JPH04121252U - 合成樹脂製口栓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 破断開封部裏面に網状中栓を設け、開封後に
おける液の溢出を抑制するようにした合成樹脂製口栓を
得る。 【構成】 周縁から取付け周壁１を垂設した頂壁２上面
から注ぎ出し口用周壁３を立設し、この周壁３内側の頂
壁中央部を凹陷し、この凹陷頂壁２ａに、プルリング４
を起立した破断帯５を形成し、かつ後部側頂部に片開き
可能な天蓋６を一体に結合したキャップ状の口栓本体７
の前記凹陷頂壁２ａ下面部に網状中栓８を装着した構
成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は開封部付きの合成樹脂製口栓に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種口栓はよく知られた構造である。図４はその１例（実開昭63- 144465号 公報）を示したもので、全体をキャップ状とし、頂壁21上面から注ぎ出し口用の 周壁22を立設し、この周壁22内側の頂壁21部に肉薄の破断線23により破断帯24を 形成し、この破断帯24の一部から上方にプルリング25を起立して壜26の口頂部に 嵌着され、使用時にプルリング25に指を掛けこれを引き上げることにより破断帯 24を破断して開封させる構造のものである。なお、27は収納液の香り発散防止用 のバリヤーフィルムである。

【０００３】 この構造によれば密封性が良好、バージンシール機能がある、開封手段が簡単 等の利点があり、各種壜に採用されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この種口栓では開封口を楕円形とし、この楕円形口の両端部に、一方には大き い、他方には小さい注ぎ口部を設け、注ぎ出し量の多少によりいずれかを選択し て使用できるようにしているものが多いが、壜内液が満量の開封当初には液が開 封口全体から溢出し、液が出過ぎたりまたうっかりすると外にこぼしたりするの が実情である。壜内液量が少なくなっても、注ぎ出し時に充分注意しないとやは り溢出するおそれがある。

【０００５】 本考案は、破断開封部裏面に網状中栓を設け、開封後における注ぎ出し液の溢 出を抑制するようにした合成樹脂製口栓を得るにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案の合成樹脂製口栓は、周縁から取付け周壁１を垂設した頂壁２上面から 注ぎ出し口用周壁３を立設し、この周壁３内側の頂壁中央部を凹陷し、この凹陷 頂壁２ａに、プルリング４を起立した破断帯５を形成し、かつ後部側頂部に片開 き可能な天蓋６を一体に結合したキャップ状の口栓本体７の前記凹陷頂壁２ａ下 面部に網状中栓８を装着した構成としている。

【０００７】

【作用】

上記において、使用時には天蓋６を開蓋し、プルリング４に指を掛けて上方に 強制的に引上げ、これにより破断帯５を破断して口栓本体７の凹陷頂壁２ａを開 封すればよい。

【０００８】 ここで、凹陷頂壁２ａ下面部には網状中栓８が装着してあるので、前記破断開 封後、この開封口には図３のように網状中栓８が在り、この網状中栓８が注ぎ出 し液量を抑制するので、注ぎ出し液が溢出したりすることはなく、従って必要以 上に注ぎ出されたり、外部にこぼしたりすることがなくなる。

【０００９】

【実施例】

以下図面を参照して一実施例を説明するに、本考案の合成樹脂製口栓は、口栓 本体７に網状中栓８を組込んで構成している。

【００１０】 口栓本体７は、周縁から取付け周壁１を垂設した頂壁２の周縁寄り上面から、 外側に傾斜し、先端を外方に弯曲させた注ぎ出し口用周壁３を立設し、この周壁 ３内側の頂壁部を下方に凹陷し、この凹陷頂壁２ａの周縁寄り裏面に破断線９を 切り込んでこの凹陷頂壁２ａ中央部に破断帯５を形成し、この破断帯５上面から プルリング４を起立し、そして取付け周壁１後部上端から、肉薄ヒンジのような １対の折曲げ可能な結合片10, 10により片開き可能に伏せ皿状の天蓋６を一体に 設けたキャップ状の形状のものである。

【００１１】 前記注ぎ出し口用周壁３外囲の頂壁２上面からは、天蓋６が閉蓋されたときに 外嵌係合する背の低い外部周壁11が立設され、この外部周壁11と注ぎ出し口用周 壁３間の上向き周溝を垂れ液の液溜り部12とし、また天蓋６裏面に、注ぎ出し口 用周壁３に内嵌する嵌栓13が垂設してある。14は天蓋６の操作用のつまみである 。

【００１２】 網状中栓８は、短筒状の筒体15の中間部に網体16を張り、筒体15上端から外向 きフランジ17を設けた形状のもので、筒体15上半部を凹陷周壁２ａ周縁の垂下周 壁外面に下方から押込み嵌合させて取付け、この取付けで網体16を凹陷周壁２ａ 下面に、また外向きフランジ17を頂壁２周縁部下面に添わせている。外向きフラ ンジ17は、口栓を壜口部に装着したとき頂壁２により壜口頂面に圧接されてパッ キングの役目を兼ね、このとき外向きフランジ17上面の一部断面が三角形のリン グ状の突起18が頂壁２裏面に喰い込んで壜内を外部に対し液密化する。なお、筒 体15下半部は壜口部に液密に内嵌する。19はこの中栓８の抜け落ちを防止する突 条である。この網状中栓８は合成樹脂で成形製作するのがよい。

【００１３】 この実施例によれば、プルリング４により破断帯５を破断して開封したのち、 開封口には網状中栓８の網体16が在るので、この網体16により注ぎ出し液量を抑 制することができ、従って開封直後で壜内液が満量時であっても液が溢出するの が防止できる。

【００１４】 上記実施例で、天蓋６は３点支持形で代表される弾性反転形とすることもでき る。また網状中栓８の網体16の網目の形状、大きさは、注ぎ出し液量を抑制しす ぎないよう適当に定める。

【００１５】

【考案の効果】

上記したように本考案の合成樹脂製口栓では、口栓本体７の破断帯５を形成す る凹陷頂壁２ａ下面部に網状中栓８を装着し、破断帯５破断後の開封口に網状中 栓８を存在させるようにしたので、この中栓８により壜からの注ぎ出し液量を抑 制することができ、従って開封直後の壜内液が満量のときは勿論、満量でなくと も注ぎ出しに特別の注意を払わずとも液の溢出を抑えることができ、液の出しす ぎや外にこぼしたりするのを防止することができる。

【００１６】 また網状中栓８は小品なので低コストで提供することができ、また場合によっ ては既製の口栓にも適用することができる利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の縦断面図である。

【図２】同実施例の分解斜視図である。

【図３】同実施例の破断開封後の縦断面図である。

【図４】従来の合成樹脂製口栓の一例を説明する要部破
断の正面図である。

【符号の説明】

４ プルリング ５ 破断帯 ６ 天蓋 ７ 口栓本体 ８ 網状中栓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 周縁から取付け周壁１を垂設した頂壁２
   上面から注ぎ出し口用周壁３を立設し、この周壁３内側
   の頂壁中央部を凹陷し、この凹陷頂壁２ａに、プルリン
   グ４を起立した破断帯５を形成し、かつ後部側頂部に片
   開き可能な天蓋６を一体に結合したキャップ状の口栓本
   体７の前記凹陷頂壁２ａ下面部に網状中栓８を装着した
   合成樹脂製口栓。