JP3820039B2 - 椎弓スペーサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、椎弓スペーサ、例えば頸椎椎骨等の椎弓形成に用いられる椎弓スペーサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、脊柱管狭窄症や後縦靭帯骨化症等の脊椎疾患に対する外科的手術の手技の1つとして骨形成的脊柱管拡大術と呼ばれるものがある。これは椎弓の一部を分割した後、骨補填材を用いて椎弓を形成することにより狭窄または変形した脊柱管を拡大し固定する方法である。
【0003】
この手技は、棘突起を切除した後に椎弓を切離するか、または棘突起を縦割するとともに椎弓を切離し、その切断端部に例えばアルミナやハイドロキシアパタイト等の所謂バイオセラミックスからなるスペーサを挟み、脊柱管を拡大させた状態で椎弓を形成し、チタン製ワイヤ等で結紮固定するものである。
【0004】
従来用いられているスペーサは、略角柱状の単純形状をなしており、切断端部に単に介在させているだけであるため、脱落したり、位置がずれたりするおそれがあった。
【0005】
そこで図9に示すように、まず、椎弓91と棘突起92とを切り離し、椎弓91を中央部で切断し、その間に角柱状の椎弓スペーサ100を介在させ、ワイヤ97を用いて固定することにより、脊柱管93を拡大・形成させる方式が提案されている。この方式は、前記棘突起92および椎弓91に付着する後部靭帯(図示せず)を切断する必要がなく、術後の回復を早めることが可能となる。
しかし、このような椎弓スペーサ100では、棘突起92をもとに戻し、確実に固定して、再形成することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡易な方法で椎弓の拡大・形成および切除した棘突起を確実に固定することができ、さらに術後の経過が良好に得られる生体親和性に優れた椎弓スペーサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 椎弓から棘突起を切離するとともに、該椎弓を、前記棘突起を切離した部分で切断し、該椎弓の切断により形成された切断部に挿着することにより椎弓を拡大形成する椎弓スペーサであって、
前記椎弓の切断部に介挿され前記椎弓を拡張する拡張部と、
前記椎弓の切断部と係合する一対の係合部と、
切離された前記棘突起を取付ける棘突起取付部とを備え、
該棘突起取付部は、前記棘突起の切断面の面積より大きく、かつ、前記各係合部の基端を結ぶ線よりも後方に突出して設けられ、前記棘突起の切断面と当接する平面状の取付面と、該取付面の両端部と前記各係合部との間にそれぞれ位置する一対の側面と、前記棘突起を固定する固定部材を挿通可能であり、その両端が前記各側面のそれぞれに開放する貫通孔と、前記固定部材を係止させる切欠きとを有し、
前記係合部は、当該椎弓スペーサと前記椎弓とを固定する固定部材を挿通可能な貫通孔と、前記固定部材を係止させる切欠きとを有し、
前記棘突起を前記棘突起取付部に固定する作業と、前記椎弓スペーサと前記椎弓とを固定する作業とを、それぞれ独立して行い得るように構成したことを特徴とする椎弓スペーサ。
【0011】
(2) 前記取付面には粗面化処理が施されている上記(1)に記載の椎弓スペーサ。
【0016】
(3) 前記係合部は前記椎弓スペーサの側面から前方に傾斜して突出するように設けられている上記(1)または(2)に記載の椎弓スペーサ。
【0020】
(4) 前記拡張部は該拡張部の先端から基端に向けて幅が漸増するテーパ部を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の椎弓スペーサ。
【0021】
(5) セラミックス材料を構成材料としてなる上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の椎弓スペーサ。
【0022】
(6) 前記セラミックス材料はリン酸カルシウム系化合物からなる上記(5)に記載の椎弓スペーサ。
【0023】
(7) 前記リン酸カルシウム系化合物はCa/P比が1.0〜2.0である上記(6)に記載の椎弓スペーサ。
【0024】
(8) 前記リン酸カルシウム系化合物はハイドロキシアパタイトである上記(6)または(7)に記載の椎弓スペーサ。
【0025】
(9) 前記ハイドロキシアパタイトは700〜1000℃で仮焼成されたものである上記(8)に記載の椎弓スペーサ。
