JPH04128932U - 荷役車両における運搬車の積込装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 荷役車両の荷台への運搬車の積込みと積降し
とを容易に行えるようにする。 【構成】 荷役車両２の荷台３の後端部の左右いずれか
一方に支持部７を設けるとともにこの支持部７を支点と
して荷台３の表面にそって回動自在な支持アーム１０を
設けた。支持アーム１０に上下方向回動自在に連結され
た前端部と支持アーム１０の回動に伴ってリヤゲート４
の上方位置と荷台３の上方位置とへ回動する後端部とを
有するとともに運搬車１３が載置される積込台１２を設
けた。リヤゲート４の昇降動作に伴って積込台１２の底
部に摺接してこの積込台１２を支持アーム１０を支点と
して上下方向へ回動させる押上部１９をリヤゲート４に
設けた。また、後端部を荷台３の上方位置へ回動させた
状態における積込台１２の移動を阻止する制動装置２２
を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガスボンベ等の配送に用いられる荷役車両における運搬車の積込装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ガスボンベ等の配送作業においては、昇降自在及び開閉自在なリヤゲー トを荷台の後部に備えた荷役車両を用いることが一般的である。また、荷役車両 から積降したガスボンベ等を各家庭へ運搬する際には、軽量の手押式運搬車を使 用する場合もあるが、作業者の運搬労力を軽減するためにエンジンを備えた自走 式の運搬車を使用する場合もある。そして、このような運搬車はガスボンベ等と ともに荷役車両の荷台へ積載して運搬されるものであり、運搬車を荷台へ積込む 作業や荷台から積降す作業は、リヤゲートを用いて行っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

荷役車両の荷台への運搬車を積込む作業や荷台から運搬車を積降す作業に際し て、リヤゲート上から荷台上への運搬車の移動や、荷台上からリヤゲート上への 運搬車の移動は人力で行っているため、運搬車が重量物である自走式のものであ る場合には、この移動作業には多大な労力が必要となっている。

【０００４】 また、運搬車から積降したガスボンベ等を各家庭へ運搬する際に運搬車を使用 する必要がない場合であっても、荷台から運搬車を一旦積降した後でなければガ スボンベを積降すことができず、煩雑である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

荷台の後部にリヤゲートを昇降自在に設けた荷役車両において、前記荷台の後 端部の左右いずれか一方に支持部を設けるとともにこの支持部を支点として前記 荷台の表面にそって回動自在な支持アームを設け、前記支持アームに上下方向回 動自在に連結された前端部と前記支持アームの回動に伴って前記リヤゲートの上 方位置と前記荷台の上方位置とへ回動する後端部とを有するとともに運搬車が載 置される積込台を設け、前記リヤゲートの昇降動作に伴って前記積込台の底部に 摺接してこの積込台を前記支持アームを支点として上下方向へ回動させる押上部 を前記リヤゲートに設けた。

【０００６】 また、後端部を荷台の上方位置へ回動させた状態における積込台の移動を阻止 する制動装置を設けた。

【０００７】

【作用】

支持部を支点として支持アームに連結された積込台の後端部をリヤゲートの上 方位置へ回動させ、この状態からリヤゲートを下降させると、押上部が積込台の 底部に摺接しつつ下降するとともに積込台は支持アームに連結された前端部を支 点として下方へ回動し、やがて、積込部の後端部が接地状態となる。後端部を接 地させて傾斜状態となった積込台の上に運搬車を載置した後にリヤゲートを上昇 させることによって積込台を略水平状態に戻し、ついで、積込台の後端部を荷台 の上方位置へ回動させることにより、荷台上への運搬車の積込みが終了する。

【０００８】 また、制動装置を作動させることにより、後端部を荷台の上方位置へ回動させ た状態の積込台の揺れが阻止されるとともに荷台上へ積込んだ運搬車の揺れが防 止される。

【０００９】

【実施例】

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。ガスボンベ１等の配送作業にお いて使用される荷役車両２の荷台３の後部には、電動により昇降自在及び開閉自 在なリヤゲート４が設けられている。

【００１０】 前記荷台３の後端部の一方の隅にはストラット５が立設され、このストラット ５にはブラケット６が取付けられ、ブラケット６には支持部である支持パイプ７ が上下方向に向けて溶接されている。つぎに、垂直部８と水平部９とからなる略 Ｌ字形に屈曲した支持アーム１０が設けられており、垂直部８が前記支持パイプ ７に回動自在に挿着され、水平部９は前記支持パイプ７を支点として前記荷台３ の表面にそって回動自在に設けられている。なお、前記水平部９には前記荷台３ の表面に当接する二個のキャスタ１１が取付けられている。

