JP4140678B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、壜体の口筒に組付けられ、内容液の注出口を開設したキャップ本体に、このキャップ本体を開閉する蓋体をヒンジ結合して構成したヒンジキャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ドレッシングやめんつゆ等の内容液を収納する壜体の口筒に密に組付けられるこの種のヒンジキャップは、通常、内容液の注出口を形成する注出筒、または注出口を開設する頂壁の上面周端部に嵌合筒をキャップ本体に立設し、このキャップ本体にヒンジ結合した蓋体の頂壁内面に、キャップ本体の注出筒または嵌合筒に嵌脱して注出口を開閉する直線円筒状の栓筒片を垂下設して構成されている。
【0003】
この種のヒンジキャップにあっては、内容液の種類によっては、内容液の注出に際し、蓋体を閉じた状態で壜体を振って内容液をよく撹拌してから注出する必要があるので、キャップ本体の注出筒または嵌合筒に対する栓筒片の密嵌入は、強固でかつ確実なものとすることが要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、蓋体の開閉動作が、ヒンジを回動軸とした回動動作であるので、直線円筒形状となった蓋体の栓筒片とキャップ本体側部分との間に強固なシール性を発揮させることが構造的に難しく、このため強固なシール性を発揮できるようにすると、蓋体の閉姿勢が不安定となり、反対に蓋体の閉姿勢が安定したものとすると、シール性に不満が生じる、と云う問題があった。
【0005】
また、蓋体を閉じた状態で壜体を振って内容液をよく撹拌してから注出する際に、蓋体に付着した内容液が垂れ落ちて、キャップおよび容器さらには周囲を汚す、と云う問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、キャップ本体側のシール機能部分と蓋体側のシール機能部分とを密嵌合し易くすると共に、開蓋姿勢で、蓋体に付着した内容液の垂れ落ちとなる流下移動を堰止めることを技術的課題とし、もって蓋体によるキャップ本体の強固で確実な密閉を得ると共に、蓋体からの液垂れのない、良好な使用状態を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
壜体口筒に密に組付き、注出口を開設する頂壁の上面周端部に、外周面にアンダーカット結合機能部分を有する短筒状の嵌合筒を立設し、この嵌合筒の上端に、斜め内上方に縮径しながら起立したテーパー筒片を設けたキャップ本体を有すること、
このキャップ本体の後端にヒンジにより一体結合し、閉蓋状態でキャップ本体の嵌合筒片に外嵌する周筒の内周面上端部に、斜め内下方に縮径しながら垂下し、閉蓋状態でキャップ本体のテーパー筒片に密嵌入する栓筒片を設けた有頂筒状の蓋体を有すること、
合成樹脂製の一体成形物であること、
にある。
【0008】
ヒンジキャップの閉姿勢状態では、蓋体の周筒がキャップ本体の嵌合筒に外嵌してアンダーカット結合することにより、ヒンジキャップの閉姿勢を保持し、キャップ本体のテーパー筒片に蓋体の栓筒片が密嵌入して、キャップ本体の密閉を達成保持している。
【0009】
蓋体の栓筒片は、下方に縮径したテーパー筒状であるので、キャップ本体のテーパー筒片に対して嵌入し易く、またテーパー筒片に嵌入すると、速やかにその外周面にテーパー筒片の開口縁を密接させることができるので、蓋体によるキャップ本体の密閉が強固に且つ確実に達成される。
【0010】
壜体を振って内容液を攪拌する等により、蓋体の頂板内面に内容液が付着した状態で、この蓋体を開放して、壜体を傾けて内容液を注出する際等により傾斜姿勢とすると、この傾斜に従って付着内容液は流下するが、この流下した付着内容液は、蓋体の栓筒片により堰止められ、垂れ落ちが防止される。
【0011】
この蓋体の栓筒片による付着内容液の垂れ落ち防止作用は、栓筒片の筒壁が斜め内下方に傾斜していることから、蓋体の開放角度が90度以下となるまで維持され、これにより開放姿勢にある蓋体からの液垂れは、略完全に防止される。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、キャップ本体のテーパー筒片と、蓋体の栓筒片の少なくとも一方を肉薄に構成した、ことを加えたものである。