【0026】
(10) 前記セラミックスの気孔率が0〜70%である上記(5)ないし(9)のいずれかに記載の椎弓スペーサ。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の椎弓スペーサを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の椎弓スペーサの実施形態を示す立体斜視図、図2は、図1に示す椎弓スペーサの正面図、図3は、図1に示す椎弓スペーサの上面図、図4は、図1に示す椎弓スペーサの側面図である。また、図6ないし図8は本発明の椎弓スペーサを用いた脊柱管拡大術を示す図である。なお、図1、図2、図5〜図9において、図面の上側を「後方(背中側)」、下側を「前方(腹側)」とする。
【0028】
これらの図に示すように、本発明の椎弓スペーサ1は、椎弓の切断により形成された切断部に挿着することにより椎弓を拡大形成するものであって、椎弓の切断部に介挿され椎弓を拡張する拡張部4と、椎弓の切断部と係合する係合部2と、切離された前記棘突起を取付ける棘突起取付部3とを備えることを特徴とする。
【0029】
本実施形態の椎弓スペーサ1の全体形状は、略角柱形状であって中央付近から両側方に係合部2が突出している。
係合部2より後方には棘突起取付部3が設けられている。棘突起取付部3は、棘突起の断面と当接する取付面31と、棘突起を固定する固定部材を定まった位置に動かないようにするための定着手段として固定部材を挿通可能な貫通孔32と、固定部材を係止させる係止部材として切欠き33とを有している。これにより椎弓の切断に先立ち切離された棘突起を棘突起取付部3に固定し、生理的再建を図ることができる。
【0030】
取付面31は、係合部2の基端23を結ぶ線よりも後方に突出していることが好ましい。このような構成とすることにより、棘突起を取付けることがより容易になる。例えば、図8に示すように棘突起92を取付面31に取付ける際に、固定部材として例えばワイヤ7を用いる場合、貫通孔32の開孔が側面35に形成されているため、ワイヤ7の挿脱を容易に行うことができ固定操作が簡便になる。さらに、取付面の突出量により棘突起92を切断したときの切りしろを補填することができ、もとの正常な形状を回復することが容易となる。
【0031】
取付面31の係合部2の基端23から後方への突出量は、3〜10mm程度とすることが好ましく、5〜8mmがより好ましい。この範囲の突出量とすることにより、正常椎骨の形状に近似させることができ、良好な生理的再建が可能となる。
【0032】
本実施形態の椎弓スペーサ1の取付面31は、長方形の平面であって長辺の長さが10〜25mm、短辺の長さが5〜15mm程度であることが好ましい。また、取付面31の面積は前記棘突起92の断面921の面積よりも大きいことが好ましい。これにより棘突起92を安定に支持することができる。
【0033】
この取付面31の表面は、平滑であってもよく、粗面化処理が施されていてもよい。粗面化処理を施した場合、棘突起の断面との摩擦係数が大きくなり、ズレ等が抑制され、さらに安定に固定することができる。
【0034】
貫通孔32は、固定部材が挿通可能な大きさであれば特に限定されないが、例えば固定部材としてワイヤを用いる場合、その孔径は1〜2mm程度が好ましい。
【0035】
また、貫通孔32は、図に示すように両側面35を連通する方向に設けられていることが好ましい。これにより、棘突起92を固定するためワイヤ7を掛ける操作をより容易に行うことができる。例えば仮に、貫通孔32が取付面31の長辺どうしを結ぶ方向に設けられている場合、貫通孔32の開孔付近には隣接椎骨の棘突起および棘間靭帯等が存在するために、ワイヤの扱いが困難になる場合がある。
【0036】
取付面31の短辺には、一対の切欠き33が設けられている。この切欠き33にワイヤ7等の固定部材を係止させることにより、棘突起の固定をより容易かつ確実に行うことができる。さらに、術中および術後においてワイヤ7のずれや緩みを防止し、棘突起92の固定状態の維持を図ることができる。
また、切欠き33は棘突起取付部3のいかなる位置に設けられていてもよいが、貫通孔32の開孔付近に設けられていることが好ましい。貫通孔32の開孔と切欠き33との間の距離を短くすることにより、ワイヤ7の緩みやずれをより効果的に防止することができる。
【0037】