【００１１】 つぎに、前端部が前記水平部９に上下方向回動自在に連結されるとともに、前 記支持アーム１０を前記支持パイプ７を支点として回動させることにより後端部 が前記リヤゲート４の上方位置と前記荷台３の上方位置とへ回動される積込台１ ２が設けられている。この積込台１２は、荷台３から積降した前記ガスボンベ１ 等を運搬する際に使用する運搬車１３を載置するためのもので、積込台１２の略 中央部には載置した運搬車１３の車輪１４を載せるための一対の板１５が溶接さ れ、板１５の下面にはキャスタ１６が取付けられ、また、前記積込台１２の先端 部には前記運搬車１３の載置位置を規制するためのストッパ１７が取付られてい る。

【００１２】 さらに、前記積込台１２の底部には略Ｌ字形のガイドレール１８が前後方向に 延出して溶接されており、前記リヤゲート４の後端部には前記ガイドレール１８ に当接するとともに前記リヤゲート４の昇降動作に伴ってこのガイドレール１８ に摺接する押上部であるキャスタ１９が取付けられている。また、前記積込台１ ２の後端部には、ブレーキレバー２０とこのブレーキレバー２０の操作に伴って 前記荷台３の表面に接離する制動部材２１とからなる制動装置２２が設けられ、 さらに、前記積込台１２の前記荷台３上での回動位置を規制するためのストッパ ２３が設けられている。

【００１３】 このような構成において、まず、運搬車１３を荷台３へ積込む場合の操作手順 について説明する。まず、リヤゲート４を上昇させた状態で積込台１２を支持パ イプ７を支点として回動させ、積込台１２の後端部をリヤゲート４の上方位置へ 回動させる。なお、この状態は、図２から運搬車１３を省いた状態であり、キャ スタ１６がリヤゲート４の表面に接し、キャスタ１９はガイドレール１８の先端 から離れた状態となっている。

【００１４】 この状態からリヤゲート４を下降させると、キャスタ１６がリヤゲート４の表 面から離れるとともに、キャスタ１９がガイドレール１８の先端に当接し、続い て、キャスタ１９がガイドレール１８の後端部へ向けて摺接するとともに積込台 １２の後端側が水平部９を支点として下方へ回動し、リヤゲート４を最下位置ま で下降させた際に積込台１２の後端部が接地する。なお、この状態は、図１から 運搬車１３を省いた状態である。このようにして積込台１２を傾斜状態とした後 、運搬車１３をストッパ１７の位置まで自走させ、図１に示すように積込台１２ 上に載置する。

【００１５】 ついで、リヤゲート４を上昇させると、キャスタ１９がガイドレール１８の先 端側へ向けて摺接するとともに積込台１２の後端側が水平部９を支点として上方 へ回動する。そして、リヤゲート４を最上位置へ上昇させた際には、図２に示す ように積込台１２が荷台３の表面に対して略同一平面状態になるとともにキャス タ１６がリヤゲート１８の表面に当接し、キャスタ１９はガイドレール１８から 離れた状態となる。

【００１６】 ついで、図２に示した状態から取付パイプ７を支点として積込台１２をストッ パ２３によって規制される位置まで約９０゜回動させる。すると、図３に示すよ うに、積込台１２の後端部が荷台３の上方位置へ回動し、運搬車１３が荷台３上 へ移動する。その後、ブレーキレバー２０を上方へ回動させることにより制動部 材２１を下方へ移動させて荷台３の表面へ当接させ、図４及び図６に示すように キャスタ１６を荷台３の表面から浮き上がらせる。これにより、荷役車両２を走 行させている際における積込台１２や運搬車１３の揺れ動きが防止される。さら に、図４に示すようにリヤゲート４を上方へ回動させることにより荷台３の後端 部を閉止し、荷台３への運搬車１３の積込み作業を終了する。

【００１７】 つぎに、運搬車１３を荷台３から積降す場合の操作手順について説明する。ま ず、閉止されているリヤゲート４を後方へ回動させることにより開放し、ついで 、ブレーキレバー２０を下方へ回動させて制動部材２１を上方へ移動させること によりキャスタ１６を荷台３の表面へ当接させ、図３に示す状態とする。ついで 、図３に示した状態から取付パイプ７を支点として積込台１２を約９０゜回動さ せ、図２に示すように積込台１２の後端部をリヤゲート４の上方位置へ回動させ る。ついで、リヤゲート４を下降させることに伴って積込台１２を後端下がりの 状態に次第に傾斜させ、リヤゲート４を最下位置へ下降させた際に図１に示すよ うに積込台１２の後端部を接地させる。この状態から運搬車１３を始動させて後 進させることにより、運搬車１３を荷台３から積降す作業が終了する。