【0013】
この請求項2記載の発明においては、キャップ本体のテーパー筒片に蓋体の栓筒片が嵌入して、両者が当接した際に、少なくとも一方が、肉薄で弾性変形しての密接が達成し易いものとなっているので、テーパー筒片と栓筒片とが確実に密接して高いシール性を発揮し、特に、開口端縁を栓筒片の外周面の当接させるテーパー筒片を肉薄に構成すると、その開口端縁が弾性変形し易くなるので、強固で安定したシール性を確実に得ることができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、蓋体の頂板の内面を、周端方向に下降傾斜した傾斜内面とした、ことを加えたものである。
【0015】
この請求項3記載の発明においては、蓋体の閉姿勢では、蓋体の頂板の内面である傾斜内面に付着した内容液は、この傾斜内面の傾斜に従って周端側に位置する栓筒片まで速やかに流下し、この栓筒片からテーパー筒片内、すなわち壜体内に滴下するので、内容液が蓋体に付着残存することがない。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、キャップ本体の頂壁の嵌合筒の内側に、有底筒状の注出筒片を立設し、この注出筒片の底壁に、閉ループ状に肉薄な破断溝を設けることにより抜栓部を区画形成し、この抜栓部の上面の一端から立設した連結片の上端部にプルリングを一体連設した、ことを加えたものである。
【0017】
この請求項4記載の発明においては、キャップ本体を抜栓部付きキャップ構造としたので、抜栓前、すなわち開封使用前の壜体の安定して高い密封性を得ることができ、また内容液を良好に注出するための注出筒片を設けたので、内容液の注出に不向きな構造のテーパー筒片を、内容液の注出に作用させずに済み、これにより内容液の注出が、安定して良好なものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
ヒンジキャップ1は、壜体口筒22に密に組付くキャップ本体2と、このキャップ本体2の後端にヒンジ21を介して連結された蓋体15とから構成されており、ポリプロピレン等の合成樹脂で一体に成形されている。
【0019】
キャップ本体2は、壜体口筒22に外嵌してアンダーカット結合する組付き筒3の上端に、蓋体15の周筒18が外嵌して軽くアンダーカット結合する嵌合筒13を立設した内鍔状の頂壁4を連設し、この頂壁4の内周端に注出筒片5を立設すると共に、頂壁4下面に、壜体口筒22に密嵌入するシール筒12を垂下設して構成されている。
【0020】
上端部をラッパ状に拡げた注出筒片5は、その後側部分が開放した有底筒状をしていて、この注出筒片5の下端を塞ぐ底壁6には、閉ループ状の破断溝9により抜栓部7が区画形成されており、この抜栓部7の上面後端に起立設された連結片11の上端部にプルリング10が連設されている。
【0021】
嵌合筒13の上端には、この嵌合筒13を延長した形態で、斜め内上方に縮径しながら起立する肉薄なテーパー筒片14が連設されており、このテーパー筒片14により蓋体15に対するキャップ本体2側のシール部を構成している。
【0022】
蓋体15は、外周面前端下端部に指掛け片20を突設した周筒18の上端に頂板16を連設して有頂筒状に構成され、周筒18の内周面上端部に、斜め内下方に縮径しながら垂下した栓筒片19が設けられており、この栓筒片19によりキャップ本体2に対する蓋体15側のシール部を構成している。
【0023】
また、頂板16の内面である傾斜内面17は、所望する周端部に向かって下降傾斜しているが、図示実施例の場合は、中央部を最も高位に位置させた球弧状曲面となっており、これによりこの傾斜内面17に付着した内容液は、蓋体15の閉状態では、この傾斜内面17の傾斜に従って、周端の栓筒片19に向かって流下する。
【0024】
図示実施例の場合、テーパー筒片14および栓筒片19の垂直方向に対する傾斜角度(鋭角側の角度)は、共に35度程度となっており、それゆえ蓋体15の開角度が55度以下となった状態時には、傾斜内面17に付着した内容液に対する栓筒片19の堰止め機能が消滅することになるが、蓋体15は、閉姿勢以外の開角度が55度以下の姿勢に止まることがないので、ここで液垂れが発生することはない。