なお、本発明の椎弓スペーサ1に使用し得る固定部材としては、上記ワイヤの他、縫合糸、スクリュ等を用いることができる。また、かかる固定部材を定着させるための定着手段としては、貫通孔の他、例えばワイヤ等を掛着させる突起や、スクリュを螺入させる孔等が挙げられる。さらに、係止部材としては、上記切欠きの他、突起状物や環状物、鉤状物等が好ましく挙げられる。
【0038】
棘突起取付部3の前方には、椎弓の切断部と係合する係合部2が設けられている。この係合部2により、椎弓スペーサ1が脊柱管93内へ脱落することを防止できる。
係合部2は、椎弓スペーサ1の側面から前方に傾斜して突出するように設けられていることが好ましい。これにより、係合部2と椎弓91との形状適合性が向上し、固定した後にズレやガタツキ等の発生を抑制することができる。
【0039】
係合部2の突出長さは、拡張部4の基端45から係合部2の先端までの長さにおいて3〜10mm程度とすることが好ましい。係合部2の突出長さをこの範囲とすることにより、椎弓スペーサ1の脱落を有効に防止するとともに椎弓の形状に良好に適合する。さらに過剰に突出することがないため、頸椎の運動を妨げる等の問題を生じない。
【0040】
係合部2には、椎弓スペーサ1と椎弓91とを固定する固定部材を挿通可能な貫通孔21が設けられている。
貫通孔21は、固定部材が挿通可能な大きさであれば特に限定されないが、固定部材としてワイヤを用いる場合、その孔径は1〜2mm程度が好ましい。
本実施形態では、貫通孔21は、図2に示すように基端23から拡張部4の底面43に向けて設けられている。
【0041】
また、各係合部2の先端部には、切欠き22が設けられている。この切欠き22にワイヤ7等の固定部材を係止させることにより、椎弓スペーサ1の固定をより容易かつ確実に行うことができる。さらに、術中および術後においてワイヤ7のずれや緩みを防止し、固定状態の維持を図ることができる。
【0042】
係合部2のさらに前方には、椎弓の切断部に介挿され椎弓を拡張する拡張部4が設けられている。
拡張部4は、該拡張部4の先端47から基端45に向けて幅が漸増するテーパ部41を有していることが好ましい。これにより、椎弓の切断部と良好に当接させることができ、椎弓スペーサ1の固定状態の安定性を向上させることができる。
【0043】
このような椎弓スペーサ1は、セラミックス材料を構成材料としてなることが好ましい。セラミックス材料は加工性に優れているため、ドリル等を用いた切削加工によりその形状、大きさ等を調整することが容易である。例えば、取付面31を切削することにより、後方への突出量の微調整を行うことができる。
【0044】
セラミックス材料としては、各種セラミックス材料が挙げられるが、特にアルミナ、ジルコニア、リン酸カルシウム系化合物等を主とするバイオセラミックスが好ましい。なかでもリン酸カルシウム系化合物は、優れた生体親和性を備えているため、骨欠損部を補綴する椎弓スペーサの構成材料として特に好ましい。
【0045】
リン酸カルシウム系化合物としては、例えばハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト、炭酸アパタイト等のアパタイト類、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。また、これらのリン酸カルシウム系材料のなかでもCa/P比が1.0〜2.0のものが好ましく用いられる。
【0046】
このようなリン酸カルシウム系化合物のうち、ハイドロキシアパタイトが特に好ましい。ハイドロキシアパタイトは骨の無機質主成分と同様の構造であるため、優れた生体適合性を有している。また、ハイドロキシアパタイトは、700〜1000℃で仮焼成されたものがより好ましい。かかる温度で仮焼成されたハイドロキシアパタイト粒子は、ある程度活性が抑えられるため、焼結が急激に進行すること等による焼結ムラが抑制され、強度にムラのない焼結体を得ることができる。
【0047】
本発明では、セラミックスの気孔率は0〜70%であることが好ましく、30〜50%がより好ましい。気孔率をこの範囲とすることにより、強度を維持しつつ良好な生体親和性を発揮し、骨伝導による骨新生を促進することができる。
【0048】
本発明の椎弓スペーサの構成材料としては、上記セラミックス材料の他、該セラミックス材料とチタン等の生体為害性の小さい金属材料との複合材料等を用いることも可能である。
【0049】