【００１８】 なお、通常では配送先において運搬車１３の積降しとガスボンベ１の積降しと をリヤゲート４を用いて同時に行うが、荷台３から積降したガスボンベ１を運搬 する際に運搬車１３を使用する必要がない場合には、運搬車１３を載置した積込 台１２の後端部をリヤゲート４の上方位置へ回動させ、その状態を保ったままリ ヤゲート４上にガスボンベ１を載せ、リヤゲート４を昇降させることにより荷台 ３からガスボンベ１を積降すことができる。従って、使用する必要がない運搬車 １３を荷台３から積降したり積込んだりする手間が省け、ガスボンベ１を荷台３ から積降す作業を手間をかけずに行える。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は、上述のように構成したので、リヤゲートを上昇させた状態において 積込台の後端部をリヤゲートの上方位置へ回動させ、ついで、リヤゲートを下降 させることにより積込台を支持アームに連結された前端部を支点として後端下が りの傾斜状態とし、この積込台上に運搬車を載置した後にリヤゲートを上昇させ ることに伴う押上部による押上げにより積込台の後端部を上方へ回動させ、リヤ ゲートを所定の上昇位置へ上昇させた後に積込台の後端部が荷台の上方位置へ移 動するように積込台を回動させることによって荷役車両の荷台上への運搬車の積 込みを行うことができ、また、以上の操作の逆の手順により荷台からの運搬車の 積降しを行うことができ、従って、荷役車両の荷台上への運搬車の積込みや積降 しに際して、リヤゲートから荷台上への運搬車の移動や荷台上からリヤゲート上 への運搬車の移動を人力により行う必要がなくなり、運搬車の荷台上への積込み や積降しを容易に行うことができ、また、制動装置を作動させることによって後 端部を荷台の上方位置へ回動させた状態の積込台の移動を阻止することができ、 従って、荷役車両を走行させている際における積込台や運搬車の揺れ動きを防止 することができ、このような揺れ動きによる積込台や運搬車の破損事故の発生を 防止することができる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】運搬車を荷台へ積込む際の作業過程を示す側面
図である。

【図２】運搬車を荷台へ積込む際の作業過程を示す側面
図である。

【図３】図２に示した状態から積込台を９０゜回動させ
て運搬車を荷台上へ積込んだ状態を示す背面図である。

【図４】制動装置を作動させるとともにリヤゲートを閉
止することにより荷台上への運搬車の積込みを終了した
状態を示す側面図である。

【図５】積込台の全体を示す平面図である。

【図６】積込台の全体を示す背面図である。

【図７】非作動状態の制動装置を示す側面図である。

【図８】作動状態の制動装置を示す側面図である。

【符号の説明】

２ 荷役車両 ３ 荷台 ４ リヤゲート ７ 支持部 １０ 支持アーム １２ 積込台 １３ 運搬車 １９ 押上部 ２２ 制動装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 和田 均 長野県松本市石芝１丁目１番１号 石川島 芝浦機械株式会社松本工場内 (72)考案者 滝川 立昭 長野県松本市石芝１丁目１番１号 石川島 芝浦機械株式会社松本工場内 (72)考案者 河野 哲 岡山県岡山市久米197番地 石川島芝浦機 械株式会社岡山工場内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 荷台の後部にリヤゲートを昇降自在に設
   けた荷役車両において、前記荷台の後端部の左右いずれ
   か一方に支持部を設けるとともにこの支持部を支点とし
   て前記荷台の表面にそって回動自在な支持アームを設
   け、前記支持アームに上下方向回動自在に連結された前
   端部と前記支持アームの回動に伴って前記リヤゲートの
   上方位置と前記荷台の上方位置とへ回動する後端部とを
   有するとともに運搬車が載置される積込台を設け、前記
   リヤゲートの昇降動作に伴って前記積込台の底部に摺接
   してこの積込台を前記支持アームを支点として上下方向
   へ回動させる押上部を前記リヤゲートに設けたことを特
   徴とする荷役車両における運搬車の積込装置。
2. 【請求項２】 後端部を荷台の上方位置へ回動させた状
   態における積込台の移動を阻止する制動装置を設けたこ
   とを特徴とする請求項１記載の荷役車両における運搬車
   の積込装置。