取した骨の加工に時間が掛かって手術時間が長
時間化する等の問題点があり、近年では例えばアルミナやハイドロキシアパタイ
ト等の所謂バイオセラミックスからなるスペーサーを、自家骨の代わりに前記拡
大部に挟む術式が行われるようになっている。 そして、一般に前記スペーサーは、自家骨の場合と同様に略矩形の単純形状に
形成されており、このような従来のスペーサは、挟持力が掛からない前記拡大部
に単に介在させているだけであるため、脱落防止のために鋼線で前記拡大部の脊
柱管に強固に締結して固定しているのが通常である。 【0003】 【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、上述した従来の脊柱管拡大術では前記脊柱管の棘突起乃至椎弓
に付着する靭帯を切断していたので、該靭帯の復元までの間、術後の拡大された
脊柱管の安定性が損なわれるという不具合があり、また、この損なわれる安定性
を補うために頸椎を長期にわたって外固定する必要が生じるので、術後の頸椎の
可動性障害の一因となる不具合があった。 また、上述したように従来の脊柱管拡大術に使用される従来のスペーサーは、
自家骨の場合と同様に略矩形の単純形状のものであり、挟持力が掛からない前記
拡大部に単に介在されるものであったため、脱落防止のため鋼線締結する必要が あり、術後に例えばMRI(核磁気共鳴映像装置)等を用いて検査を行う際に障
害となる不具合があった。 本考案は、上述した種々の不具合を解決するための、前記靭帯を切断せずに脊
柱管を拡大する術式(以下、Tension band 式椎弓拡大形成術と称する)を可能
とするためになされたもので、切り離された椎弓部分との係合を強固にして骨癒
合前に椎弓の挿入部から脱落することがない脊柱管拡大術用スペーサーを提供す
ることを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために本考案は、脊柱管の一方の椎弓を側方部で切断して
切り離し、この切り離された椎弓部分間に介設されて前記脊柱管を拡開する脊柱
管拡大術用スペーサーであって、前記スペーサーは、幅と、厚さと、長さを有し
、前記スペーサーは、その厚さ方向の一端に、平坦な面が前記幅方向および長さ
方向の全長にわたり延在形成された下部を備え、前記スペーサーは、その厚さ方
向の他端に、前記幅よりも小さい寸法の幅で前記下部の平坦な面と平行する平坦
な面が前記長さ方向の全長にわたり延在形成された上部を備え、前記幅方向の両
側に位置するスペーサーの両側部には、前記厚さ方向の中間部分から前記上部に
向けて互いに近づく方向に延在するテーパー部が前記長さ方向の全長にわたり形
成され、前記スペーサーの両側部で前記下部寄りの箇所には、前記切り離された
椎弓部分の先端がそれぞれ係合される幅方向外方に開放状の凹状の係合部が前記
長さ方向の全長にわたり延在形成され、前記スペーサーの幅は、前記脊柱管の一
方の椎弓の長さよりも短い寸法で形成され、かつ、前記上部を前記脊柱管の外側
に向けて前記両側部の係合部が前記切り離された椎弓部分の先端と係合した状態
で前記脊柱管を拡開するように形成され、更に、縫合糸挿通用の孔が前記上部か
ら下部にわたり貫通して形成されていることを特徴とする。 【0005】 【実施例】 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図1は本考案の一実施例による脊柱管拡大術用スペーサーを示すもので、図1 (a)は平面図、図1(b)は正面図である。 図1(a),(b)に示すように、本考案の一実施例によるスペーサー10は
、幅と、厚さと、長さを有している。 前記スペーサー10は、その厚さ方向の一端に、平坦な面が前記幅方向および
長さ方向の全長にわたり延在形成された下部14を備え、また、その厚さ方向の
他端に、前記幅よりも小さい寸法の幅で前記下部14の平坦な面と平行する平坦
な面が前記長さ方向の全長にわたり延在形成された上部13を備えている。 前記幅方向の両側に位置するスペーサー10の両側部には、前記厚さ方向の中
間部分から前記上部13に向けて互いに近づく方向に延在するテーパー部13a
が前記長さ方向の全長にわたり形成されている。 前記スペーサー10の両側部で前記下部14寄りの箇所には、切り離された椎