また、椎弓スペーサの部分毎に、例えば外側と内側とで構成材料の種類、組成を変化させてもよい。例えば、緻密質セラミックスからなる中心部の表面に多孔質ハイドロキシアパタイト層を設けたもの等が挙げられ、かかる表面のハイドロキシアパタイト層は、溶射法、スパッタリング法、含浸法、スプレーコーティング法、焼結接合等により設けることができる。
【0050】
以上、本発明の椎弓スペーサを図示の各実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば、取付面31の形状は長方形に限られず、台形や矩形等であってもよい。また、係合部2、棘突起取付部3、拡張部4は、各々固定部材の形状等に対応させるために、種々の変形が施されていてもよい。さらに、係合部2は、図5に示すように側面から前方へ傾斜させないものとしてもよい。
なお、上記実施形態では頸椎椎骨に適用した場合について説明したが、本発明の椎弓スペーサは、胸椎椎骨や腰椎椎骨にも適用可能である。
【0051】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例)
水酸化カルシウムスラリーとリン酸水溶液から公知の湿式合成法によりハイドロキシアパタイトスラリーとした。これを噴霧熱乾燥法により乾燥した後、大気炉において700℃で仮焼成を行うことにより球状粉体を得た。
次に、得られたハイドロキシアパタイトの球状粉体と高分子化合物水溶液とを混合・撹拌した後、この混合物を乾燥させることによりハイドロキシアパタイトのブロック体を得た。
【0052】
このブロック体から焼結後の収縮を計算し、所望の椎弓スペーサ形状の成形体を作製した。
この成形体を電気炉に入れ、1200℃で4時間焼結することにより、図1〜図4に示す形状の椎弓スペーサを作製した。
【0053】
本実施例で作製された椎弓スペーサは、係合部2の先端間の長さ:22mm、幅:8mmであった。
また、拡張部4は、先端47における幅:13mm、基端45における幅:16mmであり、テーパ部41を有していた。また、拡張部4の基端45から係合部2の先端部までの長さは3mmであった。
取付面31は、長辺:13mm、短辺:8mmの長方形状で、取付面31の基端23から後方への突出量は5mmであった。また、椎弓スペーサの気孔率は40%であった。
【0054】
この椎弓スペーサ1を脊柱管狭窄症の症例において、有茎棘突起形成脊柱管拡大術に適用した。
まず、棘上靭帯および棘間靭帯等の後方支持要素(図示せず)を付着させた状態で、棘突起92を椎体90から切離し(図6)、切離された棘突起92にドリル等を用いて固定用孔922(φ:1.5mm)を設けた。
【0055】
次に、図7に示すように椎弓91の切断部に椎弓スペーサ1を挿着し、係合部2を切断端911に係合させた。
この状態で、チタン製のワイヤ7を用いて、取付面31に棘突起92、椎弓91に椎弓スペーサ1を各々固定した。
【0056】
棘突起92の固定は、ワイヤ7を貫通孔32(φ:1.5mm)および固定用孔922に数回通し、緊縛することにより行った。また、ワイヤ7は取付面31に設けられた切欠き33に係止させた。
【0057】
これと同様に、椎弓スペーサ1の固定は、ワイヤ7を貫通孔21および固定用孔912に数回通し、緊縛することにより行った。また、ワイヤ7は係合部2に設けられた切欠き22に係止させた。
【0058】
このように本発明の椎弓スペーサ1を適用することにより、狭窄していた脊柱管(図7、8中点線)は、椎弓スペーサ1により正常な脊柱管に近似する形状で良好に拡大され、これにより脊髄への圧迫を除去することができた。
【0059】
また、後方に突出した取付面31に棘突起92を固定するため、取付けが簡便で手術時間の大幅な短縮を図ることができた。その上、術後にワイヤ7がずれたり緩むことはなく、棘突起92の固定を確実に行うことができた。
さらに、このように棘突起92を形成することにより、後方支持組織の侵襲が抑制され、生体支持組織の生理的再建が良好に達成された。
【0060】
一方、椎弓スペーサの固定も簡便でかつ確実に行うことができ、術後に椎弓スペーサのズレや固定位置の移動等に起因する合併症の問題もなかった。
さらに、術中、術後に再び椎弓が陥没すること等がなく、脊柱管の拡大状態を恒久的に維持することができる。また、ハイドロキシアパタイトからなる椎弓スペーサ1は、棘突起92および椎弓91と速やかに骨癒合し、生理的再建が極めて良好に行われ、神経根麻痺や後彎変形等を生じることはなかった。
