JPH04129136U - 内蔵レンズフードを有するレンズ鏡筒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 前後に分割された環状フード部材を結合して
なるレンズフードを光軸方向に摺動可能に保持したレン
ズ鏡筒において、レンズフードのつなぎ目が露出しな
い、高級感のあるレンズフード内蔵レンズ鏡筒を得るこ
と。 【構成】 レンズフードを前方と後方の二つの環状のフ
ード部材に分割して、この前後のフード部材を固定ねじ
で固定し、さらにこの前後のフード部材の固定ねじ部分
の外周を、環状カバー部材で覆ったレンズフード内蔵レ
ンズ鏡筒。固定ねじを径方向の固定ねじとすることによ
り、フード部材を厚肉にすることなく、結合強度を得る
ことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】

本考案は、最前方のレンズ枠に、光軸方向に進退可能にレンズフードを支持し た、レンズフード内蔵レンズ鏡筒に関する。

【０００２】

【従来技術およびその問題点】

従来のこの種のレンズ鏡筒でもっとも簡単なものは、レンズフードを単に光軸 方向に移動可能に支持したもので、このレンズフードを不使用時には後退させ、 有害光（作画に関与しない光）がレンズに入射するのを防止する使用時には、前 方の移動端にスライドさせるものであった。また、使用位置に固定するために、 レンズ枠とレンズフードとにそれぞれ互いに螺合可能な雄ねじと雌ねじを形成し たものも知られている。これらはいずれも、レンズフード自身が単一の環状部材 からなっており、レンズフードを収納位置に固定することができなかった。一方 、レンズフードを収納位置と使用位置の両位置で固定できるようにするため、レ ンズフードを前後の二部材に分割し、それぞれに、収納位置、使用位置の固定用 雌ねじを設けたレンズフードも知られている。ところが、この分割タイプのレン ズフードは、前後の分割レンズフードを該フードと同心の雌ねじと雄ねじで連結 するもので、つなぎ目が露出してしまい、高級感を損ねるものであった。また分 割フードをこれと同心のねじで固定しているため、固定強度が得にくく、かつ分 割フードに一定の肉厚を必要とするため、薄肉化が困難であった。

【０００３】

【考案の目的】

本考案は、このような従来の内蔵タイプのレンズフードについての問題意識に 基づき、二分割タイプのレンズフードでありながら、つなぎ目が露出しない、高 級感のあるレンズフード内蔵レンズ鏡筒を得ることを目的とする。また本考案は 、分割フード部材の結合強度を高めることのできるレンズフードを得ることを目 的とする。 さらに本考案は、収納位置と使用位置とに固定できるレンズフード内蔵レンズ 鏡筒を得ることを目的とする。

【０００４】

【考案の概要】

本考案は、レンズフードを前方と後方の二つの環状のフード部材に分割して、 この前後のフード部材を固定ねじで固定し、さらにこの前後のフード部材の固定 ねじ部分の外周を、環状カバー部材で覆ったことを特徴としている。この構成に よれば、つなぎ目が露出することがなく、高級感が得られ、また固定ねじとして 径方向の固定ねじを用いて、結合強度を高めることができる。

【０００５】 レンズフードの抜け止めと、収納位置および使用位置での固定を可能にするた め、レンズ枠には、その前端部に、抜け止め用の環状凸部と、この環状凸部の前 後に位置する、該環状凸部より小径の収納位置用雄ねじ部と使用位置用雄ねじ部 とを形成し、前方フード部材には、このレンズ枠の収納位置用雄ねじ部に螺合可 能な収納位置用雌ねじ部を設け、後方フード部材には、レンズ枠の使用位置用雄 ねじ部に螺合可能な使用位置用雌ねじ部を設けることが好ましい。

【０００６】 さらに後方フード部材には、レンズ鏡筒の環状凸部より大径で該環状凸部に対 して摺動自在なフード部を設け、前方フード部材は、この前方フード部材のフー ド部の前端部内面に固定することが好ましい。

【０００７】

【実施例】

以下図示実施例について本考案を説明する。図１および図２は、本考案の実施 例を示すもので、図１はレンズフードの収納位置、図２は同使用位置を示してい る。

【０００８】 レンズ鏡筒の最前方に位置するレンズ枠１１は、その前方に大径定径部１２を 有し、この大径定径部１２の先端部に、抜け止め用の環状凸部１３が形成されて いる。この環状凸部１３の前後には、この環状凸部１３より小径の収納位置用雄 ねじ部１４と、使用位置用雄ねじ部１５が形成されている。