弓部分の先端がそれぞれ係合される幅方向外方に開放状の凹状の係合部11a,
12aが前記長さ方向の全長にわたり延在形成されている。 前記スペーサー10の幅は、図2(a),(c)に示すように、脊柱管の一方
の椎弓の長さよりも短い寸法で形成され、かつ、上部13を脊柱管の外側に向け
て前記両側部の係合部11a,12aが切り離された椎弓部分の先端と係合した
状態で脊柱管を拡開するように形成されている。 さらに、前記スペーサー10の上部13から下部14にかけては、該スペーサ
ー10を脊柱管の椎弓に固定するための縫合糸(図示せず)が挿通される孔15,
16が貫通形成されている。 【0006】 上述した両実施例のスペーサー10は、例えばアルミナ、ジルコニア等の骨結
合性がない生体不活性バイオセラミックスや、ハイドロキシアパタイト、フッ素
アパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸カルシウムガラ
ス或は結晶化ガラス等の骨結合性がある生体活性バイオセラミックスから成形さ
れるが、生体不活性バイオセラミックスよりも後者の生体活性バイオセラミック
スがより好ましい。 【0007】 次に、前記スペーサー10を製造する方法の一例を説明する。 水酸化カルシウムスラリーとリン酸水溶液とを用いる公知の湿式法で合成した
ハイドロキシアパタイトスラリーを噴霧乾燥で粉末化した後、本出願人が特開平
2−167868で提案したメチルセルロースを用いる方法で多孔質成形体を製
造し、任意の方式による機械加工により図1(a),(b)に示す形状に加工した
。そしてこれを1200℃で4時間焼成して前記スペーサー10を得た。 【0008】 続いて、図1に示す実施例のスペーサー10を用いた前記 Tension band 式椎
弓拡大形成術の脊柱管拡大術への応用について、図2(a)乃至(c)を参照し
て説明する。 まず、図2(a)に示すように脊柱管20の一方の椎弓30を側方部で切断し
て椎弓切断部30aを形成し、2つの椎弓部分31,32に切り離すと共に、他
方の椎弓40から椎間関節50に移行する部分に溝60を形成する。 続いて、図2(b)に示すように前記溝60の部分を折り曲げ部として前記一
方の椎弓40を外方に広げることにより前記椎弓切断部30aを拡開し、さらに
、この拡大された椎弓切断部30aに前記スペーサー10を、図2(c)に示す
ように該スペーサー10の上部13が脊柱管20の外側を向くように挿入する。 そして、前記一方の椎弓部分31の先端部外板31aをスペーサー10の一方
の係合部11aに係合させ、他方の椎弓部分32の先端部外板32aをスペーサ
ー10の他方の係合部12aに係合させて、前記脊柱管20を図2(c)に示す
ような拡大位に保持する。 さらに、前記椎弓部分31,32の先端部近傍に、図2(c)に示すように該
椎弓部分31,32の先端部外板31a,32aから先端部端面にかけて縫合糸
挿通用の孔31c,32cを穿設し、該椎弓部分31,32の孔31c,32c
と、前記椎弓部分31,32の拡開方向と交差する向きとされたスペーサー10
の孔15,16とに縫合糸を挿通して、椎弓部分31,32とスペーサー10と
を固定する。 【0009】 上述した本 Tension band 式椎弓拡大形成術では、従来の術式のように脊柱管
20の棘突起21乃至椎弓30,40に付着する靭帯(図示せず)は切断しない ので、前記椎弓切断部30aを拡開した状態においては、前記図示しない靭帯の
緊張力により前記椎弓部分31が他方の椎弓部分32側に付勢された状態となる
。 このため、椎弓切断部30aに挿入された前記スペーサー10には2つの椎弓
部分31,32による挟持力が掛かることとなり、また、前記スペーサー10の
係合部11a,12aに前記2つの椎弓部分31,32の先端部外板31a,3
2aを係合させるので、スペーサー10と椎弓部分31,32乃至脊柱管20と
の係合が強固となり、骨癒合前にスペーサー10が脊柱管20の椎弓切断部30
aから脱落することがなくなると共に、従来のようにスペーサーの鋼線締結が不
要となる。 さらに、前記スペーサー10の椎弓切断部30aにおける保持状態が向上する
ことに伴い、施術の直後から拡大椎弓の安定性が格段に増し、従来のように術後