【0061】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の椎弓スペーサによれば、脊柱管の拡大形成および棘突起の固定を簡便かつ正確に行うことができる。また、被験者の腸骨を採取する必要がないため出血量を最少量に抑え、さらに手術時間を大幅に短縮することができ、被験者の負担を軽減することができる。
【0062】
また、本発明の椎弓スペーサは椎弓に確実に固定されるため、長期使用によるストレスの下でも結合状態を維持することができる。
さらに、棘突起の固定が確実になされるため、融合不全等による合併症のおそれがなく、生理的再建を良好に行うことができる。
【0063】
椎弓スペーサの構成材料として生体親和性に優れたリン酸カルシウム系化合物等のセラミックス材料を用いる場合、起炎性等が非常に低く、また高強度であるため、脊椎等一定の強度を必要とする部位における骨補綴物として非常に適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の椎弓スペーサの実施形態を示す立体斜視図である。
【図2】図1に示す椎弓スペーサの正面図である。
【図3】図1に示す椎弓スペーサの上面図である。
【図4】図1に示す椎弓スペーサの側面図である。
【図5】本発明の椎弓スペーサの変形例を示す立体斜視図である。
【図6】本発明の椎弓スペーサを用いた脊柱管拡大術を示す図である。
【図7】本発明の椎弓スペーサを用いた脊柱管拡大術を示す図である。
【図8】本発明の椎弓スペーサを用いた脊柱管拡大術を示す図である。
【図9】従来の椎弓スペーサの使用状態を示す図である。
【符号の説明】
1 椎弓スペーサ
2 係合部
21 貫通孔
22 切欠き
23 基端
3 棘突起取付部
31 取付面
32 貫通孔
33 切欠き
35 側面
4 拡張部
41 テーパ部
43 底面
45 基端部
47 先端
7 ワイヤ
8 スクリュ
90 椎骨
91 椎弓
911 切断端
912 固定用孔
92 棘突起
921 断面
922 固定用孔
93 脊柱管
97 ワイヤ
100 椎弓スペーサ

Claims (10)

  1. 椎弓から棘突起を切離するとともに、該椎弓を、前記棘突起を切離した部分で切断し、該椎弓の切断により形成された切断部に挿着することにより椎弓を拡大形成する椎弓スペーサであって、
    前記椎弓の切断部に介挿され前記椎弓を拡張する拡張部と、
    前記椎弓の切断部と係合する一対の係合部と、
    切離された前記棘突起を取付ける棘突起取付部とを備え、
    該棘突起取付部は、前記棘突起の切断面の面積より大きく、かつ、前記各係合部の基端を結ぶ線よりも後方に突出して設けられ、前記棘突起の切断面と当接する平面状の取付面と、該取付面の両端部と前記各係合部との間にそれぞれ位置する一対の側面と、前記棘突起を固定する固定部材を挿通可能であり、その両端が前記各側面のそれぞれに開放する貫通孔と、前記固定部材を係止させる切欠きとを有し、
    前記係合部は、当該椎弓スペーサと前記椎弓とを固定する固定部材を挿通可能な貫通孔と、前記固定部材を係止させる切欠きとを有し、
    前記棘突起を前記棘突起取付部に固定する作業と、前記椎弓スペーサと前記椎弓とを固定する作業とを、それぞれ独立して行い得るように構成したことを特徴とする椎弓スペーサ。
  2. 前記取付面には粗面化処理が施されている請求項1に記載の椎弓スペーサ。
  3. 前記係合部は前記椎弓スペーサの側面から前方に傾斜して突出するように設けられている請求項1または2に記載の椎弓スペーサ。
  4. 前記拡張部は該拡張部の先端から基端に向けて幅が漸増するテーパ部を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の椎弓スペーサ。
  5. セラミックス材料を構成材料としてなる請求項1ないし4のいずれかに記載の椎弓スペーサ。
  6. 前記セラミックス材料はリン酸カルシウム系化合物からなる請求項5に記載の椎弓スペーサ。
  7. 前記リン酸カルシウム系化合物はCa/P比が1.0〜2.0である請求項6に記載の椎弓スペーサ。
  8. 前記リン酸カルシウム系化合物はハイドロキシアパタイトである請求項6または7に記載の椎弓スペーサ。
  9. 前記ハイドロキシアパタイトは700〜1000℃で仮焼成されたものである請求項8に記載の椎弓スペーサ。
  10. 前記セラミックスの気孔率が0〜70%である請求項5ないし9のいずれかに記載の椎弓スペーサ。
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