【０００９】 レンズフード２０は、環状の前方フード部材２１と、後方フード部材２２と、 カバー部材２３を備えている。後方フード部材２２は、環状凸部１３より若干大 径のフード部２４を有し、このフード部２４の後端部内周に、使用位置用雄ねじ 部１５に螺合可能な雌ねじ２５が形成されている。この雌ねじ２５の後方にはさ らに、大径定径部１２の外面と摺接する軟質摺接部材（ラシャ）２６が支持され ている。前方フード部材２１は、この後方フード部材２２の先端部内面に嵌合さ れていて、径方向の複数の固定ねじ２８により、後方フード部材２２に固定され ている。この前方フード部材２１の内周には、収納位置用雄ねじ部１４に螺合す る雌ねじ２９が形成されている。雌ねじ２５および２９は、環状凸部１３より小 径である。

【００１０】 カバー部材２３は、この前方フード部材２１と後方フード部材２２の接続部外 周、つまり固定ねじ２８の露出部分を覆うもので、前方フード部材２１の先端部 の内外面を囲むコ字状断面部３０と、後方フード部材２２の段部３１に係合する 小径部３２を有している。このカバー部材２３は、例えばゴム材料によって構成 される。

【００１１】 上記構成の本レンズ鏡筒は、図１のようにレンズフード２０を後方に摺動させ 、前方フード部材２１の雌ねじ２９を、レンズ枠１１の収納位置用雄ねじ部１４ に螺合させると、その位置、つまり収納位置に固定される。また図２のように、 レンズフード２０を前方に摺動させ、後方フード部材２２の雌ねじ２５をレンズ 枠１１の使用位置用雄ねじ部１５に螺合させると、その位置、つまり使用位置で 固定される。

【００１２】 そして本考案のレンズフード２０によると、前方フード部材２１と後方フード 部材２２のつなぎ目がカバー部材２３によって覆われているために、外観に優れ 、高級感が得られる。そして、径方向の固定ねじ２８によって、前方フード部材 ２１と後方フード部材２２が固定されるため、前方フード部材２１と後方フード 部材２２を薄肉としても、固定強度が得やすい。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように本考案のレンズフード内蔵レンズ鏡筒によると、レンズフードを 前後に二分割した構造でありながら、そのつなぎ目が環状カバー部材によって覆 われるため、外観に優れた高級感のあるレンズ鏡筒が得られる。請求項２によれ ば、レンズフードの抜け止めと、使用位置および収納位置の両位置への固定がで きる。請求項３によれば、前後のカバー部材を薄肉としても、容易に高い固定強 度が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるレンズフード内蔵ズームレンズ鏡
筒の実施例を示す、レンズフード収納状態の縦断面図で
ある。

【図２】同レンズフード使用状態の縦断面図である。

【符号の説明】

１１ レンズ枠 １２ 大径定径部 １３ 環状凸部 １４ 収納位置用雄ねじ部 １５ 使用位置用雄ねじ部 ２０ レンズフード ２１ 前方フード部材 ２２ 後方フード部材 ２３ カバー部材 ２４ フード部 ２５ 雌ねじ ２６ 軟質摺接部材 ２８ 固定ねじ ２９ 雌ねじ ３０ コ字状断面部 ３１ 段部 ３２ 小径部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 最前方のレンズ枠の外周に、光軸方向に
   進退可能にレンズフードを設けるレンズ鏡筒において、
   上記レンズフードを前方と後方の二つの環状のフード部
   材に分割して、この前後のフード部材を固定ねじで固定
   し、この前後のフード部材の固定ねじ部分の外周を、環
   状カバー部材で覆ったことを特徴とする内蔵レンズフー
   ドを有するレンズ鏡筒。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記レンズ枠は、そ
   の前端部に、抜け止め用の環状凸部と、この環状凸部の
   前後に位置する、該環状凸部より小径の収納位置用雄ね
   じ部と使用位置用雄ねじ部とを有し、上記前方フード部
   材は、このレンズ枠の収納位置用雄ねじ部に螺合可能な
   収納位置用雌ねじ部を有し、上記後方フード部材は、上
   記レンズ枠の使用位置用雄ねじ部に螺合可能な使用位置
   用雌ねじ部を有している内蔵レンズフードを有するレン
   ズ鏡筒。
3. 【請求項３】 請求項１または２において、前方フード
   部材と後方フード部材は、径方向の固定ねじで固定され
   ている内蔵レンズフードを有するレンズ鏡筒。