に頸椎を長期にわたって外固定することが不要となるので、術後早期から頸椎運
動を開始することが可能となる。 【0010】 また、前記スペーサー10の係合部11a,12aは前記2つの椎弓部分31
,32の先端部外板31a,32aと係合するので、スペーサー10の下部14
が前記2つの椎弓部分31,32の先端部内板31b,32bよりも脊椎管20
の内方に突出せず、よって、スペーサー10が脊柱管20内の脊椎(図示せず)
を圧迫することを防ぐことができる。 さらに、スペーサー10の上部13にテーパー部13aを形成したので、脊柱
管20の外側に突出する部分のスペーサー10は殆ど前記テーパー部13aとな
り、これにより脊柱管20の外側近傍の軟部組織(図示せず)を傷付けないよう
にすることができる。 加えて、前記スペーサー10に縫合糸71,72を挿通するための孔15,1
6を形成したので、スペーサー10と椎弓部分31,32との縫合固定を容易に
行うことができ、この縫合糸71,72も図2(c)に示すように椎弓部分31
,32の先端部内板31b,32bよりも脊椎管20の内方に突出しないので、
縫合糸71,72が脊柱管20内の脊椎(図示せず)を圧迫することをも防ぐこ
とができる。 【0011】 尚、実施例のスペーサー10の製造方法は上述した方法に限定されず、さらに
、スペーサー10の材料は、上述した生体不活性バイオセラミックスや生体活性
バイオセラミックスに限定されるものではなく、例えば金属、高分予化合物、或
は一般のセラミックスに溶射法等によってコーティングを施したもの等であって
もよい。 【0012】 【考案の効果】 以上説明したように本考案の脊柱管拡大術用スペーサーによれば、切り離され
た2つの椎弓部分の先端をスペーサーの係合部に係合させることにより、スペー
サーと椎弓部分との係合が強固となり、骨癒合前にスペーサーが椎弓の挿入部か
ら脱落するのを防止することができる。 また、前記スペーサーに縫合糸を挿通するための孔を形成したので、スペーサ
ーと椎弓部分との縫合固定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本考案の一実施例による脊柱管拡大術用スペーサーを示すもので、図1(a)
は平面図、図1(b)は正面図である。 【図2】 図1(a),(b)に示すスペーサーを用いた Tension band 式椎弓拡大形成術
を脊柱管拡大術に応用した場合の術過程を示す説明図である。 【符号の説明】 10 スペーサー 11,12 側部 11a,12a 係合部 15,16孔 20 脊柱管 30,40 椎弓 31,32 椎弓部分

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 脊柱管の一方の椎弓を側方部で切断して切り離し、この切り離
    された椎弓部分間に介設されて前記脊柱管を拡開する脊柱管拡大術用スペーサー
    であって、 前記スペーサーは、幅と、厚さと、長さを有し、 前記スペーサーは、その厚さ方向の一端に、平坦な面が前記幅方向および長さ
    方向の全長にわたり延在形成された下部を備え、 前記スペーサーは、その厚さ方向の他端に、前記幅よりも小さい寸法の幅で前
    記下部の平坦な面と平行する平坦な面が前記長さ方向の全長にわたり延在形成さ
    れた上部を備え、 前記幅方向の両側に位置するスペーサーの両側部には、前記厚さ方向の中間部
    分から前記上部に向けて互いに近づく方向に延在するテーパー部が前記長さ方向
    の全長にわたり形成され、 前記スペーサーの両側部で前記下部寄りの箇所には、前記切り離された椎弓部
    分の先端がそれぞれ係合される幅方向外方に開放状の凹状の係合部が前記長さ方
    向の全長にわたり延在形成され、 前記スペーサーの幅は、前記脊柱管の一方の椎弓の長さよりも短い寸法で形成
    され、かつ、前記上部を前記脊柱管の外側に向けて前記両側部の係合部が前記切
    り離された椎弓部分の先端と係合した状態で前記脊柱管を拡開するように形成さ
    れ、 更に、縫合糸挿通用の孔が前記上部から下部にわたり貫通して形成されている
    、 ことを特徴とする脊柱管拡大術用スペーサー。

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