【0025】
なを、キャップ本体2の抜栓部7の下面は、単純に一定方向に傾斜した傾斜下面8となっているので、この傾斜下面8に付着した内容液が速やかに流下して無くなり、これにより抜栓部7の破断除去時に、破断除去の衝撃により内容液の飛び散りが発生しないようにしている。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、閉姿勢時における蓋体の栓筒片の、キャップ本体のテーパー筒片に対する嵌入が確実に達成されると共に、この嵌入により、蓋体の栓筒片外周面に対する、キャップ本体のテーパー筒片の開口端縁の密接触を強固にかつ確実に達成し、これにより蓋体によるキャップ本体の密閉を確実にかつ強固にそして安定して達成することができる。
【0027】
また、蓋体の開姿勢では、蓋体に付着した内容液の流下を、栓筒片により確実に堰止めし、この付着内容液に対する栓筒片の堰止め作用は、蓋体の傾斜角度が90度以下となるまで確実に発揮されるので、蓋体の付着内容液の液垂れを確実に防止することができ、これにより衛生的で好ましい使用状態を得ることができる。
【0028】
請求項2記載の発明にあっては、キャップ本体のテーパー筒片と蓋体の栓筒片との密接触を確実に得ることができるので、蓋体によるキャップ本体の強固なシールを得ることができる。
【0029】
請求項3記載の発明にあっては、蓋体の頂板内面に付着した内容液を、壜体内に速やかに流下させることができるので、蓋体に内容液が多量に付着することがなく、これにより蓋体からの液垂れの発生を、略完全になくすことができる。
【0030】
請求項4記載の発明にあっては、抜栓前、すなわち開封使用前の壜体の安定して高い密封性を得ることができ、また内容液を良好に注出するための注出筒片を設けたので、内容液の注出に不向きな構造のテーパー筒片を、内容液の注出に作用させずに済み、これにより内容液の注出状態が不良となることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す、閉蓋状態の縦断面図。
【図2】図1に示した実施例の、蓋体の開閉動作の途中を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 ; ヒンジキャップ
2 ; キャップ本体
3 ; 組付き筒
4 ; 頂壁
5 ; 注出筒片
6 ; 底壁
7 ; 抜栓部
8 ; 傾斜下面
9 ; 破断溝
10; プルリング
11; 連結片
12; シール筒
13; 嵌合筒
14; テーパー筒片
15; 蓋体
16; 頂板
17; 傾斜内面
18; 周筒
19; 栓筒片
20; 指掛け片
21; ヒンジ
22; 壜体口筒
Claims (4)
- 壜体口筒(22)に密に組付き、注出口を開設する頂壁(4) の上面周端部に、外周面にアンダーカット結合機能部分を有する短筒状の嵌合筒(13)を立設し、該嵌合筒(13)の上端に、斜め内上方に縮径しながら起立したテーパー筒片(14)を設けたキャップ本体(2) と、該キャップ本体(2) の後端にヒンジ(21)により一体結合し、閉蓋状態で前記嵌合筒片(13)に外嵌する周筒(18)の内周面上端部に、斜め内下方に縮径しながら垂下し、閉蓋状態で前記テーパー筒片(14)に密嵌入する栓筒片(19)を設けた有頂筒状の蓋体(15)と、から成る合成樹脂製のヒンジキャップ。
- キャップ本体(2) のテーパー筒片(14)と、蓋体(15)の栓筒片(19)の少なくとも一方を肉薄に構成した請求項1記載のヒンジキャップ。
- 蓋体(15)の頂板(16)の内面を、周端方向に下降傾斜した傾斜内面(17)とした請求項1または2記載のヒンジキャップ。
- キャップ本体(2) の頂壁(4) の嵌合筒(13)の内側に、有底筒状の注出筒片(5) を立設し、該注出筒片(5) の底壁(6) に、閉ループ状に肉薄な破断溝(9) を設けることにより抜栓部(7) を区画形成し、該抜栓部(7) の上面の一端から立設した連結片(11)の上端部にプルリング(10)を一体連設した請求項1または2または3記載のヒンジキャップ。
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